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2014年4月6日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:3/20

国の違法性に「30回目の断罪」

副島圀義


三月二十日の大阪地裁判決。国の原爆症認定審査が違法・不当なものであるとの「三十回目の断罪」(原告団・弁護団の声明)となりました。

国に原爆症認定を却下された方々が相次いで裁判に訴えているなか、この日の判決は原告七人全員について原爆症と認めました(うち三人は裁判途中で国が再審査して認定)。

「原爆症集団訴訟」以来、国は全国の裁判所で三十回もの連敗を喫しました。とくに今回は、昨年末の「新審査方針」をも、被爆の実相からかけ離れた機械的なものと批判した点でマスコミも大きく報じました。

骨髄異形成症候群という重篤化する恐れが高い病気だが手術もできない高齢のTさんの場合。積極的な医療処置がとりにくいことをもって「要医療性に欠ける」と申請を却下されていましたが、判決は「経過観察だからといって『要医療性に欠ける』とは言えない。必要な治療判断ができるように備えることは医療にあたる」としました。被爆者医療に従事してきた医師の主張をしっかりうけとめたものでした。

被爆後の行動経過をめぐる記憶違いなどがあった原告についても「部分的な記憶違いや混乱があっても、全体としての原告の陳述の信頼性が失われるわけではない」と判断。重箱のスミをつつき揚げ足をとるような国側代理人の姿勢とは対照的なものでした。

裁判後の集会で原告のご子息が「(父は)よくここまで生きてこられたと思う。被爆者には時間がない。厚労省は被爆者がいなくなるのを待っているのではないか。報道陣も多くは被爆者の孫やひ孫の世代。どこまで知っているだろうか?二世として今後のたたかいをお手伝いしたい」と発言されたのが印象的でした。

国はお一人について控訴しました。一週間以上経過すれば爆心地近くの放射能も消えていると言いたいのでしょうが…。

(2014年4月6日付「兵庫民報」掲載)

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