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2013年10月6日日曜日

対談:坂本廣子さん・ぬきなゆうなさん

中学校給食から防災、自治体の「哲学」まで
食からものをみれば本質がみえてくる


サカモトキッチンスタジオにて―坂本さん(左)、ぬきなさん(右)

「市民にあたたかい神戸をつくる会」共同代表の、ぬきなゆうなさんが、料理研究家の坂本廣子さんのキッチンスタジオを訪ね、坂本さんと対談しました。坂本さんは、防災や食育、米粉をテーマにした講演などで全国をとびまわっています。この日も、高知からもどった直後です。二人の話題は、中学校給食から地方自治体の「哲学」まで、話がはずみました。

「子どものことで、お母さまに助けていただきました」坂本
「そんなご縁があったんですね」ぬきな


ぬきな 昨年は、北区の母親大会にきていただき、ありがとうございました。

坂本廣子さん
坂本 私、お母さんの貫名初子さん(元神戸市議)のことは、よく存じています。次男が発達障害で、当時は、まだよく分かってもらえない時期でした。学童保育を利用しようとしたら、神戸市から申込書がもらえなかったり、ようやくもらっても、「お子さんによくない状況だと判断したら、お断りすることがあります」と言われたりしました。神戸市の話し合いに、貫名さんがいっしょにきてくださったんです。

ぬきな そんなご縁があったんですね。

坂本 お母さまには、ずいぶん助けていただきました。話し合いに同席して、きちんと意見を言っていただいたら、市の態度がころっと変わりました。

ぬきな 子どもの人権や環境を守っていくことは、大人の責任ですね。

坂本 そのとき、「筋を通す」というか、おかしいことは「おかしい」と声をあげなければ、「無いこと」になってしまう怖さをすごく感じました。貫名初子さんに支えてもらえたことが、大きな力になりました。

「中学校給食が常識になってほしいですね」坂本
「かたっぱしから署名にまわりました」ぬきな


ぬきな 中学校給食の実施を求めて、三年ぐらい前からとくに、力をいれてとりくんできました。北区は若い世代が、どんどん増えていましたから、かたっぱしから署名用紙をもって訪問しました。市外からの転入の方も多く、「え、給食ないんですか」と、驚く人も少なくありません。

それで、中学校給食についてもっと勉強したいと、坂本さんに講演をお願いしたのです。

坂本 子どもとかかわっていたら、食べないで勉強しなさいというのは、無茶だとわかります。食は、基本的人権です。たいへんな状況に置かれている子どもたちは、声をあげられません。だから、そこをなんとかするのが大人の役目だと思います。

ぬきな 私も男の子三人を育てましたが、ほんとうにそう思います。ニュータウンを回って感じたのですが、いま、横のつながりがつくりにくいということがあります。地域の中で大人どうしが子どもたちのためにどう力を合わせるか、中学校給食の問題は、そのきっかけにもなればと思います。

坂本さんに「神戸の中学校給食を実現する会」の発起人になっていただいて、みんなすごく元気になっています。

坂本 神戸で中学校給食の会をつくってから、芦屋、伊丹、尼崎などいろんなところで話をさせてもらいました。中学校給食が常識になってほしいと思います。

ぬきな 神戸市は、民間業者から弁当を注文する「デリバリー方式」を採用しようとしています。九月の神戸市議会の本会議で、大かわら鈴子議員が自校調理の給食を求めたのですが、教育長は結局、「お金がかかるから」と答弁していました。だれのための給食なのか、市の姿勢がよく分かりました。

神戸は、子育て支援が、保育所にしても、医療費助成にしても遅れています。未来をになう子どもたちをどう支えるかという点での神戸市の姿勢が明確に表れた答弁で、ほんとうに腹が立ちました。

「『プライスレス』―お金に換えがたい―が試金石」坂本
「『お金がないから』と 市民要求が切り捨てられてきました」ぬきな


坂本 「プライスレス」という言葉をどうとらえるかが、一つの試金石かしら。私たちは「お金に換えがたいもの」ととらえます。

私は、大阪府の食育関係の座長を、太田知事のころからつとめていました。橋下知事にかわった途端、食育予算が削られました。食育予算がゼロになることで、積み上げてきたものがゼロになってしまう。私たちは、継続のための最低限の「水」だけは残してほしい、「水」を断ったら、花が咲く前に枯れます、とお願いしたのですが、“知ったことではない”という態度でした。ほんとうの意味の「プライスレス」が分からない方だと思いました。

神戸市も「お金がかかる」うんぬんというのは、同じことではないかという気がします。

ぬきなゆうなさん
ぬきな わたしも、こういう立場になって、あらためて神戸市政についてふり返ってみたら、震災の時、市民生活がたいへんななかで、神戸市が空港建設を優先して、その後もずっと開発優先です。

一方で、私たちは、いろんな要求をもとめて署名を持っていきましたが、結局、「お金がないからできない」と切り捨てられてきました。

坂本 子育て支援をせず、「少子化だ、少子化だ」といっている。それは、「なにか、まちがっていませんか」と言いたいです。

ぬきな 新日本婦人の会の若いお母さんたちが、アンケートにとりくんでいます。困っていること、希望していることなどを書いてもらっています。

「なんで神戸市って、子どもにこんなにお金を使わへんの?」というのが、はからずも共通の言葉でした。

「台所から防災を考えることにとりくんでいます」坂本
「災害時を考えても学校に調理室があることは大切です」ぬきな


坂本 いま、台所から防災を考えるということにとりくんでいます。

大きな災害で失われるものは、日常です。復興は、日常へ向かうものです。地震がきた途端に、なぜ食べ物を乾パンに変えないといけないんでしょうか。防災の担当者がご飯をつくったことがないから、わからないのかもしれません。

「普段の一・五倍の食料を置いておけばいいんです。備蓄庫などいりませんよ」といま一生懸命、お話しています。

ぬきな お豆とか切り干しダイコンとか乾物を使うことも、いま日常で少なくなっています。日常の見直しが必要だと私も思います。

坂本 防災を見直すということは、実は日常を見直すことです。日常に何を備えておくかということがいちばん大事なことです。先日の台風18号での特別警報で二十六万人に避難指示が出ましたが、準備なしで二十六万人がどこへ避難できるのでしょう。

ぬきな これだけ災害の経験があるのに。日常の備えが不十分ですよね。

坂本 高知市によばれて行ってきたのですが、高知では、学校で防災給食を実施しています。

普段、学校ではおかずだけをつくって、ご飯は業者から届けています。災害時はご飯がこないから、その時は学校でもご飯を炊けるようにしなければなりません。

地域に対して学校が何をできるかと、教育委員会が、そういう訓練をやっています。

ぬきな 災害時に学校に調理室があることは、阪神・淡路大震災の経験からみても、どれだけ大事なことか、私たちも自校方式について、あらためて話し合ったことがあります。いまの神戸は、災害に弱い街だということは、まちがいないと思います。

坂本 東日本大震災が起こった時、私たちは、子どもを守る栄養として煮豆を送ろうとしたんです。メーカーさんは、いくらでも出してあげるといってくださったんですが、法律や規定が細かくあって、なかなか送れなかったんです。そのときに、筒井基二さん(元県議)にもご尽力いただき、やっと運べました。いろんな善意があっても、制度がこんなことになっているのかと思いました。

ぬきな 大災害の時、どれだけ水や食料をみんなで保障しあうかということなど、根底から防災の観点をまとめていく、考え直さなくてはいけないことがいっぱいありますね。私は、医療や福祉、教育のネットワークが普段から大切ということも訴えています。

坂本 日常に目がいったときに、いま何をしておかなければならないのか、これから先のことを考えたら、こっちにお金を使わなあかんやろ。そう考えれば、中学校給食が学力を上げる土台になるねんで、と。

そこは、自治体に哲学があるかどうかだと思います。

「地域の人を失うな―それが公のあるべき哲学」坂本
「まちづくりの基本ですよね。もどれない人のことを思うと泣けてきます」ぬきな


ぬきな 本当にそうですね。日常に目がいかないということは、市政を動かす資質が問われる問題ですよね。

先日、神戸市政をどうになうのか、という公開討論会がありました。討論者に、私を含め四人が参加しました。お三方は、お話のなかに「市民」や「中小業者」もでてこない。みんな企業家のような発想でびっくりしました。

坂本 「経営」なんですよね。いっぺんご飯をつくってみたらと(笑い)。食は、生きていく基本。そこからものをみていけば、“おかしさ”が見えてきます。「あなたは、食べ物からしか、ものをみられへんの」といわれますが、「みんなが普通に食べられることって、大事なことなのよ」と話しています。

ぬきな いまの市政のあり方を見直さなければと感じておられる方は多いと思います。街頭で訴えると、関心が高いし、とくに女性の方がよってきてくださることが多いですね。

坂本 空港だってそうじゃないですか。神戸もさっさとやめたらと思います。

ぬきな そうですよね。十八年前の阪神・淡路大震災直後に「空港つくってよ」なんて、だれもお願いしていないですもの。いま、神戸空港をメガソーラーにする案もでています。

こんどこそ住民投票で決めたいと思います。「空港より住宅を」と震災後、いっしょに運動した人たちみんなで、力を合わせて神戸を変えましょうと呼びかけています。

坂本 震災後、東灘区でびっくりしたのは、元いた人が帰ってこれなかったことです。地域の地蔵盆も消えてしまうのです。私たちのように災害で地域を失ってはいけない。いまのうちに、地域から人が出て行かずにすむように、みんなが地域に残れるようにしようと。

ぬきな それが、防災のまちづくりの基本ですよね。

坂本 基本です。地域の人を失うな。そうでないと、同じ土地であっても、そこはそのまちでなくなるのよと。それが、「公」がやらなければいけない哲学だと思います。

ここから人を失わない。新しい人たちが入ってきて税金が入ってきたらいい、という話ではないのです。

いままで住んでいた人たちをどれだけ守るしくみをつくるかが大事だと。高知でもそんな話をさせていただきました。

ぬきな いまのお話もお聞きして、私が普段、よく接している長田の人たちのことを思うと、泣けてきます。長田の人は、悔しいなと。

きょうは、いろいろ勉強をさせていただきました。私もがんばりたいと思います。ありがとうございました。

(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

朝倉えつ子さん事務所びらき

キラリかがやく北区へ


神戸市長選と同日十月二十七日投票の神戸市議北区補欠選挙(十八日告示、欠員一)に向け、日本共産党の朝倉えつ子さん=新=が九月二十七日、事務所びらきを行いました。

北区鈴蘭台南町二丁目一-一〇の新事務所前には北区各地から八十人近くが集まりました。

挨拶で朝倉さんは、中学校給食はじめ市民とともに運動し市政を動かしてきた日本共産党議員団に加わり、子ども医療費無料化、神鉄への敬老・福祉パス適用など市民要求実現に力を尽くしたいと決意表明しました。

あったか神戸の会のぬきなゆうなさんもかけつけ激励するとともに、市長選勝利を訴えました。



(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

神戸市議会決算委員会総括質疑

赤田議員
神戸市議会決算特別委員会の総括質疑が九月二十七日に行われ、日本共産党の赤田かつのり議員が、特別支援学校、三宮大開発、神戸空港問題を取り上げました。

特別支援学校


神戸市の知的障がい児童は増加を続けています。二十五年度には一千四百三十七人になると推計されています。ところが、その児童数に見合った特別支援学校の整備は大幅に遅れています。そのため、知的障がい児が通う支援学校はどこも当初の想定児童数を超えています。

赤田議員は、障がい児教育に神戸市としても責任を持って対応すべきだとして、整備計画を早急に作るよう求めました。

三宮大開発


三宮周辺に超高層ビルを建てるという三宮大開発。神戸市は、そのビルに入居する企業に賃料補助をするとしています。五年間で最大四億五千万もの補助となりますが、条件などから、補助を受けることができるのは大企業に限られます。

赤田議員は、現在の経済状況からも、林立したビルにどれだけの企業が入るのか疑問だとして「特定企業への至れり尽くせりの支援は中止し、中小企業にこそ支援すべきだ」と求めました。

神戸空港


神戸空港は、需要も増えず運営は赤字。借金返済も進みません。そうした状況の中、矢田市長は神戸商工会議所会頭との会談で「民営化はぜひやり遂げたい」などと語っています。

赤田議員は、市民の強い反対を押し切って開港した神戸空港がうまくいかないからと、民営化を打ち出すという態度を批判。まず市民に存廃も含めて意見を聞くべきだとただしました。



質問に対し矢田立郎市長らは「(三宮大開発)三宮を神戸の顔にふさわしいものにする」「街の活性化、神戸経済の活性化に必要」「(空港)便数制限や時間制限の撤廃を求めている」などと答弁。特別支援学校については雪村新之助教育長が「県に新設や芦屋の学区拡大を求めている」などと答えました。


赤田議員は、三宮大開発について、三宮で営業している中小業者に悪影響を与えるとして、開発中止を求めました。空港については「便数枠などのせいにすべきではない。すでに空港は市民に負担となっている。市長の責任を問う声も多い」と厳しく批判、廃港も含めて市民に問うべきだと迫りました。



(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

NO NUKES 65th 2013-9-27

宮城県の漁協役員飛び入り参加も



六十五回目、九月二十七日の関西電力神戸支店前行動には、七十人が参加しました。

宮城漁協の佐藤清吾さん
今回は宮城県漁協の佐藤清吾さん(北上町十三浜支所運営委員会委員長)が「別の講演があって神戸に来ていて、たまたま通りかかった」と飛び入り参加。(北上町十三浜は石巻市)

―「福島の汚染水は、もちろん宮城にも影響がある。スズキやヒラメなど回遊魚は、福島沖からやってくる。当然、汚染水が流れているという海水を通ってやってくるわけで、いま漁をしても売れない。実害をこうむっている。今の政府にはみんな怒っている。私たちもがんばるが、みなさんもぜひがんばってください」と激励をこめて訴えました。

「共産党だけ」


訴えの後で話を聞くと―「宮城県では知事選挙がある(10日告示・27日投票)。漁協のみんなは今の知事にも怒っている。政府や県のやり方をまともに批判し、対決しているのは共産党だけ。今度の選挙は一騎打ち。みんな、共産党(が推薦する「被災者・県民がきずくあったかい宮城の会」の佐藤正明さん)に入れると思う」と語ってくれました(丸括弧内は編注)。


(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

消費税大増税ストップ!! 兵庫から80人


絶対中止!「消費税大増税ストップ!!国民集会」が九月二十七日東京・日比谷野外音楽堂で開かれ参加者は五千人を超えました。兵庫県の消費税廃止各界連に参加する各団体からは八十人が参加しました。

この日に結集された署名は約五十五万、兵庫県からは三万六千を超える署名を提出しました。姫路民商の鎌尾美智子副会長(飲食)は、「これ以上増税されると生活が大変になる!」「消費税増税は反対ですよね?」と署名を広げ一カ月で五百人分を集めて参加、国会要請行動にも怒りをぶつけました。

集会では、消費税増税・点検会合で発言した主婦連合会の山根香織会長、消費税の中止を求める税理士アピールの平石共子さん、日本共産党の市田忠義書記局長から連帯あいさつがありました。

全国の各団体、地域からのリレートークでは、「安倍首相は有識者じゃなく、被災者、国民の声を聞け」「安倍首相がどう判断しようが増税を阻止するまでたたかい抜く」とそれぞれ表明しました。

行動提起は、「二日から抗議に取り組むこと、地元国会議員への要請を強めよう」など運動をさらに強めることが強調され、さらに「消費税は必要」という人も「今、増税するのは反対の一点で大同団結し、今回の増税を中止させよう」の集会アピールを採択しました。


銀座に向けてパレード宣伝後、兵庫県関係の衆参国会議員二十四人に要請しました。国会の休会中でもあり直接会えた議員は多くありませんでしたが、秘書に「増税は絶対中止」の怒りを伝えました。

(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

TPP参加阻止!国会報告


日本共産党兵庫県委員会は「TPP参加阻止のための国会報告会」を九月二十八日、こうべまちづくり会館で開き、紙智子参院議員がTPP交渉の経緯、危険性、最新の情勢まで総合的に報告しました。

紙智子参院議員

特に、オバマ政権が年内妥結を強引に迫り、安倍政権はそれに追随するばかりか守秘契約を盾にいっさいの情報を国民に開示しないまますすめていること、安倍首相が交渉参加前に公言していた「重要農産物の聖域確保」は無理であることなどを指摘。「TPPは国民に百害あって一利なし。交渉から即時撤退しかなく、TPP反対の一点共同をさらに広げましょう。私たちも国会で追い詰めます」と訴えました。

満席となった会場

兵庫農民連の永井脩会長が今年の米価暴落の状況、兵庫県保険医協会の川西敏雄副理事長が混合診療、ISD条項の問題、兵庫食健連の柳沢尚事務局長が輸入食品の検査などがないがしろにされる問題など、会場からも各分野でのTPPの危険性の報告がありました。

(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

全国青年大集会成功へ県下各地でとりくみ

全国青年大集会2013(十月二十日・東京明治公園)と、たつみコータロー参議院議員を迎えてのプレ企画(十月五日・兵庫県私学会館)にむけ、とりくみがひろがっています。

返ってきたアンケート

日本共産党三田市委員会は、二十四日、返信用封筒付アンケートを新三田駅前で五十枚配布し、さっそく二通の返信がありました。三十代の派遣社員からの返信には「応募に対して連絡が来るのは、ブラックと言われているところばかり。三十代では、もはやまともな正社員に就けないのか」と切実な声が書き込まれてありました。

尼崎では、民青同盟地区委員会が、労働組合などに呼びかけて二十八日、尼崎実行委員会を結成。引き続き労働組合への呼びかけと宣伝などにとりくむことを決め、「青年大集会」へ二十人で参加できるようにがんばろうと相談しました。

兵庫労連への申し入れ

党県委員会と民青県委員会は、労働組合や民主団体など約十五団体に申し入れを行いました。「あったか神戸」でともに活動している兵庫労連とは、「『ブラック企業お断り』、『最賃一〇〇〇円条例』をかかげ、神戸市長選挙と一体にとりくもう」と懇談しました。

(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

前川蛍さん国連要請へ:非核への思い託し壮行会

原水爆禁止日本協議会の国連要請代表団の一員として、ニューヨークに行く前川蛍さんの壮行会が九月二十九日に開かれ、二十人あまり人が参加しました。

決意を述べる前川さん

壮行会では、兵庫原水協が作成した資料にもとづいて国連総会へ要請することの意義を学んだあと、前川蛍さんが決意表明―「今年世界大会に初めて参加し、被爆者の方の話など衝撃的に聞きました。実は私は被爆三世。おじいちゃんもこんな体験をしてきたのかと思うと、もっと話を聞いておけばよかったと思うと同時に、被爆三世として運動をひろげる責任も感じた。国連では、ぜひその思いを伝えられるようがんばりたい」―と語りました。

参加者は、原水爆禁止世界大会の参加者で書いた「私の非核宣言」や、パレードや宣伝で書いてもらった「非核の思い」などのボードを託し、「蛍さんの決意を誇りに思う、気をつけていってきてほしい」「世界の反核のうねりをつかんできてほしい」など、激励のメッセージを送りました。

(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

軍国主義者と呼びたいなら呼べ


段重喜

(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「お・も・て・な・し」という言葉が話題になり、マスコミは日本が安全で優しさにあふれた国であるかのようにもてはやしている。日本は本当に優しい国なのか?▼東灘区のKさんは借上げ住宅に住み、マッサージで細々と生計を立て、盲導犬とともに暮らしている視覚障がい者である。彼女は「借上げ住宅の継続入居」を求めて市議会に陳情し、大臣交渉にも参加してきた▼八月一日、盲導犬をつれて地下鉄三宮のホームに立っていたKさんは点字ブロックの上を走ってきた男に激突され昏倒、腰の骨を折って入院するという重傷を負った。男はそのまま姿を消した。この時、ホームには大勢の人がいたはずだが、だれ一人この男を取り押さえるものはいなかった。知らせを聞いた友人たちが被害届を出すと、警察は「本人からでないと受け取れない」と拒否、仕方なく弁護士を通じて被害届を提出した▼地下鉄三宮のホームに駅員はいない。そういえばJR三ノ宮駅に障がい者専用の駐車スペースもまだ設置されていない。東京はいざ知らず、障がい者にとって神戸はまだまだ安心して暮らせるところとはいえない。市長選挙の大事な争点である。(D)

(2013年10月6日付「兵庫民報」掲載)