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2013年12月15日日曜日

尼崎アスベスト裁判:被害者家族が法廷で訴え

「夫がなぜこのような死に方をしなければならなかったのか」


裁判終了後の報告集会で報告する原告団・弁護団

「尼崎アスベスト裁判」の原告本人尋問が十二月四日、神戸地方裁判所で行われました。この裁判は、クボタの工場内において、下請け業者で働きアスベストを吸い込み発症、亡くなった被害者の家族が起こしたものです。

まず原告の藤原ノリエさんが証人席に立ちました。藤原さんは、夫が毎週末、洗濯のために持ち帰る作業着やマスクに灰色の埃がたくさんついて汚れていたこと。そのマスクは市販されているような普通のガーゼマスクだったことなどについて述べました。また、夫が肺がんを発症、亡くなるまでの凄惨な闘病生活や家族の苦労などについて語り、「主人は五十六歳という若さで、石綿のために苦しみながら死ななければならなかったのはなぜなのか」「公正な判断を」と裁判所に求めました。

さらにもう一人の原告山本美智子さんは、一家の大黒柱で体格もよく元気だった夫、故・山本隆彦さんが突然発症。亡くなる間際まで「死にたくない。死なれへん」と言いながら、発症からわずか四カ月たらずで命を落としたことを語りました。四カ月の毎日が生き地獄のような日々であったことにも触れ「夫がなぜこのような死に方をしなければならなかったのか、知ることが私の務めだ」と述べました。

つらい体験と思いを、言葉を詰まらせ、涙ながら語る原告の尋問を六十名を超える傍聴者が見守りました。

次回裁判は三月二十六日に行われます。この日結審となり、後日判決が出されます。
(2013年12月15日付「兵庫民報」掲載)

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