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2013年12月22日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:12/11-12

認定制度改悪を批判する法廷

副島圀義

十二月十一、十二両日の裁判。三人の方について審理が終結し、来年三月と五月の判決期日が確定しました。また別のグループについての審理では三人の方の原告証言と、お一人の冒頭陳述が行われました。

ちょうど厚生労働省が原爆症認定制度のあり方の「見直し」と称して、この間の機械的な切り捨てを後退・固定化しようとしていることが明らかになったばかり。原告や弁護団がそれを批判する法廷ともなりました。

以下、二日間の法廷メモから、そのごく一部を紹介します。

Tさんの陳述から

二歳で被爆。池に浮かんだ鯉、焼け跡につくった畑の野菜などを食べ、井戸水を飲んでいたから、ずいぶん内部被ばくしたことと思う。原因不明の発疹・発熱、中耳炎…。小学生の頃は毎年ABCCに連れて行かれた。三十歳ごろから、十二指腸潰瘍、甲状腺腫瘍、糖尿病、手足のしびれ、眼底出血、腎臓膿瘍、肝硬変、狭心症などと、全身が病気で、精神的な苦しみもずっと受けてきた。

それなのに、原爆症認定を申請してから四年余も経ってからの却下は、到底納得できない。「放射線被ばく起因とは判断できない」とは、まともに審査していないことだ。

弁護士の陳述から

お二人の原告は判決をまたずに亡くなった。高齢で病気の被爆者を二年も待たせたあげくに却下。そのことで落胆され体力が急速に低下した。

「積極的処置」がとれないが、いつ深刻な病状悪化になるかもわからない病状の被爆者によりそい、常に経過観察し対応しようとしていることを「医療とは認めない」とする国の態度は、医療従事者すべてに敵対するものだ。

いままでの確定判決は、個々の被爆者についての個別判断にとどまらない。認定審査の在り方を批判したうえで下されたものだ。その司法判断に背き、さらに後退した「基準」で審査しようとすることは許されない。国の不法行為としてきびしく処断されるべきだ。



報告集会で藤原弁護団長が「権力による『秘密』の最大の犠牲者は被爆者だ。占領軍の命令に従って原爆被害の実相を秘密にし、ビキニの被害を秘密にし、いままたフクシマを秘密にしている。被爆者の問題を、日本の政治社会の根本をかえていくたたかいにつなげていきたい」と発言されたことも強く印象に残ったことでした。


(2013年12月22日付「兵庫民報」掲載)

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