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2013年5月19日日曜日

観感楽学

「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類生存の利益」―二〇一五年核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会で発表された共同声明だ。スイスなど八十カ国が賛同したが日本政府は署名を拒否した▼同声明は、ヒロシマ・ナガサキの甚大な被害、核兵器の非人道性にふれ、「核兵器が再び使用されないことを保証する唯一の方法は核兵器全面廃絶」であると訴えている。日本政府は、「いかなる状況下でも」の表現の削除を求めた。これは、ある状況の下では核兵器の使用を認めるという立場にほかならない▼「北朝鮮が核を捨てても、アメリカは核兵器使用の政策を捨てるべきでない」と申し入れたことさえあった(〇三年八月、薮中外務政務次官)。唯一の被爆国である日本が、ふさわしい貢献をしないどころか、妨害するに等しい行動をとっていることは許されないことだ▼国連総会でも「核兵器禁止条約の協議開始」決議に棄権し続けている。この恥ずべき態度の根本にある「核抑止力」「核の傘」政策を転換させ、核兵器禁止の世界的な努力への逆行をやめさせることは被爆国日本の国民の責任だ。(K)

(2013年5月19日付「兵庫民報」掲載)

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