Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2013年12月15日日曜日

秘密保護法撤廃を

国民の知る権利を侵害し、国民の運動を敵視する特定秘密保護法の成立に対し、兵庫県内でも参議院での採決の翌日から、各地で抗議し、撤廃を求める新たな行動が始まっています。日本共産党兵庫県委員会は松田隆彦書記長、平松順子常任委員が八日、神戸・ハーバーランドで宣伝を行いました。また、母親大会連絡会も「赤紙配り」の中で同法の危険性を訴えました。

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

秘密保護法撤廃を:三田駅ペデストリアンデッキで集会

冷たい風のなか60人が集まった

十二月八日、JR三田駅のペデストリアンデッキで、秘密保護法に反対する三田市民の会主催の抗議集会が開かれました。先月三十日に行われた抗議集会、デモ行進に続き二度目の集会となりました。

冷たい風も吹く中、急な呼びかけにもかかわらず約六十名もの参加があり、参加者によるリレートークの形で集会は進められました。

はじめに「憲法の原理・諸原則を破壊する違憲立法であり、撤廃を国民の力で実現していこう」と同会の盛田守代表が訴えました。

その後のリレートークで次々に「反対の声をあげるなら今でしょ」「これからのたたかいで撤廃に追い込むことが必要」「子どもたちの未来のために」などの声があがり、通行する人の中には足を止めて話を聞く人や、配られたビラを真剣に見ている姿がありました。

市民オンブズマンの方からは「国民には何も知らせない、何が秘密かわからないのは問題だ。十分に審議もされておらず、情報開示が一番大切なのに国民の知る権利を奪われてしまう」と秘密保護法に対する懸念の声が述べられました。

他の男性も「法案成立は悔しい、残念だ。いびつな選挙制度で多数を得た自民の暴挙で、こんなに頭に来ることはない。法案が本当に良いものであれば、こんなに急いで作る必要はないはず」と力強く発言し、参加者からは「そうだ!そうだ!」と声があがっていました。

最後は「三田で集会が開かれたことを誇りに、新たな決意で撤廃に向けてがんばりましょう」との発言のあと、参加者全員での「秘密保護法撤廃に向けて頑張るぞ!」の唱和で終わりました。

今後、会では五月の憲法記念日を焦点に、学習会や抗議集会、駅頭でのビラまきなどのとりくみを行っていく予定です。

長尾明憲=三田市議

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

秘密保護法撤廃を:兵庫革新懇が緊急抗議宣伝

訴える段野太一代表世話人

特定秘密保護法案が十二月六日、参議院で自民、公明の与党によって強行採決されたことに抗議し、平和・民主・革新の日本をめざす兵庫の会(兵庫革新懇)は、翌七日、神戸元町商店街東口で街頭での訴えを行いました。緊急に行ったこの抗議宣伝には兵庫革新懇の段野太一代表世話人、堤隆二事務局長と、駆けつけた日本共産党兵庫県委員会の松田隆彦書記長、金田峰生国会議員団兵庫事務所長が参加しました。

段野氏らは、「何が秘密かも明らかにしない極めて不完全で危険きわまりない法案を、国民にも十分説明せず多数の力で議決を押し切ることは許されない。民主主義と人権を蹂躙する憲法違反のこの法案を廃止に追い込もう」と呼びかけました。

神戸ルミナリエが始まり多数の人々が行き交う中、「おれも反対だ、暴挙は許せない」などと応える人など、多数の人が「秘密法護法強行採決に抗議」のビラを見ながら訴えに耳を傾けていました。

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

秘密保護法撤廃を:ビラの受け取り3倍、4倍(明石)

明石駅前での宣伝(横断幕の前がくすもと議員)

七日、明石駅前で秘密保護法案採決強行に対する抗議緊急行動を行いました。

ビラの受け取りは通常の三倍、四倍。「絶対許せない」「デモはやらないんですか一緒に歩きたいんですが」など怒りの声が多数寄せられました。
くすもと美紀=明石市議

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

県内14カ所で「赤紙配り」―母親連絡会

秘密保護法反対・憲法守れ特定秘密保護法が、盛り上がる「反対」の声を無視し、参議院でも強行採決された二日後、十二月八日、母親連絡会の全国連鎖行動がとりくまれました。

毎年とりくまれている「赤紙配り」は、真珠湾攻撃が行われたこの日、平和へ思いを新たに戦争反対を時々の情勢に合わせて訴えています。

三宮マルイ前

十二時から一時まで三宮マルイ前で、戦時中の召集令状「赤紙」のコピーを道行く人に配りながら、リレートークで次々と、特定秘密保護法の怖さや憲法違反の内容を話し、非核「神戸方式」の意義を語り、憲法九条を守ろうと呼びかけました。

「これが赤紙です」「召集令状のコピーです」と差し出されると、受け取ってすぐ紙面に目を通す人の姿が見られました。特定秘密保護法が成立した直後ということもあり、話に耳を傾けていく人も、例年より多くみられました。

途中で、神戸青年合唱団の面々が駆け付け、アコーディオン伴奏に合わせて、「たんぽぽ」「翼をください」など平和につながる歌を歌い、雰囲気を盛り上げました。

また、午前中に神戸市北区や須磨区で「赤紙配り」を済ませた人も駆けつけました。同時に訴えた憲法署名も十四筆集まり、三十名の参加者で六百五十枚の「赤紙」を配布しました。

兵庫県では、七日・八日の両日、県母親連絡会の呼びかけにこたえ、各地のターミナルを中心に十四カ所で「赤紙配り」が一斉にとりくまれました。各地域では九条の会や原水協、合唱団、新日本婦人の会、労働組合などの協力を得て、にぎやかに行われました。

JR西宮駅前
加古川


中村治子=兵庫県母親連絡会会長

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

県議会でねりき県議が一般質問

「行革」の一方で大型開発、原発固執の県政改めよ


十二月九日、兵庫県議会本会議でねりき恵子議員が一般質問を行い、冒頭に安倍自公政権による秘密保護法の強行採決を糾弾し、撤廃のため力をつくす決意を述べました。

県「第三次行革」(素案)による医療費助成・私学助成削減やめよ


ねりき議員は、「一体改革」による年金、介護、医療などの改悪撤回を求めるよう知事に迫るとともに、県が国の悪政から県民を守るどころか、「第三次行革」(素案)で福祉医療費助成などをさらに削り、老人医療で二万一千人が負担増に、ひとり親家庭で五万七千人も対象外としようとしていることを厳しく批判。

不要不急の大型開発推進で普通建設事業費が財政規模の似た府県の一・七倍にものぼっている実態にメスを入れず暮らしを削るばかりでは、さらに内需が冷え込み、財政再建も果たせないと指摘し、撤回を求めました。

高校無償化を廃止し補助を低所得者へ重点化する国の改悪にあわせた、県の私立高校の授業料軽減補助予算の削減計画の撤回を求めました。

パナソニック尼崎の撤退:雇用を守り、補助金全額返還を


ねりき議員は、県が八十億円もの補助を行ってきたパナソニック尼崎工場が完全に撤退する問題で、大企業誘致型の経済対策が破綻していることを知事も事実上認めていると指摘。二百数十人のプラズマ子会社のプロパー正社員が三月末で全員解雇される見通しであることについて、知事が本社に出向いて雇用継続を求めるよう迫るとともに、パナ社に補助金を全額返還させることや大企業への補助金廃止を求めました。

原発再稼働中止・原発ゼロへ転換を


ねりき議員は、除染の遅れで復興が進んでいない実態や、汚染水漏れの深刻な状況、困難をきわめる核燃料の取り出しなど福島県での調査を踏まえた現状を伝え、「それでも原発依存の立場に立つのか」と知事にただしました。また、琵琶湖の汚染についての滋賀県の独自予測結果を示し、再稼働中止を国と関西電力に要求せよと迫りました。

知事は、自公政権が原発をベース電源と位置づけた新方針を肯定する発言を行い、再稼働についても「安全なものから稼働を認めていくべき」と原発に固執する考えを示しました。

ねりき議員はほかに、宝塚市で開発計画から歴史的価値を持つ植物園を含む土地の貴重な景観や文化的財産を守るための県の支援や、認可保育所増設を基本にした公的保育の充実を求めました。


(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

第三次行財政構造改革推進方策(企画部会案)に関する申し入れ

二〇一三年十二月六日 日本共産党兵庫県会議員団

日本共産党県議団は十二月六日、「第三次行革」(素案)に関して知事に申し入れました。


今回兵庫県が発表した「第三次行財政構造改革推進方策(企画部会案)」は、国が消費税の増税や「社会保障制度改革推進法」をすすめ、「増税に加えて、社会保障の削減か」という国民の声が広がるなかで、県の福祉医療助成や私学への支援を削減する計画となっており、「住民の福祉の増進」の立場で、国の悪政から住民の命と健康を守る地方自治体の役割を投げ捨てるものである。四期目をスタートした井戸知事は、任期をはじめるにあたって「県民本位、生活重視」と強調したこととも矛盾する内容となっている。

今後、パブリックコメントや、市町からの意見、行革調査特別委員会などで、議論されることになるが、現時点において、日本共産党兵庫県会議員団として、以下のことを申し入れる。

一、これまでの不要不急の開発事業や震災復興に名をかりた大型公共事業により生じた収支不足を、県民と職員に押し付けるのでなく、不要不急の開発事業や大企業優遇政策を見直し、「県民生活向上」「福祉の増進」を図ることを中心にした内容に抜本的に改めること。

二、老人医療費助成、母子家庭等医療費助成の、負担増と対象者を削減する弱者狙い撃ちの計画を中止すること。

三、私立高校の経常費補助(四億円削減)と授業料軽減補助(一億七千万円削減)は、国際的な流れである「学費の実質無償化」に逆行するものであり、削減でなく、支援の抜本的な拡充をすすめること。

四、県職員の三割カットや非正規職員の二百人削減計画を中止し、「行革」独自の給与カットを回復すること。また、県民局の再編については、県民や市町からの意見を十分に踏まえ、県民サービスにともなう窓口が不便にならないように、慎重に検討すること。

五、県営住宅については、新築・建て替え戸数を増やす方針を持ち、UR借上住宅の返還方針を撤回し、家賃減免制度の改定による家賃値上げを行わないこと。

六、公共事業・投資経費については、類似府県よりも高い水準をあらため、高規格道路などを中心に事業の見直しを図り、防災や維持・管理に思い切って重点を置く方向に転換すること。その際、民間任せでなく、総合土木職や建築職などの専門職員を「行革」対象にせず、充実を図ること。

七、但馬空港の利活用の「検討委員会」は、空港の在り方そのものを問うことも視野に入れて、県民からの公募委員のメンバーを入れるなど、県民の目線で検討ができるようにすること。

八、地域整備事業の売却用未利用地(未造成)の「事業凍結」「環境林としての活用」については、各プロジェクトごとの収支を明らかにするなど、県民への情報公開を行った上で、今後の事業全体の縮小とあわせて検討すること。

九、企業立地補助金(新事業・雇用創出型産業集積促進補助)については、「行革」の対象になっていないが、パナソニック尼崎工場の全面撤退の教訓を踏まえ、制度を廃止し、中小企業や地域経済の振興に貢献できる新しい制度を検討すること。

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

新人議員紹介:上田伴子豊岡市議

保育士40年、その情熱を市政に



こんにちは、私は十月の豊岡市議会議員選挙で当選した新人議員です。四十年の保育士生活の中で子どもたちや保護者に関わって仕事をしてきた情熱を今度は市政へと注いでいきたいと思っています。

今、豊岡市は黒字決算、基金の積み立てがあるのに、「お金がない、お金がない」といって、市民税・固定資産税の超過課税をしたり、度重なる民間委託、正職員を減らして雇用の不安定な臨時職員に置き換えるということをすすめています。

特にすべての公立幼稚園・保育園を再編して幼稚園を廃止したり、認定こども園にしています。初めに「行革」のための計画ありきですすめられていき、多くの問題をうみだしています。例えば、人数の多い幼稚園、保育園を無理にくっつけて公立の認定こども園にしたのですが、職員のオーバーワーク、恒常的な保育士不足により、保育が綱渡りになるようなこともうまれています。

また、近隣の市町村では実施されている、中学校卒業までの通院医療費無料化は緊急な課題です。地域の子どもたちが安心して暮らせるように女性の目線でとりくんでいきたいと思います。

放課後児童クラブ(学童)や小中学校の冷暖房の問題、生活道路の問題など、課題は山積みですが、先輩議員や支部のみなさん、地域の人たち、いろいろな人たちにアドバイスをもらいながら、一歩一歩頑張っていきたいと思います。


(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

県内各党の政治資金:2012年度分

党費・個人募金・機関紙事業:県民に依拠した日本共産党

日本共産党は、草の根で国民・県民と結びつき、自前の組織と財政をつくり支える努力を続けています。

県選管がこのほど発表した、2012年分の県内各党の政治資金収支報告でも、党費と個人募金、赤旗新聞の事業収入など県民に依拠した日本共産党と、政党助成金や企業・団体献金、政治資金パーティーだのみの政党との違いがうきぼりになっています。

県内の政党は、9つ。その支部の総数は238。2012年は、総選挙もあり、政党全体の収入は、3年ぶりに増加しました。

党費収入があるのは、日本共産党、自民党、民主党の3党。その党費収入の総額は、約1億5955万円。うち日本共産党の党費収入は、約1億1158万円。県内政党の党費収入の69.9%です。日本共産党の党費は、中央・県・地区・支部の党組織全体を支えています。

個人からの募金は、県内政党の総額で6億4440万円です。うち日本共産党の個人募金は、3億474万円。これは、政党全体の個人寄附の半分近く(47%)をしめ、他党すべてが集めた個人募金総額のおよそ9割に相当します。日本共産党の場合、この募金が、総選挙で全選挙区でのたたかいを支え、黒字での党財政決算を実現しました。なお、公明党は、前年比で個人募金が半減しています。

機関紙活動にかかわる交付金と兵庫民報の収入、書籍のとりあつかいなどを含めると、日本共産党以外の他のすべての政党の企業団体献金の総額(約2億6235万円)に匹敵します。

政党の政治資金パーテイーの収入(事業収入に含まれる。日本共産党はゼロ)は、6件で約9926万円。このうち収入が1千万円以上の特定パーテイーは、2件約7871万円。支出はそれぞれ、4112万円、2771万円にとどまることから、政治資金パーティーが、日本共産党以外の政党にとって、大きな集金源となっていることが分かります。

政党助成金だのみ政党とは違いくっきり

日本共産党は、受け取りを拒否していますが、政党助成金は、前年の2倍以上、5政党で約6億2100万円にのぼります。収入に占める政党助成金の割合は、新党日本が93%、みんなの党が90%、民主党70%と収入の過半数を占める「国営政党」ぶりとなっています。このほか、自民党29%、社民党19%となっています。

なお、別の新聞報道では、民主・梶原康弘・前衆院議員への政党助成金が、2012年の約1100万円から2013年はゼロになったため、秘書削減・事務所閉鎖などに陥っているとの報道もあります。また、最近、みんなの党の分裂と新党づくりが伝えられていますが、毎年のように年末、「新党騒ぎ」がおきるのも、政党助成金めあてだからです。政党助成金だのみの活動が、政党本来の活動を壊しているといえるのではないでしょうか。反面、総選挙と参院選で議席増となった自民党は、2013年に助成金収入が増えるとみられます。

日本共産党兵庫県委員会は、「党費、個人寄付、事業収入という県民に依拠した財政活動は、つねに国民、県民の立場にたった活動をつらくことができる保障です。同時に、党財政の強化・発展への活動は、まだ努力の途上です。党員・読者を増やし、党の自力をつよめることで国民の期待にこたえる党へとさらに前進し、党機関にとっても焦眉の課題である財政健全化へ、系統的に努力を尽くしたい」と述べています。


(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県弁護士会が「憲法改正」討論集会

討論する山田議員(中)と伊藤弁護士(右)
(左はコーディネーターの松山秀樹弁護士)

兵庫県弁護士会は七日、兵庫県民会館で憲法市民集会「徹底討論!『憲法改正』」を開催。山田賢司衆院議員(自民党)と伊藤真弁護士(日弁連憲法委員会副委員長)が自民党の憲法改正草案の是非について討論しました。

*

討論に先立って両氏がそれぞれの見解を発表。

山田議員:武力保持の必要性を主張


山田氏は今日述べることは個人的見解だとことわったうえで、自民党憲法改正草案について説明。北朝鮮による邦人拉致や、尖閣諸島の問題をあげ、日本国民の生命、自由、国土を守るために九条を改正が必要だと主張しました。

また、国は国民と対立するものではなく、国民の共同体を守る原則だとの憲法観を述べ、現憲法は占領下で変えられたものであり、自主憲法制定は自民党の原点だと紹介しました。

伊藤弁護士:立憲主義を破壊、戦争できる国にと批判


伊藤氏は、日本国憲法により、国家・天皇を大切にすることから、国民一人ひとりを大切にすることへ価値観の転換が行われたこと、立憲主義は民主主義社会での多数派による権力行使にも歯止めをかける意味も持ち、時として誤ることがある政治から人権を守ることを目的とするものであると説明。自民党草案は①立憲主義の破壊②国民主権の後退③基本的人権保障の形骸化④「戦争ができる国」へ―という問題点を持つと指摘しました。

討論では、憲法のありかた、九条改憲、人権保障について議論をたたかわせました。

改正発議要件緩和について山田氏が現行では国会議員の三分の一に「拒否権」があり厳しすぎると主張したのに対し、伊藤氏は自民党草案にいう過半数では強行採決のおそれもあり、改正がほんとうに国民世論ならば、選挙で三分の二以上の議員を国会に送れると指摘しました。

九条について山田氏は、現実に領土拡張を狙っている国が隣りにあり、武力というカードがあるからこそ外交交渉もできる、またフィリピンなど災害救助に自衛隊派遣が歓迎されていると述べ、国防軍の必要性を主張。伊藤氏は、九条二項を削除して交戦権を認めてしまえば、「自衛」の名の下に戦争が可能になる、軍隊は国民を守るためのものではなく、国家目的・国体を守るものであるというのが世界標準だと指摘。武力を背景にすることは世界の流れに逆行すると批判しました。

伊藤氏はまとめの発言でも、「戦争をしない」ということを共通の目的に近隣諸国との平和的関係をつくりあげる努力こそが必要だと強調しました。

*

この集会では九〇年代以降の憲法改正の動きと兵庫県弁護士会の活動も報告されました。国民主権・平和主義・人権尊重の憲法三原則を守らなければ弁護士の使命を果たすことができないとの立場から「日本国憲法の基本理念を堅持する宣言」(〇五年)、「憲法九十六条の憲法改正発議要件緩和に反対する意見書」「特定秘密保護法案に反対する会長声明」(一三年)などを発表してきたことなどが紹介されました。


(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

神戸・市民要求を実現する会第3回総会

子どもの医療費無料化、待機児解消…要求前進へ運動ひろげよう



神戸・市民要求を実現する会は三日、第三回総会を神戸市中央区の婦人会館で開き、新市長に提出する二百項目にのぼる要望書の提出と対市交渉、市政学習と交流などの運動方針、三団体の新規加盟などを確認しました。

兵庫労連議長の津川知久さんが開会あいさつ。「先の市長選挙では、根本的な市政転換をかちとることは、できなかったが、いくつかの重要な市民要求を認めさせることができた。新年度予算でしっかりと実現させていこう」と訴えました。

日本共産党の森本真市議が、新市政の動向を報告しました。森本市議は、久元喜造・新市長が施政方針で三宮再開発など「未来創造都市」をかかげていることを紹介。同時に、「こども医療費を速やかにゼロに」「神戸電鉄に新たな運賃値下げのための支援策を実施」など、市民要求を一定、反映した選挙公約もかかげざるをえなかったこと、商店街・市場担当部長の新設などの動きも報告しました。新年度予算編成にあたり百億円の「財源余剰額」を市当局が見込んでいることも紹介しました。

参加者からは「九万筆の署名を提出し、中学校給食は自校方式で実施せよ。お金はある」「土建組合などにも声をかけて住宅店舗リフォーム助成をぜひ実現したい」「選挙中に市長が公約したブラック企業対策の実施をもとめたい」などの発言が相次ぎました。

閉会あいさつにたった代表委員の武村義人さんは、社会保障切り捨ての国のプログラム法、福祉医療削減の県「行革」にもふれて、「防波堤としての地方自治体の役割は、ますます重要。市民の利益まもる団体として団結してがんばろう」と呼びかけました。

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

尼崎アスベスト裁判:被害者家族が法廷で訴え

「夫がなぜこのような死に方をしなければならなかったのか」


裁判終了後の報告集会で報告する原告団・弁護団

「尼崎アスベスト裁判」の原告本人尋問が十二月四日、神戸地方裁判所で行われました。この裁判は、クボタの工場内において、下請け業者で働きアスベストを吸い込み発症、亡くなった被害者の家族が起こしたものです。

まず原告の藤原ノリエさんが証人席に立ちました。藤原さんは、夫が毎週末、洗濯のために持ち帰る作業着やマスクに灰色の埃がたくさんついて汚れていたこと。そのマスクは市販されているような普通のガーゼマスクだったことなどについて述べました。また、夫が肺がんを発症、亡くなるまでの凄惨な闘病生活や家族の苦労などについて語り、「主人は五十六歳という若さで、石綿のために苦しみながら死ななければならなかったのはなぜなのか」「公正な判断を」と裁判所に求めました。

さらにもう一人の原告山本美智子さんは、一家の大黒柱で体格もよく元気だった夫、故・山本隆彦さんが突然発症。亡くなる間際まで「死にたくない。死なれへん」と言いながら、発症からわずか四カ月たらずで命を落としたことを語りました。四カ月の毎日が生き地獄のような日々であったことにも触れ「夫がなぜこのような死に方をしなければならなかったのか、知ることが私の務めだ」と述べました。

つらい体験と思いを、言葉を詰まらせ、涙ながら語る原告の尋問を六十名を超える傍聴者が見守りました。

次回裁判は三月二十六日に行われます。この日結審となり、後日判決が出されます。
(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党文化後援会作品展

たたかいのなかでこそ文化の創造と鑑賞を



日本共産党兵庫県文化後援会は第五回「作品展」を十二月四日から九日まで高速神戸の地下街・ギャラリーメトロで開催。絵画、書、色紙、写真などの作品が出展されました。

「平和な暮らし豊かな文化」をめざし活動している文化後援会のこの作品展には兵庫県平和美術協会の西澤愼会長や元参院議員の安武ひろ子さんら十五人から三十七点の作品が出展され、地の利を得て、改札を出た人びとが次つぎと鑑賞に訪れていました。

作品の前では、この絵はどのようにして描いたのか、この写真はどこで撮ったのか、などの対話もはずみ、特定秘密保護法を糾弾した色紙の前では怒りに満ちた討論が期せずして起こるなど、和やかな会場の中でも文化後援会らしい雰囲気が漂っていました。

来訪者からは「いろいろな作品が、それぞれ個性を自由に表現されていて、見ていてとても楽しい気持ちになりました」「全体に温かさのある柔らかい表現の作品が多く、なじみやすい。生活の一端に面白さの発見があり、人びとの繋がりが感じられる」などの感想が多数寄せられました。

文化後援会では「多忙なたたかいの中でこそ文化の創造と鑑賞が大切。その役割が少しでも果たされたのではないか」と成果を確認しています。
堤隆二=文化後援会事務局長

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

ひとコマまんが

こんな党に政治は任せられない

段 重喜

(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

原爆症認定申請の却下処分の取り消し訴訟を起こしている被爆者らが全国原告団を結成した。兵庫県などの原告・元原告百八人による「ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団」は兵庫県の原告が副会長を務める▼原爆症認定裁判で国側の敗訴が相次ぎ、〇九年八月、麻生首相(当時)と交わした「確認書」は、「司法と行政の乖離」を解消する、「今後、訴訟の場で争う必要のないよう」解決することを約束した▼しかし、その後も却下処分が相次ぎ、全国七地裁に百十人が提訴する状況が生れている。認定制度見直しを議論してきた厚生労働省の検討会の報告書は、日本被団協が「現状をより後退させる」「被爆者の願いと期待に背く内容」と抗議声明を出すひどいものだった▼被爆者切り捨て政策をごり押しする国の政策の転換のためにたたかう原告団を支えたい。兵庫県の原爆症裁判支援ネットが援助した認定申請は二百五十人。約二十人が却下取消しの裁判を闘っている。原告が亡くなって遺族が継承した方、歩行も困難で出廷・陳述もままならない方もいる▼その被爆者支援の第四十四回餅つき大会が二十三日、妙法華院で行われる。(K)

☆第44回被爆者援護・連帯もちつき大会/12月23日(月・祝)9時すぎ~17時すぎ、妙法華院/主催:兵庫県原水協、神戸市各区原水協、神戸宗教者平和協議会/被爆者お見舞い募金にもご協力を(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)