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2013年6月30日日曜日

日本共産党兵庫県委員会「いじめ問題」シンポジウム

子どもたちを守りぬこう


日本共産党兵庫県委員会は六月二十二日、いじめ問題を考えるシンポジウムを神戸市内で開催しました。



いじめ深刻化させる厳罰主義の「防止法」


宮本たけし衆院議員が報告にたち、昨年日本共産党が発表した、いじめ問題についての「提言」について、①目の前のいじめから子どもたちのかけがえのない命、心身を守り抜くこと②同時に、過度な競争教育を改めることなど、いじめの要因をとりのぞくことを明らかにしたことを「提言」にそって説明しました。

その上で、前日二十一日に成立した「いじめ防止法」は、子どもたちを上から厳罰で抑えつけるもので、いじめを深刻化、陰湿化させるものだと指摘しました。同法は、第四条で「児童等は、いじめを行ってはならない」と定め、懲戒や出席停止処分を定めるなど、徹底した厳罰主義にたっています。これでは子どもの鬱屈した心をさらにゆがめ、教員との信頼関係を壊し、いじめ対策に逆行します。

宮本氏は、子どもがいじめられずに安心して生きる権利を明確にし、厳罰ではなく、いじめから子ども自身が人間的に立ち直れるように支えることこそ求められていると強調しました。

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パネルディスカッションでは、西宮市の小学生の母親・松尾玲子さんが、自身の子どもの学校で起こった事例を紹介して、先生も保護者も情報を共有することが必要であること、子どもたちにとって勉強が大変なストレスになっていることなどを語りました。

前・宝塚教職員組合委員長の勝部昭義さんは、子どもたちに向き合っていじめを芽のうちに摘んだ自らの経験を紹介するとともに、教員の多忙化、保護者との関係など現場での困難さも語りました。

人間関係をつくる学びの課程が大事


討論では、「子どもは失敗しながら成長していく存在。命を守ることが最優先だが、ぶつかり合いながら人間関係をつくっていく、その学びの過程が大事」「いじめは、どの子も成長途上で行いうる過ち」など、子どもの実態と厳罰主義との矛盾・問題点が浮き彫りにされました。「大事なことは、いじめを早い段階で止めて、継続させずに命や心身を守りきること、そしてそれを乗り越えることで、子どもたちがいじめをしない人間関係を学んでいくこと」だとの指摘もされました。

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フロアからは、全国学校事故・事件を語る会の代表世話人の内海千春さんが発言。教師の体罰が原因となった自殺で自らの子を亡くした内海氏は、いじめや体罰などによる子どもの自殺は年間三百件前後も起こり続けており、その多くが表面化せず、当事者が告発をしてはじめて表面化するなどの問題を指摘しました。

また、再発防止について、徹底した事実と原因の究明が必要であり、学校にそれを負わせるのではなく、第三者委員会の設置など、事実解明の道筋をきちんとつけることが重要だと語りました。

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宮本氏は、「いじめ防止法」の国会質疑の模様も紹介して、提案者側が「厳罰を与えるという意図はない」と答弁したことや、家庭にまで規範意識教育の義務を課すといった同法の問題でも「そう(家庭教育への介入)理解してはならない」「自主性を尊重します」と答弁したことを紹介し、「法律の悪いところは発動させないと同時に、対策のための常設の組織の設置など活用できることは前向きに使って奮闘したい」と述べました。

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参加者からは、「いじめ防止法の危険な方向性が学習できてよかった」「宮本さんの話で入試が問題との指摘があり、それが本質だと思います。教育条件の整備を怠ってきた政治を正していきたい」などの感想が寄せられました。

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このシンポジウムでは、金田峰生党国会議員団兵庫事務所長が挨拶し、井沢孝典党県教育・福祉対策委員長がコーディネーターを務めました。

(2013年6月30日付「兵庫民報」掲載)

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