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2014年3月23日日曜日

観感楽学

「陸海軍ニ賜リタル勅語」の用紙裏を日記にした復員青年がいた。毎日、陸軍予科士官学校で朗誦した詔勅集への訣別でもあり、物不足の反映でもあったろう。人生の苦悩を綴った青年はやがて教育学部に学びなおし教員となる。一九四八年の日記は、この人の子がブログで伝えている▼日記の故岩永恒之氏は五十歳で退職。八〇年代まで町議席空白であった日本共産党浜坂支部長を務めた。当時の苦労を今度は几帳面に市販ノートの日記に残している。苦労は実り、移住候補を立て浜坂町議会の議席を獲得した▼父の二つの日記を紹介した人は、現日本共産党鳥取県委員会書記長・国政選挙候補として奮闘する岩永尚之氏。同氏は浜坂町の小中高に通い、鳥取大学で民青・党に加わり、卒業まもなく党専従の道を選んだ。余談になるが新書記局長・山下よしき氏は鳥取大学民青班で岩永氏の後輩である▼日本共産党第二十六回大会は党勢倍加とともに「世代的継承」に力を注ぐことを決めた。軍国主義の悲惨を体験し、反戦の党を発見し、空白克服に苦闘した父。その子が父に敬意を払い、県党のたたかいの旗となっている。まさに世代的継承の真骨頂ではないか。(A)

(2014年3月23日付「兵庫民報」掲載)

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