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2013年11月24日日曜日

「昭和モダン 絵画と文学」展をみて

未来への思いたぎる

安田秋成

「昭和モダン 絵画と文学」展が兵庫県立美術館で開かれています。

小林多喜二から梅原龍三郎までの三章構成で、第一章が「プロレタリアの芸術」になっています。

「研究室に於ける河上肇像」(津田青楓)―じわーっと心がひきしまりました。

刺し殺された「山本宣治の死顔絵」(橋浦泰雄)、拷問で殺された「多喜二の死面を描く」(岡本唐貴)―それぞれの苦痛をこえて、未来を信じる安らかさのただよう絵です。

「告別」(大月源二)―山宣の棺を担ぐ労働者の悲痛な姿、無念と悔しさ、そして静かに「必ず仇はとる」との想いがあふれる絵です。

「労働者」(須田計一)―これから長く搾取社会に生きる逞(たくま)しさ、やさしさが率直に感じられます。

「男の像」(岡本唐貴)―年配男性―漁師か農民でしょう。貧苦に耐え生きる強さ。

――どの絵画の前でも時間を忘れて立ち止まります。ピカソやマチスのような考え込む絵ではありませんが、心と肉体に直撃を受けたように感じました。不屈さと力強さを持つ絵でした。

機関紙の宣伝画は心臓を掴(つか)みとる迫力です。

「ナップ」「戦記」など多数の雑誌の表紙の大胆な造形と色彩。百合子の『新シベリア』、多喜二の『蟹工船』『工場細胞』などの表紙絵の率直な表現、それでいて人の魂を引きつけます。

私は時間の都合で一時間で第一章の三分の二くらいをみました。もう一度、時間をとり、ゆっくりみに行きます。「プロレタリアの芸術」の章でこれだけ多くの資料を集めた県立美術館職員のみなさんの努力に敬意を表します。

日本共産党員、後援会員のみなさん、とりわけ若い人にぜひみていただきたいものです。

久しぶりに老の血がたぎりました。 (元県議

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会期は12月29日(日)まで。
10時~18時(金土は20時)。入館は閉館30分前までに。
休館日は12月2日、9日、16日(以上月)、24日(火)。
一般千2百円、大学生9百円、高校生・65歳以上6百円、中学生以下無料。


(2013年11月24日付「兵庫民報」掲載)

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