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2013年9月1日日曜日

神戸市長選にぬきなゆうなさん

市民にあたたかい市政へ


要求実現市民集会で決意こめ挨拶する、ぬきなゆうなさん

兵庫労連や兵商連、新婦人、民医連、日本共産党など十六団体でつくる「市民にあたたかい神戸をつくる会」(略称・あったか神戸の会)は八月二十三日、神戸市役所内で記者会見し、神戸市長選挙(十月十三日告示、二十七日投票)に、同会共同代表のぬきなゆうな(貫名ユウナ)氏(61)=無所属、日本共産党推薦=を擁立すると発表しました。

記者会見には、同会共同代表の岸本友代さん(新婦人県本部会長)、事務局長の那須由美子さん(兵商連事務局長)、日本共産党神戸市議団の松本のり子団長らが同席しました。

神戸を変えたいとのたくさんの人の思いに押され


ぬきな氏は「神戸を変えたいというたくさんの人の思いに押され、やるしかない」と決意したと紹介。「震災直後、多くの人が困っているときに当時の市長が『空港をつくる』と発言したことは今も忘れられない」と述べ、市民にあたたかい市政への転換を訴えました。


あったか神戸の会は、ことし三月に結成された政治団体。同会は、八月二十二日に臨時総会を開き、ぬきな氏を会の共同代表に選出するとともに、九月九日の決起集会(神戸市勤労会館、午後六時三十分)、事務所びらき、街頭大宣伝など「レモンイエロー作戦」をはじめ、当面の選挙方針を確認しました。

臨時総会では、選考委員会が一致して、ぬきな氏に立候補を要請した経過を報告。ぬきな氏が、女性運動、被災者救援、神戸空港住民投票、子どもの医療費無料化、中学校給食実現、国保料引き下げ、平和運動など、住民運動とともに歩んできた人であることが紹介されました。


市長選に向け同会では①中学校給食・医療費無料・待機児童解消・学童充実など「子育てパパ・ママ応援都市」、②住宅リフォーム助成・中小企業振興条例・公契約条例など「地産地消で神戸を元気に」、③「福祉・医療の充実で安心神戸」、④「三宮巨大再開発より市民のくらし優先を」の四つの政策的柱をかかげています。


ぬきなゆうな氏略歴

一九五一年神戸市須磨区生まれ。葺合高校、兵庫女子短大デザイン科卒。新日本婦人の会神戸北支部事務局長、同県本部委員など歴任。現在、市民にあたたかい神戸をつくる会共同代表、新婦人神戸北支部委員、北区原水協理事、泉台第一住宅自治会長、日本共産党兵庫・長田・北地区副委員長。公式サイト:http://www.attaka-kobe.com/



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

さっそく三宮で朝宣伝:ぬきなさん


ぬきなゆうなさんは八月二十六日朝、神戸・三宮の交通センタービル前で「市民にあたたかい神戸をつくる会」の人たち十数人とともに宣伝。日本共産党の森本真、味口としゆき市議も参加しました。

ぬきなさんらは「子育て安心の神戸。住んでよかったと実感できる、市民にあたたかい神戸市政をつくりましょう」と呼びかけました。



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

養父市議選不当捜査事件県警抗議と学習決起集会

人権侵害やめ、捜査終結を
選挙活動制限は国際人権規約に照らし不当


養父市議選不当捜査に対し「人権侵害をやめ、捜査終結を」と、県警抗議・学習決起集会が八月二十一日に行われました。

昨年十月の養父市議選で八鹿高校の元教員が教え子に出した手紙が公選法違反だとして、十カ月におよび、市民への聞き込みや尾行、家宅捜索など不当な捜査を続け、いまだに捜査を続けると県警は表明しています。


国民救援会兵庫県本部と但馬支部、市民の会の約六十人が県庁前で退勤する職員らにビラを配布するなど宣伝を行ったあと、県警本部前で抗議のシュプレヒコール。その後、兵庫県中央労働センターで集会を行いました。


集会では、不当捜査の対象となった元教員が、妻が「地獄を見た」というほどの不安感が続く現状を報告するとともに、市民の会などの支援に励まされたと語りました。

国民救援会の濱嶋隆昌事務局次長は、国民の自由な選挙活動に多くの制限を設けている現行の公職選挙法が、国際人権規約に照らして不当であること、日本国憲法九十八条では政府が締結した国際法規の遵守を定めていることからも、公選法による制限は不当であることなどを解説。ところが政府はこの事実を警察や検察、裁判官などに徹底していないことも告発しました。

藤原敏憲養父市議も挨拶で、今回の不当捜査は、暴力集団が全教師を拉致・暴行を加えた八鹿高校事件以来、暴力から民主主義を守るたたかいの伝統を引きついだ八鹿の日本共産党と民主勢力への攻撃であり、最後までたたかうと語りました。



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

神戸市議北区補選に朝倉えつ子さん

神戸市長選挙にあわせ神戸市議会議員の補欠選挙が東灘区と北区で行われます(選挙すべき議員数各一)。

日本共産党は北区市議補欠選挙に党北区くらし・福祉相談室長の朝倉えつ子氏(46)=新=を立てることをこのほど発表しました。

朝倉えつ子氏の略歴

一九六六年生まれ。日本福祉大学二部卒業。民青同盟北多摩東部地区委員長。東京労連東京労働共済会勤務を経て、東京都保育問題協議会事務局員、障害児学童保育指導員、新婦人小平支部支部委員、小平市こどもまつり実行委員長など保育・子育てにかかわる運動で活躍。北区ひよどり台在住。



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

西脇市議選、新温泉町議選3候補が全力

十月二十七日投票で行われる西脇市議選(二十日告示)と新温泉町議選(二十二日告示)の日本共産党候補者の略歴を紹介します(年齢は投票日当日)

西脇市議選

西脇市議選は、定数二減の十六のもと、日本共産党現職の寺北建樹(てらきた・たてき)氏が現有議席確保をめざします。


寺北建樹(64)=現=中央大学卒、西脇市議六期。高教組、全解連の運動に参加。芳田ふれあい会議事務局長。


新温泉町議選

新温泉町議選(定数十六=この間削減なし)で日本共産党現職の谷口いさお氏、中井じろう氏が現有議席の確保をめざします。


谷口いさお(60)=現=県立豊岡農業高校卒。青年、農業者運動に参加。浜坂病院守れ、ケーブルテレビいらないなど住民運動にとりくむ。北但ごみ問題の会事務局。浜坂町議三期、新温泉町議二期。党但馬地区常任委員。


中井じろう(63)=現=町立温泉中学校、県立浜坂高校、大阪経済大学卒。労働組合・民主商工会で活動。温泉町議三期、新温泉町議一期。温泉少年野球クラブ代表。



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

姫路:参院選・知事選で多数の無効票

日本共産党姫路市議団が是正申し入れ
投票用紙交付方法の改善へ



日本共産党姫路市議団は、七月の参議院選挙・県知事選挙で姫路市内の無効票が10%を上回ったことについて、姫路市選挙管理委員会に八月十二日、申し入れました。

申し入れた内容は、

①県内他都市平均の無効票が3~5%であるのに対し、姫路市の無効票は二万二千六百四票、10%を超えている。厳格な調査を行い、その原因を明らかにすること

②選挙の種別ごとに投票用紙の配布を行い、混同が生じないないよう配慮すること

―の二点です。

兵庫県選挙管理委員会は、投票所での投票用紙交付方法は選挙種別ごとに交付するよう、各自治体に通知しています。しかし姫路市選挙管理委員会は、期日前投票では三枚の投票用紙を同時に交付、投票日の投票でも、県知事選挙と参議院選挙の投票用紙は別に交付したものの、参院選挙の選挙区投票用紙と比例投票用紙を二枚同時に交付しました。

この申し入れに対し市選管は、投票用紙の同時配布が無効票が増えた原因であることを認め、次回の選挙からは選挙種別ごとに投票用紙を渡すことができるように人員、設備面で最善を尽くすと表明しました。

党市議団は、選挙は民主主義の根幹であり、10%以上もの無効票が出る事は異常事態であるとし、姫路市選管には一刻も早い対応が求められていると指摘しています。


写真:申し入れ書を手渡す(中央から右へ)大脇和代、入江次郎、森ゆき子、谷川まゆみ各市議


(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

後期高齢者医療広域連合議会

保険料引き下げ請願を否決


兵庫県後期高齢者医療広域連合の二〇一三年第二回定例会が八月二十一日開かれました。


二〇一二年度決算について、三木市選出の大眉均議員(日本共産党市議)は、七十五歳以上の高齢者を別枠の医療保険に囲い込み、診療報酬も別立てにすることで安上がりの差別医療を押しつけ、医療費削減を目的につくられた制度であり、この制度にそのものに反対だと主張し、認定に反対しました。

養父市選出の藤原敏憲議員(日本共産党市議)も保険料値上げに跳ね返る過大な医療費推計を批判し、反対しました。


また来年度の保険料改定をひかえ、兵庫県社保協と全日本年金者組合兵庫県本部が、保険料の引き下げ、県独自の減免制度の創設、医療費の一部負担無料化などを求めた請願が審議されました。

請願を紹介した大眉均議員は、介護保険料、電気・ガスなどのあいつぐ値上げの一方、年金削減のもと、制度発足以来毎回保険料は値上げされてきており、さらに保険料が値上げされれば高齢者にとっては死活問題との趣旨は当然とし、賛同を求めました。

藤原議員は、負担軽減、制度の安定運営へ公費負担率の増加や財政支援を国、県に求めている議会の要望は請願の趣旨と一致するものとして賛成の討論を行いました。

採決では、藤原、大眉議員に加え、宝塚市選出の北山照昭議員(市議会議長)が賛成しましたが、反対多数で否決されました。
高山忠徳=県社保協)


(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

革新芦屋の会が第2回総会

安保廃棄へむけ学習・宣伝にとりくもう




平和・民主・革新の日本をめざす芦屋の会(革新芦屋の会)が第二回総会を八月二十四日に開催。総選挙・参院選の結果をふまえ「安保廃棄に向け、学習、宣伝に取り組む」などの方針を確認しました。

沖縄革新懇代表世話人の仲山忠克氏が「沖縄の“いま”と日米安保」と題して記念講演しました(写真上)。

仲山氏は、オスプレイ配備やヘリ墜落事故の実態を紹介し「住民の安全や国民主権に優先する軍の論理が貫徹。そこに安保の本質がある」と指摘。

普天間基地のたたかいでは、県内移設論、県外移設論など「安保の土俵の上での論理」の克服が避けられないと強調し、「基地は沖縄への差別だ。本土に沖縄の痛みを理解させるには本土に移設を」という主張の誤りを批判しました。

米兵犯罪、軍用地問題、地位協定などにも即して「安保では騎士(米)の意思をよく理解して行動することを馬(日)は期待されている」「脱軍事同盟・非軍事化は世界史の流れ。沖縄の歴史は、九条こそ現実的正当性をもつことを実証している」「憲法改悪阻止と安保廃棄を意識的に結合しよう」と締めくくりました。

参加者からは「沖縄問題の本質が安保だということがよくわかるお話でした」などの感想が寄せられました。





(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

青年たちが原水爆禁止世界大会報告会

兵庫青年一万人署名など行動へ


核廃絶と原発ゼロへプラカードも手作り

青年の原水爆禁止世界大会報告会が八月二十五日、神戸市内で行われました。

冒頭に神戸医療生協から世界大会へ参加した柴田耕平さんが世界大会の全体像について報告し、続いて世界大会への参加者四名が順番に感想を話しました。また、終戦記念日に三宮でおこなったシールアンケート調査について報告しました。

その後、三グループに分かれて討論、「被爆者の話を聞ける最後の世代だが、この記憶を風化させないように語り継ぐにはどうすればいいか」「『はだしのゲン』閲覧規制など意図的に風化させようという動きもある。そういう反動的な動きとたたかうことも大事だ」「核兵器廃絶に消極的な日本政府を変えることが必要」など活発に意見交流しました。

最後に、①兵庫青年一万人署名にとりくもう、②兵庫県内の被爆者の体験を聞き取ろう、③核廃絶の展望を学ぼう、④核廃絶に背く日本政府の態度を変えさせよう、⑤毎週金曜日の原発なくせの行動に参加しよう―の五項目の行動提起を盛り込んだ「原発ゼロ!核兵器ゼロ!ゼロこねっと『非核宣言』」を岸輝彦ゼロこねっと事務局長が報告し、拍手で採択しました。

報告会後は西元町駅から阪急三宮駅前まで核廃絶と脱原発を訴えパレードを行いました。



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

NO NUKES 60th, 2013-8-23

再稼働食い止め連続60週



八月二十三日、第六十回となった関電神戸支店前抗議行動には約六十人が集まりました。

今回の行動には、大阪の本店前行動に参加し続けてきたが初めて神戸支店前の行動に参加したという人や、若い参加者も多数みられました。

「“再稼働反対”とここで抗議を続けてきたことが、大飯以外の原発の再稼働を止めている」など交流しました。

毎週金曜日、十八時から十九時まで関電神戸支店前で行います。



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

  ただごとではない  


段 重喜



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

兵庫革新懇夏期一泊研修ツアー(1)

瀬戸内海の島々に戦争の傷跡を訪ねる

松田隆彦

毒ガス製造に中高生も動員され被害:大久野島(広島県)


兵庫県革新懇は八月二十五~六日、恒例の研修ツアーを行いました。激しい雨の降る中、車中で西沢慎代表世話人から原水禁世界大会の参加報告を受け、最初に向かったのは「安芸の小京都」と呼ばれる広島県竹原市。格子戸の町家が並ぶ美観地域を散策しました。


そのあとバスに乗ったままフェリーで大久野島へ、ここで平和学習ガイドの山内正之さんの案内で旧日本軍が毒ガスを製造していた跡地を見学しました。


島には毒ガス資料館が設置されており、旧日本軍の毒ガス研究と製造、人体に及ぼす影響、中国などでの毒ガス使用の実態、島に作られた工場での苛酷な労働と被害などが展示されています。第一次大戦で使用された毒ガスが、あまりに残虐であることから日本も賛成し国際的に禁止になった毒ガスを、ひそかに製造し使用したことは、重大な国際法違反でした。政府は毒ガス製造の事実を隠蔽するために、大久野島自体を地図から消すほどの徹底ぶりでした。

戦後、米軍の指導で貯蔵されていた毒ガスは、防空壕などに埋設、高知沖に海洋投棄など処分されました。ところが、東京裁判では七三一部隊の細菌兵器と並んで毒ガス使用も、アメリカの意向で裁かれませんでした。


毒ガス障害死没者慰霊碑前で山内さんは、毒ガス工場の従業員や学徒動員された中高生の受けた被害の実態を紹介。政府が、国際法違反を逆手にとって、被害者を救済しようとしなかったことを指摘し、高齢になった被害者が重度の気管支炎などで今も苦しんでおり救済法の制定が必要だと訴えました。

大久野島は戦後、朝鮮戦争時に米軍の弾薬庫に使用された後、一九六三年に国民休暇村が建設され、現在はうさぎが走り回る平和なリゾート地になっていますが、平和学習の地として学生や家族連れも資料館等を見学し、毒ガス製造・使用の犯罪性、残虐性、平和の貴さを知らせる島になっています。(続く



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

平和のための戦争展三木

修学旅行の事前学習に小学生たちも



二十一回目となる「平和のための戦争展三木」は八月十九~二十五日、三木市役所内のみっきいホールで開かれました。

北朝鮮の核問題、安倍政権による改憲の動きを捉えて、入り口には、たたみ九畳大の水爆パネル看板を作成。特別展示で自民党の改憲案の危険な中味を紹介しました。

基本展示は、日本の侵略戦争(日中戦争を中心に)の実態、三木市民で徴兵され死亡した千二百人を超える人たちの死亡場所の地図、沖縄戦、神戸の空襲、満蒙開拓などパネル写真、当時の国民服・もんぺなど衣類や軍人の鉄かぶと、飯ごう、水筒、ラッパ、ライフル銃・銃剣・手りゅう弾・地雷・焼夷弾などの武器類、教科書・雑誌など、それに原爆と人間展を合わせパネル写真六十三枚その他の物品五十三点が並べられました。

軍事でなく対話でと大きく発展している東南アジア諸国連合(ASEAN)も紹介されました。

また、原発問題のコーナーを設け、福島の現状が伝えられました。

十九日の開幕には、待ちかねたように小学六年生を伴った親子連れが三十人入場。二十五日まで毎日のように小学六年生が三十人くらい入場し累計子ども二百人、大人四百六十八人、合計六百六十八人が入場しました。

子どもたちに話を聞くと、三木小学校では十一月に広島に修学旅行にいくので、事前の平和学習に戦争展を見るようにと先生から勧められたとのことでした。

また、今年も遺品を提供したいとの申し出が複数あり展示品が増えてきています。

三木市・教育委員会の後援を得て、また市長からのメツセージ、神戸新聞三木版、FMみっきい、三木市ホームページのブログなどで紹介されて少しずつ参加者広がってきました。

実行委員会では、国際社会と平和の世論に逆行する安倍自民党政権の危険性を知らせ平和の輪を大きくするため、さらなるとりくみが大切と考えています。
田中信一



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

尼崎平和のための戦争展

「戦争をする国」にしないために



阪神・淡路大震災直後からはじめた「尼崎平和のための戦争展」は今年で十八回目を数えました。

戦争展に先立ち八月十七日にはプレ企画として映画「ひまわり」を中央公民館で上映しました。

これは一九五九年に沖縄の宮ノ森小学校に米軍ジェット戦闘機が墜落したことにより、ひまわりを愛する少年の夢も、少女の未来も奪った実際の事件を基に今の日本における基地と人間の壮大な物語です。

観られた方から「沖縄の現実をもっと自分のものとして考えなければと感じました」との感想が寄せられました。

展示は二十三~五日に女性センタートレピエを会場に行いました。

実行委員会では今年のテーマを「『戦争をする国』にしないために」とし、憲法「改正」の危険性、沖縄の基地問題、従軍慰安婦問題や戦争責任に対する安倍政権の危険な動きなどに対し、市内各九条の会や平和を守る民主団体などの展示で市民に訴えました。

「『尼崎の戦災地図』あとわずかで終結する直前の空襲が多いこと。これでもか!という感じで攻撃されている戦跡が痛々しいです」との感想が寄せられました。

読書コーナーでは『はだしのゲン』など多数の平和関連書籍を自由に読んでもらえるようにし、また保育所の子どもたちには紙芝居『かわいそうなぞう』を見てもらいました。

最終日には原爆被害者の会の方が被爆体験を紙芝居や語りで伝え、また青年からも福島への被災地ボランティアや長崎で開かれた原水爆禁止世界大会の報告が行われました。
松岡宗治



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

映画『少年H』:平和への願い熱く

お盆休みに家族で出かけ、映画『少年H』を鑑賞する機会がありました。

『少年H』は原作も読みましたが、映画の方は妹尾河童氏の少年時代を再現するためにずいぶん苦労されたようで、戦前の空間に溶け込むようなリアルさがあり、それだけに胸を打つものがありました。長田や須磨、三宮などなじみのある場所で戦前の市民生活の軍国主義におおわれた重苦しさ、兵役を拒否して命を絶つ青年、空襲に逃げまどう親子や焼け野原に残された死体など戦争の無惨さ、年端もいかない中学生に軍事教練を繰り返す狂気が見事に描かれていました。そうした中で、人としての良心をまもり、「恥ずかしい生き方したらアカンよ」とこどもを諭す父親。「鬼畜米英」から「アメリカさん大したもんや」と手のひらを返したように変貌する大人に、海の流れに揺れ動く「ワカメや」と憤るH少年など、いくつものシーンが目に焼き付きました。

会場は満席で、この映画を通じて多くの神戸市民の中に「反戦平和」の願いが広がっていくのではないかという思いを熱くしました。

自民党の古参幹部が「最近の若手議員は本当の戦争を知らない」とぼやいていた新聞記事を見たことがありますが、国防軍だ、軍法会議だ、集団的自衛権だと安倍政権が騒いでも、戦争の記憶を消すことはできない。そして国民的反撃の力は戦前とは比べものにならない強さと広がりを持っている…そう確信させてくれた映画でした。
六甲おろし



(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

今年の八月十五日、私は、偶然、六十八年前のその時と同じ場所に立っていた。加東市滝野町にある景勝地「闘龍灘」を見下ろす広場の前である▼この滝近くの農家が私の母方の遠い親戚にあたり、戦時中疎開していたところである。このとき世話になった「おたね」さんという女主人が九十七歳でなくなった盆供養のため、久方ぶりにたずねたのが十五日の正午だった。広場に車を止め、何気なく周りを見回したとき、「たきぢ食堂」という看板が目にとまり、突然、六十八年前の光景がよみがえってきた▼当時、私は五歳、その日も真夏の太陽が照りつけていた。食堂前の道路に大勢の人が集まっていて、ボリュームいっぱいに上げたラジオからピーピーという雑音とともに天皇がよみあげる「爾臣民ニ告ク」という「詔書」を聞いた。何を言っているのかよく分らなかったけれど、大人たちは戦争が「終わった」という腰が抜けたような脱力感と言葉にならないむなしさからか、みんなおし黙って泣いていた▼あの日から六十八年「たきぢ食堂」は、まるで時間が止まっていたかのように当時と同じ場所にそのまま残っていた▼夏休み、我が家にやってきた六年生の孫は、宿題の自由研究で『少年H』の感想文を書くらしい。 (D)

(2013年9月1日付「兵庫民報」掲載)