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2013年9月15日日曜日

神戸市長選の構図

市民とともに運動広げた ぬきなゆうなさんか
矢田市政継承・補完の3氏か


今回の神戸市長選挙の重要な争点は、三期十二年続いた市民に冷たい矢田市政の流れを続けるのか、それとも市民の願いにこたえるあたたかい市政を実現するのかです。

今期かぎりで引退を表明した矢田市長は、自民・公明・民主・みんなの党などオール与党に支えられ、神戸空港や医療産業都市構想など大型プロジェクトにのめり込む一方、財政難を理由に、重度障害者福祉年金、生活保護世帯への夏冬見舞金の打ち切りや、敬老パスの有料化・値上げ、国民健康保険料、保育料の値上げなど冷たい市政を続けてきました。
中でも、阪神・淡路大震災被災者に対して公営住宅として提供した借上げ住宅から追い出す姿勢は、地方自治法に定められた「住民福祉の増進」を目的とする地方公共団体としての使命を投げ捨てるものです。

また市職員三千人を削減し、低賃金雇用の非正規職員に置き換え、市営住宅や図書館まで「指定管理」業者に丸投げするなど、自治体の公的責任を放棄し、大手を中心とする民間事業者には儲け口を提供、市民にはサービスの低下を招いてきました。この冷たい市政を市民の願いにこたえるあたたかい市政に転換できる市長を選ぶことが大事です。

矢田市長が後継者として中央官庁から引っ張ってきたのが元副市長の久元喜造氏です。消費税増税と社会保障切り捨ての「三党合意」トリオの自民・公明・民主の推薦では悪政から市民を守る足場はありません。

久元喜造氏:国の官僚として地方自治体いじめ


久元喜造氏は総務省の官僚として、小泉政権時代から地方自治「改革」にかかわり「指定管理者制度」を創設した人物です。

日本共産党神戸市議団は「三位一体改革で、神戸市財政も含め地方財政は悪影響を受けました。神戸市への影響額は、二〇〇四年度からの三年間で二百三十八億円にも上っています。(久元氏は)総務省自治行政局の官僚として、この三位一体改革を推し進めてきた」と久元氏の副市長選任に反対しました。

「指定管理者制度」は、自治体が公的責任を負うべき事業を民間企業の儲け口として「市場開放」し、その結果、自治体職員をさらに削減し、民間事業者のもとで低賃金・不安定雇用の労働者を広げるものでした。こうした方向が結局、市民サービスの削減とともに、神戸市内での個人消費を抑制し景気回復の足を引っ張ってきました。

久元氏が公約に掲げる三宮巨大開発計画は、埋め立て中心の大型開発路線にかわって神戸の中心街を大規模に再整備し、進出する大企業には補助金をばらまく一方で、そうした資金捻出のため、財政難を口実に、いっそうの福祉・市民サービス切り捨てにつながるものです。

樫野孝人氏:「変える」と叫んでも中身は矢田市政と同じ


前回の市長選でも立候補した樫野孝人氏は、自民党以上に新自由主義路線をとる「みんなの党」の議員と一体に活動を進めてきました。

自民党市議団を離れて樫野氏応援を表明した平野昌三市議はブログで「今の神戸市政や自民党の政策と目指すべきところが同じならば、巨大組織に従うことなく、人物本意で判断したい!」と方向性では矢田市政と変わらないと正直に語っています。

実際、樫野氏の政策は、赤字続きの神戸空港は「あるものは使う」、道州制には賛成、三宮巨大開発も賛成、黒字の「地下鉄山手線」を神戸市の「既得権益」とみなし市場開放の立場から民営化するとしています。結局、大企業、大資本を呼び込むために補助金をつぎ込み市民に負担を押しつける今の神戸市政と発想は変わりません。公的責任の投げ捨てでも、久元氏らと競い合っています。

「経営者としての腕」を売り物にする樫野氏が応援を求めたのがブラック企業ワタミ創業者の渡邉美樹氏です。若者を使いつぶす悪名高い経営者を「ワタミ会長の渡邉さんって…。とにかく面白かったです!もちろん著書を読んだことがありますが、実物はもっと素敵ですね」と褒めちぎる樫野氏に、労働者の雇用や権利を守る視点は感じられません。

「今度こそ変える」と叫んでも、中身は矢田市政の「補完物」だということです。

森下やす子氏:矢田与党としての反省なにひとつなく


自民党神戸市議団を離れた森下やす子氏も「神戸を変える」と宣伝していますが、矢田市政与党としてのこれまでの政治活動への反省はなにひとつなく、変えるべきものは持っていません。


ぬきなゆうな市長の誕生で市民にあたたかい市政を



こうした矢田市政の後継勢力に市民の願いを託すことはできません。「市民にあたたかい神戸をつくる会」とぬきなゆうな共同代表のめざす方向は、破綻した大型開発優先、大企業呼び込み型の市政を転換し、子育て支援、福祉拡充、中小企業支援など循環型の地域経済を活性化させ、一極集中でなく「神戸丸ごと活性化」をすすめることです。

温かい自校調理方式の中学校給食、中三までの子ども医療費無料化、敬老パスの無料化復活、国保料の引き下げなどは、市民の負担を軽くし地域の消費を活性化させます。子どもも働き盛りの世代も高齢者も、元気で明るく暮らせる地域づくりでこそ地元経済が活性化します。

自治体として率先してワーキングプア解消の立場で公契約条例、経済効果の高い住宅リフォーム制度、中小企業振興条例などをつくり、雇用と働きやすい労働環境を実現することも元気な神戸経済につながります。

赤字続きの神戸空港は見直し、市民合意のもとでメガソーラー基地など跡地活用を検討します。

都市間競争の名で大企業向け補助金漬けの開発では、他都市と小さなパイを奪い合うだけで、一部の大企業が儲けても内部留保をため込むだけで市民生活に恩恵はまわってきません。

市民生活を励まし市税は市民のために使ってこそ新たな消費・需要が生まれ、企業の進出や投資を呼び込むことができます。市民にあたたかい市政こそあたたかくて強い地域経済を実現する道です。


日本共産党はその実現のために「市民にあたたかい神戸をつくる会」とともに、ぬきなゆうな市長実現に向けてがんばります。

(2013年9月15日付「兵庫民報」掲載)

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