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2013年1月20日日曜日

山下よしき「新しい道を刻む」(1)

刊行中の宮本顕治著作集に、妻であり作家であった宮本百合子との出会いを綴った文章があります(第四巻「二十年前のころ」)。プロレタリア作家同盟の「文学新聞」を数人の組で立ち売りしたさい、はじめてで少し照れ気味だった顕治に対し、愛嬌よく、あちこち歩きながら、一番よい売れ行きだったのが百合子だったこと、党の仕事のことで定期的に会うようになってから、仕事の話が終わった後でも長く話し続けることが多くなり、同志として以上に互いを特別の愛を持って感じはじめたことなどが記されています。

二人の共同生活は天皇制政府の弾圧によって困苦と波瀾にもまれるのですが、一九五一年、百合子急逝後、顕治は「本質的に彼女は誠実な堅忍と愛情、知恵につらぬかれた勇気をもって、軍国主義と専制主義に圧服されることなく歴史の大道を歩んで行った」と評しています。

参院選の年初、先達の不屈性と人間性にふれることができたことは幸せでした。

(参議院議員)(第1、第3週掲載)



(2013年1月20日付「兵庫民報」掲載)

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