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2013年11月24日日曜日

『殿様と私』:なまの舞台をごいっしょに

神戸演劇鑑賞会12月例会

新時代へ―殿、踊りましょうぞ


十二月の舞台は、ミュージカル「王様と私」からヒントを得、劇作家マキノノゾミが書きあげた、涙と笑いのふた幕の喜劇です。

時は明治十九年。西洋の文化を日本にどんどん取り入れている頃。子爵白河義晃は、そんな風潮に苦い思いを抱いていた。家令の雛田源右衛門も同じだが、源右衛門の方が年齢を重ねているだけに、義晃よりもっと時代にのれずにいた。このふたりが引き起こす言動や態度に、笑って、笑ってしまう。

だが、笑うばかりではない。いつの世も過ぎ去った時代に思いを馳せ、新しい時代に向き合うのが困難を極める。この時代のギヤップの中で、自分を見失わまいとする殿様と、あくまでも、過去の時代に浸りきる源右衛門が、巻き起こす悲哀と諦め。やがて開き直り、「シャル・ウィ・ダンス」が「殿、踊りましょうぞ」になる。

ドタバタ喜劇ではない、上質な笑いに包まれた胸の中がほんのり温かくなる舞台です。

東京・麻布にある白河子爵邸。主人の義晃は、おもしろくない日々に酒浸りの日々をすごしていた。ある日、家令の雛田源右衛門が、時代遅れのちょん髷をからかわれ、その上、白河子爵は、華族の資格なしと罵倒され屋敷に戻ってきた。これを聞いた義晃は怒り心頭。時代遅れの討ち入りを決意した。鎧甲の姿で、ふらつきながら出てきた。やがて…

小谷博子


劇団文学座『殿様と私』/作=マキノノゾミ、演出=西川信廣、出演=加藤武、たかお鷹ほか/①12月20日(金)18時30分②21日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金千円と月会費2カ月前納)、月会費3千5百円(大学生2千円、中高生千円)/☎078・222・8651、Fax078・222・8653

神戸演劇鑑賞会ホームページ
劇団文学座『殿様と私』ページ

(2013年11月24日付「兵庫民報」掲載)

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