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2013年6月16日日曜日

山下よしき議員が質問:災害対策基本法改正案・大規模災害復興法案

5月31日:参院災害対策特別委員会

上からの押し付けではなく、生活再建と地域コミュニティ再建を基本に


日本共産党の山下よしき参院議員は五月三十一日、参議院災害対策特別委員会で、災害対策基本法改正案と大規模災害からの復興に関する法律案について質問し、その中で、新長田再開発と災害援護資金返済の問題についてとりあげました。山下議員は、復興対策のあり方について「被災者一人ひとりの生活の再建、地域コミュニティの再建を基本にすえる」「被災地の復興計画策定にあたっては、上からの押し付けであってはならない」と日本共産党がこれまで繰り返し主張してきた点が、二法案の基本理念規定に生かされていることを古屋圭司防災担当大臣に確認しました。

新長田再開発の失敗、「復興災害」を教訓に


これらの規定の重要性を、反面教師的に確認するために、山下議員は新長田再開発の現状を紹介しました。

―新長田再開発は、住民が避難している間に決定された上に、完了まで地域密着型の商売にとっては長すぎる九年間もかかり、入居から二年目ですでに、「荒れ果てた畑で商売するようなもの」(日本茶販売店主)との声があがっていました。

―その後も商業床の売却がすすまず、昨年五月には五一%が売れ残り、神戸市などが破格の家賃で賃貸していることから資産価値が下がり、「売ることも貸すこともできない。復興災害だ」(衣料品店主)という怒りの声もあがっています。

山下議員は、これらを「しっかり教訓にしなければならない」と古屋大臣の見解を求めました。

古屋大臣が、「神戸市の努力を見守りたい」と答弁したのに対し、山下議員は、「復興は被災者、地元の方の声を聞いてすすめないとこういうことになる。神戸市を見守るというだけでは足りないのではないか。大臣もしっかり現状をみていただきたい」と迫りました。

生活保護水準・高齢者は災害援護資金返済を免除すべき


阪神・淡路大震災での災害援護資金は二〇一二年三月末で一万二千三百五十二件、金額で約百八十五億円が未償還。震災後十八年たっているのに五人に一人が返しきれていない状況の具体例を山下議員は紹介しました。

―Aさん(69)一人暮らしの女性。月額三万四千円の年金から月二万円返済してきたが、病気をきっかけに滞納し、福祉ネットワークに相談。生活保護申請中だが小口返済をしなければならない。

―Bさん(故人)女性。仮設住宅入居の際、当面の生活のため友人に保証人を頼み援護資金を借り、夫他界後、生活保護を受けるようになったが、少しでも保証人に借金が回らないようにと七万円弱の保護費から三千円ずつ返済しながら亡くなられた。

山下議員は、「生活に困窮し、生活保護に頼らざるを得ないような方が、保証人に迷惑をかけたらあかんということで、ずっとこの重しを背負いつづけている」と訴え、こうした実態を踏まえ設けられた東日本大震災での特例について説明を求めました。

政府は、東日本大震災で①十年の償還期限を十三年に延長②三%の利子を原則無利子(保証人無しの場合一・五%)③返還免除には、支払い期日から十年経過後においてなお無資力またはこれに近い状態にあり、償還金を支払える見込みのない場合を加える―の特例措置を設けたと答弁。

山下議員は、「阪神・淡路は十八年たっていても、ほとんどの方は資力が無いに等しいにもかかわらず、死ぬまで払い続けなくてはならない。東日本と同等の特例を検討すべきだ」と求めました。

しかし、古屋大臣は、「返還の努力をしてきた方との『公平性』を考えると結論は出せない」と答弁。

山下議員は、「援護資金の三分の二は国が出したものであり、国が決断すればかなりのことができる」と「少なくとも生活保護、それに準じる世帯、高齢の方は償還免除してしかるべき」「保証人は外すべきだ」と迫りました。

古屋大臣が再度、「公平性」を理由に、救済策の検討を拒んだことに対し、山下議員は「阪神・淡路大震災には個人補償、生活再建支援金もなかった、これこそ不公平だ」と強く批判しました。

(2013年6月16日付「兵庫民報」掲載)

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