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2013年10月27日日曜日

全国青年大集会2013に兵庫から40人

仲間がいるって大事


〝ブラック企業根絶〟〝人間らしく働くルールを〟と「全国青年大集会2013」が東京・明治公園でおこなわれ、全国から千五百人、兵庫からは前日の夜出発したバス二台などで四十人が参加しました。



ときおり大粒の雨がふりしきる大集会では、冒頭に秋田書店、ベローチェの不当な解雇を裁判闘争でたたかっている女性が発言。「今苦しんでいる誰かが、立上り前に進む力になりたい」「もういらないと思ったら〝鮮度が落ちた〟と退職強要する会社に悲しくなった。声をあげなかったら誰にも知られることがなくなる。それは絶対にあってはならないと声をあげた」などの涙ながらの発言に、兵庫から参加した大学四年生は「本人からの生々しい告発に涙がでた。病気にも追い込まれ、夢も奪われるなんて本当にひどい。声をあげれば変えられる、周りに仲間がいるんだと思える場って本当に必要」と話していました。

日本共産党からあいさつにたった市田忠義書記局長は、参議院選挙で躍進した十一議席で「ブラック企業規制法案」を国会に提出したことを報告したうえで、「青年大集会が始まって十年。若者の雇用問題を一大社会問題に押し上げてきた。たたかってこそ道が開けることをこの十年のみなさんの努力が示してきた。人間をモノのように使い捨てる働き方をなくしていこう」と激励しました。

全国商工団体連合会青年部協議会議長の雨松真希人さん(兵商連青年部協議会議長)が、代表して消費税問題でスピーチをおこない、兵庫県教職員組合青年部長の井上一洋さんと兵庫県高等学校教職員組合青年部長の赤松弘基さんは全教青年部の訴えで壇上にあがりました。


兵庫の「実態黒書」も国会議員に


清水議員に「黒書」を手渡す参加者(左)
翌日おこなわれた国会要請行動には、兵庫から二人が参加し、百十人の声をまとめた「実態黒書」を国会議員や秘書に手渡し、「ブラック企業の規制を」「働くルールの確立を」と求めました。

兵庫選挙区選出の維新の会・清水貴之参院議員は、自身の就活が大変だったと言いながら「終身雇用制はよくない。パートがいい場合もある」などと不安定雇用で苦しむ青年に背を向け、さらなる雇用破壊を容認する立場を示しました。



兵庫から参加した山下友宙さんは、「一回目の集会は三百人くらいの小さな公園。それから大きな集会に発展し、社会にインパクトを与えながら大きくなってきた。社会的連帯の力で押し上げてきた。参議院選挙で日本共産党が伸びてブラック企業の規制にも大きな展望ができた。実現のためにがんばりたい」と決意を新たにしていました。
(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

年金者が一揆:ストップ!年金引き下げ・消費税増税


「ストップ!二・五%年金引き下げ・消費税増税二〇一三年兵庫県年金者一揆」が十五日、神戸市内で行われ、組合員百三十人が集まりました。

生田文化会館での集会では岡本毅一委員長の挨拶の後、県社保協の高山忠徳氏が「消費税三%アップ、物価二%もアップ。社保協は一千万署名を行う」と来賓挨拶しました。

続いて「日本社会を覆う『負の連鎖』を断ち切ろう」と題して、神戸女子大の阿江善春氏が講演―負の連鎖は「保険方式主義」「財源論(社会保障と税制度の直結)」「振りまかれる自己責任論」がある。今回の大改悪はまさにブルドーザーのように一気にやってきている。国民に広く内容が分れば全面反撃に打って出ることができる―と解明しました。

次に、関根敏克書記長が「不服審査請求書六千通提出と、秋の仲間づくりで反撃しよう」と行動提起。参加者は拍手で応えました。


昼近くから雨が降り出しましたが、パレードを敢行。「こんな雨に負けておれぬ」と、台風26号接近のため風雨が強まりかけた神戸の街に、「年金引き下げの流れをやめさせよう」「憲法守れ!消費増税撤回!」の声を轟かせました。


(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

「被災者本位の復旧・復興をめざしてin岩手」参加記

〝政策・運動〟の支援など提起

日本共産党国会議員団兵庫事務所長 金田峰生

十月十三日~十四日に岩手県花巻市で全国交流集会「被災者本位の復旧・復興をめざしてin岩手」が開催され、十八都道府県から二百八十一人が参加。陸前高田市の戸羽太市長の記念講演、岩手、宮城、福島、熊本、和歌山からの報告を受けて、九つのテーマ別分科会での交流・討論と全体会がもたれました。



戸羽市長は講演で「〝想定外ということがあり得る〟という想定が必要」「子どもたちへの就学・就労支援も重要課題」「被災者に寄り添う政治・行政こそ大切」などを提起し、「陸前高田市は〝ノーマライゼーション〟という言葉がいらない街づくり」をめざすと決意を表明しました。

陸前高田市の駅前商店街の跡


私は、「生活再建支援法の抜本改正」をテーマにした分科会に参加。

「改正災害対策基本法と大規模災害復興法の理念に被災者一人一人の生活再建が据えられたことは画期的」だが「政府は有識者会議を設置し、検討項目に〝自助・共助・公助〟や〝国・県・市町村の役割分担〟を明記している」などの問題提起を受け、交流・討論を行いました。

岩手県は陸前高田市が先頭になり、制度の拡大解釈や自治体独自の制度上積みをかち取り、当面の支援について充実させてきているようです。

宮城県は知事が「被災者の命より復興が優先」と回答し、その通りの悪政ぶりであることが報告されました。

被災者からは「生活再建支援法を改正し、三百万円が五百万円になればかなり助かる」との声が相次ぎました。

私は、「阪神・淡路大震災被災実態と乖離した損害判定基準等も見直しを求めたい」「東日本大震災被災地への支援は〝政策・運動〟も必要」の二点を提起しました。

さらに討論を踏まえ、①制度到達の共有化と全国発信の強化、②被災者の要求を握り、課題の整理、運動化、政策化を支援、③支援法改善を柱にした共通課題の全国運動化などを災対連のイニシアティブで進めることを提案し、概ね、第一分科会のまとめの報告に盛り込んでもらえました。



全体のまとめでは、消費税増税、TPP参加、公務員数と給与の削減などは、被災地の復興に逆行させるという、立場の違いを超えた被災地の怒りを呼び、これら安倍内閣の暴走をとめるたたかいも提起され、賛同の大きな拍手が起こりました。

(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

西脇市議選無投票:寺北氏7選

寺北建樹氏
西脇市議選(定数二減の十六)は二十日、告示されましたが、立候補が定数と同数のため無投票となりました。日本共産党の寺北建樹氏(64)=現=は七期目の議席を獲得しました。

寺北氏は、▽国保税の一世帯一万円引き下げ▽西脇駅西側開発の中止▽市立西脇病院を核とした地域医療を守る―など掲げた公約の実現へ全力をあげる決意を新たにしています。

(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟傍聴記:10月15日

「裁判できなければ泣き寝入りせよ」というのか?

副島圀義

十月十五日の口頭弁論で、六人の方については弁論を終結。来年三月二十日に判決と決まりました。最終意見陳述では―

原告・Tさん 被爆者であることを隠し続けてきたことが、家庭崩壊にもつながった。爆心地近くに入ったことを家族に話していなかったことを国は〝却下の正当化〟に使っている。今も被爆者であることを隠し続けている人も少なくない。その方々の思いを考えるとがんばらねば…と思う。

健康を害した被爆者が長い裁判を闘わないと認定されない、という状況を変える判決を願う。

Nさん 被爆の瞬間のことは忘れることができない。ヘリコプターの爆音、雷、震災や津波…。その都度、原爆を思い出してしまう。

国が〝そんな体験をしているはずがない〟というなら、六十八年間、私を苦しめてきたことは何だったのか? 金が欲しいのではない。このがんが被爆によるものだと認めてほしいのだ。

弁護団 確定した一連の判決によれば当然認定されるべきケースで、国は平然と同じ主張を繰り返している。

法治国家では行政の誤りを正すのが司法の役割だ。「司法と行政は違って当然」というような傲慢な態度は許されない。〝どんどん切り捨てる。文句があったら裁判しろ。その元気がなければ泣き寝入りしろ〟というようなことをやめさせなければならない。



この日、国側は反論もなく、書面を提出するのみ。〝認定しろという判決がでたら、その人だけしたらいいんだ〟という不真面目な姿勢を見せていました。

(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

六甲山米軍基地撤去20周年記念集会

11月10日に山頂で


1992年11月12日の返還当日、六甲山頂で集会を開いた市民

六甲山頂は一九四七年に接収されて以来、米軍が通信基地として使用。巨大なパラボラアンテナが置かれ、標高九百三十一㍍のピークに市民は立てませんでした。

長年、兵庫県平和委員会や原水協の「基地撤去・六甲山頂元旦のつどい」など返還運動がとりくまれてきましたが、その中で同通信基地が使用されていないことが一九九一年ごろには判明。市が国に基地用地として貸している神戸市・芦屋市共有地の返還を求めるよう芦屋市議会、神戸市議会、県議会で日本共産党がとりあげ、九二年十一月十二日付で米軍から国に返還、翌九三年、施設が撤去され、市民に開放されました。また七〇年代初頭には神戸港でも米軍基地を撤去させています。

いま、これらのたたかいに学び、オスプレイ配備撤回をはじめ平和の世論を大きく広げようと、十一月十日、六甲山頂で記念集会が開かれます。参加申し込みの締め切りは十月三十一日です。


11月10日(日)11時、六甲山頂(最高峰)/交通手段と参加費①マイクロバス:8時45分、湊川神社前集合、2000円②マイクロバス:10時20分、六甲ケーブル山上駅集合、1500円③ハイキングなどで現地参加:500円/バス・現地参加ともに10月31日までに事前申し込みが必要/☎078‐362‐0806、Fax 078‐371‐2427

(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)
 

『戦後史の汚点レッド・パージ』:図書紹介

―GHQの指示という「神話」を検証する
藤木洋子

戦後史の汚点レッドパージ

レッド・パージ犠牲者の名誉回復のたたかいは、〝戦後、連合国の占領下におけるレッド・パージは、一九五〇年のマッカーサー書簡を起点とするGHQの指令・指示によるもので、日本国憲法も、日本政府の権限も及ぶところではない〟との最高裁の判例が定説化していて、これをどうやって突破するかに苦悩していました。

兵庫県のレッド・パージ犠牲者の川崎義啓、安原清二郎、大橋豊の三氏が、レッド・パージから五十九年の二〇〇九年、「生きているうちに」と、名誉回復と国家賠償を求め神戸地裁に提訴。その裁判で、証言に立たれた明神勲北海道教育大学名誉教授のレッド・パージ研究成果に目からウロコが落ちる思いをしました。

レッドパージ60周年の集会(2010年11月16日)で挨拶する明神勲教授と(その右隣から)安原、川崎、大橋の3氏

それは「レッド・パージ=GHQ指示」説を「神話」として否定し、「レッド・パージ=GHQ示唆・督励」説を提示されたことでした。

レッド・パージに関してマッカーサーが内閣総理大臣に宛てた書簡は五通。それぞれ①一九五〇年六月六日付―共産党中央委員二十四名の追放②六月七日付書簡―『アカハタ』編集責任者十七名の追放③六月二十六日付―『アカハタ』の三十日間発行停止④七月十八日付―『アカハタ』とその後継紙及び同類紙の無期限発行停止⑤八月三十日付―全労連の解散と十七名の幹部の公職追放―を指令したもので、それ以外のいかなることも具体的に指令したものではないことを明神教授は指摘。

これ以外の報道機関、官公庁、民間産業などでのレッド・パージについては、民政局公職審査課長ネピアや経済科学局労働課長エーミスらの談話、議事録を綿密に調べて、彼らが、財団や大企業の経営者などに対し、レッド・パージがマッカーサーの指示・指令ではないと明確に否定し、すべて経営者の判断と労使合意の上で執行することに神経質なまでこだわっていたことを、明神教授はこの書籍で解明しています。

これらの事実を日本政府も最高裁も十分認識しながら、すべての分野におけるレッド・パージを「占領軍の指令でなされた」ものだとする論拠として、最高裁が、それまで約十年間の裁判でまったく問題にされなかった「解釈指示」の存在を突如、立証不要の「顕著な事実」として登場させたことについて明神教授は、民生局長ホイットニーと最高裁長官官田中耕太郎との会談の記録を検証し、最高裁決定のいう「解釈指示」が「指示」ではなく、田中の求めに応じた単なる「助言」「示唆」であったことを明らかにしました。

著者がこの書籍に〝GHQの指示という「神話」を検証する〟と副題を付したとおり、事実を解釈によって歪曲してまでレッド・パージを正当化する、戦後を経てなお治安維持法体制の体質を脱し切れない国家権力を告発したところに大きな意義がある、と深い感銘をもって読みました。

過去の問題ではなく現代的な人権課題として捉える国民的運動に発展させることが、レッド・パージ犠牲者の名誉回復のみならず、現代を生きる私たち国民の人権を保障する力になるでしょう。特定秘密保護法制定への危険が迫る今こそ、本書の普及と学習が求められていると確信しています。


明神勲『戦後史の汚点レッド・パージ―GHQの指示という「神話」を検証する』/2013年8月、大月書店刊/四六判、328ページ/本体3,200円+税/日本共産党兵庫県委員会でも扱っています。

(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

青年劇場『普天間』:神戸演劇鑑賞会11月例会

沖縄の過去と現在を紡ぎ出す



この舞台は、イントロダクションと十場面で構成されている。イントロダクションでは、「講演会」を聴くような感じで、観客は自由にメモが取れる仕様になっている。

二〇〇四年八月十三日。沖縄国際大学に、米軍のヘリが墜落した。夏休み中のことであったので、幸い死人は出なかった。舞台はこの事件の詳細をまず語る。

ヘリの尾がL字型に曲がっている部分が、唐突に折れ、機体から落ちた―生後六カ月の乳児が眠っている寝室に、二個のコンクリート片が飛び込んだ―等、墜落の模様を、事細かく描く。この細かい描写は、舞台が終わりになるまで続く。

この描写を繋ぎ合わせると、沖縄が辿ってきた戦後六十八年の歴史が浮かび上がってくる。『普天間』の舞台は普天間の基地の事だけを描いてはいない。

沖縄の人々の苦難の歴史を、劇作家坂手洋二のつぶさな観察と憤りで描いている。沖縄について知っていても、再認識を。知らなかったなら、目を開かされる。

そして、主人公、北峯美里は「沖縄の人たちは自分のペースでいきている。それは、怠慢や怠惰ではない。自分の生きたいように生きる心を大切に。沖縄の人たちのそれが戦いなんです」と語る。

舞台からの台詞のひとこと、ひとことが、観客に向けられているようで、大きな宿題のように感じて、胸が痛んだ。
(小谷博子)

青年劇場『普天間』/作=坂手洋二、演出=藤井ごう、出演=青木力弥・吉村直/①11月14日(木)18時30分②15日(金)18時30分③16日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金千円と月会費2カ月前納)、月会費3千5百円(大学生2千円、中高生千円)/☎078-222-8651、Fax078=222-8653、http://homepage2.nifty.com/kobeenkan/

青年劇場:http://www.seinengekijo.co.jp/frame.html


(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会「山河」第35号より

変革の路一筋に歩み来ぬ戦許さぬ強き思いに
安武ひろ子

中国の人は決して忘れない十五年戦争の始まりし日を
鵜尾和代

空襲の記憶語れる先輩ら「少年H」の時代を生きて
塩谷凉子

キリシタン墓地に佇む迫害の無韻の叫びきくおもいして
石井敏子

生き遅れ死に遅れかも秋陽透く九月二十日のミンミン蝉は
山下洋美

補助線を引かねば解けぬ数学に似たるわたしの人生いくすえ
古賀悦子

サリンガス悪夢の事件想い出す非人道なる兵器をなくせ!
西澤 愼

ポストごと一枚のビラ配るのはあったか神戸実現のため
山下 勇

(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

西村欣治郎:11月2日に顕彰・研究のつどい

関西学院学生・詩人—兵庫のプロレタリア文化運動を牽引


墓前祭

一九三〇年代に兵庫県のプロレタリア文化運動を牽引した西村欣治郎氏を顕彰する企画が進められています。

治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部は、十月六日に奈良県御所市の西方寺に行き、四十一名が参加して西村欣治郎墓前祭を行いました。十一月二日には「顕彰・研究のつどい」が企画されています。

西村欣治郎は関西学院学生でナップ(無産者芸術家連盟)の活動家でした。当時関西学院はいま神戸市立王子動物園のある所にあり、学院の前が阪急電車の終点でした。京阪神を視野にナップがここに「戦旗」支局と活動拠点を置いたのでした。西村は詩誌「木曜島」に反戦詩を書くとともに、県下にナップ発行の「戦旗」読者を組織し、宝塚歌劇団内にも学習会を組織しました。戦後日本共産党参議院議員になる須藤五郎もその仲間でした。

西村は、衆議院第二回普選の後の「二月事件」で検挙され、三十歳で獄死しています。小林多喜二は著名ですが、兵庫にもこういう人がいたことを知ってほしいと同盟はつどいへの参加を呼びかけています。連絡先☎078‐351‐0677(国賠同盟県本部)


西村欣治郎顕彰・研究のつどい/2日(土)13時30分、神戸市勤労会館308号/兵庫のプロレタリア文化活動の先駆者で詩人の関西学院学生・西村欣治郎の時代とその影響を報告/参加費500円/☎078‐351‐0677

(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

無年金障害者の会の幹事である西島文香氏(高知大学準教授)からスウェーデン滞在記第一報が届いた▼同国第二の都市ヨーテポリのトラム(路面電車)やバス全てに高齢者や障害者の座席はもちろん二人用の大きなベビーカー用のスペースも確保されていて、乗客も当たり前のように乗り降りの手伝いをする。一見当然のように思えるが「日本ではまず考えられない光景」とのコメントが書いてあった▼兵庫県の民間バスや公営バスのバリアフリー化はまだまだ十分でない。尼崎市では全国に先駆けて低床化バスが一〇〇%導入されているが、運転手や乗客の対応、ましてやベビーカーにまで配慮が十分か?▼参院選後やっと開会となった今国会には国連の「障害者の権利に関する条約」批准の議案が提案された。この「障害者」と言う言葉は、正確に訳すと「障害を持つ人」であって、手帳所持者だけでなく高齢者や日常の生活に少しでも困難を伴う全ての人が対象である▼権利条約の批准は早い方がよいが、条約の内容・精神を正確につかんでハード・ソフト両面からのバリアフリー(ユニバーサルデザイン)の実現を視野に入れた国内法の整備が必要である。(N)

(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

2013年10月23日水曜日

開発優先の冷たい市政から市民の暮らし・福祉守る神戸に

日本共産党の山下よしき書記局長代行・参院議員がこのほど神戸市内で行った演説の中から神戸市政の現状と課題について語った部分の大要を紹介します。(文責=編集部


山下よしき氏
神戸市では今、開発優先・市民に冷たい市政を続けるのか、市民の暮らしと福祉を守るあたたかい市政に転換するのかが問われています。

神戸市政の失敗


一九九五年、阪神・淡路大震災が起こりました。戦後未曽有の大災害でした。その時、神戸市民から、「自分たちもがんばるけど、自分たちだけでは暮らしの再建、神戸の復興はない、どうか被災者の生活再建に公的な支援を」という声がおこってきました。

しかし、当時の笹山市長は、国に公的支援・個人補償を求めませんでした。その一方で「神戸空港はつくります」と宣言しました。こういう市政のもとで被災者は、どうなったか。

当時は、被災者個人の住宅再建に一円の支援も出ませんでしたから、災害援護資金貸付を利用しました。神戸市民三万一千六百七十二人が借りました。しかし、その五人に一人は二十年近くたっても返済できず、わずかな年金から亡くなるまで払い続けている方がたくさんいます。

被災者をもっとも身近で応援すべき神戸市が開発優先に走ったために、逆に、被災者の生活再建の大きな障害になったというのが、みなさんの実感ではないでしょうか。

矢田現市長も開発優先・市民に冷たい市政を引き継ぎました。新長田駅南の巨大開発、大水深バース、医療産業都市づくりなど巨大開発を進める一方、市民の福祉は大きく削られました。矢田市政の十二年間で、敬老パスは有料化され、重度障害者福祉年金は廃止、敬老祝い金は縮減され、保育料の値上げもされました。そしていま、借上復興公営住宅に入居している被災者を追い出そうとしています。

開発優先の市政では、市民や被災者に冷たい市政とならざるをえません。しかも、巨大開発が成功して市民の役に立っているならまだしも、神戸空港、新長田駅南再開発はじめ、全部失敗ではないですか。こんな逆立ち、こんな失敗を繰り返してはなりません。

子育て支援


子どもの医療費無料化も神戸市は遅れています。保育所の待機児童も多い。こどもの権利条約には「子どもには最高の環境を」とはっきりうたってあります。企業の参入や規制緩和ではなく、公立としっかりした認可保育所を増やすことが必要です。

中学校給食も市民の七年越しの運動でようやく実施が決まりましたが、業者弁当注文方式です。全国に事例がありますが注文がこないというのが特徴です。これでは給食とはほど遠いことになってしまいます。自校調理法式への切り替えが必要です。

福祉の充実


矢田市政のもとで敬老パス有料化など福祉が削られ、五百億円も市民の負担がふえました。

ところが神戸市は、来年度から低所得世帯や障害者など弱い立場の人たち、人数の多い世帯の国民健康保険料を大幅に引き上げようとしています。これはストップさせなくてはなりません。敬老パスの無料制度復活も求められています。

中小企業支援・雇用増


大企業の身勝手な撤退が相次ぎ、神戸経済は大変なことになっています。二〇一二年六月に三菱重工神戸造船所が商船建造から撤退しました。造船所の労働者だけではなく地域に重層的に存在する下請け、孫請けの労働者や経営者の仕事が奪われました。バンドー化学や富士通テンも撤退、さらに神戸製鋼所も高炉休止を計画しています。

日銀神戸支店が先日、ショッキングな発表をしました。この二十年間で兵庫県の総生産額の年間平均成長率は〇・一%。全国平均〇・六八%を大幅に下回り、全国四十五位であることが明らかになりました。

神戸市の経済政策が大企業を呼び込むことが中心で、地域経済と雇用を支える地元中小企業の振興につながっていないということが一番の問題ではないでしょうか。

にもかかわらず今、三宮の巨大開発で企業誘致をやろうというのです。大企業に一社当たり五年間で最大四億五千万円もの賃料補助などが計画されています。

しかし、こうやって大企業を呼び込んでも、次々と撤退して、神戸の経済、中小企業の活性化にはなっていません。

地元の中小企業、業者を本格的に応援し、そこで働く人は神戸で働く人の七割、八割ですから、雇用を増やし、消費を伸ばし、商店街で買い物をしていただけるよう、好循環の地域経済に切り替えることが必要です。

中小企業振興基本条例をつくり、地元業者に神戸市の仕事を優先発注する。神戸市の仕事を発注する時、そこで働く労働者にまともな賃金が支払われる適正な価格で発注する。「ブラック企業お断り宣言」をする。大企業や大型店の進出や撤退は、地域経済に打撃のないように、神戸市からもしっかりと調査・働きかけることが必要です。

三宮一極集中を改め、九つの区それぞれの特徴をいかしたまちづくりを進めることも重要です。

市民の願いを代表して


また市民の願いを代表して国や企業にはっきりものを言うことが市長に求められます。

安倍政権は消費税増税や原発再稼働など国民の願いとは反対の方向に暴走しています。市長は市民を代表して「ダメなものはダメ」とぶれずに発言することが必要です。

神戸市は、関西電力の大株主でもあり、原発再稼働中止を迫ることも求められます。


(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

福島に連帯する報告集会

なくせ原発! 急げ生活再建!


報告:神山えつこ福島県議

日時:11月9日(土)14時~
会場:兵庫県民会館9階けんみんホール

主催:日本共産党兵庫県委員会 ☎078‐577‐6255







(2013年10月27日付「兵庫民報」掲載)

2013年10月20日日曜日

アンケートに次々切実な実態―全国青年大集会へ届けよう

ブラック企業にお仕置き&最低賃金1000円を


三宮でのアンケート活動

一千人の目標で取り組んでいるアンケートは、現在八十九人(十三日現在)から寄せられ、うち九通が返信用封筒で返信されています。

「30代後半に正社員の道はないのか?」


新三田駅前で配布されたアンケートに返信してきた三十六歳の派遣社員は、「非正規の割合が多く、人の入れ替わりも多い。十七万円の給料のうち二万円は交通費。正社員になりたくて、いくつかの企業に応募をしているけど、連絡が返ってくるのは、ネット上でブラックと言われる企業だけ。三十代後半に正社員の道はないのか?」と切実な声を寄せました。

自治体職場の派遣もたいへんな待遇


十三日に日本民主青年同盟が元町でおこなった宣伝では、ある自治体職場で派遣で働いている女性と対話になりました。「給料は、月十二万円。パワハラやセクハラが日常的で、うつ病の人が同じフロアーに五、六人もおり、休職、退職せざるを得ない人もいる。有給休暇も取得できない。有休休暇が取得でき、セクハラ・パワハラを取り締まってほしい」とこたえました。

メンバーが、「自治体もいま正規職員を減らし、非正規雇用を多用している。そのなかで、給料がおさえられ、劣悪な環境で働かされている人も多い。実態を教えてくれてありがとう。私たちも正社員が当たり前で、若者がまともに働き暮らせるようにしたいと思っています。十月二十日には全国集会もある。ぜひ考えてみてください」と呼びかけました。

アンケートへ回答から労働相談に


須磨区からは、地域の共産党の人からアンケートをもらったという二十八歳の女性が返信。五日のプレ企画に参加し、労働相談会になりました。

女性は「労働条件が切り下げられ、給料もカットされようとしている。生活も大変で困ると言うと『それなら辞められないんだから、どんな条件でものむんだな』と脅されるなど退職強要もある」と切実に訴え。

労働組合にも相談、そのまま労基署にも行き、対応を相談しました。女性は、「全国青年大集会2013に行って、同じように悩む全国の人たちと交流したい」と意欲的です。

「社会を変えよう」「興味あります」


十二日には、兵庫労連や兵庫青年ユニオン~波~、兵青協などの団体と共同宣伝を行い、十五人が参加しました。アンケート対話では、「ブラック企業はいやだと思って、そうじゃない企業だと思い、いまの自動車会社に入った。しかしはじめは地元神戸だったけど、二カ月で東京に出張し、何年東京になるか分からない。一日十六時間労働で、月十八万円。残業代もつかない」と大学新卒者。メンバーが「ブラック企業を根絶しようと、今度集会もある。アンケートを持って国会にも行く。社会を一緒に変えよう」とよびかけると、「興味あります」と応じました。

十月二十日、東京で行われる全国青年大集会2013には、兵庫から百人で行くことを目標にとりくんでいます。兵庫実行委員会は、さらにアンケートをひろげ、全国青年大集会2013成功に力を尽くそうと奮闘しています。





(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

希望あふれる元気な町へ:山田兼三氏が全力

佐用町長選挙の十月二十二日告示が迫りました。投票日は二十七日。

山田兼三氏

明るい佐用町をつくる会(→facebookpage)推薦の山田兼三氏(65)=無所属=と現職の庵逧典章町長との一騎打ちとなる見込みです。

町民の「いまのままでは佐用町はさびれてしまう」という不安の声にこたえる町政運営をどう行うのかが、今度の町長選挙の最大の争点です。

山田氏は、過疎と向き合い、元気な佐用町をめざし、▽思い切った若者定住対策、子育て世代の支援をと学校給食費無料化や定住促進手当の創設などを、▽高齢化が進む佐用町こそ、お年寄りが安心して暮らせる「福祉と健康の町づくりを」と、高齢者への給食配食サービスの回数増の実施、山間集落への移動販売車の充実などを―訴えています。福祉の町づくりとあわせた若者雇用の拡大をめざすとしています。

その実現のために、一人当たり残高で県内四十一市町の平均額の四倍もある基金を活用するなど財源も示しています。

二十五年間にわたり旧南光町長を務め、着実にまちづくりを進めてきた抜群の経験と実績が山田氏にあります。

町民の声をしっかり受けとめ、明るく希望あふれる元気な佐用町をめざし、こんどこそ佐用町長にと、山田兼三氏と明るい佐用町をつくる会は全力をあげています。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

被災者の命と営業守る立場にない神戸市

神戸市議会定例本会議が十月十一日に開かれ、日本共産党議員団から森本真議員が一般質問に立ち、借上災害公営住宅問題、新長田駅南再開発問題などについて、矢田立郎市長の政治姿勢をただしました。

借上住宅:神戸市長の意見で県も継続入居「85歳以上」に改悪


阪神・淡路大震災の被災者が生活する借上災害公営住宅。神戸市は、「二十年で全員退去」という方針を変え、「八十五歳以上」などの条件をつけて継続入居を認めるとしています。ところが、この条件がいっそう入居者を混乱させています。

さらに、兵庫県が、当初「八十歳以上」としていた継続条件を、神戸市からの意見で「八十五歳以上」に変更したことが明らかになっています。

森本議員は、希望者の全員継続入居が入居者の願いだ、と指摘したうえで「県に変更を求めたのは市長自身か」とただしました。

中村三郎副市長は、市長や中村副市長らが県に申し入れたことを認めました。

借上住宅:返還事由32%は死亡返還


借上災害公営住宅の入居世帯のこの間の住宅返還事由は、三百三十七世帯うち百十二世帯・三二%が死亡返還となっています。

森本議員は、市長がたびたび、「震災で亡くなられた方の思いを受け継ぎ、命を何よりも大切にする」と発言していることをあげ「こういう高齢者や障がい者等が住んでいる状況で、まだ転居を強要するのか」「市長は、市民の声を聞くと強調しているが、入居者の声を聞くよう求めても聞こうとしなかった。それが市長の言う市民参画か」と厳しく批判しました。

中村副市長は「借上住宅は緊急措置。二十年で原則返還というのが基本だ」「市長は多くの市民の声を聞いてきた。借上げ住宅入居者には、職員が意見を聞いている」などと答弁しました。

新長田再開発:被災者の資産の価値上げよ


さらに、森本議員は、市長が「神戸市政は新たなステージに入る」と言っているが、その前に解決しないといけない問題として、借上住宅では入居者の命を守る問題、新長田再開発では被災者の負債の問題があると指摘。

新長田再開発では「被災者の資産がいまでは負債になっている。三宮に来る企業に最大五年で四億五千万も補助するなら、新長田の資産価値を上げる努力をすべき。塗炭の苦しみを味わっている被災者・従前商店の人たちの営業、暮らしを守ることが市長の仕事ではないのか」と迫りました。

矢田市長一言の答弁もなし


答弁に立たない矢田市長に対し、森本議員は「市長が答弁すべき。答弁しないというということは借上住宅入居者の命を守る立場にない、新長田の商店の営業を守るという立場にないということを認めることになる」と、再三答弁を求めましたが、市長は最後まで答弁に立ちませんでした。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

青年たちが被爆者と語り合う

民青東神戸地区と神戸ふれあいチャリティ実行委員会



日本民主青年同盟東神戸地区委員会は、神戸ふれあいチャリティ実行委員会との共催で、神戸市原爆被害者の会が作成した被爆体験をまとめたDVDをみる企画を行いました。

青年十一人に、被害者の会から会長をはじめ四人の方が参加していただき、DVD視聴後、カレーをたべながらの懇談会を行いました。

「生きながらに地獄をみた」と話される体験に、「そんな経験を誰にも言えず過ごしてきた苦しさは想像ができない」と青年の感想。

被爆された方とのざっくばらんな懇談は、DVDには収まりきらないリアルな話で、「身近に被爆者の方がいることにびっくりしました」「原爆での被害というものの距離が近づいた」との感想も。

また、「東日本大震災を思うとき、原爆の被害者の姿が重なる。二度と同じ過ちを繰り返さない」との思いを青年たちは強くしました。(竹田雅洋)

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

多可町議選に辻誠一氏:11月17日投票

しっかり発言・しっかり提案/子どもの声が響きわたるまちへ


多可町議選(定数十四)は十一月十二日告示・十七日投票で行われます。

辻誠一氏
facebook
日本共産党からは現職の辻誠一氏(42)が再選をめざします。

辻氏は、子育て支援や高齢者福祉を中心に力を注ぎ、「子どもらの声が響く多可町」をめざし、「しっかり発言、しっかり提案」することに努めてきました。

住民の声をまっすぐ議会に届け、中学校卒業までの医療費(通院・入院)無料化、国保税据え置き、「医師確保対策補助金」創設で多可日赤病院の医師確保、住宅リフォーム助成、高校生奨学金制度、保育料軽減などを、町民と力を合わせて実現しています。

今回の選挙にあたっては、①若者が定住し安心して子育てできる町へ―若者世帯への家賃補助、ゼロ歳児保育料無料化②地域医療を守り安心してすごせる町へ―国保税・介護保険料軽減、障害者福祉・医療への補助、生活保護改悪反対③地域特性いかしたまちづくり―自治区尊重、再生可能エネルギー活用、雇用・産業促進、就農支援―などの政策を掲げ、再選への決意を新たにしています。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

尼崎アスベスト裁判が結審

公正な判決求め高裁あて署名に協力を


裁判直後の報告会で決意を述べる原告の山内康民さん。左は原告の保井祥子さん

九日、大阪高裁で尼崎アスベスト裁判が行われました。結審となるこの日、九十六の傍聴席を上回る傍聴者百名余りがつめかけました。

最初に原告の山内康民さんと保井祥子さんが陳述し、「クボタ・国の責任を矮小化することなく、被害者の救済につながる判決を」(山内さん)「あんなに苦しみ、痛がり、亡くなった母が、納得できるような公正で公平な判断を」(保井さん)と求めました。

そのあと、弁護団から最終弁論を行いました。

弁論では―

▽遅くとも一九七二(昭和四十七)年には、アスベストを使用する工場の近隣ばく露による健康被害がおきる危険について、少なくとも認識することができたこと

▽クボタ工場内で大量かつ長期に使用した石綿が工場からあふれ、周辺に大量に漂っていたこと

▽石綿の繊維は非常に微細であるため、空気の流れに巻き込まれて漂い、落下することは少なく、遥か数キロメートル先まで飛散していたことが予想されること

▽奈良医大衛生学・車谷教授による、クボタ周辺の中皮腫死亡者に関する調査でも、クボタの工場から千二百~千五百メートルの範囲に住んでいた女性の中皮腫死亡率は、全国平均の八・九倍にも上ること

―などを、気象学的・疫学的観点から明らかにし、国とクボタの責任を指摘しました。

判決は来年三月六日に出されることとなりました。

「アスベスト被害からいのちと健康をまもる尼崎の会」の粕川事務局長は「公正な判決を勝ち取るため、大阪高裁に提出する署名を十万筆目標で取り組んでいる。すでに七万筆集まっており、ぜひご協力をお願いしたい」と述べています。

お問い合わせは「アスベスト被害からいのちと健康をまもる尼崎の会」☎06-6489-2600まで。http://www.asbestos-ama.net/

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

行事案内欄への掲載を希望される方にお願い

★4面「行事案内」欄への掲載を希望される方は、同欄の書式に合わせた原稿をご提出ください

★できるだけ電子メールでのご出稿をお願いします(宛先は1面下)
添付文書ではなく、メール本文に原稿をお書きください

★チラシだけをいただいても原稿整理・入力作業に余裕がなく、ご希望にそいかねます

★紙面の都合で原稿を採用できないこともありますがご容赦ください。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県平和委員会基地調査レポート

オスプレイ訓練許すな、平和な兵庫へ引き続き監視が必要
後藤浩

兵庫県平和委員会の二十回目の基地調査が今年は九月十八~十九日の「米軍機低空飛行訓練状況調査」を皮切りに行われています。

九月十八日は初参加の三人を含む七名の調査団は例年とは違ってまず豊岡に向かいました。京都、鳥取、兵庫の三府県をまたいで救急医療で欠かせない「ドクターヘリ」の拠点である豊岡病院の管理部長との面談をするためです。

ドクターヘリ:「オスプレイ訓練について何も聞いていない」


豊岡病院のドクターヘリ発着場

ヘリは豊岡病院を中心として半径五十㌔㍍で運行されていますが但馬での米軍機低空飛行訓練ルート(ブラウンルート)と重なり沖縄から全国展開する計画が出されているオスプレイとも遭遇する危険性が危惧されていることを面談の中で話しました。

豊岡病院で管理部長(手前)と懇談
管理部長は―ドクターヘリは運行開始(二〇一〇年四月)から四千回・年間千二百回以上運航。医師の派遣には責任をもっているが、ドクターヘリは委託しており消防の管轄。米軍機やオスプレイの低空飛行については何も聞いてないし、心配もしていない―と話しました。

ドクターヘリの運行に責任を持っているのが関西広域連合。連合長は兵庫県知事である井戸敏三氏。病院へのきちんとした説明を果たす責任を問われてしかるべきです。

鉢伏高原・轟高原・多々良木ダム・生野ダム:年間通じて米軍機低空飛行


十八日は豊岡から鉢伏高原での調査を経てスカイビラさのうで宿泊。

轟高原で聞き取り

施設の管理者の話では「最近、米軍機は飛んでは来るものの年間に数回ほどでいつだったかはっきりしない」と話していました。翌日の十九日は轟高原、多々良木・生野の両ダムを訪問。同じ様子でした。

年間を通してはやはり米軍機は飛んでおり、十月十六日には滋賀県饗庭野でオスプレイを使っての日米合同演習があるだけに今後の監視活動が重要になってきています。

神戸港:潜水艦5隻建造・修理中


十月五日は神戸港調査。参加者五名で事前学習を一時間行って港めぐりの船に乗り川崎重工と三菱重工での自衛隊潜水艦の調査をしました。

三菱重工神戸造船所で建造中の海自潜水艦

当日は五隻の潜水艦が建造・修理中でした。非核「神戸方式」の平和の港を汚す光景でした。

ハーバーランド間近に自衛艦


左の暗青灰色のものが「ちよだ」
アンパンマンミュージアムのすぐ向かいに停泊

九月にはアンパンマンミュージアムのすぐ向かいに海自潜水艦救難母艦「ちよだ」が停泊していました。(この項の記事と写真は編集部)

「六甲山米軍基地撤去20周年記念集会」11月10日に


今年の基地調査は十一月十日の六甲山頂での「米軍基地撤去二十周年記念集会」が最後の行事です。

1992年まで六甲山頂を占拠していた米軍通信基地

六甲山頂米軍基地撤去20年記念集会/11月10日(日)11時、六甲山頂(最高峰)/交通手段と参加費①マイクロバス:8時45分、湊川神社前集合、2000円②マイクロバス:10時20分、六甲ケーブル山上駅集合、1500円③ハイキングなどで現地参加:500円/バス・現地参加ともに10月31日(木)までに事前申し込みが必要/☎078‐362‐0806、Fax 078‐371‐2427

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)

学生党員合宿

日本共産党綱領と科学的社会主義を学んで誇り


日本共産党兵庫県委員会は九月に三日間の学生党員合宿を開催。中央委員会の谷本諭政策委員会委員・社会科学研究所幹事を講師に、日本共産党綱領と科学的社会主義の理論を講義六時間、討論五時間の計十一時間かけて学びました。

参加した学生は、入党数カ月~二年くらいが多く、綱領のまとまった話、とくに未来社会論などは初めて聞くという学生も多く、聞きなれない言葉にとまどいながらも学びとろうと質問もたくさん出し、一つ一つ認識を深めていきました。

参加者からは「戦犯が釈放され、政治を主導するなど、戦後はスタートから過ちを犯していた一方、戦前からたたかってきた日本共産党は日本だけでなく世界にも誇るべき党だと感じた」「つい最近まで革命について履き違えていたところから学習した経験があったので、今回学んだ革命の道筋がリンクしてすごく嬉しかった」などの感想がだされるなど、大いに確信を深めていました。

また、県委員会の堀内照文青年学生委員会責任者が、党創立九十一周年記念講演会の中心点をのべながら、開講後のとりくみについて問題提起しました。

「政治に興味がある人にはもっと深いところまで知ってほしいと思った。そんな人に自分の意見を言えるようになりたい」など、周りにひろげる意欲も交流されました。

(2013年10月20日付「兵庫民報」掲載)