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2013年7月16日火曜日

働く人と中小業者の所得増やす県政を

アベノミクスと兵庫県の経済・雇用政策の両方が問われているいま。兵庫県の実態をしめす数字を見ながら、検討してみましょう。

10年で所得32万円ダウン


この十年で一人あたりの県民所得は、三百一万三千円から二百六十九万円に減少。雇用者報酬(働く人の給料)は、民間企業の所得が増えているにもかかわらず、減っています。


2000年を100とした企業所得と雇用者報酬
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
企業所得 100 159 142 147 220 236 240 240 215 145 235
雇用者報酬 100 98 98 98 95 94 95 96 96 94 92

企業が非正規雇用などの不安定雇用を増やし、給料を引き下げるなかで、設備投資にも利益をまわさず、内部留保を貯めこんできたことが今日の「デフレ不況」の原因となってきたことが、兵庫県の数字でも裏付けられています。

内部留保の一%を取り崩せば月一万円の給料引き上げが可能な大手企業は十社(県下に事業所がある企業)もあります。

大手企業の内部留保
企業名(グループ名) 連結内部留保(億円) 国内従業員数(人)
パナソニック 32,198 133,605
新日本製鉄 18,504 71,696
IHI 3,628 26,191
関西電力 21,706 44,057
神戸製鋼所 4,569 37,104
ナブテスコ 1,014 3,887
上組 2,515 4,511
三菱重工業 11,873 69,223
三菱電機 15,446 82,002
川崎重工業 3,687 24,770

しかし、現兵庫県知事は、真剣に企業に賃上げを働きかける姿勢に欠けています。その上、県経済にも悪影響をあたえる県職員の給与カット(国の方針に従ったもの)を実施しました。

これでは、肝心の賃上げを実現できる方策が、アベノミクス同様、ありません。

大企業頼みの産業施策


県経済の主役は企業数で九九%、雇用者数で七八%を占める中小企業であることはだれの目にも明らかです。

それにもかかわらず、現兵庫県知事は、撤退で失敗が明確になったのに、パナソニック一社に二百億円も補助する制度を見直そうとしていません。あくまで大企業に頼った産業政策をつづける姿勢です。

全国や県下でもひろがっている住宅リフォーム助成制度についても、「新築との均衡からみて困難」と、後ろ向きの姿勢をとりつづけています。

中小企業をその位置付けにふさわしく、兵庫県の産業施策の最大の柱にすえた県政へ、転換が求められています。

また、TPP(環太平洋連携協定)は、兵庫の農林水産業を破壊し、医療や雇用にも悪影響をあたえますが、国と同じように、「大規模化で、所得の増を」と机上の目標をかかげた農業ビジョンでごまかしています。

消費税の増税推進


アベノミクスで給料もあがらない県民。仕事が増えない業者を直撃するのが消費税の増税です。

投機やバブルで、一部の人たちだけが潤い、原材料の値上がりなどがはじまっている状況で、消費税を増税すれば、不況をいっそうひどくします。

しかし、現兵庫県知事は、一貫して「消費税増税」を歓迎する姿勢。県民や地域経済の実態を無視する冷たい姿勢です。

ブレーンに大手企業役員


県政がこのような状況になっている背景に、県政に経済・雇用対策を提言する「ひょうご経済・雇用活性化プログラムフォローアップ会議」に経営者協会はじめ神鋼やパナソニックなどの役員が入っていることがあります。こうした大企業役員らの提言をうけて、経済・雇用の対策が決められているのです。

中小企業振興条例をつくって、中小企業の実態をしっかりとつかみ、その意見を兵庫県に反映する仕組みをつくることこそが、切実に求められています。

(2013年7月21日付「兵庫民報」掲載)

国民との矛盾を深める自民・公明・民主、補完性見抜かれ共産党攻撃に転じる維新・みんな

自民党は最近、国民的批判の強い、原発再稼働や消費税問題についてはもっぱら沈黙し、アベノミクス自慢を論戦の中心にしています。しかし、国民には景気回復の実感はありません。小泉進次郎青年局長も「アベノミクスの実感が全然届いていないことを強く実感する」と発言。安倍総理ほどには自信を持って訴えられないと言うのが実情のようです。また、ブラック企業批判は特に青年層で強く、ワタミ会長の扱いには怒りが広がっています。

何より、アベノミクスの評価でも、憲法改正、原発再稼働、TPPなどの問題でも、自民党政権と国民要求との間には深刻な「ねじれ」が生じているので、自民党支持層にもいくらでも切り込むことは可能です。この点は公明党も同じ矛盾を抱えています。

民主党支持層の崩れはとどまりません。

ある元民主党市議は「赤旗」の取材に応え、「民主党は党内の意見の違いをまとめる力を持たず、多くの公約を果たさないで国民を裏切った」「自民党政権の暴走に歯止めを掛けられるのは共産党しかないのではないか」と語っています。

民主党は、支持層離れを食い止めるべく自分のことは棚に上げ「維新は自民の補完勢力」と訴えるなど「対決ポーズ」を強めています。しかし、国政では自民、公明、民主の三党合意で消費税増税と社会保障改悪を合意し、兵庫県では自民、公明、民主で現県政を支えており、自民党と対決していないことは誰の目にもわかりやすいのが兵庫県の情勢です。

維新の会は橋下代表・松井幹事長が県内四カ所で街頭演説。アベノミクスを褒め称えた上で民主党を攻撃。一方「民主党、共産党は税金を国民にばらまいて家計を潤すと言っている」などと、でたらめな批判。「慰安婦」問題でも長々と弁解しています。みんなの党は、維新と決裂し「第三極」の存在感が薄れたことに危機感。「国公関係労組の支援を受け賃下げに反対する共産党」など根拠のない攻撃をしています。

「第三極」は、自民党の補完勢力であることを国民から見抜かれつつある中で、攻撃の矛先を日本共産党に向けて来ています。

(2013年7月21日付「兵庫民報」掲載)

こども病院移転、県の強弁

撤回を求める請願署名5万2626人分を前にしても


県立こども病院のポートアイランド移転を撤回させ、周産期医療の拡充を求める会(略称・こども病院連絡会)は七月九日、移転撤回を求める知事あて請願署名第三次分四千七百八十七人分を提出しました。一次、二次分とあわせ合計五万二千六百二十六人が知事に請願したことになります。

第3次4787人分の署名を前に県当局に迫る連絡会世話人ら

連絡会からは世話人の池内春樹・柳田洋両氏、日本共産党のきだ結県議ら八人が県庁を訪れ、西村隆一郎病院事業管理者ら七人が署名を受け取り、懇談しました。

連絡会側が「中央防災会議防災対策推進検討会議の最終報告は学校、病院などについて『浸水の危険性の低い場所に立地するような配置の見直し』が必要だと述べているのに、県は高台から人工島へ強行するのか」と迫ったのに対し、県側は「(同検討会議ワークキンググループ主査の)河田恵昭先生は一月の神戸市医師会のシンポでポーアイは大丈夫と言われている」と応答。

きだ県議が、医師会のシンポ報告集を引き、河田氏は「ポーアイで大丈夫」とは言っておらず、大阪の舞洲・咲洲と比較しての言及であったことを指摘すると、県側は河田氏の発言にふれることができなくなりました。

連絡会側が、「周産期医療体制計画では総合周産期医療センターを県内五カ所設置するとしているが、県立こども病院に加え、神戸中央市民病院が申請し、二カ所になった。こども病院をポーアイ移転したら同じ地域に二カ所と偏ることになる」と疑問を呈すると、県側は「隣どうしでも特徴が違えば良い」「医療計画は健康福祉部が進めること」と繰り返しました。

また、県側は、「現地建て替えを病院局は考えていたのが、トップダウンでポーアイ移転に変わった」との第二次提出時の説明を取り消し、「現地では求められている機能が確保出来ない」「総合病院(中央市民病院)の隣にいくメリットがある」と述べ、連絡会側が「一体化運営をすると言っていたが、実際には距離が離れ、できないのではないか」と指摘すると、「神戸市との話合いは継続している」と答えました。

(2013年7月21日付「兵庫民報」掲載)

姫路革新懇TPP問題で経営者協会などと懇談

姫路革新懇では、参議院選挙でも争点となるTPP(環太平洋連携協定)問題について、姫路地域の各団体に懇談の申し入れを行いました。そのうち姫路経営者協会、姫路商工会議所、姫路市医師会、姫路市漁業協同組合の四団体と懇談することができました。

姫路革新懇としては初めての取り組みでしたが、各団体とも真摯な対応で和やかに懇談することができました。

姫路経営者協会では、「上部団体が経団連ということで、国の方向性に対立的な立場は取りにくい」としながらも、「設備投資すれば減税となるが、減税効果は賃上げや地域経済に反映していない」ことを率直に認めました。

姫路商工会議所でも、「商工会議所内には多様な企業・団体があり、規制緩和、TPPについては評価が分かれている。」ことを認め、「小泉改革が日本の良き雇用のルールや地域の産業をこわしてしまった」「いまの日本では都市部は栄えているが、地方が滅びているのではないか」という革新懇の主張に対して反論はせず、その通りだと応じました。

姫路市医師会でも、「国民皆保険制度をなくすことは反対である。市民向けにフォーラムを開催した」ということで、今度の選挙でも自民党の動きを注視している。と述べました。

姫路革新懇として、今後この問題について何らかの行動を計画していきたいと考えているが、その節はよろしくお願いしたいことを伝え、懇談を終えました。

最後に訪れた姫路市漁業協同組合では、組合長以下四名の役員と懇談しましたが、冒頭いきなり漁協側から「政治家は信用できない」「私たちの本音は素人(企業)が乱獲し海をこわすTPPには反対」と矢継ぎ早に発言し、「TPPがどうなろうと私たちは海で生きていかなければならない」「宝の海を守るため、みなさんとの連帯を大切にしていきたい」と述べられ、意義深い懇談となりました。
本行清=姫路革新懇事務局)

(2013年7月21日付「兵庫民報」掲載)

「日中友好平和の塔」40周年記念式典

憲法守り草の根の友好運動を

塔の前での記念式典(挨拶するのは渡辺副会長)

芦屋公園内に建つ「日中友好平和の塔」が、七月七日に建立から四十周年を迎えるにあたり日中友好協会兵庫県連と同芦屋支部は七日、塔前で「建立四十周年記念のつどい」を開催、記念式典には協会員や在日中国人、地元住民など五十人余りが出席しました。

「日中友好平和の塔」は一九六〇年代後半、中国で「文革」が始まり激しい大国主義干渉とのたたかいが行われていた時期、「二度と戦争はごめんだ、こんな不幸を繰り返してはならない」との侵略戦争への反省から日本中国友好協会本部が「日中不再戦碑」建立を全国の組織に呼びかけ、当時の芦屋支部がこれに応え一九六九年に碑建設を県内各界に呼びかけ、一九七〇年に建設準備委員会が作られ広範な市民に協力を訴え、約三年半の取り組みで五千人余りの市民から賛同を得て一九七三年七月七日に除幕式が行われました。

四十周年記念式典では、来賓として山中健芦屋市長のメッセージを米原登己子企画部長が出席し代読、中国駐大阪総領事館から張梅領事と宋雄偉副領事が出席、協会本部から渡辺武副会長が出席しそれぞれ祝辞を述べました。

最後に「日中不再戦」の精神を堅持し、平和憲法を守り、草の根の友好運動を全力で取り組む旨のアピールを読み上げ拍手で確認し合いました。

会場を訪れた人には、「芦屋に住んでいるが、こんな立派な塔が立っていることを知らなかった。恥ずかしく思います」と語る人もいました。

記念企画行事として、塔側に設置されたテント内で芦屋市在住の小泉清さん(92)が戦争体験を語りました。また、空襲被害の阪神間や神戸の惨状を写した写真や、南京大虐殺、今も中国各地に残る侵略戦争の戦跡を移した写真が展示されました。 (U)(2013年7月21日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(517)



(2013年7月21日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

折り鶴―一つ一つの折り目に祈りを込めて千羽鶴が形づくられる。平和、見舞いや激励など様々な願いが込められて。核兵器廃絶を訴える国民平和大行進の通過に合わせて折り鶴が託される▼三千羽もの千羽鶴を二つの化粧箱に納めて届けた被爆者(神戸市垂水区)。糸につなげたたくさんの千羽鶴を持って炎天下を行進した保育園児たち(尼崎市)。日本共産党居住支部が地域で集めた三千羽(浜坂)。新日本婦人の会が一年かけてつくりあげた三千羽(高砂市)▼胎内被爆者の夢千代の街湯村温泉(新温泉町)では宿泊客にも折り鶴を呼びかけ、毎年、数万羽を広島に届けている。被爆後、十一年もたって白血病に冒された佐々木禎子さんが病の克服を願って千羽鶴を折りつづけ、「原爆の子の像」が高く折り鶴を掲げ持っていることはよく知られていることだ▼「広島、長崎に届けて」と平和行進に託される一羽一羽の折り鶴も含め、その数は兵庫県だけでも十万羽は下らない。一つ一つの折り目に込められた平和を願う思いの広がりは想像を絶するものがある。この思いに応えられる日本を、兵庫県をつくることが求められている。それはいつ? 今でしょ! (K)

(2013年7月21日付「兵庫民報」掲載)

上郡町議選告示:日本共産党の小原氏が議席回復へ全力

1人ひとりの声を届け、住みよい上郡町を:小原潤一氏が全力


上郡町の町長選挙、町議会議員選挙(定数12)はきょう16日に告示され、参院選・知事選と同日の21日投票で行われます。日本共産党からは小原潤一氏(68)=前=が町議選に立候補しています。

今回の選挙は町長の辞職・議会解散により行われるものです。町議会のあり方が問われています。

町議会は議決機関として大きな権限を持つとともに、町政の運営を点検する役割があります。町長と議員はそれぞれ選挙で選ばれた代表であることをお互いに尊重し、何よりも町民の福祉・安全の向上をめざす立場にたって運営されなくてはなりません。

日本共産党の小原氏は、住民の利益第一、住民参加のの町づくりを保障する議会運営に全力をあげる決意を明らかにしています。

小原氏は、2011年10月の議員補欠選挙で当選した直後の12月議会で、こどもの医療費無料化の拡充を求める町民の切実な願いをとりあげ、2012年4月からの入院医療費無料化(中学校3年生まで)が実現されました。

さらにこの2年間で、災害対策、介護保険料軽減、ごみ問題、学校給食と地産地消、地元農業の育成、JR上郡駅改札自動化などを議会でとりあげてきました。さっそくことし9月から実施が予定されている学校給食では上郡産の米をつかうことが予定されています。

議会外でも小原氏は、町民から寄せられた相談に親身に対応し、解決に力を尽くしています。赤穂・相生の党議員団とも協力して生活相談を実施。さらに「民主郡山」を発行し、議会の内容や町政について町民に報告してきました。


小原氏は、これからも町民の願いをしっかり議会と行政に届け、実現へ向け、積極的に提案していきたいと決意を表明。今回の町議選挙にあたって小原氏と日本共産党は、

  1. 信頼される公正な議会に
  2. 安全で住みよい町に」(千種川改修の早期完成へ事業を促進、安全な避難方法の確立・体制充実、原発ストップと自然エネルギーへの転換)
  3. 福祉サービスを充実」(こども医療費は通院も中3まで無料化、国保税・介護保険料引き下げ・減免、タクシー補助券制度拡充、コミュニティーバス(愛のり号)と「ほほえみタクシー」を利用しやすく)
  4. 農業と観光を元気に」(学校給食に地元食材活用、奨励制度で特産物育成、JR上郡駅自動改札化・ダイヤ充実など利便性向上、有害鳥獣害対策、TPP参加反対、自然と歴史をいかした観光誘致)
  5. どの子にも笑顔を」(豊かな心と基礎学力が身につく教育へ条件整備、上郡の文化・伝統の継承、地域の協力による子ども見守り活動の強化、いじめ問題は町民といっしょに考えとりくみを強める)

などの政策を掲げ、議席獲得へ全力で訴えています。(Web版のみ)