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2013年1月13日日曜日

観感楽学

書初めをするなら、「静かな眼、平和な心、そのほかに何の宝が世にあろう」と言う三好達治の詩(「冬の日」)の一節を書きたいと、かつて西宮にいた井上靖が言いました▼静かな眼は冷静な眼、科学の眼と言ってもいい、平和な心は争わない心、戦わない心です。どちらもいま政治家に求めたいもの▼安倍内閣は、全くその逆で、血迷った眼、他国と争う眼をしています。政策は非科学的、ナショナリズムと言えます。公共投資で景気回復など、既に効果のないことが証明済みの経済政策、またアメリカの下で戦争できる国にする改憲路線に向っています▼今年は巳年、『漢書』「律暦志」には「巳」は止むの意、草木の成長が極限に達して次の生命がつくられ始める時期とあります。まさに日本の政治・経済はそういう時期にきています▼「戻ろう」ではなく「進もう」の時期なのです。それには待っていては駄目で、「今日の後に今日なし」の志を持って進むことです。当面は夏の参院選で危ない路線をくじくことです▼大勝したとされる自民党は実は比例で有権者比一五%の得票率です。政治不信から棄権した国民の意思を掘り起こすことが必要になっています。 (TS)

(2013年1月13日付「兵庫民報」掲載)

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