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2013年7月10日水曜日

暮らしに冷たい兵庫県政

介護:保険料抑制に基金いかさず


三年ごとの介護保険料見直しで、今年度、県下の市町の介護保険料平均基準額は、月四千百六十円から四千九百七十二円へと大幅に値上がりしました。

見直しの際、市町の介護保険財政が困難になった際に貸し付けなどを行う県財政安定化基金(国・県・市が三分の一ずつ拠出)を、保険料の抑制に活用することが可能とされていました。

ところが、県は、基金残高約百二十二億円のうち、七十二億円しか取り崩しませんでした。しかも、県の拠出分二十四億円について、四十市町から「保険料の抑制に活用してほしい」と要望があったにもかかわらず、県は拒否。県の事業に活用してしまいました。保険料・利用料の減免制度創設についても、「制度で保険料や自己負担額の軽減が図られている」「市町の判断で保険料が軽減できる」と市町まかせの冷たい態度です。

一方、施設整備は「在宅への移行」を促進するとして抑制の方向。二万五千百人もの待機者がいるのに、特養ホームの整備計画数を低く見積もり、年五百五十床しか増やさない方針にしてしまいました。


上がり続ける介護保険料(県内基準額)
介護保険料
第1期2911円
第2期3293円
第3期4090円
第4期4160円
第5期4972円

国保:市町への補助金10年で半減


高すぎる国民健康保険料が払えず、保険証を取り上げられたり、財産を差し押さえされる県民が増え続けています。「子ども手当しか入っていない預金を差し押さえた」など法律に反する例も。

必要な医療が受けられず、命を失う人もいるのに、市町の国保事業に対する県独自の補助金は、十年間で半分以下に減らされています。

これは、県が行革で医療費助成を削減したのに伴うものです。県の独自補助金は、医療費助成を行う自治体に国がペナルティをかけているのを補うという考え方で支出されているため、医療費助成を減らせばペナルティも減るからと、国保補助も削っているのです。二重に冷たいやり方です。


所得は下がり、国保料は上がる
加入世帯の平均所得1人当たり保険料
1998年84万4千円7万2千円
2000年73万1千円7万8千円
2002年66万6千円7万7千円
2004年58万8千円7万7千円
2006年61万7千円8万4千円
2008年62万9千円8万9千円


市町への国保事業補助は10年で半減
国保事業費補助
2002年14億円
2003年14億円
2004年14億円
2005年12億5千万円
2006年10億9千万円
2007年8億8千万円
2008年7億4千万円
2009年7億3千万円
2010年7億1千万円
2011年6億8千万円
2012年6億6千万円
2013年6億2千万円

保育:もうけ優先の企業参入の地ならし


都市部を中心に、保育所の不足が社会問題になっています。県内でも待機児童数は増え続けて、解消のメドがありません。それも、「待機児童」には、育児休業を延長した場合や、仕事をやめざるをえなかった場合はカウントされないため、保育所に入れなかった子どもは実際にはもっと多いと考えられます。

知事は、「認定こども園」数が全国一だ、と自慢しますが、認定こども園は、施設設備や職員配置、教育・保育内容などが、認可保育所の基準を下回ることが可能とされているもの。直接契約制で、保育が必要な子どもを優先して入所させるための自治体の関与がなく、保育料も園が自由に決める方式です。

子どもの健やかな成長を保障するには、単に施設の数を増やせばいいというものではなく、認可保育所の増設を基本に、面積基準や保育士の配置基準などを維持・拡充することが必要です。

しかし、知事は、「人的配置基準、居室面積基準、調理室の必置規制など」の一律の基準をなくすことを主張。もうけ優先の企業などが保育に参入しやすくする地ならしです。


依然、多数の保育所待機児童
待機児童数
2007年635人
2008年770人
2009年905人
2010年997人
2011年1071人
2012年927人

(2013年7月14日付「兵庫民報」掲載)

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