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2013年2月17日日曜日

憲法会議と共同センター新春学習会

地域拠点に幅広い国民連合を―渡辺名誉教授が訴え



兵庫県憲法会議と兵庫憲法共同センターは二月五日、兵庫県民会館で「新春憲法学習会」を開催し三百人を超える参加者が渡辺治一橋大学名誉教授の講演を聞きました。

総選挙後の情勢について渡辺氏は、運動が政治を変えた新たな三つの芽があるとして、①被災三県での共産党票の伸び②沖縄での共産党票の前進③都知事選挙での二十九年ぶりの革新共闘の成立を紹介しました。

憲法問題では、集団的自衛権容認は、改憲しなくても「安全保障基本法」という法律を成立させることで可能になってしまうと指摘しました。

軍事大国化と新自由主義・構造改革の総仕上げをするため、九条(戦争放棄と戦力・交戦権否認)だけでなく、九十六条(改正手続き)、第一条(天皇の地位と国民主権)、二十四条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)の改定もねらう安倍政権の改憲戦略を、自民党改憲草案と維新の会の改憲案を紹介しながら解明しました。

その上で、これらに立ち向かうため、革新勢力が火の玉のようになって、地域を拠点に、保守層など幅広くまきこんだ改憲反対の国民連合をつくり、新自由主義政治にも終止符を打とうと訴えました。

参加者からは「憲法改悪の真のねらいがよくわかった」「地域を拠点にしての運動が大事だと思った」「運動の広がりを政治につなげることが必要と納得した」などの感想がだされていました。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

「建国記念の日」不承認集会

衆参選挙制度の抜本的改革を―上脇教授が指摘



「建国記念の日」不承認兵庫県民集会が二月十一日、実行委員会主催で開催されました。

実行委員会からの基調報告のあと、岩本賢治氏(明石市立魚住東中学校教諭)が授業での「模擬投票」の経験を報告。中学生が選挙や社会の状況に目を向けるようになる姿を報告しました。

上脇博之神戸学院大学院教授は記念講演で、安倍自民党政権の「集団的自衛権の行使」を法律で認める「解釈改憲」と、憲法九十六条の要件緩和を先行させながらいずれは九条改悪への「明文改憲」を狙う道筋を維新の会など他党の改憲案も含め解明しました。

さらに、九条改憲論はアメリカと財界の要求に応えて「アメリカと戦争できる日本」をつくるものであると指摘。すでに集団的自衛権を認めるための「有識者会議」も始動しているなど緊迫する情勢の中で、国民の運動で民主化を進め、憲法改悪を阻止する展望にも言及しました。

そのためにも衆参の選挙制度を抜本改革することが必要であることを解明しました。

集会は、安倍自公政権が、維新の会、みんなの党とも組んで憲法改悪を推進、アメリカや財界の利益を最優先にする政治を強行すればするほど、国民生活、日本国憲法との矛盾は拡大する一方だが、脱原発やTPP反対のとりくみの前進は国民の成長を示していると指摘、「今こそ日本国憲法が目指す理想に確信をもって、平和と国民生活の向上をめざす日本国憲法の諸原則がいかされる社会の実現に向けたとりくみを発展させよう」とのアピールを採択しました。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

非核の政府を求める兵庫の会総会

草の根の討論・対話がカギ―小森教授が呼びかけ



非核の政府を求める兵庫の会は、九日、第二十七回総会を開き、情勢と今年度の活動方針を確認し、代表世話人に風呂本武敏氏、十六人の常任世話人を選出しました。

総会では、小森陽一九条の会事務局長・東京大学教授が「改憲・核武装論にどう挑むか」をテーマに記念講演しました。

参加者がとくに注目したのは「九条の会」アピールを出した二〇〇四年以降の国民世論の変化。小森氏は、当時の世論調査では、「憲法を変えたほうがいい」が六割、「変えない方がいい」が二割だったが、その後、全国に草の根の「九条の会」が広がり、学習や対話運動が広がって二〇〇七年の「読売新聞」世論調査では改憲派が半数を割ったこと、それが第一次安倍政権を崩壊させ、二〇〇九年の政権交代にまで結びついたことなどを解明。首相官邸前行動における若者の急速な成長などを紹介しながら、「草の根の討論、対話運動をどれだけ広げられるかが国民世論を変えていくカギになる」と呼びかけました。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

「いじめ」提言で教育関係者と懇談

神戸市教委でも少人数学級など一致点


日本共産党は、金田峰生参院兵庫選挙区候補を先頭に、深刻な「いじめ」の打開へ昨年十一月に発表した提言「『いじめ』のない学校と社会を」を持ち行政や教育関係者との懇談をすすめています。

二月八日は神戸市教育委員会と懇談しました。教委側は藤田博久、平井秀幸指導主事が応対、味口俊之、森本真神戸市会議員も同席しました。

はじめに金田氏から、提言はいじめ被害者の苦悩によりそって作ったものであることを紹介し、いじめ根絶への対応について提言の趣旨を自身の子どもの体験もふまえて説明。大阪市立桜宮高校問題のような強圧的なやり方では解決しないことを指摘しました。

教育委員会からは、実態を掌握すると昨年の倍以上の報告件数になっていることや、地域などの協力を得てのサポート体制づくりなどのとりくみ方向について説明がありました。

懇談では、「いじめを起こす背景に社会の歪みがあり、学校だけで解決しない。保護者や地域が一体になるために情報の共有・公開の努力が必要」「専門家であるはずの教員の多忙化は深刻」と昼の弁当を食べるのが夕方になるなど、過密勤務の実態も出され、少人数学級や教員増の必要性では一致しました。

また、「体罰問題」も話題になりました。体罰を「それくらいは必要」と体験をもとに容認する過去の「負」の部分の一掃が必要との決意も教委側から語られました。

日本共産党からは、県教委がすすめる公立高校通学区拡大について、子どもへのストレスを強めるだけであり、学区統合は許されないと指摘しました。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

芦屋:自校方式で中学校給食

―芦屋市教委が実施を決定


芦屋市は二月八日、臨時の教育委員会を開き、芦屋市立中学校の給食については自校方式で実施する、と決定しました。

今回の決定は、「芦屋市立中学校の昼食の在り方を考える懇話会」の、給食は全ての子どもの心身の健やかな成長を図るうえで有効であり、未来を担う子どもたちへの投資と受け止め、中学校でも芦屋らしい給食を考える必要があるという結論や、「給食実施検討委員会」の小学校のとりくみを引き継いだ給食を提供することが望まれ、そのためにも自校方式がもっとも望ましい、とした結論をふまえたものとなりました。

しかし、今回の審議のなかで今後の問題点も明らかになりました。

一つは、給食設備の建設が二重投資にならないよう、市が予定している校舎建て替えとセットで行う考えで、給食の同時実施が難しいこと。

二つには、実施時期にズレが生じることから不公平が生じることなどなどです。

また、自校方式はランニングコストが高くなるということで、三中学校に市の栄養士は配置するが、調理は業者委託なども含めてコストダウンを図りたいとしています。

これまで「中学校給食を実現する会」は、全国に誇ることができる芦屋の小学校給食と同じような、豊かな中学校給食を実現してほしいと運動をすすめてきました。

今回の教育委員会の決定を喜びながらも、給食を教育の一環として考え、小学校と同じような自校直営方式の実現をめざして今後の活動をすすめたいと思います。

(「中学校給食を実現する会」事務局・濱本鶴男)

(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

山下よしき:新しい道を刻む(3)

ブラック企業


「ブラック企業」という言葉をご存知でしょうか。違法な労働条件で若者を働かせ、人格が崩壊するまで使いつぶす企業のことです。

新卒の若者を正社員として大量に採用する。長時間残業、パワハラなどで短期間のうちに企業に極端に従属する人間に変える。その過程で若者は選別され、精神を病むなどして大量に退職に追い込まれる。

大量退職を前提にした大量採用――若者の能力を生かすのでなく摩滅させるやり方が、有名企業にまで広がっていることは私たちの社会にとって由々しき問題です。

先日、この問題にとりくむ二十代、三十代のみなさんから取材を受けました。「各党の雇用労働政策を調べてみると共産党がいちばん全面的でした」とのこと。よく見てくれています。「なのにどうして選挙で伸びないんでしょうか」とも。

「ルールなき資本主義」のもとで正規も非正規も苦悩する若年労働者。ともにたたかい、期待に応えてなんとしても伸びなければなりません。

(参議院議員)

(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

神戸市 党市議団・「実現する会」が全校実地調査

調理室スペース多くの学校に


神戸市の「中学校の昼食のあり方検討会」が「給食を導入することが望ましい」とのまとめ(案)を一月二十九日に発表。中学校給食実現へ大きく動き出しています。

検討会では「食育をしている立場からは、全員喫食で温かいものを食べる自校調理方式が望ましい」との意見も出ていましたが、神戸市教育委員会は、八十二校への聞き取り調査を行い「敷地内で、給食室を建設できる学校は十校」しかないという報告を「検討会」に提出し、「自校調理方式」や、調理施設のある小学校から配送する「親子調理方式」を検討から除外するよう議論を誘導しています。

◎校長らから具体的な提案・要望も


このことをうけ、日本共産党神戸市議団は、給食を実現する会と共同で、全中学校実地調査を行いました。二月十一日までに五十二校を調査。

調査の結果、市教委が調理施設の建設に「課題がある」とされた中学校の多くが調理室を建設できるスペースがあることがわかりました。

現地調査では、憩いのスペースや臨時駐車場、第二グラウンドなど、工夫すれば十分調理スペースに利用転換できることが分かりました。

また、対応していただいた学校長や教頭先生からも「校舎の横に広い倉庫があり、ここを撤去すれば調理室はつくれます」「ここの印刷室を別の階に移せば調理室がつくれる」など、さまざまな意見がだされ、調査に参加した実現する会のメンバーからも、「丁寧に検討し、必要な予算をつければすぐにでも自校調理方式ができそう」などの感想がでていています。

また、調理施設建設の調査を通じて、このほかにも図書館や運動具倉庫の天井崩落など修繕や「近くにある市民グラウンドを運動場に利用できるようにしてほしい」などの要望もだされました。

◎予算と人を配置すれば自校調理可能


調査結果をもとに、二月五日の文教こども常任委員会で質疑した味口俊之議員は、現場の声の結論は、予算と人を配分すれば可能というものだと自校調理方式の実施を神戸市に求めました。これまで、給食実施に消極的だった議員からも「狭い範囲ではなく地域福祉の拠点と考えて自校調理方式で実施を(民主党)」「給食導入なら全員給食にすべき、選択制は給食の目的を全て達成できない(自民党)」などの発言が出されました。

中学校給食を実現する会は、「市民から寄せられた署名は七万筆をこえており、市民の願いと運動が、行政と議会を前に動かしているのをひしひし感じている。これから実施方式が争点になるが、全員喫食の自校調理方式での実現をめざし、運動の力で世論をもりあげたい」と引き続き署名運動に全力をあげています。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

県補正予算案96%が公共事業関連

防災や生活密着型に切り替えよ:臨時県議会


八日、兵庫県議会で、二〇一二年度補正予算案について、日本共産党の杉本ちさと議員が質疑を、宮田静則議員が討論を行いました。

今回の補正予算案は、安倍内閣の補正予算案を受けたもので、総額一千二百八十六億円にのぼり、公共事業にだけ使える交付金等を含めると、九六%が公共事業関連。防災・老朽化対策や通学路の安全対策などの一方、高規格道路建設や、凍結されていたトンネル事業の再開など、大型事業が含まれています。

前提となる国の補正予算案は、まだ国会で審議中ですが、「国会議決後、速やかに事業着手できるよう」(知事提案説明)、井戸敏三知事が一日間だけの臨時県議会を招集、提案したものです。

杉本議員は、質疑で、九〇年代に県が繰り返した公共事業中心の経済対策は、県民所得や地域経済への効果は少なく大きな借金が残ったと指摘。公共事業を増やすだけではデフレ不況克服にはつながらないのではないかと知事にただすとともに、不要不急の公共事業はやめ、老朽化・防災対策や生活密着型のものにし、住宅リフォーム助成や保育所増設を行うなど、家計と地域経済が潤う予算に切り替えるよう迫りました。

また、公共事業を受注した下請け業者や労働者の利益・賃金が確保されるしくみ作りや、金融円滑法終了後の中小業者支援・県制度融資の改善などを求めました。

宮田議員は、補正予算案がデフレ脱却と経済再生の見通しを持たないことを批判しました。

また、「国の財政負担で行われ県の負担はない」との県の説明に対し、国は地方交付税削減を示しており、今回の県の起債(借金)に対する財源が保障されるとは限らず、県民にツケがまわされる可能性を警告。

九キロメートルで二百四十五億円かかる浜坂道路、すでに六百億円を費やした東播磨南北道路、凍結されていた基幹農道建設の再開、塩漬け土地の買戻し、住民合意のない明石駅前再開発など、不要不急の事業に反対しました。

補正予算案は、自民・民主・公明などの賛成で可決・成立しました。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

カンキン NO NUKES 2013-2-8

宍粟や岩手からも



第三十二回目となるカンキン神戸行動には大寒波のなか百人が集まりました。今回は宍粟市から参加したという青年もいました。また、岩手県から来たという方もおり「子どもがこっちに住んでいて会いに来ました。岩手にいる時も毎週金曜日は行動に参加しています」と話しました。来週も十八時から行われます。

(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ復興住宅「希望者全員継続」の表明を

西宮市長に会が要請


借り上げ復興公営住宅の入居者に退去をせまっている問題で、「西宮UR借り上げ市営住宅連絡会」は二月八日、希望者全員の継続入居を表明するよう求めた河野昌弘市長宛ての意見書を市に提出しました。

同会会長の松田康雄さんら入居者十二人が参加。松田さんは、兵庫県や神戸市が高齢者や障害者などに限定した対応策を検討していることにもふれ、一部の人だけへの対応ではなく希望者全員継続入居という見解をだしてもらいたいと、市の担当者に意見書を手渡しました。

また、転居を説得する個別訪問は入居者に恐怖を与えると指摘し、中止を要求。「大震災で財産を失い、やっと落ち着いたと思ったら追い出される。えげつない」と怒りや不安を語りました。

これに先立つ一月二十九日、日本共産党西宮市議団は、借り上げ住宅のURへの返還・入居者移転の方針は撤回し、継続入居を基本とする新たな方針を早急に検討するよう、市に三回目となる申し入れをしました。これにたいし、副市長が「市長は二月中旬には自ら責任をもって検討結果を発表したいと、情報収集と研究を指示されている。申し入れも参考にしたい」と答えています。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

民青同盟全国大会受け兵庫県代表者会議

模索・探求する青年は待っている:身近なところに民青を



日本民主青年同盟兵庫県委員会は二月十日、第五十三回代表者会議(下り)を開催しました。

力重智之県委員長は報告で、前大会期で八つの地区委員会が地域にねざした活動のなか一昨年の二倍にあたる五十三人の仲間を迎えたこと、総選挙後も八人の仲間を迎えていることを紹介し、模索・探求する青年に民青が待たれていることを強調しました。

今後、学習セミナーにとりくむこと、綱領・古典の連続教室の学習会を開くこと、民青新聞を毎回の班会で必ず読むことなど学習を強めることを提起しました。また、第三十六回全国大会決議で提起された「青年の身近なところに民青を」の方針に基づき、各地区で新たな学生班や高校生班を結成することや、二百二十二人の仲間を迎えることを今大会期の目標として提起しました。

報告を受けた討論では十四人が発言―「ボランティアに行ったり沖縄フィールドワークに行ったりと充実した夏休みを民青でとりくめた。また選挙では鍋を食べながらマニュフェストを比べる企画をして友だち含め六人の民青外の学生が参加してくれた。気軽にいろんなことを挑戦してやるということは、新しい仲間にとっても求められている。新歓でもいろんな要求にこたえ活動したい」(西神戸・学生班Tさん)

「班会を開催できていなかった宝塚班で転籍を迎えて班会がひらけるようになり、六月の赤旗まつりで新たに仲間を迎えて伊丹でも班会ができるようになった。学生準備班ではあと一人仲間を増やすと学生班が結成できる。吉見秋彦さんの選挙も地区全体のとりくみにできた。共青創立九十周年の今年、私自身も六回目の県委員となります。どこにどんな班をつくるのか明確にして頑張っていきたい」(北阪神)

「昨年末の合宿に参加して科学的社会主義や未来社会論を学び、『社会を広く深くとらえ、その発展の中で生き方をつかめる』と共感。学習することで今までとは価値観が変わってきた」(尼崎・塚武庫班)―などの発言のほか、新たに病院班を作った経験や学びを力に仲間を増やしていく決意など、活発に交流しました。

日本共産党兵庫県委員会からは金田峰生参院兵庫選挙区予定候補が挨拶し、松田隆彦書記長が情勢報告をしました。党の各地区委員会からも来賓が参加しました。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

兵庫革新懇が総会

政治革新の力結集へ革新懇を県下すみずみに



兵庫革新懇は二月十日、こうべまちづくり会館で第三十三回総会を開きました。

総会では津川知久代表世話人(兵庫労連議長)の開会挨拶につづき、岡本毅一代表世話人(兵庫県年金者組合委員長)が「報告と提案」を行いました。

報告では、総選挙後の情勢として改憲を標榜する安倍政権の危険性を指摘するとともに、この政権が決して国民多数の支持を得て成立したものではないことを確信にして、国民本位の政治をもとめる広範な国民世論を結集して憲法改悪を許さず、経済再生・生活防衛のたたかいを前進させようと呼びかけました。

報告の後半では、県民の諸要求実現をめざすたたかいを政治革新の力にしていくために革新懇運動の強化拡大が重要であり、県下すみずみの地域と職場に運動と組織を拡大しようと訴えました。

討論では冒頭に、憲法県政の会の田中邦夫事務局次長が七月に予定されている知事選をめぐる情勢とたたかいについて特別発言をし、日本共産党兵庫委員会の松田隆彦書記長が参院選をめぐるたたかいと革新懇の役割について発言しました。

討論では、新婦人など各分野の憲法改悪を許さないたたかい、三田・姫路・加印・芦屋・宝塚などの地域革新懇、三菱神船・神戸港などの職場革新懇運動から多様な活動の報告があり、革新世論をつくるために街頭宣伝やニュースの発行、そのための定期的な世話人会の開催など粘り強い日常活動の重要性が語られました。

総会は全国革新懇が発表したアピール「憲法を守る一大国民運動の発展をよびかける」に賛同し、ともにたたかう決議を採択。二十六人の代表世話人と四十四名の世話人などの役員を選出しました。

閉会のあいさつに立った前哲夫代表世話人(弁護士)は、運動の前進に学びさらに強大な革新懇をと呼びかけました。

(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

生活保護基準切り下げ許すな

北生健会の宣伝で1時間に60人が署名



北生活と健康を守る会は二月五日、神戸市北区の鈴蘭台駅前で、安倍内閣が強行しようとしている生活保護法改悪と保護基準の大幅切り下げに反対する街頭宣伝を十一人の会員で行いました。

「安倍内閣は、生活保護基準を切り下げて支給額を年六百七十億円削減しようとしています。保護基準は、非課税限度額や就学援助、公営住宅の家賃など各種制度の目安・基準になっており、切り下げは保護を受給していない世帯の生活水準を切り下げることにもなります」とハンドマイクで訴えながら、全国生活と健康を守る会連合会作成のビラを配布し、保護基準引き下げ反対の国あて意見書の提出を求める地方議会への請願署名を呼びかけました。

なかには「(生活保護受給者は)税金からお金をもらって楽な生活をしている」などの偏見を持つ人もいましたが、会員から説明を聞くと「年金も下げられるし、お先真っ暗や」「息子の会社が倒産して困っている」など自分の生活の苦しさも打ち明けながら次々と署名に応じてくれました。

この日は一時間で六十人分に達しました。昨年十一月の宣伝では二十一筆でしたので、この間の国民意識の変化、運動の前進を感じる街頭宣伝となりました。

北生健会・岡部浩

(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

平野喜一郎氏がアベノミクスを『資本論』から批判

日本共産党明石市委員会が政策学習会


日本共産党明石市委員会は今の政治問題について連続的に学習しようと学習会を開催しました。第一回は二月八日、アベノミクスをどう見るかについて、平野喜一郎三重大学名誉教授が講義しました。

平野氏は冒頭、「アベノミクスで株価が上がって良いことだと、また円安になって良いことだと言われているが、とんでもありません。株が上がっているのは投機筋が釣り上げているだけで実態をともなっていません。また、円安といいますがそのもとで原油や食料品など生活に関わるものが値上がりしています」と指摘し、講義を始めました。

初めに、第一次世界大戦後の好況から世界恐慌を経てニューディール政策やケインズ主義の登場、ニクソンショックからレーガノミクスやサッチャリズムの登場、そしてリーマンショックへ至る道筋など大まかな経済史について講義しました。

その中で資本主義をどう捉えるかという問題で市場に規制をかけない自由放任主義が事態を深刻にしているという問題にふれ、この点で「ケインズは資本家の立場の経済学者であるが資本主義に対する態度では『それ自体としてみるかぎり、資本主義はきわめて好ましくない』とみており、『賢明に管理されるかぎり』他の制度よりましだとみていました」と紹介しました。

また、ブレトンウッズ体制に組み入れられ、一九七一年にそれが崩壊した後には八〇年代以降アメリカが不況を脱するため、日米構造協議を機に年次改革要望書によって日本に「構造改革」路線を強いてきたこと、そして現在のTPPで日本を飲み込もうとしていることなど、日本がアメリカに経済面でも従属されていく過程について明らかにしました。


そのうえでアベノミクスとは何かについて解明。まずその目玉の「大規模財政出動」については、「乗数効果の効き目も長く続かず、効果も下がっています」とバブル崩壊後の九〇年代に毎年十兆円ほどの公共事業をやったが効果がなかったという点を指摘しました。

そして「問題は、経営者が技術の創出や市場の開拓に挑戦せず、財政支出や企業減税に頼ったこと、金融機関が企業の成長を支えることをせずに投機に走ったことです。このままでは実体を伴わない株価の上昇が必ず破綻し、リーマンショックが再来します。そしてTPPによりアメリカはその損害と費用をいっそう日本に負担させるでしょう。こうした道を避けるためには、国民の所得を増やすことと、正社員が当たり前にして若者の実に半分が非正規雇用という現状を変えないといけません。さらに社会保障を充実させ、将来への生活不安をなくすことが大切です。『資本論』第三部では『すべての恐慌の根拠は資本主義の生産の衝動としての……生産力を発展させようとする衝動と対比しての大衆の貧困と消費制限である』とあります。今の日本がかかえる問題はまさにこの点にあります」と講義をしめくくりました。


(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)


*写真中に掲示されている平野氏のお名前の表記は間違っています。記事本文の表記が正しい表記です。

ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟裁判傍聴記

副島圀義

大阪地裁二月八日の法廷は、ひとつのグループの結審。原告代表の方と二人の弁護士が審理終結にあたって意見を述べました。そのごく一部をご紹介します。

《Wさん》

六十七年間、原爆で苦しんできた。焼けただれ片目がなくなった姿で「水をくれ」と手を伸ばしてきた女性…。昨晩もその姿がうかび、眠れなかった。甲状腺機能低下症となり、「積極認定の対象疾患」のはずなのに申請後二年も放置。速やかな審査を求めて提訴したとたんに却下。それから三年。

国側代理人は爆心地近くに入った事実すら「信用できない」という。私たちがうそをついているようなこの姿勢が悔しく怒りでいっぱいだ。

総理大臣、厚生労働大臣等々。一度、無防備で原発の中に入ってみたらどうか、と言いたい。

国は、福島の人々にも、私たちと同じ苦しみを与えるのではないか。国の姿勢を改めさせるあたたかい司法判断を。

《塩見弁護士》

原告のHさんは判決を待たずに亡くなった。認定申請しても返事が来ない。審査を求めて提訴した直後に却下通知。その間にも容態は悪化し、昨年夏には、病床から起き上がることができず、臨床尋問となった。せめて一年、認定が早ければ…。

《尾藤弁護士》

(もうこれ以上、被爆者が裁判をしなくても解決するように、との)国と被爆者との「八・六合意」以後も、国は認定却下を続けてきた。裁判所の指示によって、行政に責任を認めさせ不法行為を改めさせるよう求める。




判決は八月二日。「ヒロシマ」の直前です。この原告グループのほか、多くの被爆者がたたかいを続けていますが、文字通り「時間がない」。

裁判後の集会では「速やかな解決への政治の責任は重大だ。同時に、その政治を動かすのは私たちだ」と、藤原精吾弁護団長が、重ねて訴えました。

(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

働くもののいのちと健康を守る兵庫センター再建

人間が尊重される環境・社会へ


選出された「いのちと健康・兵庫センター」役員ら

働くもののいのちと健康を守る兵庫センター(略称=いのちと健康・兵庫センター)が二月九日、再建されました。

センターは「働くものの労働による災害・疾病や社会的要因により起こる健康障害などを防止し、職場と地域の安全衛生の確保と完全な補償を実現するために、共同して行う働くもののいのちと健康・権利を守る事業を通じて、人間が尊重され、安心して働ける環境・社会の建設に寄与すること」を目的としています。全国二十七都道府県で結成され、兵庫ではしばらく休止していたものが再建されました。

理事長には薬剤師の佐野旦氏、副理事長の一人に羽柴修弁護士が就任した他、兵庫民医連、兵庫労連、医労連、福保労、兵商連、兵庫教組などから役員が出て運営します。

事務所は兵庫医労連内に置き、四月からは専任相談員を週三日配置する予定です。

総会時点で団体七十三口、個人四口の会費を集めていますが、同センターでは相談員を常駐させるため、さらに会員を広げようと参加を呼びかけています。会費は月額で団体千円、個人五百円。

事務所=神戸市長田区腕塚町三丁目二―二 兵庫県医療労働組合連合会内、当面の☎は078-646-7225、Fax 646-7229

(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(509)



(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

核兵器禁止条約の交渉開始を求める国連総会決議が賛成百三十五の圧倒的多数で採択された。前回より賛成が五カ国増え、中国、インド、パキスタン、北朝鮮の核兵器保有・開発四カ国が引き続き賛成。核兵器廃絶に踏み出す絶好の機会が巡っている▼最大の障害は核兵器保有国、特に世界の核兵器の九〇%以上を保有する米ロ両国が行動を起こそうとしないこと。NATO首脳会議(昨年五月)は「同盟の目標は集団防衛の核心的要素として抑止力を維持すること」にあり「核兵器は…NATOの全抑止防衛能力の核心的構成要素」と謳っている▼核保有国がこうして「核抑止力」論に固執している限り北朝鮮の核実験計画などを助長する。核兵器国には二〇一四年NPT再検討会議準備委員会に、「核兵器のない世界の実現と維持のために必要な枠組みを創設する特別な努力」などのとりくみについての報告が義務づけられている▼国連決議に賛成しないという被爆国にあるまじき日本政府の態度は世界に注目されている。被爆国としてふさわしい役割を発揮させるために、核兵器廃絶の圧倒的な世論を築けるか、日本国民のたたかいもまた世界から注目されている。(K)

(2013年2月17日付「兵庫民報」掲載)