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2013年2月10日日曜日

燃油価格対策を水産庁に申し入れ:山下・金田両氏ら

「水揚げの4割近くが漁業用燃油代」


政府担当者(手前)に申し入れる(左から)山下、金田、堀内、辻本、佐藤の各氏

山下よしき参院議員と日本共産党兵庫県委員会は一月三十日、高騰する漁業用燃油対策をはじめとする漁業支援策を水産庁に申し入れました。党兵庫県委員会からは、金田峰生参院兵庫選挙区予定候補、堀内照文党兵庫県副委員長、辻本たつや明石市議、佐藤ゆう子淡路市議が参加しました。

燃油にたいしては現行でも補填制度がありますが、補填を発動する基準額が高く、現場では「もう少し下げてほしい」との声が多く寄せられています。また、基準額を算定する現行の方式では、高騰が数年続くとさらに基準額が高くなり補填が少なくなるという問題も生じます。申し入れでは、実態に見合う改善を求めました。

政府担当者は「この間、基準額を下げ、支援が届くよう努力しているが、兵庫県漁連さんからも同様の要望があがっていることは聞いており、課題だと思っている」と述べました。

金田氏らが「カニ漁で一億四千万円の水揚げがある漁師は、燃油代がかつて千二百万~千五百万円だったのが、いま三千万円にまであがり大変」「イカ釣り漁でも水揚げ八千万円に対して燃油が三千万円。油代だけで水揚げの四割近くにも及ぶ」「瀬戸内でも二千五百万円の水揚げに燃油が五百万円で、経費を引くと給与が年百八十万円しか残らない」など、漁師の実情を伝えると、政府側からは「燃油には公定価格がなく政府としてもなかなか実態をつかめないのが実情。こうした実態を今後もぜひ教えていただきたい」と応じました。

申し入れでは、農林漁業用A重油にかかる免税・還付措置の恒久化も要望しました。

この日はほかに、魚価問題、瀬戸内海の環境対策、日韓漁業協定に基づく日韓協議の到達点や課題などについて、政府からの聞き取りも行いました。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

憲法県政地域の会、7月知事選へ活動強化

憲法が輝く兵庫県政をつくる会は、七月の知事選挙にむけて、地域の県政要求のたたかいと結んで、県内三十の地域の会の活動強化をよびかけています。

今月二月は、いたみの会の学習会(次項)のほか、尼崎の会が十六日に二〇一三年総会を開きます。同総会では、憲法県政の会代表幹事で神戸女学院大学教授の石川康宏さんが「総選挙後の新たな情勢について―運動が県政をかえる」と題して報告します。

憲法県政の会は、昨年七月以降、神戸(二カ所)、川西、西宮、宝塚、加古川、小野、相生の各市でも地域報告会を開催し、約二十地域の会の代表らが参加しています。

同会は、三月十七日の全県いっせい宣伝、四月二十六日の「二千人のつどい」を結節点に、地域の会で、経済と雇用、公立病院と医療体制、高校学区、南海トラフなどの防災対策をはじめ、地域の共同したたたかいとともに県政転換の展望を語り合うとりくみを呼びかけています。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

憲法県政「いたみの会」学習交流会

七月に知事選挙を控え、兵庫県政をまず知ろうと二月二日、「憲法が輝く兵庫県政をつくる いたみの会」が学習交流会を開催しました。

憲法県政いたみの会の学習会で報告する宮田県議

日本共産党の宮田しずのり県議が「県民切捨ての実態と兵庫県政の役割」と題して講演。「県政はよくわからないというが、県民が一人当たり十万円、五千六百億円を超える県税を払い、六万七千人の職員が三兆円のお金を使って仕事をしている。その大きな権限を持っているのが知事で、県民の暮らしに欠かせない仕事をしている。知事が変われば暮らしは変わる」と説明しました。

また、神戸新聞のアンケート調査を紹介し、経済・雇用対策や少子化対策・子育て支援に対する不満が大きい一方、神戸空港に毎年二億円、但馬空港に五億円もつぎ込み、大型公共事業も大手ゼネコンの儲けだけで地元の業者はほとんど潤わない実態を暴露しました。

かしば優美伊丹市議も、土曜日開設の「児童くらぶ」に対する補助金(随伴補助)では、県が補助しないため国の補助金もつかないなど、市の施策の足を引っ張る県政の実態を告発しました。

参加者からは「私たちも知らないことが多い。もっと市民に知らせていかなければ」「みんなの要求を出発点に、みんなががんばる選挙にしよう」と感想が出されました。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

1.29全国中小業者決起大会に兵庫から115人が参加

消費税増税中止、営業とくらし守れ


国会に向けデモ行進する全国中小業者決起大会の兵庫からの参加者


「消費税増税を中止せよ。営業とくらしを守れ」と一月二十九日、東京・日比谷公会堂に全国津々浦々から千八百五十人が集った全国中小業者決起大会。民商・兵商連から百十五人が参加しました。午前中は省庁交渉が八カ所(中小企業庁、金融庁、国税庁、厚生労働省など)で行われ、兵商連からも十一人が参加しました。

決起大会は、京都、沖縄、福岡、宮城、岩手、東京からとりくみの報告。消費税増税を見込んだ経済対策と社会保障の切り捨ては内需を冷え込ませるものばかり。消費税増税中止、即時原発ゼロ、TPP参加反対、オスプレイ配備撤回を求め、奮闘しようと、プラカードを掲げがんばろう三唱。国会に向けてデモ行進しました。

民商・兵商連がこの日に持参した消費税増税中止署名は全体で約三万人分。デモ行進の後、百十五人が二十五組に分かれ地元国会議員二十五人へ要請行動を行いました。

東灘区からの参加者は、地元議員を訪ね、「中小業者の実態から消費税増税をやめてほしい」と要請。最初、秘書対応でしたが、五分ほどして本人が応対。議員は二十分ほど景気や議員になった経過などを話し、「まずは景気回復に全力をあげたい。それから消費税増税は考えられるもの」と答えました。

参加者からは、「東日本大震災後、被災三県からいまだ進まぬ復興報告を聞き、胸がしめつけられる思いと、的はずれな復興予算のあり方に腹立たしい気持ちでいっぱいになった」「地元議員は留守だったが、要請文を渡し、垂水区から六人が来たことを伝えてきた。これからも消費税増税中止、TPP参加反対の声を大きくし、がんばりたい」と、熱い声が寄せられています。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

災害と障害者のつどい

災害と障害者・高齢者支援:地域づくりの重要性明らかに


参加者からの質問に答える中嶋氏ら


障害者・高齢者のための支援体制づくりの課題をテーマに二〇一三年災害と障害者のつどいが二月二日、神戸市勤労会館で開かれました。主催は兵庫障害者センター。

同センター理事長の藤原精吾弁護士が開会挨拶で「災害は社会のもろさをあらわにする。障害を持った仲間が阪神・淡路大震災や東日本大震災・福島原発災害など大災害をどう生き抜き、どのように命を落としたか、しっかり学び、これからの社会への教訓としたい」と呼びかけました。

特別報告は、宮城県の発達支援ひろがりネット代表・中嶋廉氏が「地域住民の連携が息子を助けた」と題して行いました。

仙台市郊外の新興住宅地・泉区館六丁目に住む中嶋氏は、共働き世帯で発達障害(自閉症)のわが子を守るためには親も地域と関わらなければと、東日本大震災以前から、近所の子育てのネットワークから町内会へとつながりを広め、町内会の安否確認行動計画をつくったところへ大震災が発生。一人で留守番をしていた息子のところへ三人もの近所の人が駆けつけ、水汲みなどのアドバイスをしてくれたため、息子もパニックに陥らずにすんだ経験を報告。

中嶋氏は、館六丁目町内会では住民全員が「公共」の担い手となること、正副会長は行政に要援護として登録している人以外の「要援護と思われる人」までの把握に日常的に努めること、要援護者と支援者を一対一と想定しないこと―などを防災計画に盛り込んでいたこと、特に「避難済み」の表示板を各戸に用意していたことで、震災時、要援護者への支援を速やかに集中できたことを紹介しました。またハロウィンなどを町内会でとりくみ、子どもと近所の大人たちが顔見知りになっていたこともあげました。

こうした町内会・住民のとりくみで震災から息子が助けられたと述べ、日常的に地域に参加することが防災でも重要だと強調しました。

二番目の特別報告「災害時要援護者名簿は有効に役立つ?」では、石巻市福祉総務課の久保智光課長と高橋幸主査が、東日本大震災での実態を報告しました。

津波被害地域では民生委員七人が死亡・行方不明となるなど支援者自身の安全確保すら困難で、要援護者の安否確認が困難だったこと、避難所での生活が困難で自宅へ戻った人もあり、ますます要援護者の所在がつかめず苦労したこと、一人ひとりを捜し出し、福祉避難所へ入所させたこと―など困難な状況を報告しました。

これらの報告をふまえて、神戸大学工学研究科の大西一嘉氏が「要援護者名簿の開示のために今、何が必要か」をテーマに講演。要援護者名簿の地域での共有、福祉避難所の指定・整備、支援体制の構築支援と人材育成をめざす神戸市の条例案も紹介。

障害を明らかにしたくないなどで同名簿への登録に不同意・保留した場合、その人は地域や行政からは見えないが、災害時にはそういう人にこそ支援が必要になるなどの課題も指摘しました。

質疑応答では、参加者から「聴覚障害者の中には手話でしか意思疎通ができない人もいる。一人ひとりが理解できる方法で知らせてほしい」「薬の避難所への備蓄が必要だが薬事法の制限がネックになっている」などの発言もありました。


(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

私立大学入試スタート

日本共産党、受験生を励ます:学費・就職問題など

関学前で宣伝する杉山たかのり西宮市議(左)と
平野貞雄芦屋市議(右)

二月一日、関西学院大学や甲南大学など私立大学の入試がスタートし、各地で日本共産党と民青同盟が対話宣伝にとりくみました。

関学の宣伝には、西宮市会議員団や関学OBの平野貞雄芦屋市議が「世界一高い日本の学費を値下げさせましょう」「就職難の打開に向け全力をあげます」などハンドマイクで受験生を励まし、ビラを配りました。「期待や不安など気になることを教えてください」というシールアンケートでは「学費・奨学金」「進路・就職難」に多くの受験生がシールを貼りました。シールを貼った受験生は「大学の学費は高いから大変」「奨学金を借りないといけない」と話します。

甲南大学では「進路・就職難」に圧倒的多数の受験生がシールを貼りました。「就職難といわれるし、不安です」「先行きがみとおせない」など不安な思いが語られました。また対話になった、マスコミ関係に進みたいという受験生は「今の就職難の問題なども気になりますね」と話します。対話した民青同盟員がグラフを示しながら、二百六十兆円の大企業内部留保があることや雇用のルールを作ってこのお金が雇用に回るようにすれば就職難が解決するということを紹介すると「すごい」と納得した様子でした。尼崎市でも関西国際大学の入試で宣伝にとりくみました。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

生活保護の切り下げ許さないたたかいを!

兵庫県生活と健康を守る会連合会事務局長 夜久明

安倍政権は、生活保護費を三年間で六・五%引き下げようとしています。そして,単年度で六百七十億円削減の予算案を出してきました。とても許せることではありません。

私たちは「暮らしのアンケート」を実施し、生活保護利用者の二百十二世帯から回答を得ました。その結果、現在の生活保護費での生活状況が「苦しい」「非常に苦しい」と答えた人は六八%にのぼり、保護費の低さを示しています。

生活の中で節約しているものとして、食費を削っている人が九〇%、衣類の購入を控えている人が九七%。さらには、入浴を控えている人は七七%でした。

暮らしのやりくり、工夫を尋ねたところ百項目以上が寄せられました。「なるべく電気をつけない」「鍋いっぱいおかずをつくって、何回かに分けて食べる」「『交際費を出すことができない』と自分で言い聞かせる」などなど、その真剣さとつつましやかな暮らしぶりがうかがえます(全部を紹介できなくて残念です)。

このように、今の生活保護基準が低すぎるのに、それを引き下げようとしていることは、日本の低所得者の水準をなお低くする結果となります。

現在、生活保護を利用する人が全国で二百十万人を超えました。しかし、保護を必要としている人は一千万人以上と言われています。これらの人たちがどんどん増えて、すでに社会問題になっている餓死や孤立死が後を絶たなくなることが心配です。

生活保護はいま、憲法制定以来最大の岐路に立たされており、その改悪は社会保障制度解体の突破口となり、国民全体にかかわる問題です。私たち生活と健康を守る会は、多くの人たちとともに連帯して、全力でたたかっていきます。


(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

金田峰生:ファイト(2)

「技術力」


念願だった播州織のタスキができました。播州織の生地に人が書いてくれた文字を印刷したものですが、私の思いを汲んで、かなり緊張して印刷してくれたそうで、自慢のタスキです。

腕時計もSEIKOで、さらに近所の時計屋さんが手近にあった部品を加工して修理に充ててくれた、少し大げさに言えば職人の技が加味された「宝物」です。

以前、北播の釣り針職人が、「これ以上良い釣り針はない」と思える作品を、外国人の職人にも惜しみなく教えていると聞いたことがあります。その人は、「その時はこれ以上ないと思うが、しばらくすると、いやもっと良い物ができると思えてくる。ライバルには負けない」と堂々と言われ、私はそこに日本産業の底力があると確信しました。

リストラで労働者を粗末にし、技術力をないがしろにしているから、日本の経済はおかしくなっているのではないでしょうか。

私は労働者あっての企業であり産業だと思っています。

(国会議員団兵庫事務所長)(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

オスプレイ低空飛行訓練反対:意見広告賛同者募集中

兵庫県の空を米軍機や米輸送機オスプレイの低空飛行訓練で踏みにじらせないように、計画の中止を求める「意見広告ポスター」運動がとりくまれています。

兵庫労連の津川知久議長や兵庫県原水協の和田進代表理事(神戸大学教授)、兵商連の磯谷吉夫会長、新婦人の岸本友代会長、民医連の合田泰幸会長など七氏が、個人一口五百円・団体一口二千円の応募を呼びかけています。

沖縄県への配備が強行された米軍機オスプレイは、墜落事故を繰り返す危険な欠陥機で、日本全土で低空飛行訓練を行う計画も明らかにされています。沖縄県では知事はじめ四十一市町村のすべての首長と議会が反対を表明し、全国知事会も反対決議をあげています。

兵庫県でも一九九四年以来、但馬地域で米軍戦闘機による低空飛行訓練が繰り返されており、オスプレイの飛行訓練も想定されます。但馬地域では「ドクターヘリ」の飛行地域とも重なるため、生命の危険に及ぶと朝来市長・市議会も反対しています。

意見広告ポスターは、この危険な低空飛行計画の中止を求めるとともに、関西六府県で唯一、兵庫県だけが行っていない「非核・平和兵庫県宣言」の実現を求め、安倍政権に対しても改憲・「核の傘」への固執を改め、「非核日本宣言」を行うことを求める内容となります。

非核「神戸方式」決議三十八周年記念集会(三月十八日)のとりくみとともに三月十五日を第一次締め切りとし、記念集会にポスターを発表する予定です。
応募など問い合せは兵庫県原水協☎078‐341‐2818

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

カンキン NO NUKES 2013-2-1

多彩な表現で抗議



第三十一回目となる、二月一日の関電神戸支店前抗議行動には百人が参加しました。この日には、毎回大阪の本店前に行っているという人も参加していました。傘に「NO NUKES」と書いて参加している人の姿があったり、自転車で発電して、イルミネーションを光らせベースアンプを鳴らしている人(写真)がいたりと、創意工夫をこらして多彩な人が参加しています。

次回二月八日も三十二回目のカンキン神戸行動が十八時から十九時まで行われます。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

電気料金値上げ:経営責任不問では認められない

原発停止を理由にした関西電力の電気料金の値上げに強い反発が噴き出しています。経営責任を不問のままでは値上げは認められないとする、一月二十八日、エネルギー庁主催の公聴会での元関電社員・電力労働運動近畿センター・坂東通信さんの意見の要旨を紹介します。(文責編集部)

原発推進の呪縛から解き放て

関電経営者の責任の取り方について


昨夏の「原発再稼働」問題。それに伴う「計画停電」そして今回の「電気料金」問題。また、若狭地域一体の「活断層問題」などなどが経営の根幹を揺るがす事態と本当に認識しておられるのか、改めて聞きたい。

どれ一つとってもことは社会的に大きな影響を与えています。そのような重大な経営方針の転換を迫ることに、誰ひとりとして責任を取らないとはどういう認識ですか。それとも東電の福島事故のようなことが起こらなければ辞めないとの認識ですか。うかがいたい。

個人責任を追及するつもりはありませんが、過去の経営方針が時代に合わなくなっていることを認識すべきであります。

値上げ申請に伴う内訳で、高額の役員報酬を二割カットとしていますが、国民感情から見て向こう三年間全額ゼロとすべきとの認識がありませんか。うかがいたい。

一般社員の賃金カットは止めるべき


削減が発表され、現場には「えらいこっちゃ、どないしょう」「住宅ローンどないしょう。教育ローンどないしょう」との声が充満しています。

電力で働く現場社員は、ご存知の通り二十四時間三百六十五日、一時も休まず電気を送り届けています。台風の時も雷の時も、重大な自然災害の時も、家庭を顧みず働いています。その労働に対して経営層はどのように認識されているのかうかがいたい。

そんなに電力で働く社会的労働価値は低いのですか、それとも高いものですか。産業別水準との比較する根拠はなんですか、ただ単に高いところなので低いところへもっていくとの認識ですか。高く設定するのがなぜ不都合なのですか。明確な答えをいただきたい。

一般社員は、ここ十年間の間「成果型賃金制度」で人数は約五千人も減っています。減った分を現場従業員は生産性を落とすことなく仕事に励んできています。賃金はほとんど横ばい状況です。

経営責任あいまいにした「総括原価主義」


関電首脳陣は、「総括原価主義」というシステムにあぐらをかいてきたことで経営責任があいまいなまま今日に至っています。政府の責任も誠に大きいと指摘せざるを得ません。

いま福島の原発事故からの教訓を真摯に引き出してほしい、それは、「原発推進」という呪縛から解き放たれてほしいということであります。まさに「原発推進という原理主義」からの離脱が求められています。

今後のエネルギー会社として関電が生き抜くのであれば、原発依存から離脱することを高らかに宣言すべきであります。それが世論であり、世界の流れであります。

そして、関電の基本方針を「原発で発電していない電気を売らしていただきます。自然エネルギーがもう少し増えるまで、少し高いですが電気代を値上げさせてください」という立場に変えるよう強く求めたい。


(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

『関電電気料金値上げ問題 Q&A』

原子力発電に固執する関西電力経営方針は、国民・ライフラインの従業員、日本の将来に大きな災いを残す、として同社電気料金値上げ案を10問10答で批判するパンフレットが電力労働運動近畿センター他から発行されました。

A4判 12p. 頒価50円。
問い合わせ☎06-4797-4414 Fax 06-4797-4415

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

レッド・パージ被害者の早期救済を!

~国賠訴訟の上告審に向けて~

弁護士 佐伯雄三(弁護士法人神戸あじさい法律事務所)

レッド・パージ被害者である神戸在住の三名(内二名は九十歳をこえています)が、国を相手にその責任を認めさせるべく国家賠償請求訴訟を提起していましたが、一審の神戸地裁は二〇一一年五月二十六日に三名の訴えを全面的に退ける判決を下し、二〇一二年十月二十四日、大阪高裁も一審同様敗訴の不当判決を下しました。

三名は上告と上告受理申立をし、このたびその理由書を提出しました。

レッド・パージは人権侵害の最たるものです。

私たちは、講和条約発効後、ただちに公職追放が解除された戦争犯罪者、戦争協力者等の事例と比較すれば、レッド・パージ被害者に対しては何らの措置がいまだ取られていないその理不尽さ、非情さは一目瞭然であることを訴えましたが、控訴審判決でも認められませんでした。

国が、日弁連勧告の趣旨に従い、レッド・パージ被害者救済のためのしかるべき措置をとること、多くの国民世論の支援を得てそれが早期に実現されるべく、引き続き力を尽くしていきたいと思います。皆さま方の一層のご支援、ご協力をお願いしたいと思います。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

『弾圧に抗して歴史を拓いた人たち』を読む

兵庫革新懇事務局長 堤隆二

政治経済の行き詰まるなか国民本位の新しい政治の実現が強く望まれているが、国民本位、つまり民主政治をもとめる人民のたたかいは明治時代の自由民権運動にまで遡ることができ、一九四五年の日本の敗戦とその後の新憲法の制定はその画期であった。

この間、帝国憲法は天皇の権力を絶対視し、国民はその臣民とされ思想信条、政治的自由はなかった。一九一七年のロシア革命は人民主権の思想をあらたにもたらし一九二二年日本共産党が誕生したことは日本人民の本格的なたたかいの開始となった。

これに対して支配勢力は「治安維持法」をもって襲いかかり、運動の一切の芽を摘もうとした。

治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部はこのほど結成三十年の記念出版として『弾圧に抗して歴史を拓いた人たち追悼県下治維法犠牲者』を刊行した。

本書は、兵庫県下の「治維法」に関わる全ての事件と人々を洩らさず記録にとどめるという壮大な意図で編集されて、可能な限りでその目的を果たした貴重な資料の集大成となっている。

本の構成は、第一部=弾圧事件と犠牲者、第二部=弾圧犠牲者の肖像、付録、となっていて、第一部はさらに五章に分かれていて初期から太平洋戦争下までを事件ごとに区切りをし、さらにその区分ごとに起きた事件を詳述、検挙者などの関係者の氏名・略歴、事件との関わりを記述している。

第一部の各章の見出しは次のようになっている。

•治安維持法制定本来の目的
•侵略戦争反対闘争の弾圧大陸侵略開始と反戦運動の高まり
•人民戦線弾圧事件
•日中戦争下の活動と弾圧
•太平洋戦争下の弾圧

第一章のⅠでは「治安維持法制定とその変容・改悪」の節を設けて「治維法」成立のいきさつから乱用、廃止にいたる経過を概括していて「治安維持法」とは何であったのかを簡潔に知る助けとなっている。

本書の真価は治維法下の諸事件を概括しただけではなく、検挙者などの名簿とその略歴を紹介したことで、その人数は五百六十一人に及んでいる。自由と民主主義、社会進歩のためにたたかった先人の名前が全体として明らかにされた意義は大きく、後に続く者への大きな励ましとなっている。

第二部「弾圧犠牲者の肖像」は、本書の編者の一人である戸崎曽太郎氏が主な犠牲者について詳述したもので、先人が治維法下でいかに生きたたかったが活写されていて、読み物としても興味が尽きない内容となっている。

取り上げられた人物は、県下の農民運動の先駆者・長尾有から始まり、戦後代議士になった井之口政雄、音楽家・須藤五郎、七〇年代に革新神戸市長となった宮崎辰雄、作家の椎名麟三、俳優・永井智雄、画家・小松益喜、哲学者・三木清、など二十数人が紹介されている。これらの人々のたたかいと業績を深く知ることは県下の革新運動の発展にとって欠かせない力となるものである。

付録として、この間の年表や「治安維持法(抄)」が収録されていることも、本書が座右の書として活用する上で有用な配慮となっている。

序文を書いた林直道大阪市立大学名誉教授は「最近では憲法を改悪し、そのさい実質上治安維持法に近い社会運動取り締まり法規を新たに制定しようという動きが出ています。われわれは、そうした企ては決して国民のためにならないと声を大にして訴えたい」と指摘。本書が読み継がれていく今日的意義を明確にしていることが大切である。

A5判302p. 頒価1,000円
【問い合わせ】治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部☎078-351-0677

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

神戸空港開港7年抗議集会&学習会:2月16日

「ストップ!神戸空港」の会

神戸空港の開港七年に抗議して、「ストップ! 神戸空港」の会は二月十六日、午後一時三十分から兵庫勤労市民センターで「集会&学習会」を開きます。

同会事務局長の北岡浩さんが「神戸空港の現状報告と太陽光発電所への転換の可能性」について基調報告します。ことし三月末で廃港する鹿児島県の市営枕崎空港の跡地に、出力八千五百キロワットの大規模太陽光発電所が建設される計画も紹介し、神戸空港を太陽光発電所に転用すれば、維持管理費を差し引いても年間三十五億円の利益となるなどの試算も報告する予定です。

第二部では、日本環境学会会長の和田武さんが「自然エネルギーによる地域経済再生」と題して記念講演します。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

なんでもフェスタ(4月27日)準備中

新入生をあたたかく迎えよう


前回(2011年)のなんでもフェスタ
兵庫県内の学生有志のメンバーがこの春の新入生をあたたかく迎えようと、「なんでもフェスタ2013(仮称)」の開催に向け準備中です。「学費問題」「就活と進路」「震災ボランティア」「沖縄・基地問題」などのテーマで交流する分科会と、石川康宏神戸女学院大学教授を招いた講演を企画しています。

四月二十七日(土)午前十時から午後四時までの予定。会場はコミスタこうべ(神戸市中央区吾妻通四丁目=阪急・阪神春日野道駅西・大安亭市場の南)。

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

自公政権復活


段重喜

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

県立こども病院…産科と新生児科を含む高度な周産期医療を担う県下唯一の総合周産期母子医療センターで、母子医療の最後の砦▼県は、老朽化による建て替えを理由に須磨区の高台からポートアイランドへの移転計画を突然発表し、今年にも工事着工を狙っている。南海地震が迫る今、液状化でライフラインが途絶えたり、アクセスできなくなるおそれの大きい場所になぜ移転?▼「子どもが一歳の時ピーナッツを誤嚥。夜間の緊急手術はこども病院しか出来ず、助かった。誤嚥は死に至ることも。混雑する道路を通ってポーアイに行くのは不安」(垂水・三児のママ)、「心臓の検査でこども病院に通院中。なぜ東に病院を集中させるの?具合が悪い幼児を連れてポートライナーに乗るのは大変」(垂水・二児のママ)、「地震時にアクセスできなくなり、病児たちが取り残されるなんて恐怖」(灘・三児のママ)など、計画中止を求める声が寄せられている▼昨年九月、「県立こども病院のポーアイ移転を撤回させ、周産期医療の拡充を求める会」が結成され、署名がとりくまれている。子どもの命を最優先する兵庫へ、知事選に向けても世論を大きく盛り上げていきたい。 (O)

(2013年2月10日付「兵庫民報」掲載)