田中さんは、前回に続いての立候補。現職の井戸敏三氏との対決選挙で、四十九万二千百四十票、得票率三一・一六%を獲得しました。
会見には、田中さんとともに、憲法県政の会の代表幹事や加入団体の代表らが出席。神戸女学院大学教授で代表幹事の石川康宏さんが候補者発表にあたっての基本姿勢について、田中さんが県政転換の決意をのべました。
憲法県政の会は、兵庫労連や兵商連、民医連、新日本婦人の会、保険医協会など三十八団体が加入。日本共産党は、加入団体として、田中さんを推薦し、力をあわせて当選に全力をつくします。
知事選では、現職の井戸氏が立候補を表明しているほか、日本維新の会が擁立すると表明しています。
憲法を指針にたてなおし
石川さんは、憲法には、政治の運営にあたり大切にすべき多くの理念や指針がふくまれており、この精神にもとづいて兵庫県政をたてなおしていきたいとのべました。
憲法を指針とした時、現在の県政は合格点にほど遠いと指摘。阪神・淡路大震災被災者の借り上げ復興住宅からの追い出し、普通高校通学区の十六学区から五学区への統合、県立こども病院のポートアイランドへの移転計画など、県政上の問題点をあげました。
大飯原発の再稼働に道をひらいた責任、消費税増税推進の姿勢、安倍内閣のTPP参加表明を前向きに評価する点にもふれ、県政の転換を強調しました。
「日本維新の会」の県知事選への候補者擁立方針に言及。宝塚と伊丹の市長選での維新大敗にもふれ、「県知事選挙に立候補するとなれば、彼らの危険な政治路線と、大阪で『恐怖政治』とさえ呼ばれる住民生活敵視の政治の実績を強く告発し、憲法が輝く県政を実現する立場から、これとも全力でたたかいたい」とのべました。
人にやさしい兵庫県政を
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田中耕太郎さん |
田中さんは、安倍内閣が、金融緩和、公共事業ばらまき、解雇の規制緩和、消費税大増税と社会保障の大改悪で、くらしも経済もどん底に突き落とす政策をすすめていると告発。「住民の命と安全、くらし・福祉を守るために、県政が悪政の防波堤の役割を果たさなければならない」と強調しました。
阪神・淡路大震災被災者に背を向けた巨大インフラ整備、県立こども病院の埋め立て地への移転、大飯原発再稼働の容認など世論に逆行した県政の実態を告発。「平和に生きていける権利、人間らしい生活の保障、はたらく権利など憲法の旗を高くかかげていく共同が必要」と強調しました。
雇用を守り、給料や所得のアップ、保険料など負担の軽減で、県民の安心を広げたいと力説。いじめ・体罰をなくし、中学校給食を支援し、「子どもたちやパパ・ママの笑顔が広がる県政を実現したい」とのべました。
公契約条例や中小企業振興基本条例、住宅リフォーム助成、自然エネルギーの推進、子どもの医療費無料化など子育て支援を強調。
「市町の力を土台に、都市部と農村部の連携、老若男女がたがいに尊重しあえる社会をめざせば、新しい兵庫型の発展は可能。人にやさしい県政の実現で、五百五十七万県民の希望ある未来をひらきたい」と力説しました。
(2013年4月28日付「兵庫民報」掲載)