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2013年6月30日日曜日

原発固執の井戸知事

兵庫県が、福井県内の四原発で深刻な事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測を行い四月に発表しました(発表PDFファイル)。安定ヨウ素剤の服用が必要になる国際基準(甲状腺等価線量が最初の七日間で五十ミリシーベルトを超える被曝)を県内広範囲で上回る結果となりました。

大飯原発事故で篠山が最大高浜原発事故で篠山が最大

兵庫県は、この結果も反映した避難やヨウ素剤の配布など、防災計画の見直しを検討していますが、「国が方針を出していない」などの理由で進んでいません。

大飯・高浜再稼働を急がせ


ところが、防災計画の見直しもまだできないうちから、原発再稼働を急がせているのが、ほかならぬ井戸敏三兵庫県知事です。

井戸知事は、原発の新規制基準の策定とそれに基づく審査が遅れると「原発ゼロ」の状態となり電力不足の「懸念が生じかねない」として、「再稼働についての基本的な方向付けをできるだけ早くしてほしい」(二〇一三年二月四日定例記者会見)とのべていました。

関西電力など電力業界や関西経済連合会が、早い原発再稼働のため、新基準の前倒し施行や新基準に基づく審査体制の強化などを求めているのを代弁した主張です。

原子力規制委員会は、これらの声を受けて、七月八日に新基準を前倒し施行し、関西電力が高浜・大飯原発の再稼働申請を七月中に行うものとみられています。

知事は、県民の安全より、経済界の言い分を優先したと批判されてもしかたありません。

財界の立場で世論を敵視


井戸知事は、将来のエネルギーのあり方についても、財界の立場で原発に固執しています。

福島第一原発事故の三カ月後、井戸知事は「原子力発電所でひとたび重大な事故が発生すると長期間にわたり広域的な被害が及ぶ可能性」があると認め、「原子力発電の安全性が確保されるかどうか、福島原発の事故原因が究明され、これに対処することができるかどうか検証のうえで判断されるべきもの」とのべていました。

しかし、その後は「(原発)ゼロシナリオの場合、現行の電気代よりは少ないものでも四割、多いものでは二・一倍になる」(二〇一二年十月本会議答弁)と県民を脅し、「原発はただちに廃止するのでなく」、原発を含めた「エネルギーミックス」が必要だと主張。

野田政権が行った討論型世論調査で原発ゼロが七割にのぼったときにも、「一つの主張にどうしても偏って流される傾向がありますから」「経済界はこぞって反対していますので、経済界は国民ではないというような取り扱いは」すべきでない、と世論を敵視しました。

六月末の関西電力株主総会にむけても、「脱原発にくみするのはいかがなものか」(二〇一三年四月三十日定例記者会見)とのべています。

(2013年6月30日付「兵庫民報」掲載)

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