Web版の発行はしばらく休止します

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2013年12月1日日曜日

TPPから直ちに撤退を:グリーンウエーブ実行委員会がシンポ


全農兵庫労組、みのり農協労組、兵庫労連、兵庫農民連、兵庫保育運動連絡会、新婦人県本部、ネッスル日本労組兵庫支部、兵庫食健連でつくる「兵庫県グリーンウエーブ実行委員会」が十一月二十四日、神戸市中央区のたちばな職員研修センターでシンポジウム「TPP このまま進めて大丈夫?」を兵商連、兵庫県保険医協会の後援も受け、開きました。

特別講演で鈴木宣弘・東大大学院教授は、人々の命、健康、暮らしを犠牲にしても短期的なもうけを優先する一握りの企業の利益に結びついた一部の政治家、官僚、マスコミ、研究者が国民大多数を欺いてTPP、それと表裏一体の規制緩和などを推進していると指摘し、「聖域は守る」「保険の自主性は守る」「食の安全基準は守る」「医療・薬価制度は守る」など安倍政権のウソをそれぞれ実態を暴露して批判しました。その上で、アジア主導の柔軟で互恵的な経済連携が世界の均衡ある発展につながると提起しました。

また、兵庫食県連の柳澤尚事務局長、兵庫労連の津川知久議長、兵商連の村上哲也副会長、兵庫県保険医協会の西山裕康副理事長が、農業、雇用、中小業者と地域経済、医療についてそれぞれTPPの問題点を批判しました。

最後に実行委員会から「TPPから、ただちに撤退を」の声をさらに大きく広げてようと呼びかけられました。


(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

私も反対! 秘密保護法案(2)

私たちの暮らしに重大な影響

弁護士 松山秀樹

情報隠蔽と国民監視の特定秘密法案


特定秘密保護法案は、民主主義の根幹を堀り崩し、私たちの暮らしに重大な影響を及ぼす、まさに情報隠蔽と国民監視のための法案です。

民主主義社会では、政府が保有する情報は国民に帰属し、情報公開が大原則であり、国民の知る権利、取材の自由、報道の自由が保障されて、はじめて国民が政府、行政機関など権力を監視し、その濫用をチェックすることができます。

しかし、特定秘密保護法案が成立すれば、情報は政府や行政機関に独占され、政府はどのような情報を国民に知らせるかによって情報操作を容易に行えることになります。

そして、陸上自衛隊情報保全隊がイラク派兵に反対する市民、マスコミ、議員などの動向を監視していたように、本来監視される対象である権力者が、国民を監視することを可能にし、しかもその監視の実態すら特定秘密として国民は知ることもできないということになります。

市民が行政を監視すること非常に困難に


法案が成立すれば、行政機関の長の判断で様々な情報を秘密とすることができます。

自衛隊の活動や基地への兵器の配備など平和に関する情報、原発事故の情報など国民の安全に関わる情報、TPP交渉など外交交渉に関する情報、公安警察などによる違法な市民監視活動に関する情報など、非常に広範な情報が秘密に指定され、私たち市民が行政を監視することが非常に困難となります。

しかも、秘密の指定について第三者機関による検証は行われませんから、市民に知られると不都合な情報を隠すために秘密の指定が濫用される危険性が極めて高いのです。これまでも核密約や沖縄返還に伴う密約など本来国民が知るべき情報の多くを政府は隠し続けてきました。

特定秘密保護法案が成立すれば、どのような情報が秘密として指定されたのかが分かりませんから、官僚が隠したいと考える情報はいくらでも秘密として指定することが可能となります。

秘密を扱う職員や家族を日常から監視


また、秘密を取り扱う適性があるかを調査する調査対象は、当該職員(公務員だけではなく民間企業や民間の研究機関職員も)だけではなくその家族も含まれ、調査事項には「テロリズムに関する事項」「飲酒の節度」、「信用状態その他の経済的な状況」などが含まれるので、職員や家族が所属している団体、交友関係など私生活、日常生活に関する素行が調査対象になってくると考えられます。

しかも、適性評価に一度合格しても、適性に疑いが生じた場合には、再調査されます。ということは、職員やその家族は、適性に疑いが生じる状態がないかどうかを常日頃から監視されることになります。

密告や謀略による弾圧のおそれも


秘密を取得しようと相談する段階から処罰対象(共謀罪)となりますので、行政を監視する市民、記者などが、原発事故について重大な情報が隠されているかも知れない、重要な情報だから何とか入手できないか、と相談しただけで「共謀」したとして警察から捜査対象とされる可能性があります。

そして、通常はこのような相談は密室で行われるでしょうから、「共謀」段階で捜査しようとすれば、捜査機関が、特定の市民、報道機関を常に監視して、場合によって電話や会話の盗聴、メール交信の取得などを行うことが必要となり、それを可能とするような法律の制定も今後検討されることになります。法案では、自首すれば刑を軽減、免除できるとありますから、それこそ密告や謀略による弾圧事件が起こります。

「廃案に」の声あげつづけよう


こんな法律は必要ありません。法案の危険な内容に気づいた多くの国民、マスコミ、各界各層、幅広い人々から反対の声が上がっています。廃案に向けて反対の声を上げ続けたいと思います。

(見出しは編集部)

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

紀淡海峡道路:復活の動き急浮上

自公政権のもとで、和歌山市と淡路島を結ぶ紀淡海峡道路の建設構想を復活する動きが活発化しています。

ことし九月二十一日には、兵庫・大阪・和歌山など関係府県で「関西・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会」を設立。紀淡海峡ルートや関西大環状道路、四国新幹線などの実現にむけて、協力して国に働きかけることなどを確認しました。

その一環として、十一月二十八日には、東京都内で「国土強靭化、成長戦略と関空・紀淡・四国高速交通インフラの整備」をテーマに「協議会設立記念シンポジウム」も計画しました。

全国の海峡を巨大橋やトンネルで結ぶ構想は、一九八七年の「第四次全国総合開発計画」に「海峡横断プロジェクト」の候補ルートが盛り込まれ、九八年に紀淡海峡道路など六つのルートが閣議決定されました。

紀淡海峡道路の建設にむけて一九九二年には、兵庫・大阪・和歌山の二十市町で「紀淡海峡連絡ルート実現期成同盟会」(現・紀淡海峡連絡道路実現期成同盟会)が発足。国への要望活動や広報活動などをおこなってきました。

ムダな公共事業の代表ともいうべき「海峡横断プロジェクト」にたいし、日本共産党は、国会や地方議会で計画の中止を要求。世論も高まり、計画は事実上、凍結になっていました。しかし、十年間に二百兆円を投資するという自民党の「国土強靭化」政策を背景に、自公政権のもとで、復活の動きが活発化しています。

関西広域連合でも、ことし六月臨時議会で、副連合長の仁坂吉伸・和歌山県知事が、紀淡海峡道路をつくれば、四国と関西がつながり、四国新幹線の実現など「一石五鳥」とのべ、「国に働きかけ、世論を盛り立てていきたい」などとのべています。


(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県中小業者決起大会


長期化する消費不況や消費税増税の閣議決定が、多くの県内産業にも影響を与えているなか、中小業者は見通しが立たず、いっそう不安定な経済情勢の下で経営努力を重ねています。十月に実施した民商会員の景況調査でも、「原材料の値上げに加えて得意先の減少」(印刷業)、「単価を下げるよう頼まれることもある」(電気工事)、「値段の安いものしか買わない」(和菓子店)など、経営の厳しさは増しています。

民商・兵商連は十一月二十日、地域社会の担い手として社会にも貢献している中小業者の役割を正当に評価し、事業の継続発展を保障する行政の責務を果たすよう、地域経済になくてはならない中小業者への支援策を自治体や関係各所に提案していこうと、「消費税大増税と社会保障解体を許すな! 県民のくらしと命を守ろう」をスローガンに中小業者決起大会を開きました。

当日は朝八時から県庁前で県民・県職員の皆さんに向けて、「地域経済循環で元気な兵庫に」と二十六人が宣伝行動。昼は神戸元町・大丸前で「増税表明しても絶対中止です」と消費税増税中止を訴え、八十人で宣伝・署名行動をしました。

県庁各部局などへの要請も


午後からは県庁の各部局、神戸財務事務所、信用金庫協会、県議会など十一カ所へ九十人が要請行動に参加しました。

県産業労働部長との話し合いでは、元請からの値引き強要など、下請け中小業者の実態については一定の理解を得られたものの、地域経済の活性化や小企業・家族経営への具体的な支援策は挙げられませんでした。

税務課では納税緩和措置の周知について、「県が担当しているのは自動車税・事業税などで、市町村への指導・監督の権利はない」としながらも、「県職員にも徹底する」「申請窓口をつくる」と回答がありました。また、弱い立場の業者ほど消費税が転嫁できない実態を訴えました。

県土整備部では、適正単価が守られておらず、社会保険料に加入できないことを訴え、「法定福利費に関しては六月から見積もりに計上するように指導している」との回答を得ました。住宅リフォーム助成制度については、「個人資産に税金は投入できない」と昨年と同様の回答でした。

地域金融室や県信用保証協会(十九日交渉)、日本政策金融公庫(十八日交渉)など金融問題でも、民商会員景況調査の結果を示し、円滑化法終了後の検査・監督の方針についての金融担当大臣談話を積極的に活用するよう訴えました。



午後三時半からの決起大会には百七十人が参加。「引き続き、兵庫県、各自治体に中小業者の声を反映させる運動を継続して行きましょう」「すべての民商が会員と読者の拡大を正面にすえ、知恵と力を総結集した運動を展開しましょう」との大会決議を拍手で採択し、ガンバロー三唱をして閉会しました。



(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

垂水区後援会がバス旅行

日本共産党垂水区後援会恒例のバスツァーが十一月十五日行われ、参加者七十七名で秋の一日を楽しみました。

酒造会社での見学

今年は「紀州道成寺と海南めぐり」。天気は予報が的中、午前雨、午後は晴れの一日でした。

往路車中では神陵台在住で県後援会長の森原健一氏の「紀国・紀州・和歌山ってどんなとこ」と題した紀州の歴史解説に聞きほれ、車窓に色づいた有田みかんを眺めながら午前の目的地、道成寺で住職の名調子による道成寺にまつわる「安珍と清姫の絵解き説法」を聞き、時には大笑い、苦笑いの連続でした。人間国宝、桂米朝の落語をたのしんだような思いでした。

有田川温泉での昼食交流の後、海南市では中野酒造で絞りたてのお酒をたしなみながら、見事な庭園を見学、黒潮市場で海の幸のショッピングを楽しみ、岐路につきました。

日ごろから党の躍進に頑張っておられる後援会員の親睦として毎年行っているバス旅行です。早くも「来年はどこへ行くの」との声もよせられています。

垂水区後援会は来春早々一月十八日に「新春のつどい」も計画しています。日本共産党の第二十六回党大会決議案も発表されました。

安倍政権は衆参両院での多数の力で一気に政治の反動的動きを強化しようとしています。現実政治の自共対決の政治情勢に打ち勝つためにも後援会員の親睦も深めながら、国民のくらしと平和を守り発展させるため、頑張ります。

花山澄雄=党垂水区後援会長)

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

西村欣治郎のたたかい(中)

治安維持法の犠牲となった関西学院生

田中隆夫

西村欣治郎
西村欣治郎の叔母が大阪守口町森小路で下宿屋を営んでいたが、そこに京都大学哲学科院生をへて専門学校講師であった梯(かけはし)明秀がいた。

マルクス主義を学び始めていた梯は、西村から活動と哲学の両面から影響を受け、京大二年先輩で、神戸商業、同志社女子専門学校講師の戸坂潤を紹介し、三人の活動と哲学の思想的交流が始まった。

一九二九年、西村は、関西学院哲学会会長となり、戸坂を「科学の歴史的社会的制約」と題した哲学会講演会講師として招聘する。

戸坂潤
関学後輩の草野昌彦は、戸坂潤講演に感動し、戸坂が東京の法政大学講師へ赴任した後を追い、法政へ入学する。「回想の戸坂潤」で、「戸坂先生に私を結びつけたのは、実はこの西村君だったのである。私は戸坂先生を思い出すたびに、西村君を思い出すのである」と書いた。

梯も戸坂も、西村と会った時は、科学的社会主義の立場ではなかった。草野は、一九二八~九年の西村との交流の時期に、その立場を鮮明にしたのだと明かしている。実践面でも二人は西村の要請で、党幹部の居住を提供し検挙される。

戸坂、梯の検挙後五カ月して、西村は東京で検挙され、一年三カ月後、獄死。一九三二年、戸坂が東京で唯物論研究会を開始した時には、世にいなかった。その年、法政で、戸坂から草野は西村への強い思いを聞いている。西村の哲学者としての意志は彼らに受け継がれた。

唯物論研究会は、唯物論研究に関心を持つ人の学術団体として公然と発足。社会科学、自然科学、哲学などの諸部門に分かれ、機関誌「唯物論研究」は当初四千部発行。会員二百五十名「唯物論全書」を毎月平均二冊計六十六冊発行。

日本の唯物論研究は事実上、唯研の創立から始まった。エンゲルス「自然の弁証法」(甲南高校出身の加藤正・加古祐二郎訳)、レーニン「唯物論と経験批判論」も一九二〇年代末に訳がでた。

「唯物論」という公然たる集団旗が日本思想史の一角に掲げられ、六年間その闘いは勇気ある力により押し進められた。戦争とファシズムの時代、唯物論の旗の下の「科学的精神」は、天皇制と侵略戦争との賛美を上から強制する文部省の神話的、神がかり的「教学精神」に正面から対決するものであった。

国家総動員法発令の年一九三八年十一月末、全国で唯物論研究会関係者が検挙された。戸坂はじめ百二十四名。兵庫では伊豆公夫、鳥井博郎、三木繁、石原辰郎、長井一男、赤松啓介らである。戸坂は、裁判闘争を獄中続けたが、長崎原爆投下の酷熱の日、長野刑務所で獄死。四十六歳であった。(つづく

(治安維持法犠牲者国賠同盟兵庫県本部幹事)

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

明石川(持子地区)堤防工事2年半の運動で「年度内完成」へ

「すすめる会」が慰労会と解散式



十一月十四日、参加者のどの顔も秋晴れのように澄み笑顔でした。「明石川(持子地区)堤防工事をすすめる会」の役員が集まり、慰労会と会の解散式をしました。中止されていた明石川護岸工事が十一月から再開されたからです。



二〇一一年の春、神戸市西区の持子地区の住民から「堤防工事が止まっているが、大雨のとき増水し越水が怖いので早く始めてほしいが自治会はやってくれないので、共産党で何とかならないか」との相談があり、詳しい事情を聴いたのが始まりでした。明石川右岸の玉津大橋(通称出合橋)から大明石橋のたもと寄り部分です。

さっそく、事業を管轄する県神戸土木事務所に事情をたずねました。「工事予定地に民有地があり、土地の官民の境界で話し合いがついていないので工事が中断している」「十六年前から話し合っているが境界が決まらないので計画が定まらない」とのことでした。



六月六日、地域の有志と、たまつ日本共産党後援会も参加し、「明石川(持子地区)堤防工事をすすめる会」を結成しました。

会は、県に対する工事促進要請署名を自治会に提案しましたが不採択になり、会独自に取り組みました。持子地区は、約八百四十世帯、千八百人の住民が住み、企業もあります。炎天下、一軒一軒署名に回り、街頭でも署名宣伝を行いました。

七月十五日、県知事あてに陳情署名千七百三十五筆を提出、地域住民の声を届けました。陳情の設定には、日本共産党の宮田しずのり県会議員が尽力しました。

また、現地調査、途中経過のニュース配布などの活動を展開してきました。



二年五カ月たったことし九月二十七日、宮田県議から「神戸土木事務所は、十一月着工、年度内完成を目指している。遅れても六月の雨水期までに完成させたいと言明した」「時間がかかったが、地元の皆さんの熱意で工事ができるようになった。皆さんによろしく」との連絡がありました。

会の調査で、十月五日に入札が終わり、工事業者が決定したことも確認。ニュースを作成し、全戸訪問して報告、「雨が降ると明石川の水位を見に行っていた。これから安心して眠れるわ」など喜びの声が返ってきました。

切実な要求、地元の人とたまつ後援会との二年半にわたる苦労が実った取り組みでした。

北尾勝吉=明石川(持子地区)堤防工事をすすめる会元代表)


(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

レッド・パージ再審申立書パンフ頒布中


兵庫県の三人が「生きているうちに名誉回復を」と起こしたレッド・パージ訴訟。最高裁の棄却に対し再審を申し立てました。その申立書を収録したパンフレット『生きているかぎり闘う 闘いつづけるために生きる』(「レッド・パージ反対懇談会ニュース(不屈版)」)を党兵庫県委員会で頒布中です。頒価=資料代四百円。

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

レッド・パージ訴訟報告集会に明神勲名誉教授

12月14日に開催


レッド・パージ国家賠償請求訴訟の報告集会が十二月十四日午後一時三十分から神戸市勤労会館で開かれます。

明神氏の著書
この集会では、「レッド・パージはGHQの指令・指示によるもので、憲法も日本政府の権限も及ばなかった」との定説を史料に基づいて検証、否定した明神勲北海道教育大学名誉教授が「レッド・パージを問うことの今日的意義」と題して講演します。「生きているうちに名誉回復を」と再審請求した原告を支える運動に弾みをつけます。

レッドパージ60周年集会(2010年)で挨拶する明神氏(左)と安原、川崎、大橋の3原告




レッド・パージ国家賠償請求訴訟報告集会/14日(土)13時30分、神戸市勤労会館405号・406号/講演「レッド・パージを問うことの今日的意義」明神勲=北海道教育大学名誉教授/資料代500円/☎078‐382‐0121(あじさい法律事務所)

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

日本平和大会:兵庫から14人が参加

日本平和大会のデモでの兵庫の参加者

十一月十五日から十七日まで、山口県岩国市で二〇一三年日本平和大会が開かれました。これにはフィリピンと韓国からの海外代表と全国から千二百名を超える参加があり、兵庫県から十四名が参加しました。

大会は、十五日開会総会、十六日シンポジウム、分科会、十七日は閉会総会、デモ行進が、それぞれ行われました。

今回の大会は、オスプレイ配備に伴う全国的な米軍機低空飛行中止を求めるたたかいや秘密保護法廃案をめざすたたかい、辺野古、高江の新基地建設反対たたかいなど全国の平和をめざすたたかいが結集され、交流を深め、さらなるたたかいの前進へ意思統一をはかることができた意義ある大会となり、当面、全国支援で来年一月の名護市長選挙勝利をめざすことが確認されました。

また、大会では稲嶺進沖縄名護市長、映画監督のオリバーストーン氏などのメッセージも紹介されました。

兵庫県代表団は開会総会の前に、米軍岩国基地を見渡せる高台に行き、ちょうど米軍機のタッチアンドゴーの訓練を見ることができ、十六日夜には交流会を開き、今後県下で平和運動をすすめていく決意を胸に帰神しました。

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

日中友好協会が北京・風雷京劇団神戸公演

「孫悟空対白骨妖怪」の一場面

日中平和友好条約締結三十五周年記念して「いまこそ民間の文化交流が大切」と日中友好協会兵庫県連が、「北京・風雷京劇団」訪日全国六カ所のうち一つ・神戸公演を十一月十九日、神戸文化ホールで開催。四百五十人が観賞しました。

中国地方劇のなから十八世紀末に誕生した京劇は、宮廷演劇として清朝期に隆盛を迎え、歴代皇帝特に「西太后」が京劇にかかわったことは有名。

来日した風雷劇団は米、英、露、日など海外含む年間公演五百回を超え、中国の伝統演劇界で最も多く、国内外の京劇フアンから注目されています。

「打焦贊」では豪傑の焦贊と可憐な少女楊排風との棍(武具)でのコミカルで豪快な立ち回りがみどころ。「秋江」では、現代劇風で、可愛らしい尼僧が恋人の男を追いかけたが川に阻まれ、老船頭に頼んで小舟で追いかける船中での掛け合い、船をあやつる老船頭が意地悪するのが面白い。

劇団員との交流会も

「孫悟空対白骨妖怪」は、劇団団長の松岩団長が演じる孫悟空と敵役の白骨妖怪グループのたたかいで、観客にもわかり易いストーリー。猪八戒のチャーミングなしぐさが観客の笑いを誘い、如意棒を見事に操る孫悟空の演技には度々拍手と掛け声がかかりました。

アンケートでは「動き細かくてリズミカル、衣装がきれい。孫悟空が特に良かった」「表現が豊かで言葉はわかりませんが字幕スーパーやパンフレットの説明で楽しく見せていただきました」「京劇にふれて隣の国中国について考える子どもになってほしい」「また見せていただきたい」など感想が寄せられました。

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

東日本支援チャリティー大うたう会&音楽の集い

15日 新長田ピフレホール


合同演奏の練習風景

「歌って東日本大震災被災地の子どもたちに支援を!」とチャリティー大うたう会&音楽のつどいが十二月十五日、神戸市長田区のピフレホールで開かれます。

うたごえの仲間、グリーンエコーうたごえ、神戸青年合唱団、国鉄大阪合唱団号笛、電通赤目の森合唱団、みんな元気か合唱団と新婦人県本部、通信労組兵庫支部、救援・復興県民会議、兵庫民医連、兵庫労連が呼びかけたもの。

兵庫県内への避難者にも案内するなどつながりをつくりながら準備をすすめています。

当日は福島労連労働センターの川村滋道事務局長から「福島からの報告」もあります。

第一部は会場の皆さんと大うたう会、第二部はマリンバ、ピアノ、合唱の演奏。「風よふるさとよ」「花は咲く」などを歌います。

収益(必要経費を除く)は被災地の子どもたちへの支援にあてられます。



東日本大震災復興支援チャリティー大うたう会&音楽の集い/15日(日)13時、新長田ピフレホール/うたう会、マリンバやピアノの演奏ほか。報告:川村滋道=福島県労働組合総連合労働センター事務局長/参加費1000円/☎&Fax 078‐341‐8901(神戸青年合唱団)

まるっと西日本(東日本大震災県外避難者西日本連絡会)支援ニュース掲載の記事


(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

十年ほど前、九州のある防災センターで、風速四十㍍毎秒がどんなものか体験したが、あまりの強風で、息が詰まり、身体が吹き飛ばされそうになったのを覚えている▼十一月八日にフィリピンの島々を直撃した台風30号は、なんと風速九十㍍毎秒。「自然に人間の常識は通用しない」とよく言われるが、とてつもない暴風は、「台風」という概念の範囲をこえ、風と高潮はレイテ島住民の命と財産に壊滅的な被害をもたらした。日本共産党や阪神・淡路大震災兵庫県民復興会議などは早速街頭にたち、救援、復旧に向けた支援活動を行っている▼レイテ島は、今でこそリゾート地として人気を博しているが、戦争体験者にとっては、多くの兵士の命が奪われた戦場を思い浮かべる。この周辺で命を落とした日本兵は八万人、うち五万人が食糧を断たれた餓死である▼諺に「苛政は虎より猛し」とあるとおり、苛政(悪政)がもたらす人災(戦争)は自然災害のそれをはるかにこえる▼ただ、悪政は国民が力を合わせてたたかえば食い止められる。東京での「STOP!『秘密保護法』大集会」には一万人が結集。世論をさらに高め、廃案に追い込もう。(D)

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)