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2013年2月3日日曜日

小林多喜二記念集会にノーマ・フィールドさん

虐殺から八十年:2月24日・県立のじぎく会館


ノーマ・フィールドさん
一九三三年二月二十日昼過ぎ、東京赤坂福吉町を歩いていた小林多喜二は、特高警察に捕まりその日のうちに殺されました。

前年七月に日本反帝同盟の執行委員になっていた多喜二は、国際反戦委員会(ロマン・ロラン、アインシュタイン、宋慶齢、片山潜ら)がよびかけた、日本の中国侵略に反対する上海極東反戦会議に呼応し、一九三三年九月東京での日本反戦大会を計画し奔走していました。

一九三一年九月「満州事変」を引き起こした日本は、多喜二が虐殺された一週間後に国際連盟脱退を通告し、中国への侵略戦争の道を突きすすみました。小林多喜二は、国家権力からもっとも恐れられた作家であり、平和のための活動家でした。著名な近代日本の文学者のなかで、多喜二のように国家権力によって命を奪われた者は他にありません。

昨年十二月の選挙で復活した安倍首相は憲法改定の動きをつよめ、日本軍「慰安婦」問題をはじめとする「歴史問題」を反動的に打開しようとしています。この動きに世界とアジアから批判と懸念の声が広がっています。

こうした時期に、小林多喜二の文学とその生涯について振り返ってみることは、大きな意義があるのではないでしょうか。

二月二十四日午後一時三十分から、兵庫県立のじぎく会館で、小林多喜二没後八十周年の記念集会を開きます。

この集会では、シカゴ大学名誉教授のノーマ・フィールドさんが「いま、いかに多喜二と対話するか」と題して講演します。ノーマ・フィールドさんは一九四七年東京生まれ、夏目漱石の翻訳や『源氏物語』の研究でも知られています。

『小林多喜二―21世紀にどう読むか』(岩波新書)はすぐれた多喜二の評伝です。この本の最後を、ノーマ・フィールドさんは「多喜二さん。私はこころからお礼をいいたい。あなたが全身の力をふりしぼって、文学と社会変革をともに求めたことに対して、です。人はだれでも、あなたのように本気で生きてみたいと、一度は思うのではないでしょうか」と結んでいます。

さらにこの集会には、小森陽一東京大学教授(九条の会事務局長、近代日本文学研究者)や小林多喜二研究家の島村輝フェリス女学院大学教授が加わり、ノーマ・フィールドさんと鼎談します。お楽しみに。

(兵庫多喜二・百合子の会事務局長・濱本鶴男

(2013年2月3日付「兵庫民報」掲載)

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