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2013年12月1日日曜日

私も反対! 秘密保護法案(2)

私たちの暮らしに重大な影響

弁護士 松山秀樹

情報隠蔽と国民監視の特定秘密法案


特定秘密保護法案は、民主主義の根幹を堀り崩し、私たちの暮らしに重大な影響を及ぼす、まさに情報隠蔽と国民監視のための法案です。

民主主義社会では、政府が保有する情報は国民に帰属し、情報公開が大原則であり、国民の知る権利、取材の自由、報道の自由が保障されて、はじめて国民が政府、行政機関など権力を監視し、その濫用をチェックすることができます。

しかし、特定秘密保護法案が成立すれば、情報は政府や行政機関に独占され、政府はどのような情報を国民に知らせるかによって情報操作を容易に行えることになります。

そして、陸上自衛隊情報保全隊がイラク派兵に反対する市民、マスコミ、議員などの動向を監視していたように、本来監視される対象である権力者が、国民を監視することを可能にし、しかもその監視の実態すら特定秘密として国民は知ることもできないということになります。

市民が行政を監視すること非常に困難に


法案が成立すれば、行政機関の長の判断で様々な情報を秘密とすることができます。

自衛隊の活動や基地への兵器の配備など平和に関する情報、原発事故の情報など国民の安全に関わる情報、TPP交渉など外交交渉に関する情報、公安警察などによる違法な市民監視活動に関する情報など、非常に広範な情報が秘密に指定され、私たち市民が行政を監視することが非常に困難となります。

しかも、秘密の指定について第三者機関による検証は行われませんから、市民に知られると不都合な情報を隠すために秘密の指定が濫用される危険性が極めて高いのです。これまでも核密約や沖縄返還に伴う密約など本来国民が知るべき情報の多くを政府は隠し続けてきました。

特定秘密保護法案が成立すれば、どのような情報が秘密として指定されたのかが分かりませんから、官僚が隠したいと考える情報はいくらでも秘密として指定することが可能となります。

秘密を扱う職員や家族を日常から監視


また、秘密を取り扱う適性があるかを調査する調査対象は、当該職員(公務員だけではなく民間企業や民間の研究機関職員も)だけではなくその家族も含まれ、調査事項には「テロリズムに関する事項」「飲酒の節度」、「信用状態その他の経済的な状況」などが含まれるので、職員や家族が所属している団体、交友関係など私生活、日常生活に関する素行が調査対象になってくると考えられます。

しかも、適性評価に一度合格しても、適性に疑いが生じた場合には、再調査されます。ということは、職員やその家族は、適性に疑いが生じる状態がないかどうかを常日頃から監視されることになります。

密告や謀略による弾圧のおそれも


秘密を取得しようと相談する段階から処罰対象(共謀罪)となりますので、行政を監視する市民、記者などが、原発事故について重大な情報が隠されているかも知れない、重要な情報だから何とか入手できないか、と相談しただけで「共謀」したとして警察から捜査対象とされる可能性があります。

そして、通常はこのような相談は密室で行われるでしょうから、「共謀」段階で捜査しようとすれば、捜査機関が、特定の市民、報道機関を常に監視して、場合によって電話や会話の盗聴、メール交信の取得などを行うことが必要となり、それを可能とするような法律の制定も今後検討されることになります。法案では、自首すれば刑を軽減、免除できるとありますから、それこそ密告や謀略による弾圧事件が起こります。

「廃案に」の声あげつづけよう


こんな法律は必要ありません。法案の危険な内容に気づいた多くの国民、マスコミ、各界各層、幅広い人々から反対の声が上がっています。廃案に向けて反対の声を上げ続けたいと思います。

(見出しは編集部)

(2013年12月1日付「兵庫民報」掲載)

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