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2014年3月23日日曜日

「あさぎ」三月詠草

姫路年金者組合

薄紙に針文字綴りし獄窓のスガ女を偲ぶ百四年目の忌
絞首台への歩を止めスガ女は「さようなら万歳」叫ぶ声透き通る
衣川有賀子

咲き初めしイヌノフグリの空色の小さき春を指先に載す
待ちおりし三寒四温春先の手紙や友にうきうき使う
藤原信子

節分の豆をつまみて夕暮の戸口に立てば月冴えわたる
昨夜積もる雪の固まり響きして屋根をすべりて土に突きさす
江藤雅江

節分の豆を六十仏壇に供えて我は七十三食む
雛人形明日は出さんと思いつつ結局出せずちらし寿司作る
常田洋子

リモコンのヘリコプターの写しだす原発被災の人住めぬ町
津波にて流されし船取り出せぬ放射能被害今もつづきて
田渕茂美




訂正】二月二十三日付掲載の「二月詠草」の一首に編集上の手違いで語句の欠落がありました。次のとおり訂正します。

寒行の法華太鼓を打ち叩き歩いても歩いても無明
衣川有賀子

(2014年3月23日付「兵庫民報」掲載)

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