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2013年12月8日日曜日

第3次県行革プラン(素案):県民の痛みさらに

兵庫県は11月26日、「第3次県行革プラン」(素案)を発表。2018年度までに、消費税の増税による収入増を加えても「1755億円の収支不足」が生じるとして、さらなる県民への痛みを伴うサービス削減(合計で50億円近く)を盛り込みました。

パナソニックなどへの企業立地補助金はそのまま、国土強靭化の方向に沿った高速道路計画をすすめ、大企業優遇と開発優先の姿勢は相変わらず。県民と県職員にツケを一方的に押し付ける、井戸敏三知事の県政運営の露骨な姿勢が浮き彫りになっています。

今後、県下市町や関係団体の意見を聞いて、12月中旬に「正式案」となり、県議会での議論や県民意見募集(パブリックコメント)を経て、最終案となる予定です。



福祉医療のさらなる改悪案



国が70歳~74歳の医療費負担を1割から2割に増やす方針にあわせて、県単独の事業である老人医療費助成の「所得なし世帯」(1割負担、1万3千人)を2割負担にし、「年金所得のみ世帯」(2割負担、8千人)への助成を廃止。ひとり親家庭医療費助成も、所得制限を強化。現在約10万人の対象者の内、5万7千人も削減しようとしています。

この2つの制度の改悪により、老人が約4億円、ひとり親家庭が約6億円、合計10億円の県予算の削減額を見込み、市町分の削減が実施されればさらに多くの県民負担増が見込まれます。

実施は来年度予定で、4月からの消費税増税と社会保障の改悪から県民生活を守るどころか、追い打ちをかける形です。

私学の補助の削減


私学助成(経常費補助)については、第2次プラン時に11億円を削減したのにつづき、来年度から3年間で4億円を削減する案を示しています。

授業料軽減補助については、国会で採決された「公立高校の学費無償化の所得制限導入」に伴い、私立高校の就学支援金制度についても、910万円の所得制限、生活保護世帯など低所得者に重点化する文部科学省案にもとづき、今年度県内平均授業料(37万9千円)までは制度を拡充する一方、県単独の上乗せ部分については、全体として1.7億円の予算を削減する案となっています。

県単独制度では、生活保護世帯は3万8千円減、250万円以下は1万2千円増、250万~350万円世帯を1万円減、350万円~570万円世帯を3万円減に引き下げ。さらに、近隣府県の県外通学生(大阪、京都、岡山、鳥取)のうち、兵庫県内の高校通学生への補助を実施している京都府をのぞき、補助を打ち切る方針です。

兵庫県の私立高校は、授業料37万7千円(昨年県下平均)以外の入学料と施設整備費をあわせて、実質的な「学費」は87万2千円にもなります。

京都府は、授業料以外も含め、「学費全体の実質無償化」(生保世帯で上限92万9千円)するなど、全国的には公私間格差の是正のために、あらたな一歩を踏み出す府県がでてきていますが、兵庫県は、あくまで「授業料のみ」を補助上限(37万9千円)としています。

全国4位の高さの兵庫県の私立高校学費。より支援の強化こそが求められていますが、県当局は、経常費補助の削減について「国の地方交付税には、授業料軽減分が含まれるので、重複分を削減する」と述べながら、その財源を生かせるはずの授業料軽減補助の方も、国の就学支援金制度が充実した分を上乗せするのではなく、合計で5.7億円も削減する案となっており、国制度の充実を「行革効果」(県予算削減)に結び付けているのが実態です。県民の生活よりも「行革」を優先する姿勢と言わざるを得ません。

県民局などを統廃合


中核市への移行などを踏まえ、現在10ある県民局について、阪神南県民局(尼崎市、西宮市、芦屋市)を、宝塚市の阪神北県民局に統合。中播磨県民局(姫路市)を、上郡町の光都にある西播磨県民局に統合。人員削減を優先した事務所の再編などをさらにすすめる方針です。

また、県職員の3割カットをすすめ、これまで正規の削減によって生じた仕事の穴を、再任用などの非正規職員でカバーしてきましたが、非正規も新たに定数を管理し、約200人を削減する案となっており、「行革」独自給与カットの回復も見送りました。

その他、若者しごと倶楽部サテライト阪神の廃止や、バス対策費補助の市町負担の見直し、県営住宅の集約・土地売却の促進、家賃減免制度の見直しの検討なども。

企業庁の工業団地(地域整備事業)で、播磨科学公園都市とひょうご情報公園都市の売却用土地のうち、「未利用地(造成していない土地)」分を、「事業凍結」し、環境林としての活用を検討。毎年度県から5億円近く支出している県営但馬空港について、より効率的な運営体制や利活用を、「検討委員会」を設置して、検討するとしています。


(2013年12月8日付「兵庫民報」掲載)

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