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2014年3月23日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:3/14

原爆ケロイドの特性を解明

副島圀義

三月十四日の大阪地裁法廷は、被爆者医療の第一人者・郷地秀夫先生(東神戸診療所長)の証言。

「甲状腺機能低下症の発症原因は喫煙だ」とする国の主張に対しては、国が根拠とする論文が「疫学的分析の基本から間違っている」と批判。執筆者が所属していた隈病院の関係者とのやりとりまで明らかにして、完膚なきまでに打ち砕きました。

原爆ケロイドが、通常の火傷の場合と異なる特性をもつことについては――
・火傷そのものは主に熱線によるが、皮膚がなくなり、放射性物質が火傷部位に吸着。被曝による免疫力低下とあいまって治癒を困難にする。
・最近の研究によれば、原爆ケロイドに遺伝子異常が認められる。正常な皮膚組織まで進展増殖する繊維性病変は、通常火傷の瘢痕と原爆ケロイドを、本質的に区別する。
・火傷を負った当時の非衛生的環境とか栄養不足とかだけで原爆ケロイドをとらえてはならない。
・占領軍は原爆被害の研究を禁止した。今なお被曝とケロイドとの関係を否定しようとするのは、被爆者への、被爆の現実と真摯に向き合おうとしてきた医師・研究者への冒涜だ。
――等々々。

国側代理人が「仮に原告が爆心地に近づかなかったとしたら先生はどんな意見書を書かれるんでしょうか」と尋ねた場面では、傍聴席からも非難の声が上がり、裁判長もあえて制止しないほど、そのナンセンスぶりが際立っていました。

(三月六日も、新規提訴分の審理にあたり国側は従来出してきたのとほとんど同じ各種コピーを「証拠提出」。なげやりで不真面目な態度を露呈しました。)


(2014年3月23日付「兵庫民報」掲載)

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