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2013年9月15日日曜日

「三宮巨大開発」は市民のためか

神戸・市民要求を実現する会は九月六日、神戸市勤労会館で神戸市政連続講座「三宮巨大再開発を問う」をひらき、約八十人が参加しました。日本共産党の森本真議員が、三宮からウオーターフロントまでの広大な地域で進められようとしている「三宮巨大開発」について報告しました。


小泉内閣時の規制緩和を背景に


三宮巨大開発の背景には小泉内閣が二〇〇二年に成立させた都市再生特別措置法にもとづき、ゼネコン、大手不動産会社等が利益をあげられるよう、大幅な規制緩和を行ったことがあります。都市再生を口実とし既存の用途地域の規制を適用外にすることで、超高層ビルの建設を進めようというものです。

森本議員は「神戸市もこれにのっかって、都市再生緊急整備地域を、三ノ宮駅北側や元町駅周辺まで五十㌶増やして九十七㌶にもに広げた」と指摘。市の担当者は「三宮北側の現状が、神戸の玄関口にふさわしいかということで広げた」と言っていると紹介。

駅ビルの巨大化も


緊急整備地域の指定を受けると、高さ制限や容積制限が緩和されるとともに、国からの金融支援や税制支援を受けることができます。全国六十三地域が指定されていますが、多くは大都市の駅前です。

三宮では、すでにこの制度を利用して神戸新聞社跡地のミント神戸が建設されています。公共的施設としてバスターミナルが作られていますが、これをつけるだけで容積率を二倍にすることが可能となっています。

この制度を利用した三宮巨大開発が進められるとどうなるのか、という点について森本議員は、まだ具体的な内容は発表されていないとしながら、JR西日本の中期経営計画で、三ノ宮駅ビルの建て替えや阪急も超高層ビルの建設をすすめようとする動きを紹介しました。JR西日本や阪急阪神ホールディングスなどからは、両ビルの一体化の考えも示されています。

ビル入居企業に賃料補助と減税


さらに兵庫県や神戸市は、こうしたビルに入居する企業への税の減免措置を進めるとしています。神戸市の場合、常用雇用者数などの条件を満たせば、一平方㍍あたりの賃料の四分の一(月額七百五十円を限度)を補助するとしています。仮に、一万平方㍍を借りると年間九千万円の補助、最大五年間で四億五千万円にもなります。これは、神戸市の単独事業として行われるもので、すべて市民の税金。兵庫県は、法人事業税の減税を五年間行うとしています。

ミント神戸の南側に、森本倉庫がビルを新築していますが、そこに入る予定なのが、現在六甲アイランドにあるP&Gジャパン。森本議員は「六甲アイランドから三宮に移っても、神戸経済への影響は変わらない。ところが、税金を使って賃料補助等を行うというのでは、何ら神戸市民のためにならない。たくさんの高層ビルを建てても、そこに入居する企業がそんなにあるのか、大きな駅ビルができ、大きな店ができると周囲の商店街がつぶれる、というのが全国的な経験。三宮でも、センター街であってもどうなるかわからない」と指摘しました。

地域商店の生き残りは保証なし


また、現在JRビルに入居している商店についても、いったん出ていかざるを得ません。しかし、ビルが完成するまでの補償があるかどうかは不明。高層ビルができたとしても、家賃等が上がるため入居できるのか、継続して営業できるのかについても不安は強いものがあります。

森本議員は、「建設後のビルには全国チェーンの店が入ることで、地域商店が生き残れるか疑問になる。こんな開発では、ビルをつくったり入居できる大手企業が儲かるというもの」だと指摘。神戸らしい駅前の整備にするべきだとしました。

大型開発中止を明確にしているのは


こうした巨大開発に対して、久元喜造元副市長は公約で推進の姿勢を明確にしています。

また、樫野氏も街頭演説で活性化策として三宮再開発について語っています。森本議員は「市長選に出ようとしている人の中で、このような大型開発はやめるように明確に訴えているのは、ぬきなゆうなさんだけ」だとして、ぬきなさんの勝利を呼びかけました。

新長田のようにならないか


参加者からは「神戸空港などは、神戸市が三千億の借金をしてつくると言った。破綻がわかりやすい。今度の三宮巨大開発は民間が進める。そこに補助を出すというもの。巨大開発で高層ビルが建つのはダメだが、入居する事業所があるのか、また空っぽだったら、新長田のようになるのではないか。見通しもないのにつくるのはおかしい」「新長田の再開発では、神戸市が西の副都心ということで、巨大ビルをつくりマンションもつくった。結果は、シャッター通りになっている。三宮もきれいになっても街を巨大化すると、事業所がそんなにあるわけではない」などの声が出されました。

市民の声きき、神戸らしい玄関口に


森本議員は「神戸の玄関口だから、市民の提案を受けたものにするのが一番大切。JRや阪急にも提起していく必要がある。市民のためにやっている事業ではない、大企業が儲かるためのものというもの。それをぬきなさん以外は、民間の金、大手企業が儲かれば街が栄えると思っている。いくら駅前に大きなものができても、観光客が来るわけではない、人が集まるものではない。市民の声を寄せて、神戸らしい玄関口のあり方をみんなで考えようというのが大切だと思う」とこたえました。


(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

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