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2013年9月22日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟傍聴記:9月12日

治療の難しさをもって「医療が不要」という非道

副島圀義

九月十二日の裁判ではTさんについての医師証言と、Eさんご自身の冒頭陳述がありました。



Tさんは原爆放射線による染色体異常で、骨髄異形成症候群と診断され、原爆症認定を申請。平均余命数年、急性骨髄性白血病になる恐れもあるきびしい病気です。骨髄移植、輸血、ビタミン投与、最近認証された新薬投与などの治療方法があるが、いずれもリスク・副作用が大きく適用できない場合も多い。医師が経過観察しながら対応することがいちばん大事です。

ところが国は「積極的な医療ができないのなら『要医療性』を満たさない」というヘリクツで却下したのです。

証言にたった真鍋穣先生は「治療の必要性は明らかだが治療方法が確定しない病気は少なくない。経過観察で、総合的な判断をしながら患者に寄り添うことを“医療とは認めない”という国の態度は、根本的な誤りだ」と厳しく批判しました。



Eさんは長崎の爆心地から三・一㌔㍍の屋外で被爆。爆心地近くまで姉を探しに入り、あるいは、自宅でとれた野菜を食べ、井戸水を飲んですごしていますから、相当量の放射線を被曝しているでしょう。心筋梗塞、緑内障、白内障、腹部大動脈瘤などに苦しんできたが原爆症認定は却下されました。「直爆距離で線引き」されたのでしょうが、Eさんも弁護人も「到底納得できない」と陳述しました。この日には、国側の反論なし。

(2013年9月22日付「兵庫民報」掲載)

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