日本の民主主義守るたたかい
―小牧英夫弁護士が語る
小牧氏は、レッド・パージはどのようにしておこなわれたのかに立ち返り、共産党中央委員の追放などを指示したマッカーサー書簡以前から、吉田内閣が官公労のレッド・パージを閣議決定、行政機関での解雇にかこつけてレッド・パージを実施し、この解雇者の半数が共産党員と支持者であったことを指摘しました。
さらに吉田首相がマッカーサーとの秘密会談で共産党の非合法化を打診するなどの一方、GHQ側は、日本政府や企業のレッド・パージを追認するが、GHQとして直接手を下そうとはしなかったことを紹介し、労働者へのレッド・パージが一貫して吉田内閣の主導で行われており、訴えを退けた神戸地裁、大阪高裁判決は事実に反していると批判しました。
裁判を通じて内閣や国会がレッド・パージ被害者の要請や日弁連の勧告を放置してきたことも明らかになり、過去の最高裁判例からも、国や国会が何もしてこなかった「不作為」の違法性があると訴えたことを紹介。レッド・パージに関する過去の最高裁判例を今度の裁判で改めさせることが重要で、この裁判が日本の民主主義を守るたたかいであり、勝利の展望は国民的運動の拡大によって開けると結びました。
懇談会では支援者からの発言が相次ぎ、最高裁審判に向けて、大法廷での口頭弁論をおこない、公正な判決を求める署名運動と、裁判闘争を支える募金活動にとりくむこと、運動の輪を広げることを確認しました。
(2013年3月3日付「兵庫民報」掲載)