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2013年12月15日日曜日

兵庫県弁護士会が「憲法改正」討論集会

討論する山田議員(中)と伊藤弁護士(右)
(左はコーディネーターの松山秀樹弁護士)

兵庫県弁護士会は七日、兵庫県民会館で憲法市民集会「徹底討論!『憲法改正』」を開催。山田賢司衆院議員(自民党)と伊藤真弁護士(日弁連憲法委員会副委員長)が自民党の憲法改正草案の是非について討論しました。

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討論に先立って両氏がそれぞれの見解を発表。

山田議員:武力保持の必要性を主張


山田氏は今日述べることは個人的見解だとことわったうえで、自民党憲法改正草案について説明。北朝鮮による邦人拉致や、尖閣諸島の問題をあげ、日本国民の生命、自由、国土を守るために九条を改正が必要だと主張しました。

また、国は国民と対立するものではなく、国民の共同体を守る原則だとの憲法観を述べ、現憲法は占領下で変えられたものであり、自主憲法制定は自民党の原点だと紹介しました。

伊藤弁護士:立憲主義を破壊、戦争できる国にと批判


伊藤氏は、日本国憲法により、国家・天皇を大切にすることから、国民一人ひとりを大切にすることへ価値観の転換が行われたこと、立憲主義は民主主義社会での多数派による権力行使にも歯止めをかける意味も持ち、時として誤ることがある政治から人権を守ることを目的とするものであると説明。自民党草案は①立憲主義の破壊②国民主権の後退③基本的人権保障の形骸化④「戦争ができる国」へ―という問題点を持つと指摘しました。

討論では、憲法のありかた、九条改憲、人権保障について議論をたたかわせました。

改正発議要件緩和について山田氏が現行では国会議員の三分の一に「拒否権」があり厳しすぎると主張したのに対し、伊藤氏は自民党草案にいう過半数では強行採決のおそれもあり、改正がほんとうに国民世論ならば、選挙で三分の二以上の議員を国会に送れると指摘しました。

九条について山田氏は、現実に領土拡張を狙っている国が隣りにあり、武力というカードがあるからこそ外交交渉もできる、またフィリピンなど災害救助に自衛隊派遣が歓迎されていると述べ、国防軍の必要性を主張。伊藤氏は、九条二項を削除して交戦権を認めてしまえば、「自衛」の名の下に戦争が可能になる、軍隊は国民を守るためのものではなく、国家目的・国体を守るものであるというのが世界標準だと指摘。武力を背景にすることは世界の流れに逆行すると批判しました。

伊藤氏はまとめの発言でも、「戦争をしない」ということを共通の目的に近隣諸国との平和的関係をつくりあげる努力こそが必要だと強調しました。

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この集会では九〇年代以降の憲法改正の動きと兵庫県弁護士会の活動も報告されました。国民主権・平和主義・人権尊重の憲法三原則を守らなければ弁護士の使命を果たすことができないとの立場から「日本国憲法の基本理念を堅持する宣言」(〇五年)、「憲法九十六条の憲法改正発議要件緩和に反対する意見書」「特定秘密保護法案に反対する会長声明」(一三年)などを発表してきたことなどが紹介されました。


(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

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