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2013年10月23日水曜日

開発優先の冷たい市政から市民の暮らし・福祉守る神戸に

日本共産党の山下よしき書記局長代行・参院議員がこのほど神戸市内で行った演説の中から神戸市政の現状と課題について語った部分の大要を紹介します。(文責=編集部


山下よしき氏
神戸市では今、開発優先・市民に冷たい市政を続けるのか、市民の暮らしと福祉を守るあたたかい市政に転換するのかが問われています。

神戸市政の失敗


一九九五年、阪神・淡路大震災が起こりました。戦後未曽有の大災害でした。その時、神戸市民から、「自分たちもがんばるけど、自分たちだけでは暮らしの再建、神戸の復興はない、どうか被災者の生活再建に公的な支援を」という声がおこってきました。

しかし、当時の笹山市長は、国に公的支援・個人補償を求めませんでした。その一方で「神戸空港はつくります」と宣言しました。こういう市政のもとで被災者は、どうなったか。

当時は、被災者個人の住宅再建に一円の支援も出ませんでしたから、災害援護資金貸付を利用しました。神戸市民三万一千六百七十二人が借りました。しかし、その五人に一人は二十年近くたっても返済できず、わずかな年金から亡くなるまで払い続けている方がたくさんいます。

被災者をもっとも身近で応援すべき神戸市が開発優先に走ったために、逆に、被災者の生活再建の大きな障害になったというのが、みなさんの実感ではないでしょうか。

矢田現市長も開発優先・市民に冷たい市政を引き継ぎました。新長田駅南の巨大開発、大水深バース、医療産業都市づくりなど巨大開発を進める一方、市民の福祉は大きく削られました。矢田市政の十二年間で、敬老パスは有料化され、重度障害者福祉年金は廃止、敬老祝い金は縮減され、保育料の値上げもされました。そしていま、借上復興公営住宅に入居している被災者を追い出そうとしています。

開発優先の市政では、市民や被災者に冷たい市政とならざるをえません。しかも、巨大開発が成功して市民の役に立っているならまだしも、神戸空港、新長田駅南再開発はじめ、全部失敗ではないですか。こんな逆立ち、こんな失敗を繰り返してはなりません。

子育て支援


子どもの医療費無料化も神戸市は遅れています。保育所の待機児童も多い。こどもの権利条約には「子どもには最高の環境を」とはっきりうたってあります。企業の参入や規制緩和ではなく、公立としっかりした認可保育所を増やすことが必要です。

中学校給食も市民の七年越しの運動でようやく実施が決まりましたが、業者弁当注文方式です。全国に事例がありますが注文がこないというのが特徴です。これでは給食とはほど遠いことになってしまいます。自校調理法式への切り替えが必要です。

福祉の充実


矢田市政のもとで敬老パス有料化など福祉が削られ、五百億円も市民の負担がふえました。

ところが神戸市は、来年度から低所得世帯や障害者など弱い立場の人たち、人数の多い世帯の国民健康保険料を大幅に引き上げようとしています。これはストップさせなくてはなりません。敬老パスの無料制度復活も求められています。

中小企業支援・雇用増


大企業の身勝手な撤退が相次ぎ、神戸経済は大変なことになっています。二〇一二年六月に三菱重工神戸造船所が商船建造から撤退しました。造船所の労働者だけではなく地域に重層的に存在する下請け、孫請けの労働者や経営者の仕事が奪われました。バンドー化学や富士通テンも撤退、さらに神戸製鋼所も高炉休止を計画しています。

日銀神戸支店が先日、ショッキングな発表をしました。この二十年間で兵庫県の総生産額の年間平均成長率は〇・一%。全国平均〇・六八%を大幅に下回り、全国四十五位であることが明らかになりました。

神戸市の経済政策が大企業を呼び込むことが中心で、地域経済と雇用を支える地元中小企業の振興につながっていないということが一番の問題ではないでしょうか。

にもかかわらず今、三宮の巨大開発で企業誘致をやろうというのです。大企業に一社当たり五年間で最大四億五千万円もの賃料補助などが計画されています。

しかし、こうやって大企業を呼び込んでも、次々と撤退して、神戸の経済、中小企業の活性化にはなっていません。

地元の中小企業、業者を本格的に応援し、そこで働く人は神戸で働く人の七割、八割ですから、雇用を増やし、消費を伸ばし、商店街で買い物をしていただけるよう、好循環の地域経済に切り替えることが必要です。

中小企業振興基本条例をつくり、地元業者に神戸市の仕事を優先発注する。神戸市の仕事を発注する時、そこで働く労働者にまともな賃金が支払われる適正な価格で発注する。「ブラック企業お断り宣言」をする。大企業や大型店の進出や撤退は、地域経済に打撃のないように、神戸市からもしっかりと調査・働きかけることが必要です。

三宮一極集中を改め、九つの区それぞれの特徴をいかしたまちづくりを進めることも重要です。

市民の願いを代表して


また市民の願いを代表して国や企業にはっきりものを言うことが市長に求められます。

安倍政権は消費税増税や原発再稼働など国民の願いとは反対の方向に暴走しています。市長は市民を代表して「ダメなものはダメ」とぶれずに発言することが必要です。

神戸市は、関西電力の大株主でもあり、原発再稼働中止を迫ることも求められます。


(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

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