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2013年9月15日日曜日

『維新の会』を打ち破り、堺市の自治と自由を守ろう

日本共産党兵庫県委員会の松田隆彦書記長は、十二日、党大阪府委員会の山口勝利府委員長を訪ね、十五日告示二十九日投票でたたかわれる堺市長選挙の支援募金を手渡しました。

山口大阪府委員長(右)に募金を手渡す
松田兵庫県書記長(左)

日本共産党は「住みよい堺市をつくる会」とともに「反維新」「反大阪都構想」の立場から現職の竹山修身市長を「自主的支援」する立場を明らかにし、「堺の自治を守ろう」と全力を挙げています。

橋下「維新の会」は、昨年総選挙の余勢をかい、宝塚市長選、伊丹市長選に候補者を擁立しましたが、「大阪都構想」で「尼崎や西宮を越えて神戸まで特別区に」(浅田均政調会長)との発言で市民の怒りを買い惨敗。さらに、橋下共同代表の「従軍慰安婦」発言で一気に失速し、兵庫県知事候補の擁立は断念。今回「維新本体として、神戸市長を誰がという話にはならない」と神戸市長選も独自候補を断念し、当面の堺市長選に躍起になっています。

「大阪都構想」で周辺都市の財源を一手に握り、カジノやリニア新幹線、副都心建設などの大型開発に熱中しようと、まず狙いを付けたのが堺市でした。しかし「堺の自治を守れ」と市民の反撃にあい、「堺市はつぶしません」「竹山市長は共産党公認」などの言い訳とデマ宣伝に終始しています。

党兵庫県委員会は「マイ名簿」作戦で竹山氏支持を広げること、選挙支援募金にとりくむことを決め、この日さっそく支援募金を届けました。山口勝利府委員長は、松田県書記長とがっちり握手。支援募金に感謝を述べ「『維新の会』を打ち破り、堺市の自治と自由を守るためにがんばります」と決意を語りました。

(Web版のみ)

あったか神戸の会の決起集会(9日)

神戸市長選挙告示まで一カ月に迫りました。日本共産党も参加する「市民にあたたかい神戸をつくる会」(あったか神戸の会)は、共同代表のぬきなゆうな氏を市長候補に擁立し、九日に決起集会を開催するなど活動を本格化しています。


神戸市勤労会館大ホールで行われた決起集会には四百三十人が参加。

開会挨拶で津川知久共同代表は、「市民本位の市政実現へ①市民のいのち・暮らしを大切に②神戸に根ざした産業雇用政策③国の悪政と自然災害から市民の安全・安心をしっかり守る―の三つの転換が求められる。これまでの要求実現運動の力を、ぬきなゆうな市長誕生への力に転換すれば実現は可能」と訴えました。

続いて大塚秀之神戸外大名誉教授と吉田維一弁護士が応援演説。

大塚氏は、山田兼三旧南光町長やオバマ米大統領の例をあげ、草の根の運動にとりくんできたぬきなさんでこそ勝利できると指摘しました。吉田氏も借上げ住宅や福祉パスの問題をあげ、困っている人のためにこそ政治はある、それが担えるのはぬきなさんだと述べました。

新社会党の粟原富夫県本部委員長(神戸市議)は七日の執行委員会で支持を決定したことを報告。日本共産党の松田隆彦県書記長も決意を表明。

青年、女性たちのパフォーマンスも受け、ぬきなさんが必勝を力強く訴えました。


(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

「三宮巨大開発」は市民のためか

神戸・市民要求を実現する会は九月六日、神戸市勤労会館で神戸市政連続講座「三宮巨大再開発を問う」をひらき、約八十人が参加しました。日本共産党の森本真議員が、三宮からウオーターフロントまでの広大な地域で進められようとしている「三宮巨大開発」について報告しました。


小泉内閣時の規制緩和を背景に


三宮巨大開発の背景には小泉内閣が二〇〇二年に成立させた都市再生特別措置法にもとづき、ゼネコン、大手不動産会社等が利益をあげられるよう、大幅な規制緩和を行ったことがあります。都市再生を口実とし既存の用途地域の規制を適用外にすることで、超高層ビルの建設を進めようというものです。

森本議員は「神戸市もこれにのっかって、都市再生緊急整備地域を、三ノ宮駅北側や元町駅周辺まで五十㌶増やして九十七㌶にもに広げた」と指摘。市の担当者は「三宮北側の現状が、神戸の玄関口にふさわしいかということで広げた」と言っていると紹介。

駅ビルの巨大化も


緊急整備地域の指定を受けると、高さ制限や容積制限が緩和されるとともに、国からの金融支援や税制支援を受けることができます。全国六十三地域が指定されていますが、多くは大都市の駅前です。

三宮では、すでにこの制度を利用して神戸新聞社跡地のミント神戸が建設されています。公共的施設としてバスターミナルが作られていますが、これをつけるだけで容積率を二倍にすることが可能となっています。

この制度を利用した三宮巨大開発が進められるとどうなるのか、という点について森本議員は、まだ具体的な内容は発表されていないとしながら、JR西日本の中期経営計画で、三ノ宮駅ビルの建て替えや阪急も超高層ビルの建設をすすめようとする動きを紹介しました。JR西日本や阪急阪神ホールディングスなどからは、両ビルの一体化の考えも示されています。

ビル入居企業に賃料補助と減税


さらに兵庫県や神戸市は、こうしたビルに入居する企業への税の減免措置を進めるとしています。神戸市の場合、常用雇用者数などの条件を満たせば、一平方㍍あたりの賃料の四分の一(月額七百五十円を限度)を補助するとしています。仮に、一万平方㍍を借りると年間九千万円の補助、最大五年間で四億五千万円にもなります。これは、神戸市の単独事業として行われるもので、すべて市民の税金。兵庫県は、法人事業税の減税を五年間行うとしています。

ミント神戸の南側に、森本倉庫がビルを新築していますが、そこに入る予定なのが、現在六甲アイランドにあるP&Gジャパン。森本議員は「六甲アイランドから三宮に移っても、神戸経済への影響は変わらない。ところが、税金を使って賃料補助等を行うというのでは、何ら神戸市民のためにならない。たくさんの高層ビルを建てても、そこに入居する企業がそんなにあるのか、大きな駅ビルができ、大きな店ができると周囲の商店街がつぶれる、というのが全国的な経験。三宮でも、センター街であってもどうなるかわからない」と指摘しました。

地域商店の生き残りは保証なし


また、現在JRビルに入居している商店についても、いったん出ていかざるを得ません。しかし、ビルが完成するまでの補償があるかどうかは不明。高層ビルができたとしても、家賃等が上がるため入居できるのか、継続して営業できるのかについても不安は強いものがあります。

森本議員は、「建設後のビルには全国チェーンの店が入ることで、地域商店が生き残れるか疑問になる。こんな開発では、ビルをつくったり入居できる大手企業が儲かるというもの」だと指摘。神戸らしい駅前の整備にするべきだとしました。

大型開発中止を明確にしているのは


こうした巨大開発に対して、久元喜造元副市長は公約で推進の姿勢を明確にしています。

また、樫野氏も街頭演説で活性化策として三宮再開発について語っています。森本議員は「市長選に出ようとしている人の中で、このような大型開発はやめるように明確に訴えているのは、ぬきなゆうなさんだけ」だとして、ぬきなさんの勝利を呼びかけました。

新長田のようにならないか


参加者からは「神戸空港などは、神戸市が三千億の借金をしてつくると言った。破綻がわかりやすい。今度の三宮巨大開発は民間が進める。そこに補助を出すというもの。巨大開発で高層ビルが建つのはダメだが、入居する事業所があるのか、また空っぽだったら、新長田のようになるのではないか。見通しもないのにつくるのはおかしい」「新長田の再開発では、神戸市が西の副都心ということで、巨大ビルをつくりマンションもつくった。結果は、シャッター通りになっている。三宮もきれいになっても街を巨大化すると、事業所がそんなにあるわけではない」などの声が出されました。

市民の声きき、神戸らしい玄関口に


森本議員は「神戸の玄関口だから、市民の提案を受けたものにするのが一番大切。JRや阪急にも提起していく必要がある。市民のためにやっている事業ではない、大企業が儲かるためのものというもの。それをぬきなさん以外は、民間の金、大手企業が儲かれば街が栄えると思っている。いくら駅前に大きなものができても、観光客が来るわけではない、人が集まるものではない。市民の声を寄せて、神戸らしい玄関口のあり方をみんなで考えようというのが大切だと思う」とこたえました。


(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

神戸市長選の構図

市民とともに運動広げた ぬきなゆうなさんか
矢田市政継承・補完の3氏か


今回の神戸市長選挙の重要な争点は、三期十二年続いた市民に冷たい矢田市政の流れを続けるのか、それとも市民の願いにこたえるあたたかい市政を実現するのかです。

今期かぎりで引退を表明した矢田市長は、自民・公明・民主・みんなの党などオール与党に支えられ、神戸空港や医療産業都市構想など大型プロジェクトにのめり込む一方、財政難を理由に、重度障害者福祉年金、生活保護世帯への夏冬見舞金の打ち切りや、敬老パスの有料化・値上げ、国民健康保険料、保育料の値上げなど冷たい市政を続けてきました。
中でも、阪神・淡路大震災被災者に対して公営住宅として提供した借上げ住宅から追い出す姿勢は、地方自治法に定められた「住民福祉の増進」を目的とする地方公共団体としての使命を投げ捨てるものです。

また市職員三千人を削減し、低賃金雇用の非正規職員に置き換え、市営住宅や図書館まで「指定管理」業者に丸投げするなど、自治体の公的責任を放棄し、大手を中心とする民間事業者には儲け口を提供、市民にはサービスの低下を招いてきました。この冷たい市政を市民の願いにこたえるあたたかい市政に転換できる市長を選ぶことが大事です。

矢田市長が後継者として中央官庁から引っ張ってきたのが元副市長の久元喜造氏です。消費税増税と社会保障切り捨ての「三党合意」トリオの自民・公明・民主の推薦では悪政から市民を守る足場はありません。

久元喜造氏:国の官僚として地方自治体いじめ


久元喜造氏は総務省の官僚として、小泉政権時代から地方自治「改革」にかかわり「指定管理者制度」を創設した人物です。

日本共産党神戸市議団は「三位一体改革で、神戸市財政も含め地方財政は悪影響を受けました。神戸市への影響額は、二〇〇四年度からの三年間で二百三十八億円にも上っています。(久元氏は)総務省自治行政局の官僚として、この三位一体改革を推し進めてきた」と久元氏の副市長選任に反対しました。

「指定管理者制度」は、自治体が公的責任を負うべき事業を民間企業の儲け口として「市場開放」し、その結果、自治体職員をさらに削減し、民間事業者のもとで低賃金・不安定雇用の労働者を広げるものでした。こうした方向が結局、市民サービスの削減とともに、神戸市内での個人消費を抑制し景気回復の足を引っ張ってきました。

久元氏が公約に掲げる三宮巨大開発計画は、埋め立て中心の大型開発路線にかわって神戸の中心街を大規模に再整備し、進出する大企業には補助金をばらまく一方で、そうした資金捻出のため、財政難を口実に、いっそうの福祉・市民サービス切り捨てにつながるものです。

樫野孝人氏:「変える」と叫んでも中身は矢田市政と同じ


前回の市長選でも立候補した樫野孝人氏は、自民党以上に新自由主義路線をとる「みんなの党」の議員と一体に活動を進めてきました。

自民党市議団を離れて樫野氏応援を表明した平野昌三市議はブログで「今の神戸市政や自民党の政策と目指すべきところが同じならば、巨大組織に従うことなく、人物本意で判断したい!」と方向性では矢田市政と変わらないと正直に語っています。

実際、樫野氏の政策は、赤字続きの神戸空港は「あるものは使う」、道州制には賛成、三宮巨大開発も賛成、黒字の「地下鉄山手線」を神戸市の「既得権益」とみなし市場開放の立場から民営化するとしています。結局、大企業、大資本を呼び込むために補助金をつぎ込み市民に負担を押しつける今の神戸市政と発想は変わりません。公的責任の投げ捨てでも、久元氏らと競い合っています。

「経営者としての腕」を売り物にする樫野氏が応援を求めたのがブラック企業ワタミ創業者の渡邉美樹氏です。若者を使いつぶす悪名高い経営者を「ワタミ会長の渡邉さんって…。とにかく面白かったです!もちろん著書を読んだことがありますが、実物はもっと素敵ですね」と褒めちぎる樫野氏に、労働者の雇用や権利を守る視点は感じられません。

「今度こそ変える」と叫んでも、中身は矢田市政の「補完物」だということです。

森下やす子氏:矢田与党としての反省なにひとつなく


自民党神戸市議団を離れた森下やす子氏も「神戸を変える」と宣伝していますが、矢田市政与党としてのこれまでの政治活動への反省はなにひとつなく、変えるべきものは持っていません。


ぬきなゆうな市長の誕生で市民にあたたかい市政を



こうした矢田市政の後継勢力に市民の願いを託すことはできません。「市民にあたたかい神戸をつくる会」とぬきなゆうな共同代表のめざす方向は、破綻した大型開発優先、大企業呼び込み型の市政を転換し、子育て支援、福祉拡充、中小企業支援など循環型の地域経済を活性化させ、一極集中でなく「神戸丸ごと活性化」をすすめることです。

温かい自校調理方式の中学校給食、中三までの子ども医療費無料化、敬老パスの無料化復活、国保料の引き下げなどは、市民の負担を軽くし地域の消費を活性化させます。子どもも働き盛りの世代も高齢者も、元気で明るく暮らせる地域づくりでこそ地元経済が活性化します。

自治体として率先してワーキングプア解消の立場で公契約条例、経済効果の高い住宅リフォーム制度、中小企業振興条例などをつくり、雇用と働きやすい労働環境を実現することも元気な神戸経済につながります。

赤字続きの神戸空港は見直し、市民合意のもとでメガソーラー基地など跡地活用を検討します。

都市間競争の名で大企業向け補助金漬けの開発では、他都市と小さなパイを奪い合うだけで、一部の大企業が儲けても内部留保をため込むだけで市民生活に恩恵はまわってきません。

市民生活を励まし市税は市民のために使ってこそ新たな消費・需要が生まれ、企業の進出や投資を呼び込むことができます。市民にあたたかい市政こそあたたかくて強い地域経済を実現する道です。


日本共産党はその実現のために「市民にあたたかい神戸をつくる会」とともに、ぬきなゆうな市長実現に向けてがんばります。

(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

シリアへの軍事介入反対! 青年パレード


飛び入りで参加する人もシリアへの軍事介入反対!パレードをおこない、約三十人が参加しました。パレードの出発前には参加者で平和への思いを交流しました。

「私が十年前、普通の女の子として生きていた時にイラク戦争が始まり、戦争を止めたい、日本を戦争できる国にしたくないという思いを持ち、それから平和活動をするようになりました」「シリアへの介入はもちろん反対ですが、今日本は集団的自衛権を認めようとしています。日本がアメリカといっしょになって戦争することにも反対です」などと交流しました。

また、三宮マルイ前を通る人たちからひと言メッセージも寄せられました。

パレードでは「絶対絶対戦争あかん」「シリアの人たちどうなるの」「対話で解決めざそうよ」「あなたもいっしょに声あげよう」などリズムにのせてパレードを行いました。三宮センター街で買い物をしている人たちからも大注目。次々と写真を撮る人や声援を送る人の姿がありました。中には飛び入りでパレードに参加する人の姿も。「これ何?」「シリアへの軍事介入に反対して、憲法九条を守らせようということを訴えています」とメンバーが話すと「それ大事やんね」と共感の声も寄せられました。



アメリカ政府は軍事介入の姿勢を崩しておらず、日本政府もそれを支持する立場です。この日のパレードでも寄せられた平和を願う声を日本政府は受け止め、「軍事介入反対」の態度をとるべきです。


(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

非核の政府を求める会市民学習会:イラク人質事件・今井紀明さん

一人一人の若者が将来に希望が持てる社会を



非核の政府を求める兵庫の会は七日、神戸市内で市民学習会を開催。二〇〇四年にイラク人質事件に巻き込まれた今井紀明さんが「イラク人質事件・今井紀明さんが今明かす 『自己責任』攻撃乗り越え、若者支援へ」と題して講演しました。今井さんは現在、NPO法人D×P(ディーピー)を立ち上げ、通信制高校生などの教育支援事業をすすめています。

今井さんは事件の後、激しい「自己責任」バッシングに苦しめられ、ときには罵声を浴びせられるなど、一時は社会生活に支障をきたすほどの対人不安に陥ったことを振り返りました。

しかし、大学時代に出会った友人(現在「D×P」を共同運営)の一言がきっかけで精神的に回復していきます。あるとき通信制高校生と出会い、その現状を知ったことが転機になったといいます。

通信制高校生の七割が学校をやめた経験があること、四割が中学までに不登校の経験があること、二人に一人が進学も就職もしない現状があることを知ります。

そして、その多くが周りの友人や大人から否定され、孤立した経験をもっていることに、自分の体験を重ねあわせ、若者支援事業にとりくみはじめました。

「一人一人の若者が自分の将来に希望をもてる社会をめざしたい」「若者支援はコストではなく未来への投資」と熱く語る今井さん。

参加者は熱心に聞き入り、活発な質疑がおこなわれました。「まわりの人に否定されたつらい経験を若者支援につなげていることに感動した」などの感想が出されました。


(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

民青北阪神地区が学習合宿

日本民主青年同盟北阪神地区委員会が九月七、八日、西宮市内で学習合宿を行いました。


一日目は、関西勤労者教育協会講師の中田進氏を招き科学的社会主義を学びました。中田氏は、科学的社会主義の基礎として哲学や経済学、未来社会論などをそれぞれ身近な問題にも引き寄せながら語りました。

講義を受けた参加者は、「科学的社会主義がこんなに面白いものとは思わなかった。『木を見て、森を見る』私たちがこれから多くの人とかかわっていくなかで大切だと実感。人間が解放されて、自由に使える時間が増えるのは夢のよう。社会主義社会が実現できたらすばらしいだろうな」「資本主義で労働者が搾取されているというのは、そう感じている人はまだまだ少ないのではないかと思った。それに気づく人がふえてくれれば世の中が動くと思う」などが寄せられました。

夜はみんなで交流。クイズ大会や卓球などで遊び、深夜まで語り合いました。

二日目は、党県委員会の門屋史明氏が日本共産党綱領について講義。「日本とヨーロッパの企業との差には驚いた。日本もヨーロッパの企業が人を大切にする姿勢を見習うべき。ブラック企業、ロックアウト解雇、マタニティハラスメントなどひどい状況があるけど、我慢も限界。たたかいをひろげ、雇用のルールをかちとっていきたい」「戦前の日本社会の誤りをふりかえると現在のおかしいところがより分かる気がした。最近の原発問題、ブラック企業問題も、綱領で問題提起されている内容に含まれており、あらためて綱領を学ぶことが大切だと思った」などの感想が寄せられました。


(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟:8月2日

国は確定判決に従わないのか?

副島圀義

「もう裁判で争う必要がないように」との二〇〇九年の合意を踏みにじってきた国を批判し、原爆症認定を求める裁判。複数のグループの訴えが並行して審理されている大阪地裁で八月二日、勝利判決がでました。

九月四日は別のグループに関わる医師の証言でした。先の判決に対して国が控訴を断念、安倍首相が「一日も早く認定が下りるよう最善をつくす」と語った後なのに、国側代理人の質問はまったく旧態依然。

残留放射線や内部被曝を無視した線量評価方式を持ち出す質問は、“被爆当時の行動や急性症状、今に至る健康状態などを総合的に判断するべき”という一連の判決を無視したものです。被爆後十年余の時の症状に対して「それも急性症状か?」と聞くに至っては、その無知(無恥?)ぶりにあきれてしまいました。

被爆者には時間がない…。この日の原告お二人もすでに故人。しかし国側代理人は“被爆者の病気は原爆と無関係”という「結論ありき」のためのヘリクツを延々と繰り返すのです。



「八月に勝訴した方に、一カ月もたつのに原爆症認定通知が届いていない」と、公判後の集会で知りました。控訴を断念した以上、直ちに出せる通知もグズグズ遅らせる…。政府は確定判決にも従わない…。「三権分立がないがしろにされている」実態をあらためて思い知らされました。


(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

『夢千代日記』:なまの舞台をごいっしょに

神戸演劇鑑賞会9月例会

「もう少し生きてみようと思います いいでしょ お母さん」

――被爆という運命と「たたかう夢千代」

既に、NHKのテレビドラマで一九八一年と翌年、更に一九八四年に、吉永小百合主演で放映され大好評を博した作品です。今回は、原作者・早坂暁と前進座が共に創り上げた、舞台版『夢千代日記』の登場です。

山陰の湯の里温泉にある置屋“はる家”がある。そこには、女将の夢千代、芸者・菊奴、雀、金魚、賄いのスミたちが肩を寄せ合って暮らしている。彼女たちはそれぞれ哀しい過去を背負っている。心に深い傷を持ちながらも、日々明るく、懸命に生きている。ある日、このはる家を山陽会と名乗るやくざが、突然乗り込んでくる。そして、夢千代たちの平凡な暮らしが破られて行く。

まず、賄いのスミさんの前に現れた息子ひとり。スミさんが中国に残した息子だと名乗るのだが、スミさんにもはっきりとした記憶がない。この場面に、まず涙を流すが、それより戦争の犠牲になった母と子の姿に胸をうたれる。菊奴の恋はおかしくもある。が、諦めていた恋に、うつつを抜かす素直な女の心が哀しい。記憶を失って、はる家に迷い込んだ男を懸命に看病する夢千代、その男の正体は。

沢山のエピソードが廻り舞台のように、観客の前を通り過ぎる。そこに、戦後を、生き抜いてきた庶民の歴史を感じる。山陰の過酷な自然と、胎内被曝を抱えながら、「もう少し生きてみようと思います いいでしょ お母さん」―夢千代のこの台詞は、力強い。そして、わたしも…あしたから、と、考えさせられる。

小谷博子

神戸演劇鑑賞会9月例会

前進座公演『夢千代日記』/原作・早坂暁/台本・演出=志村智雄、演出=橋本英治・志村智雄/出演=今村文美・高橋佑一郎/①9月29日(日)15時②30日(月)18時30分③10月1日(火)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金千円と月会費2カ月前納)、月会費3千5百円(大学生2千円、中高生千円)/http://homepage2.nifty.com/kobeenkan/

(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

兵庫革新懇夏期一泊研修ツアーレポート(2)

瀬戸内海の島々に戦争の傷跡を訪ねる

松田隆彦
ホロコースト記念館:福山市(広島県)

九月一日付から続く

二日目はまず、隣りの愛媛県今治市大三島へ。海水を利用した製塩所、樹齢二千六百年の神木や国宝が展示されている大山祇神社を見学。昼食後、しまなみ街道を通って福山市のホロコースト記念館に向かいました。

この資料館は館長の大塚さんが、海外で偶然アンネの日記のアンネ・フランクの父、オットーさんと出会い「同情するのではなく、平和をつくりだすために、何かをする人になって下さい」という言葉に感銘。一九九五年日本で初めてのホロコーストの歴史を伝える教育センターとして建設されました。

館内にはヒトラーによるユダヤ人迫害の経過、強制収容所の実態、アンネ・フランクが隠れ住んだ部屋の再現などが展示されており、ユダヤ人達を虐殺の魔の手から救ったシンドラーや杉原千畝などの人々も紹介されていました。会館の方から丁寧な説明を受け、参加者一同、平和と民主主義、人権を守る決意を新たにし、帰路につきました。

(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

これ以上の暴走を許すな



段 重喜


(2013年9月8日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

六甲山頂に米軍基地があったことを覚えている人も少なくなった。一九四七年五月十五日、米軍が強制接収し当時の金で十二万二千㌦投入して通信基地が建設された。すでに米軍基地とされていた神戸港とともに六甲山の最高峰も市民が足を踏み入れられない地となった▼四基の巨大パラボナアンテナは米第五空軍(東京・府中)と九州を経由して在韓米軍をつなぎ、米軍のアジア戦略に重要な役割を果たしていた。七三年、平和団体などが六甲山頂の米軍基地撤去を求める請願を提出。自民党の抵抗で六甲山基地を名指ししなかったものの、「すみやかに神戸市にある軍事基地を撤去」せよとの意見書が全会一致で採択された(九月二十五日)▼翌七四年に神戸港の米軍基地が撤去。六甲山頂では基地包囲の人間の鎖(八四年)を経て八五年元旦から初日の出を迎えての「平和のつどい」が米軍基地前で重ねられ、九二年十一月、米軍通信基地の正式返還が確定した。その跡地に今度は自衛隊通信基地が建設されている▼神戸市会の基地撤去決議から四十周年となる今年、非核「神戸方式」を堅持して市会決議の平和精神を体現した神戸市長の登場が期待されている(K)

(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)