Web版の発行はしばらく休止します

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2013年10月20日日曜日

アンケートに次々切実な実態―全国青年大集会へ届けよう

ブラック企業にお仕置き&最低賃金1000円を


三宮でのアンケート活動

一千人の目標で取り組んでいるアンケートは、現在八十九人(十三日現在)から寄せられ、うち九通が返信用封筒で返信されています。

「30代後半に正社員の道はないのか?」


新三田駅前で配布されたアンケートに返信してきた三十六歳の派遣社員は、「非正規の割合が多く、人の入れ替わりも多い。十七万円の給料のうち二万円は交通費。正社員になりたくて、いくつかの企業に応募をしているけど、連絡が返ってくるのは、ネット上でブラックと言われる企業だけ。三十代後半に正社員の道はないのか?」と切実な声を寄せました。

自治体職場の派遣もたいへんな待遇


十三日に日本民主青年同盟が元町でおこなった宣伝では、ある自治体職場で派遣で働いている女性と対話になりました。「給料は、月十二万円。パワハラやセクハラが日常的で、うつ病の人が同じフロアーに五、六人もおり、休職、退職せざるを得ない人もいる。有給休暇も取得できない。有休休暇が取得でき、セクハラ・パワハラを取り締まってほしい」とこたえました。

メンバーが、「自治体もいま正規職員を減らし、非正規雇用を多用している。そのなかで、給料がおさえられ、劣悪な環境で働かされている人も多い。実態を教えてくれてありがとう。私たちも正社員が当たり前で、若者がまともに働き暮らせるようにしたいと思っています。十月二十日には全国集会もある。ぜひ考えてみてください」と呼びかけました。

アンケートへ回答から労働相談に


須磨区からは、地域の共産党の人からアンケートをもらったという二十八歳の女性が返信。五日のプレ企画に参加し、労働相談会になりました。

女性は「労働条件が切り下げられ、給料もカットされようとしている。生活も大変で困ると言うと『それなら辞められないんだから、どんな条件でものむんだな』と脅されるなど退職強要もある」と切実に訴え。

労働組合にも相談、そのまま労基署にも行き、対応を相談しました。女性は、「全国青年大集会2013に行って、同じように悩む全国の人たちと交流したい」と意欲的です。

「社会を変えよう」「興味あります」


十二日には、兵庫労連や兵庫青年ユニオン~波~、兵青協などの団体と共同宣伝を行い、十五人が参加しました。アンケート対話では、「ブラック企業はいやだと思って、そうじゃない企業だと思い、いまの自動車会社に入った。しかしはじめは地元神戸だったけど、二カ月で東京に出張し、何年東京になるか分からない。一日十六時間労働で、月十八万円。残業代もつかない」と大学新卒者。メンバーが「ブラック企業を根絶しようと、今度集会もある。アンケートを持って国会にも行く。社会を一緒に変えよう」とよびかけると、「興味あります」と応じました。

十月二十日、東京で行われる全国青年大集会2013には、兵庫から百人で行くことを目標にとりくんでいます。兵庫実行委員会は、さらにアンケートをひろげ、全国青年大集会2013成功に力を尽くそうと奮闘しています。





(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

希望あふれる元気な町へ:山田兼三氏が全力

佐用町長選挙の十月二十二日告示が迫りました。投票日は二十七日。

山田兼三氏

明るい佐用町をつくる会(→facebookpage)推薦の山田兼三氏(65)=無所属=と現職の庵逧典章町長との一騎打ちとなる見込みです。

町民の「いまのままでは佐用町はさびれてしまう」という不安の声にこたえる町政運営をどう行うのかが、今度の町長選挙の最大の争点です。

山田氏は、過疎と向き合い、元気な佐用町をめざし、▽思い切った若者定住対策、子育て世代の支援をと学校給食費無料化や定住促進手当の創設などを、▽高齢化が進む佐用町こそ、お年寄りが安心して暮らせる「福祉と健康の町づくりを」と、高齢者への給食配食サービスの回数増の実施、山間集落への移動販売車の充実などを―訴えています。福祉の町づくりとあわせた若者雇用の拡大をめざすとしています。

その実現のために、一人当たり残高で県内四十一市町の平均額の四倍もある基金を活用するなど財源も示しています。

二十五年間にわたり旧南光町長を務め、着実にまちづくりを進めてきた抜群の経験と実績が山田氏にあります。

町民の声をしっかり受けとめ、明るく希望あふれる元気な佐用町をめざし、こんどこそ佐用町長にと、山田兼三氏と明るい佐用町をつくる会は全力をあげています。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

被災者の命と営業守る立場にない神戸市

神戸市議会定例本会議が十月十一日に開かれ、日本共産党議員団から森本真議員が一般質問に立ち、借上災害公営住宅問題、新長田駅南再開発問題などについて、矢田立郎市長の政治姿勢をただしました。

借上住宅:神戸市長の意見で県も継続入居「85歳以上」に改悪


阪神・淡路大震災の被災者が生活する借上災害公営住宅。神戸市は、「二十年で全員退去」という方針を変え、「八十五歳以上」などの条件をつけて継続入居を認めるとしています。ところが、この条件がいっそう入居者を混乱させています。

さらに、兵庫県が、当初「八十歳以上」としていた継続条件を、神戸市からの意見で「八十五歳以上」に変更したことが明らかになっています。

森本議員は、希望者の全員継続入居が入居者の願いだ、と指摘したうえで「県に変更を求めたのは市長自身か」とただしました。

中村三郎副市長は、市長や中村副市長らが県に申し入れたことを認めました。

借上住宅:返還事由32%は死亡返還


借上災害公営住宅の入居世帯のこの間の住宅返還事由は、三百三十七世帯うち百十二世帯・三二%が死亡返還となっています。

森本議員は、市長がたびたび、「震災で亡くなられた方の思いを受け継ぎ、命を何よりも大切にする」と発言していることをあげ「こういう高齢者や障がい者等が住んでいる状況で、まだ転居を強要するのか」「市長は、市民の声を聞くと強調しているが、入居者の声を聞くよう求めても聞こうとしなかった。それが市長の言う市民参画か」と厳しく批判しました。

中村副市長は「借上住宅は緊急措置。二十年で原則返還というのが基本だ」「市長は多くの市民の声を聞いてきた。借上げ住宅入居者には、職員が意見を聞いている」などと答弁しました。

新長田再開発:被災者の資産の価値上げよ


さらに、森本議員は、市長が「神戸市政は新たなステージに入る」と言っているが、その前に解決しないといけない問題として、借上住宅では入居者の命を守る問題、新長田再開発では被災者の負債の問題があると指摘。

新長田再開発では「被災者の資産がいまでは負債になっている。三宮に来る企業に最大五年で四億五千万も補助するなら、新長田の資産価値を上げる努力をすべき。塗炭の苦しみを味わっている被災者・従前商店の人たちの営業、暮らしを守ることが市長の仕事ではないのか」と迫りました。

矢田市長一言の答弁もなし


答弁に立たない矢田市長に対し、森本議員は「市長が答弁すべき。答弁しないというということは借上住宅入居者の命を守る立場にない、新長田の商店の営業を守るという立場にないということを認めることになる」と、再三答弁を求めましたが、市長は最後まで答弁に立ちませんでした。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

青年たちが被爆者と語り合う

民青東神戸地区と神戸ふれあいチャリティ実行委員会



日本民主青年同盟東神戸地区委員会は、神戸ふれあいチャリティ実行委員会との共催で、神戸市原爆被害者の会が作成した被爆体験をまとめたDVDをみる企画を行いました。

青年十一人に、被害者の会から会長をはじめ四人の方が参加していただき、DVD視聴後、カレーをたべながらの懇談会を行いました。

「生きながらに地獄をみた」と話される体験に、「そんな経験を誰にも言えず過ごしてきた苦しさは想像ができない」と青年の感想。

被爆された方とのざっくばらんな懇談は、DVDには収まりきらないリアルな話で、「身近に被爆者の方がいることにびっくりしました」「原爆での被害というものの距離が近づいた」との感想も。

また、「東日本大震災を思うとき、原爆の被害者の姿が重なる。二度と同じ過ちを繰り返さない」との思いを青年たちは強くしました。(竹田雅洋)

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

多可町議選に辻誠一氏:11月17日投票

しっかり発言・しっかり提案/子どもの声が響きわたるまちへ


多可町議選(定数十四)は十一月十二日告示・十七日投票で行われます。

辻誠一氏
facebook
日本共産党からは現職の辻誠一氏(42)が再選をめざします。

辻氏は、子育て支援や高齢者福祉を中心に力を注ぎ、「子どもらの声が響く多可町」をめざし、「しっかり発言、しっかり提案」することに努めてきました。

住民の声をまっすぐ議会に届け、中学校卒業までの医療費(通院・入院)無料化、国保税据え置き、「医師確保対策補助金」創設で多可日赤病院の医師確保、住宅リフォーム助成、高校生奨学金制度、保育料軽減などを、町民と力を合わせて実現しています。

今回の選挙にあたっては、①若者が定住し安心して子育てできる町へ―若者世帯への家賃補助、ゼロ歳児保育料無料化②地域医療を守り安心してすごせる町へ―国保税・介護保険料軽減、障害者福祉・医療への補助、生活保護改悪反対③地域特性いかしたまちづくり―自治区尊重、再生可能エネルギー活用、雇用・産業促進、就農支援―などの政策を掲げ、再選への決意を新たにしています。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

尼崎アスベスト裁判が結審

公正な判決求め高裁あて署名に協力を


裁判直後の報告会で決意を述べる原告の山内康民さん。左は原告の保井祥子さん

九日、大阪高裁で尼崎アスベスト裁判が行われました。結審となるこの日、九十六の傍聴席を上回る傍聴者百名余りがつめかけました。

最初に原告の山内康民さんと保井祥子さんが陳述し、「クボタ・国の責任を矮小化することなく、被害者の救済につながる判決を」(山内さん)「あんなに苦しみ、痛がり、亡くなった母が、納得できるような公正で公平な判断を」(保井さん)と求めました。

そのあと、弁護団から最終弁論を行いました。

弁論では―

▽遅くとも一九七二(昭和四十七)年には、アスベストを使用する工場の近隣ばく露による健康被害がおきる危険について、少なくとも認識することができたこと

▽クボタ工場内で大量かつ長期に使用した石綿が工場からあふれ、周辺に大量に漂っていたこと

▽石綿の繊維は非常に微細であるため、空気の流れに巻き込まれて漂い、落下することは少なく、遥か数キロメートル先まで飛散していたことが予想されること

▽奈良医大衛生学・車谷教授による、クボタ周辺の中皮腫死亡者に関する調査でも、クボタの工場から千二百~千五百メートルの範囲に住んでいた女性の中皮腫死亡率は、全国平均の八・九倍にも上ること

―などを、気象学的・疫学的観点から明らかにし、国とクボタの責任を指摘しました。

判決は来年三月六日に出されることとなりました。

「アスベスト被害からいのちと健康をまもる尼崎の会」の粕川事務局長は「公正な判決を勝ち取るため、大阪高裁に提出する署名を十万筆目標で取り組んでいる。すでに七万筆集まっており、ぜひご協力をお願いしたい」と述べています。

お問い合わせは「アスベスト被害からいのちと健康をまもる尼崎の会」☎06-6489-2600まで。http://www.asbestos-ama.net/

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

行事案内欄への掲載を希望される方にお願い

★4面「行事案内」欄への掲載を希望される方は、同欄の書式に合わせた原稿をご提出ください

★できるだけ電子メールでのご出稿をお願いします(宛先は1面下)
添付文書ではなく、メール本文に原稿をお書きください

★チラシだけをいただいても原稿整理・入力作業に余裕がなく、ご希望にそいかねます

★紙面の都合で原稿を採用できないこともありますがご容赦ください。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県平和委員会基地調査レポート

オスプレイ訓練許すな、平和な兵庫へ引き続き監視が必要
後藤浩

兵庫県平和委員会の二十回目の基地調査が今年は九月十八~十九日の「米軍機低空飛行訓練状況調査」を皮切りに行われています。

九月十八日は初参加の三人を含む七名の調査団は例年とは違ってまず豊岡に向かいました。京都、鳥取、兵庫の三府県をまたいで救急医療で欠かせない「ドクターヘリ」の拠点である豊岡病院の管理部長との面談をするためです。

ドクターヘリ:「オスプレイ訓練について何も聞いていない」


豊岡病院のドクターヘリ発着場

ヘリは豊岡病院を中心として半径五十㌔㍍で運行されていますが但馬での米軍機低空飛行訓練ルート(ブラウンルート)と重なり沖縄から全国展開する計画が出されているオスプレイとも遭遇する危険性が危惧されていることを面談の中で話しました。

豊岡病院で管理部長(手前)と懇談
管理部長は―ドクターヘリは運行開始(二〇一〇年四月)から四千回・年間千二百回以上運航。医師の派遣には責任をもっているが、ドクターヘリは委託しており消防の管轄。米軍機やオスプレイの低空飛行については何も聞いてないし、心配もしていない―と話しました。

ドクターヘリの運行に責任を持っているのが関西広域連合。連合長は兵庫県知事である井戸敏三氏。病院へのきちんとした説明を果たす責任を問われてしかるべきです。

鉢伏高原・轟高原・多々良木ダム・生野ダム:年間通じて米軍機低空飛行


十八日は豊岡から鉢伏高原での調査を経てスカイビラさのうで宿泊。

轟高原で聞き取り

施設の管理者の話では「最近、米軍機は飛んでは来るものの年間に数回ほどでいつだったかはっきりしない」と話していました。翌日の十九日は轟高原、多々良木・生野の両ダムを訪問。同じ様子でした。

年間を通してはやはり米軍機は飛んでおり、十月十六日には滋賀県饗庭野でオスプレイを使っての日米合同演習があるだけに今後の監視活動が重要になってきています。

神戸港:潜水艦5隻建造・修理中


十月五日は神戸港調査。参加者五名で事前学習を一時間行って港めぐりの船に乗り川崎重工と三菱重工での自衛隊潜水艦の調査をしました。

三菱重工神戸造船所で建造中の海自潜水艦

当日は五隻の潜水艦が建造・修理中でした。非核「神戸方式」の平和の港を汚す光景でした。

ハーバーランド間近に自衛艦


左の暗青灰色のものが「ちよだ」
アンパンマンミュージアムのすぐ向かいに停泊

九月にはアンパンマンミュージアムのすぐ向かいに海自潜水艦救難母艦「ちよだ」が停泊していました。(この項の記事と写真は編集部)

「六甲山米軍基地撤去20周年記念集会」11月10日に


今年の基地調査は十一月十日の六甲山頂での「米軍基地撤去二十周年記念集会」が最後の行事です。

1992年まで六甲山頂を占拠していた米軍通信基地

六甲山頂米軍基地撤去20年記念集会/11月10日(日)11時、六甲山頂(最高峰)/交通手段と参加費①マイクロバス:8時45分、湊川神社前集合、2000円②マイクロバス:10時20分、六甲ケーブル山上駅集合、1500円③ハイキングなどで現地参加:500円/バス・現地参加ともに10月31日(木)までに事前申し込みが必要/☎078‐362‐0806、Fax 078‐371‐2427

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

学生党員合宿

日本共産党綱領と科学的社会主義を学んで誇り


日本共産党兵庫県委員会は九月に三日間の学生党員合宿を開催。中央委員会の谷本諭政策委員会委員・社会科学研究所幹事を講師に、日本共産党綱領と科学的社会主義の理論を講義六時間、討論五時間の計十一時間かけて学びました。

参加した学生は、入党数カ月~二年くらいが多く、綱領のまとまった話、とくに未来社会論などは初めて聞くという学生も多く、聞きなれない言葉にとまどいながらも学びとろうと質問もたくさん出し、一つ一つ認識を深めていきました。

参加者からは「戦犯が釈放され、政治を主導するなど、戦後はスタートから過ちを犯していた一方、戦前からたたかってきた日本共産党は日本だけでなく世界にも誇るべき党だと感じた」「つい最近まで革命について履き違えていたところから学習した経験があったので、今回学んだ革命の道筋がリンクしてすごく嬉しかった」などの感想がだされるなど、大いに確信を深めていました。

また、県委員会の堀内照文青年学生委員会責任者が、党創立九十一周年記念講演会の中心点をのべながら、開講後のとりくみについて問題提起しました。

「政治に興味がある人にはもっと深いところまで知ってほしいと思った。そんな人に自分の意見を言えるようになりたい」など、周りにひろげる意欲も交流されました。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

「渡されたバトン―さよなら原発」神戸上映11/28-29


「いのちの山河」につづく「日本の青空」シリーズ第三作「渡されたバトン―さよなら原発―」。全国で初めて住民投票で「原発建設NO!」を選択した新潟県巻町(現新潟市)が舞台です。投票率八八・三%。推進派も反対派もみんなで投票した住民投票がなぜ実現できたのか―事実に基づき、巻町民の住民投票に至るまでの紆余曲折、波乱に満ちた様々なドラマを、ある家族の視点を中心に描いています(→公式サイト)。

この映画が十一月、神戸で上映されます。

上映成功へ実行委員会の北川伸一兵庫労連事務局長の呼びかけと、今年六月、神戸医生協が行った上映会でこの映画を観た高木裕見子さんの感想を紹介します。


原発ゼロ・再稼働反対の思い国民多数と共有するために

上映協力のお願い―北川伸一

安倍首相は二〇二〇年夏季オリンピックの開催都市を決める最終プレゼンテーションで、懸念材料となっていた東京電力福島第一原発の汚染水漏れに対し「状況はコントロールされている。私たちはけっして東京にダメージを与えない」と説明しました。

これを聞き多くの国民は違和感を感じたと思います。そして、今なお過酷な状況に身を置く福島県民・原発事故被害者の皆さんの心中を思うと怒りを禁じ得なかったのではないでしょうか。

国民生活の安全や、世界に日本の安全をアピールする一番の対策は原発をなくすことであり、再稼働をやめることです。その思いを国民大多数と共有するためにも、この映画の普及・上映を進めることは、とても意義あるものです。

この映画は、すべての原発廃炉に向け訴えかけ、主人公は市民・住民であることを伝えています。神戸市長選挙と同じ日程で闘われる川崎市長選挙に立候補を決意されている「川崎民主市政をつくる会」の君嶋ちか子さんは、映画で描かれている新潟県巻町(当時)のたたかいの様子を「民主主義の学校」と評しています。

このすばらしい映画を一人でも多くの市民の皆さんに観ていただけるようご協力をよろしくお願いします。


「受け取ったバトン」

感想―高木裕見子

自主制作だったら内容も作者の自己満足で、きっと意味もわかりづらい。テーマも重いし何となく暗そう……という先入観を持ってこの映画を観ました。

でも、実際には見たことのある出演者や所々に組み込まれたユーモアでホームドラマのように楽しませてくれました。

住民が原発に賛成か反対かと移り変わる心の揺れ動きなども、偏りなく表現されていたので、それぞれの想いも「あぁなるほど。そういうことか」とすっと心に入ってきました。

また、劇中に出てくる放射能の拡散調査の方法や一人ひとりの想いを綴る運動などはとてもわかりやすかったです。

気がついた時には、私がこの町の住民だったらどうしただろうと自然と考えていました。

目の前の補償金だけでなく、国からの交付金や地域の活性化の事も考えたのか? 原発は本当にこれから先の世代に残す価値のあるものなのか?家族や親せき、仲の良かった人たちと対立してまで何年間も自分の意志を貫けたか? 誰の為に誰と闘うのか?―など。

これらを考えろと押しつけるのではなく、観た人が自然と考えてしまうという所がこの映画の素晴らしさでもあるように思います。

簡単に表せば、『対立』というこの問題は、たくさんのエネルギーを使って、長い歳月をかけた『対話』だということを教わりました。

この映画を拡げるだけではなく、私が観て感じた事も併せて「受け取ったバトン」として少しずつでも伝えていく事が出来ればと思っています。
(クリエイト兵庫勤務)


上映日・開演時刻/11月28日(木)①14時②18時30分、29日(金)①10時②14時③18時30分(開場はいずれも30分前)
会場/神戸市産業振興センター大ホール
上映協力券/一般1200円(当日1500円)、シルバー(シニア)・障害者・学生1000円(当日1200円)
問い合わせ☎078-341-0563(兵商連、担当:田中)

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

NO NUKES 67th 2013-10-11


10月11日、67回目を迎えた関電神戸支店前抗議行動は約70人が参加。最初は雨風が吹き荒れる中でしたが元気に「再稼働反対!」「原発なくせ!」とコールしました。「安倍首相の水俣病は終わったという発言は許せません。放射能による被害も水俣病もどちらもまだ終わってません」「原発労働者は3・11後さらに被曝し、死者も出ています。こうした実態があるにもかかわらず安倍首相や東電はこの事実を直視していません」など参加者から思いを交流しました。さらに、10月13日のNO NUKES DAYに呼応して、マルイ前までパレード。仕事帰りや学校帰りの方から大きな注目を集めました。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

ひとコマまんが

アベさん怖い



段 重喜


(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「広島・長崎の原爆放射線による被爆をほとんどしておりません」―原爆症裁判で被爆者(原告)に対して国側が言い放った。わが耳を疑った。原爆の放射線を受けて病苦とたたかっている被爆者に言うことか▼「(福島原発の)汚染水は完全にブロックされている」「(水俣病の)水銀による被害は克服された」「(オスプレイの)日米合意に反した飛行はない」―国は被害者の実情を知らないはずはない。汚染水漏れは毎日のように報道され、水銀規制条約のために来日した百四十一カ国もの代表が水俣病被害者と面談、沖縄県は目視調査でオスプレイの運用違反の実例を三百十八件も明示した▼被害を目の当たりにしても平気でウソを押し通そうとすることに恐怖を覚える。原爆症問題でも被爆の実相に向き合おうとしない。国の認定制度が裁判で断罪されても制度の改善を図ろうとしない。日本は法治国である。法治国とは、すべての政治は憲法と法律により行われ、その最終解釈は裁判所が行うということだ▼数十回もの裁判の判断に従わない国の態度は法治国ということを否定するものだ。見ぬふり、ウソを通す、法を無視する―日本の政治の頽廃ぶりを示すものだ。(K)

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)