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2013年11月17日日曜日

六甲山頂米軍基地撤去20周年記念集会

十一月十日、雨模様の六甲山頂で、実行委員会による「六甲山頂米軍基地撤去二十周年記念集会」が開催され、約五十人が参加しました。

市民のとりくみがとりもどした山頂

トランペット演奏で始まった集会は垣本聖日本民主青年同盟県常任委員の司会ですすめられました。神戸青年合唱団の歌声の後、西澤慎兵庫県平和委員会代表理事が基調報告をしました。

西澤氏は、クリスマス闘争などの継続したねばり強い市民的なとりくみと、革新市政の誕生が神戸港の米第七艦隊の基地を撤去させ、非核「神戸方式」を生み出し、守ってきたこと、さらに六甲山の米軍基地撤去のたたかいに連動してきたことなど、兵庫県の平和を守るたたかいの歴史とこれからの展望を語りました。

味口俊之神戸市議の来賓挨拶、芦屋原水協の平野貞夫芦屋市議、建交労兵庫県本部の津村訓孝書記長の決意表明が行われた他、米軍通信基地「Xバンドレーダー」建設反対の運動のとりくみを「米軍基地を憂う宇川有志の会」事務局長の永井友昭氏が、大阪港への米艦船入港反対のたたかいを大阪平和委員会の田口洋二理事長がそれぞれ報告し、安保廃棄・くらしと民主主義を守る沖縄県統一行動連絡会議、滋賀県あいば野平和運動連絡会からのメッセージが紹介されました。

最後に六甲山平和宣言・アピールが大森幹雄平和委員会事務局次長から提案され、多くの拍手で採択されました。

自衛隊通信基地

その後、山頂にまだ残され、強化されている自衛隊通信基地を〝人間のくさり〟で包囲し、「撤去を」とシュプレヒコールでアピールしました。

集会の時には雨も止んで、登山してきた人たちの注目を集めました。(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

原水協国連要請団に参加して

私たち若い世代の役割は大きい

前川 蛍

今年は、原水爆禁止世界大会、国連要請代表団と自分にとって忘れられない濃い年となった。世界大会で核兵器廃絶への思いが強くなったことをきっかけに、原水爆禁止日本協議会国連要請代表団の一員としてニューヨークへ行き、各国の核兵器廃絶への取り組みや思いを自分の肌で感じることができた。

今回の要請団の活動を通して、世界では核兵器廃絶へ向けて国単位で動いており、その動きには世論の声をはじめとする市民社会での活動が大きな役割を担っているということを改めて再確認することができた。


日本、ロシアを除く面会したすべての代表部が原水協のこれまでの核廃絶への活動に敬意を示し、称賛してくれた。原水協の核廃絶への署名や広島・長崎被爆実相の普及といったこれまで積み重ねてきた活動の賜物が今回も多くの各国代表との面会を可能にした。多くの代表部があたたかく私たち要請団を迎え入れてくれ、これからの運動に激励してくれた。

「国をあげて核兵器廃絶への運動や共同声明に署名したりしている国がこんなに多く存在するのか」と感じる一方で、日本政府のこれまでの態度は、被爆国日本の国民としてとても恥ずかしいものであるとつくづく感じた。

国連第一委員会で十月二十一日に発表された核兵器の不使用などを訴える共同声明にようやく日本政府も賛同したことは、世論の力でうまれた結果であり少しずつ日本も前進していることは感じられる。しかし、アメリカの「核の傘」に頼る安全保障政策は変わらない。世界で唯一の被爆国日本はアメリカの「核の傘」から完全に抜け出し、積極的に核兵器廃絶へのイニシアチブを発揮すべきであると強く思う。

「政府に圧力をかけるには市民社会での運動が大きな役割を果たす」と今回面会した多くの代表が話していた。私たちの闘いはこれからであり、特に私を含めた若い世代には大きな役割がある。

帰国した直後は自分の中でうまく消化しきれていなかったことが報告会や人に話すことによって少しずつ整理されていき、今ではニューヨークで経験したことが自分の中で大きなものとなっている。

わたしはこの要請団の一員として九日間活動できたことをほこりに思うし、とても貴重な経験ができたと感じている。

写真:アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表(右から5人目)に328万6166筆の「核兵器全面禁止のアピール」署名目録を手渡す前川さん(右から4人目)ら原水協国連要請団  ©日本原水協

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

福島に連帯する報告集会

日本共産党兵庫県委員会東日本大震災救援・復興闘争本部が十一月九日、兵庫県民会館で「なくせ原発! 急げ生活再建! 福島に連帯する報告集会」を開きました。

二日の「ふくしま大集会」に呼応して企画されたもの。冒頭、松田隆彦書記長が主催者挨拶を兼ねて汚染水処理等に関する党の緊急提言を紹介。そして阿部裕美子福島県議会議員が「福島の現状と課題」と題して講演しました。

講演する阿部裕美子福島県議

阿部議員は、冒頭、原発事故の強制避難で、まだ生きていることがわかっていながら津波被害者を助けられなかった悔しさ、避難途上で息を引き取っていった少なくない入院患者、「私は足手まといになるからお墓に避難します」と書き残して自ら命を絶った九十歳のお年寄りなど、被災・原発事故当時の痛苦の経験を想起しました。

現状について、▽帰宅可能の地域になっても家は荒れ果て、戻ることを断念する人が相次いでいること▽除染は進まず、汚染土の仮置き場も不足し、自宅の庭に埋めているところが少なくないこと▽外遊びができず体力が低下、甲状腺異常など子どもたちの健康被害が心配なこと―などをリアルに報告。

とりわけ賠償や避難地域など一方的線引きで「対立と分断」が作られ、コミュニティが引き裂かれていることがいちばん悔しいと訴え、「原発事故は収束しておらず、収束宣言をただちに撤回し、国の責任で対応することが本当に求められている」と指摘しました。

また、地元の人々から「日本共産党に躍進して欲しい」という声が起こり、県議選挙、参院選挙で日本共産党が躍進したことを紹介し、すでに「オール福島」の意思となっている、県内十の原発廃炉など、願い実現に力を尽くすと表明しました。

さらに阿部議員は会場からの質問に答える中で、日本共産党の論戦とあいまって、知事も議長も原発反対で一致し、参院選で当選した自民候補も県内原発廃炉を公約せざるを得なくなるなど、自民党が多数であっても、県民の世論と運動で政治は動かせると強調しました。

*

集会ではこれまでボランティアに参加した平島教子氏(女性バザー実行委員会)、垣本聖氏(青年ボランティア)、森本勝氏(何度もボランティアに参加、労働組合でも取り組み)、黒田みち氏(川西市議)の四人が活動と感想を報告、また、ねりき恵子県議も熱い連帯の挨拶を行いました。

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

県立塚口病院の充実と尼崎市及び阪神地域の医療を考える会が総会

県立塚口病院の充実と尼崎市及び阪神地域の医療を考える会(県塚の会)第六回総会が十一月九日、旧尼崎労働福祉会館で開かれ、市民三十人が参加しました。

議案を提案する徳田事務局長

主催者挨拶で宮田静則県議は、「県立尼崎病院・塚口病院を統合した新県立病院『尼崎総合医療センター』建設が、二〇一五年五月開院をめざしてすすめられている。五年前、県から行革で県立塚口病院廃止が提案され、存続の大きな運動が盛り上がり、新病院建設へとつながった。これは運動の大きな成果だ」と報告しました。

「会」事務局長の徳田稔尼崎市議は、「県塚の会は、二〇〇八年、県が塚口病院を廃止する計画を発表した際、八万人の署名を集めて計画を変更させたのをはじめ、新病院建設にあたって救急医療、小児・周産期医療、災害拠点病院の機能、路線バスの病院玄関前への乗り入れなど、県病院局へ要望、交渉を繰り返し実現してきた。これまでの運動の到達を知らせるビラ五万枚を作成し市民へ知らせている。県が、統合再編基本計画に基づいて尼崎病院、塚口病院の跡を医療機関・福祉施設へ活用する検討委員会を地元代表を入れて発足させると言うなど跡地問題も動き出した」と報告。「これまでの成果を確信にして、さらに取り組みを強めていこう」と訴えました。

参加者から「塚口病院周辺の住民からは病院跡地への医療機関誘致を期待している」「いま配布されているビラを見た人から、この運動に感動した、力になりたいと募金が寄せられた」と発言がありました。

県塚の会総会には日本共産党の松村ヤス子・松沢千鶴尼崎市議も参加しました。

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

あすわか兵庫支部始動

明日の自由を守る若手弁護士の会


自民党改憲案の危険性訴え「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、自民党の憲法改正案の内容とその怖さを広く知らせることを目的に若手弁護士の有志で結成され、会員は全国で二百六十名を超えています(十日現在)。ウェブサイトはhttp://www.asuno-jiyuu.com/ フェイスブックのアカウント名はasunojiyuu

その兵庫支部(略称「あすわか兵庫支部」)が十月二十五日に立ち上がり、さっそく活発な活動を展開しています。(以下facebookから管理者の承諾を得て転載)。
*

十一月六日の朝八時過ぎ、神戸駅北口で「あすわか兵庫支部」の街頭宣伝が行われました。

あすわかのリーフ「憲法が変わっちゃったらどうなるの?」と特定秘密保護法案に対する反対のチラシが記載されたティッシュを配布し、その間、吉江仁子弁護士(あいおい法律事務所)が挨拶、今西雄介弁護士(神戸合同法律事務所)が自民党改憲草案について、八木和也弁護士(中神戸法律事務所)が特定秘密保護法案の危険性についてスピーチを行いました(写真は今西弁護士)。

ティッシュは六百五十部ほどあったのですが、行き交う人たちが次々に受け取り、三十分ほどで全て配布し終わりました。中には立ち止まってスピーチを聴く方もいたようです。

今後、毎月一回はこのような街頭宣伝を行う予定とのことです。

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

NO NUKES 71st 2013-11-8


11月8日、71回目となる関電神戸支店前行動には、約60名が参加しました。この日の行動から、「もっと市民的にもアピールしよう」と毎週、三宮までパレードを行うことになりました。この日のパレード(写真)は、「関電、原発はよあきらめろ」「再稼働反対」の声に、振り返り手をふり声援する人もいるなど注目を集めました。関電前でおこなった思いの交流では、「原発関連のことも秘密にされるのでは」「原発反対と声をあげているこの行動も規制の対象になるのではないか」など特定秘密保護法案への不安や怒りもだされました。

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

消費税をなくす兵庫の会第24回総会

消費税をなくす兵庫の会は十一月九日、こうべまちづくり会館で第二十四回総会を開催。各地域の会などから三十三人が参加しました。

提案する溝渕事務局長

溝渕吉男事務局長が報告提案で、三十万人会員を目指し、来年四月からの「消費税8%増税中止」へ兵庫の会も総力をあげようと呼びかけました。

議案討議は十四人が発言。各地での街の反応の変化、会活動での悩みなどを報告・交流しました。

―参院選後、街頭宣伝での反応がよく、いつもより多く署名が集まる、尼崎、芦屋、須磨、垂水、明石、高砂では市民の側から歩み寄って署名する人が増えているなどの雰囲気の中、「業者婦人、年金者、新婦人など十三人で九月は百人の署名が集まった」(垂水)、「会長がこれ以上の増税させるなと役員同士に声をかけ合い九月は八人で七十八人の署名が寄せられた」(高砂各界連)、「九月から毎週金曜日夕方、JR明石駅前で、共産党となくす会で増税中止の宣伝を続け、反響を呼んでいる。国会議員への増税中止せよの抗議ハガキを百枚出し、さらに百枚追加する」(明石)などの取り組みが報告されました。

また、安倍首相の増税実施発言後、四月から増税が〝決まっているのでは〟の声に対して、〝実施は来年、社会保障が次々減らされ、増税されたら生活どうなりますか?〟と対話宣伝を強めていることも紹介されました。

総会には、日本共産党国会議員団兵庫事務所の金田峰生所長、他五団体からメッセージが寄せられました。

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

労働講座と過労死裁判支援する会

働くもののいのちと健康をまもる兵庫センター主催の「労働講座」と「Aさん過労死裁判を支援する会結成総会」が十一月九日、神戸市勤労会館で開催され、五十人が参加しました。

労働講座では、非正規雇用やワーキングプアーが増えた原因と、どう変えていくのかについての〝しあわせに働ける社会へ〟と、職場に蔓延するパワハラをなくすための〝ハラスメント対策と職場づくり〟の二講義が、稲葉健事務局次長から報告されました。

過労死裁判を支援する会・結成総会は、長時間労働と仕事のストレスによる心不全で、三十三歳の若さで亡くなったAさんの労災認定を求め、行政裁判に立ち上がった遺族のたたかいを支えていくために開催されました。

遺族のBさんは、不誠実な企業側の対応や、労働者を守るための機能を果たしていない労働行政への怒りを訴えました。代理人の藤原精吾弁護士は、事件の経過と背景について、過労死・労災認定の現状も含めて、詳しく報告しました。

幹事会を選出し、裁判勝利に向けて、署名集約・裁判傍聴・会員拡大等に取り組むことを、参加者全員で確認しあいました。

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

ZEROこねっと:原水協国連要請報告会

前川さん(右端)の報告を聞く青年たち

原発ゼロ!核兵器ゼロ!ZEROこねっとがニューヨークでおこなわれた日本原水協の国連への要請団に参加した前川蛍さんの報告会を十一月九日、神戸市内で行いました。

前川さんは、国連総会に参加している各国代表部との会談を中心にスライドで報告。マレーシアやキューバ、ブラジル、ニュージーランドなど原水協の訴えに共感をよせ、「みなさんの声をさらに各国に届けるようにしたい」(マレーシア)、「友人を迎えるようだ」(ブラジル)などの反応が寄せられたことを紹介。一方、日本代表部では、携帯電話を預けさせられ、賛同しようとしていた第一委員会の共同アピールについても、「外務省が発表するので、それを聞いてください」と事務的な返答に終始していたことを伝えると、参加者からため息がもれました。

参加した青年からは、「こんな歴史的なとりくみに身近な存在の青年が参加することで、自分もこの行動を身近に感じた」「代表団の方々の発言のなかで、市民の声、世論の力の重さについて再確認することができた」「日本にいるとなかなか知ることができない世界にひろがる核廃絶の流れを知ることができた」などの感想が寄せられました。

最後に核兵器廃絶、原発ゼロに向け主催者から、「核兵器の非人道性をさらに訴えるために、兵庫の被爆者の方の聞き取りプロジェクトをおこなう」「カンキン行動を、さらに若者が参加しやすい取り組みになるよう工夫する」などの行動提起が行われました。

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

ストップ消費税8%・原発ゼロ・TPP撤退丹波集会

丹波市革新懇は「ストップ消費税八%・原発ゼロ・TPP撤退 丹波集会」を十一月十日、柏原自治会館で開催。約五十名が参加しました。

トラックパレード

丹波市革新懇代表世話人の安達さんの開会挨拶に続いて特別報告として篠山市原子力災害対策委員の石田さんから大飯・高浜原発事故で丹波市や篠山市への放射能の拡散状況、篠山市の原子力災害の対策(ヨウ素剤配布)の報告がありました。

丹波氷上農民組合の芦田さんはTPP交渉について報告。TPPでは「重要五品目」の関税すらも危ういし、国内ではTPP参加を前提にした米の減反補助金の廃止や中山間地域の米作り農業をつぶしていく方針が作られようとしていると告発しました。

講演は、「消費税引き上げ中止をめざして」と題して津川兵庫労連議長が行いました。

津川氏は、輸出品には消費税がかからなく大企業は納税を一部逃れていること、大企業の減税の状況、消費税を国の基幹税の一つにしようとしていること、消費税19%まで上げる方向があることをあげ、低所得者、国民を苦しめる消費税引き上げを国民の共同でやめさせようと呼びかけました。

西本丹波地区委員長からは「特定秘密保護法案」反対へ緊急の訴えがありました。国民の知る権利を侵す、戦争準備の法案の成立を許してはならないと批判。「特定秘密保護法案」パンフが二十冊売れました。

集会後、宣伝カー二台、軽トラック十三台、計十五台で市内を一時間宣伝パレードしました。
(西脇秀隆=同革新懇・丹波市議)

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

三田革新懇・兵庫女性9条の会ほか美浜原発視察と小浜への旅

原発への怒り感じて


三田革新懇、兵庫女性九条の会、丹波の有志の総勢四十四名は十一月九日、美浜原子力PRセンターと小浜明通寺を訪ねました。

行きのバスの車中では元関西電力社員の速水二郎さんによる原発の学習会―原発は効率が悪く、発生したエネルギーの三分の一しか電力として利用されていないこと、残りは温排水として海に捨てられ海水温が上がることで海からのCO2発生が増える点でも原発は決してクリーンではないこと―など目いっぱい勉強しつつ向かいました。


美浜原子力PRセンターは美浜原発の橋の手前にあり、原発は厳重に警備されていて近づくことはできません。

センターの中の展示パネルをそれぞれ興味深く見ました。福島原発の事故はなぜ起きたのか、地震の影響は小さく想定外の津波による電源喪失によって事故が起きたと説明されていました。展示パネルの説明も「安全対策」「安全対策」と新たな安全対策神話を国民に押し付けようとしていると感じました。

若狭フィッシャーマンズワーフで昼食とお買いものを楽しんだ後、小浜明通寺を訪問。小浜での原発を断念させた運動の中心になってこられた中嶌哲演住職のお話を聞きました。


福島の事故後、唯一再稼働した大飯原発にふれ、大飯原発から十㌔㍍圏内になんと小浜市民75%、大飯町民14%が暮らしていること、再稼働にあたっても関電等関係者は小浜市を無視し続けていることを語られました。

若狭から原発反対運動を広く発信されている中嶌住職。静かな中にも人間として許せないものに対する怒りが伝わってくるお話でした。
(松岡信枝=三田革新懇事務局長)

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

日中ふれあい文化・芸術交流

「日中関係が厳しい今こそ、文化交流が大切」と、日中友好協会加古川支部は、日中平和条約締結三十五周年を記念し、「日中ふれあい文化・芸術交流会」を十一月六日と七日、加古川総合庁舎「かこむ」で開催、四行事で延べ二百人近くが参加しました。

書画家唐鳳寛作品はじめ共同協賛40点



黒竜江省在住の著名な中国書画家唐鳳寛氏の書と「画」の「竹」「蝦」などの有名作品十五点が展示。また十月、長田での「三国志祭」に来日した諸葛孔明の子孫第四十九代諸葛品余氏(書家)の作品はじめ地域の書画愛好家の方々より二十五点が展示され、参観者の目を引きました。

「どうする尖閣」でシンポジウム



六日夜は「日中問題をどのようにして、平和的に解決するか」のテーマで幹栄盛(鶴林寺長老)、和田進(神戸大学名誉教授)、渡辺武(日中本部副会長)の三氏のパネラーによるシンポジウムを開催。場内参加者からの質問にも丁寧に答えて討論が進められました。

幹栄盛氏は、仏教者の立場から日中の仏教交流の歴史にふれ、日中はともに、外交の基本をアジアに向けること、一人ひとりが外交官となり、人間と人間、民間の国民同士の付き合いが大事と語りました。

和田進氏は、憲法九条の核心部分にふれ、日本の侵略戦争の戦争責任の側面と、国家の武力行使否定と平和的諸「国民」を信頼して、という「世界の平和運動の先頭に立っている」点が大切であり、話し合いが重要だと指摘。「攻めて来たら」などの質問にも答えて、「領土問題が戦争の火種」の歴史に学んだ独仏など「政府と国民」の努力を紹介しました。

渡辺武氏は、中国の動きや現状と十月のツアー体験にもふれながら、「日中両国政府と国民の皆さんへのアピール」「平和的な話し合いを通じて尖閣問題の解決を」の十氏呼びかけを説明。このアピールにそって運動をどれだけ広げ、国民レベルで信頼関係を作るための努力をすすめるかにかかっていると、締めくくりました。

七日は昼休み時間帯に「日中ふれあいコンサート」を開催しました。二胡演奏、日本舞踊、在日中国人による独唱などを楽しみました。
(前田清=同支部)

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会「山河」第36号より

議員たりし議場に葬りし「秘密法」執念くもまた出し来るとは何
安武ひろ子

わが国の積極的平和とは憲法九条輸出しかない!
西澤 愼

新米のこしひかり積まるるスーパーにTPP議論の行方あやぶむ
古賀悦子

風の中名簿たよりにビラくばり負けてたまるか台風などに
山下 勇

たらちねの母の作りしワンピースミシンがけする姿の浮かぶ
塩谷凉子

孫たちの運動会の姿見て頑張る様に胸熱くする
鵜尾和代

ある日には席を譲られ狼狽し背筋を伸ばす落ち葉踏みつつ
山下洋美

格差社会日に日にその差は広がって孫は朝夕違う職場に
大中 肇

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「今なお苦痛を忍びつつ、原爆症認定を待つ方に、一日でも早く認定がおりるように最善を尽くします」―安倍首相は今年の広島、長崎の平和祈念式典で述べた▼原爆症認定の却下取消しを求めた裁判で国の敗訴が相次ぎ、司法判断と認定制度の乖離を埋める目的で検討会が設置された。病気の原因が原爆の放射線にあるという「放射線起因性」の扱いが焦点だ▼十三人の委員のうち被爆者代表が二人だけという著しく公正さに欠けた検討会は、原爆放射線の関係が明確にならない病気は切捨てる考えでまとめようとしている▼被爆から六十八年経ち、病気が原爆に起因するかどうか専門家でも明らかにできないのが現実だ。これまでの判決は、「放射線の被爆線量や人体に対する影響には未解明な分野が多い」として、国が内部被曝、残留放射線被曝を無視していることを厳しく断罪、誤りとした▼すべての被爆者が地獄を体験し、何らかの放射線被害を受けている。裁判に訴えなければ認定しないという非人道的な行為を、平均年齢七十八・八歳になり病に苦しむ被爆者に続けさせてはならない。安倍首相は直ちに被爆の実相に合致した認定制度を実行するべきだ。(K)

(2013年11月17日付「兵庫民報」掲載)