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2012年11月4日日曜日

全国遊説演説会スタート

日本共産党の総選挙躍進へ弾みを

丹波市で会場いっぱいの250人

声援にこたえる(左から)平山、堀内、紙、西本、西脇の各氏

日本共産党全国遊説演説会、兵庫では十月二十七日、丹波市の演説会からスタートしました。

丹波市青垣住民センターでの演説会には紙智子参院議員が来演。三田や但馬など、五区全域から二百五十人以上が参加。会場いっぱいに選挙勝利への熱気あふれる、元気の湧き出る演説会となりました。

参加者からは、「紙智子参院議員の演説は期待通り、それ以上でした。爽やかなイメージどおり、ソフトな語り口でありながら力強く、内容は理路整然としていて、とてもわかりやすく共感することばかり。野田政権のアメリカいいなり、財界いいなりの様子を聞くと身体の血が沸くほど怒りを覚えました。その中で日本共産党の頑張りに感動しました。その一員であることに誇りをもち、自分のできることをしなければと思いました」「TPPは日本のあり方を根本から変えてしまうことがリアルにわかった」「大勢集まってるなあ」などの感想が寄せられています。

演説会では、堀内照文衆院近畿ブロック比例候補、平山和志衆院兵庫5区候補、十一月の丹波市議選をたたかう西本よしひろ、西脇ひでたか両丹波市議候補も挨拶しました。

現地の党組織は演説会成功に向けて、会場前に大看板を設置したり、全戸に二回ビラを配布、会場周辺にはさらに案内を広げ、三百本の電話を入れるなど、地元地域で話題になりました。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

1区:つつい哲二朗

まちかど演説会で〝今度こそ伸びて〟と

・・・衆・院・小・選・挙・区・候・補・か・け・あ・る・き・・・

(神戸市東灘区、灘区、中央区)


十月二十七日午後、灘区で開催された“まちかど演説会”に参加しました。

灘区の支部と後援会の皆さん、そして味口としゆき市会議員と一緒に宣伝カーと先導車に分乗し、区内四カ所のスポットで訴えました。各演説箇所では後援会や支持者の皆さんが集まってくださり、演説を聞きながら道行く人や周辺の住宅に「しんぶん赤旗」号外を配布して回りました。

「消費税増税は絶対に選んではいけない最悪の道。日本共産党はただ反対するだけでなく、“消費税に頼らない別の道がある”という具体的な提案を示して実現のために力を尽くしています。今度の総選挙で日本共産党の国会議員を倍に増やし、消費税増税をストップさせましょう」と訴えました。

水道筋商店街で演説を聞いていた女性は「消費税がこれ以上あがったら暮らしていけない。共産党はずっと応援しているけど、今度こそ大きく伸びてほしい」と言って激励してくれました。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

9区:新町みちよ

酪農農協や自治会長を訪ねて

・・・衆・院・小・選・挙・区・候・補・か・け・あ・る・き・・・

(明石市、淡路市、洲本市、南あわじ市)



十月十七日、淡路酪農農業協同組合を訪ね、組合長、理事と懇談しました。開口一番「TPPには断固反対」「百七十人の組合員の八割がつぶされる」「自民党の現職国会議員は、関税ゼロの例外を設けるといっているが、そんなことはできないだろう」「堆肥を提供している淡路の玉ねぎやレタスなど地域経済も打撃をうける」といわれました。

それでも、すぐには選挙で共産党とはならない様子。TPP参加に政党として断固反対を貫き、食料主権、経済主権を尊重した貿易ルールの確立を求める日本共産党を躍進させてこそ、もっと頑張らねばとの思いを新たにしました。

二十日、明石で自治会長さんを訪問し、要求での共同や演説会の協力・案内を依頼。自治会の悩みや問題点も出されるなど有意義でした。

午後は明石駅前再開発の住民投票を実現する会の集会へ。二万を超える署名が有効になり、住民投票の可否を決定する十一月臨時議会へたたかいは続きます。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

丹波市議選11月11日告示・18日投票

市民目線の2議席必ず:西本・西脇両氏が全力


西本よしひろ氏
西脇ひでたか氏
丹波市議選は十一月十一日告示・十八日投票で行われます。定数は四減の二十となります。

日本共産党は、現職の西本よしひろ氏(六五)と新人の西脇ひでたか氏(六二)を立て、現有二議席の確保をめざします。

日本共産党市議団は市民の目線で市政を点検、アンケートや懇談会などで市民の声を聞き、担当部への申し入れや議会質問などで取り上げるなど、市民と力をあわせて要求実現に奮闘。その中でゴミ袋料金引き下げ、デマンドタクシーなどを実現してきました。

市議選にあたっては、地域医療の充実・発展、国保税・介護保険料引き下げ、通院も中学生まで医療費無料化、デマンドタクシーは地域外へも利用可能に、民間委託せず安心安全の学校給食―などの政策を掲げ、広く訴えています。










(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

青年・学生のなかにうって出よう

アンケートや駅前宣伝:日本共産党神戸西地区委員会


アンケート
日本共産党神戸西地区は、五中総を力に、「青年・学生のなかにうって出よう」と青年学生部会で相談し、大学生向け宣伝や青年学生支部会議、民青同盟への援助を強めています。

同地区委員会では昨年十二月の四中総後、あらためて青年学生分野のとりくみを強化しようと月最低一回の部会を定例化、学生新入生歓迎運動などでの大学門前宣伝、山下トークに向けた青年への働きかけを行ってきました。党勢拡大大運動の取組のなかで、学園支部を確立したことも力となり、「思い切って学生への働きかけを強めよう」と相談。学生向けの「11・11原発いらんサウンドデモ」ビラと返信用封筒付きのアンケートを地区独自で作成しました。

十月二十四日は、青年学生部会を行いました。

学生支部結成のことを他の支部などで報告すると「手を叩いて喜ばれる」などの状況を交流。民青の全国大会に向けた決議案を読みあわせて議論を行い、「青年学生の対象者を支部からもだしてもらえるように働きかけよう」「地区でも無料塾をやって、高校生班を結成させたい」「大学教員との懇談も行いたい」など意見交換もしました。

駅前宣伝
十一月九日の志位演説会には、学ぶ場として学生も同盟員にもしっかり声をかけて参加をひろげようと確認しました。

二十六日には、さっそくG大学生向けの駅前宣伝を行い、チラシとアンケートを百五十枚配布、そのあと学生アパートのポストに五百枚を配りました。

また西地区委員会の学生二人が参加した沖縄ツアーの報告会を十一月十七日に企画しており、その援助もしようと相談をしています。

学生を担当している畦布久隆さんは、「学生と同じ目線でものごとを考えてみたいと大学へ聴講にもいって刺激をうけている。この間、政治や社会の問題を考えはじめている学生の変化、知的好奇心に働きかけるとりくみをひろげていきたい」と語っています。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

「沖縄を知る」スタディツアー報告会

県内の学生ら21人が参加:各大学でも報告したい




「沖縄を知る」と題して沖縄スタディツアーの報告会が十月二十七日、神戸市内で行われ、二十一人が参加しました。

九月九日の沖縄県民大会から参加し、九月十三日まで現地に滞在、基地の実態や沖縄戦の体験を聞き取るなどフィールドワークをしてきたことを報告しました。

報告では、現地で撮影した写真や映像を紹介しました。なかでも基地の爆音の映像には参加者も耳をふさぐほどの迫力でした。また、報告の中では米軍基地や沖縄戦に関するクイズも盛り込まれており、参加者もいっしょに考えました。沖縄の自然や文化についてのスライドもあり、沖縄をまるごと紹介するスライドでした。

報告のあとは、「米軍基地」「オスプレイ反対沖縄県民大会」「沖縄戦」「沖縄の文化」という四つのテーマに分かれて討論。それぞれのテーマごとに模造紙や資料が置かれており、参加者は自由闊達に交流しました。

友人に誘われて参加したという大学四回生のFさんは「オスプレイの問題はテレビで若干知っているという程度でしたが、今日参加して『国民の一人として知っておかなければならないこと』に変わりました」と話します。また「オスプレイの配備ってあれだけみんなが反対しているのに、なんで日本政府はアメリカに対してNOと言えないんかな」との疑問も出され、「それは日米安保条約があって、日本政府はそれを理由にしてアメリカによるオスプレイ配備を容認しているんや」など日米安保条約の是非についてまで討論が発展しました。

報告会を主催したメンバーたちは「報告を今回一回だけで終わらすのはもったいない」「自分の大学でも報告をしたい」などこれからのとりくみへの意欲も表明しています。十一月十七日(土)午後二時から、学園都市のUNITYでも報告会を開催します。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

神戸女学院:大学祭で「原発を考える」

神戸女学院大学石川ゼミ:アンケート結果発表も


神戸女学院大学の大学祭「岡田山祭」二日目の十月二十七日、講演会「女学院生が考える原発問題」が開かれました。

石川康宏教授とともに四月から毎週五時間の専攻ゼミで原発問題を学んできた三年生たちが、周りの人々が原発について考えるきっかけになってほしいと開いたもの。原発・放射能・自然エネルギーの基礎知識、福島事故、世界と日本の動向の解説とともに、学生三百四十四人のアンケート結果も発表しました。

アンケートでは、「原発は今後必要ない」が六一%を占める一方、二〇三〇年時点での原発依存度については「一五%にしたい」の回答が五一%あり、「ゼロシナリオ」が多数を占める一般の世論と異なっていることが報告されました。

同ゼミではさらに学び深め、年末には書籍にまとめる予定です。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

関学:ちょっとずつ学習会Ame

関西学院大学生が原発問題テーマに毎月1回


関西学院大学の学生たちが、原発問題をめぐって今起こっていることを考えようと「ちょっとずつ学習会Ame」と題して毎月一回学習会を始めています。

十月二十四日は、鎌仲ひとみ氏のドキュメンタリー作品『六ヶ所村通信』を一時間視聴し、その後感想や意見交換をしました。

福島の子どもの保養プロジェクトにとりくんでいるという学生は「子どもから『この砂ってさわっても大丈夫?』と言われて驚いた。福島では砂をさわるかどうかというのは大変な問題だということになっている。そんなことをもたらす原発っていったい何やと思った」と発言しました。

他の学生からも「原発があるのは過疎の地方。そういう差別の上になりたっている」「ドキュメンタリーでは若い人の姿がほとんどなかったけど、これからぼくたち若い世代がどう動いていくのかが大事になっている」などの発言があり、活発に意見交換しました。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

レッド・パージ裁判:高裁が請求棄却

最高裁まで生きてたたかい続ける

判決後の集会で決意を述べる(左から)大橋、安原、川崎の各氏

国に対して「生きているうちにレッド・パージ被害の名誉回復と賠償を」と求める裁判で、大阪高裁は十月二十四日、その請求を全面的に棄却する判決を言い渡しました。

大橋豊さん(八二)、川崎義啓さん(九五)、安原清次郎さん(九一)の三人の原告は「生きて判決を迎えられた。裁判に勝利し、さらにレッド・パージ被害者救済法の制定を」と裁判に臨みましたが、判決は被害者の多年にわたる苦しみ、被害には一切言及せず、レッド・パージが「GHQによる超憲法的措置」によるものとする神戸地裁の一審判決を踏襲する不当なものとなりました。

三人の原告は、判決後の記者会見に弁護団とともに臨み「最高裁判決まで死ねない」と上告してたたかう決意を表明しました。

判決後、大阪高裁近くの中之島公会堂で開催された報告集会には六十人あまりの支援者が駆けつけ、弁護団が判決内容について「一審判決と同じ構図」「杜撰で不誠実な判決」「被害者の実態を無視している」と紹介し「日本国憲法や、世界人権宣言に照らして許されるのかどうかということが中心であるべき」と批判しました。

判決を傍聴していた北海道教育大学の明神勲教授は、判決が、GHQの「命令」ではなく「示唆」のもとで、当時の吉田内閣が主導的に民間重要産業、官公庁でレッド・パージを強行したことを裏付けるGHQ幹部らの発言を無視するなど「怒りを通り越してあきれてしまう判決」と発言しました。さらに「犠牲者にとっての正義、個人の尊厳と名誉が六十年間も放置されてきた」と指摘。兵庫レッド・パージ裁判のたたかいが「日本国憲法に命を吹き込むもの」であり「三人の原告は人権・思想の自由の象徴的存在」と述べ、高齢をおしてたたかい続ける三原告を讃えました。

原告の大橋さんは「司法の壁が厚いと感じた。しかしこれは大きな勝利への一歩だ」。川崎さんは「生きて闘い続けることが大切」と最高裁にむけての決意をそれぞれ語りました。

東京から駆けつけたレッド・パージ反対全国連絡センター事務局長代行の鈴木章治さんは、兵庫レッド・パージ裁判に連帯して、大阪、京都、埼玉など全国にたたかいが広がっていることを紹介。「日弁連の救済勧告が示したレッド・パージ被害解決の道筋を、多くの国民の中に広め、最高裁に今度こそ法の守り手の役割を果たさせるために頑張り抜く」と決意を述べました。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く県政へ(20)

学校現場は超過勤務が常態に

兵庫教職員組合執行委員長 桑原敦文

兵庫の教育は、身を粉にして必死で奮闘している現場教職員によって支えられていると言っても過言ではありません。

今年、県教委が実施した「教職員勤務実態調査」では、一日当たりの超過勤務は、小学校で三時間十四分、中学校で三時間三十一分でした。しかし、現場の声は、「えっ、こんなに少ないか?」が圧倒的です。この結果は、四年前の調査とほぼ一緒で、県教委の超勤縮減策は何ら効果をあげていません。

配慮を要する子への対応と問題行動に追われる教員


二〇一一年度の兵庫県の暴力行為の発生件数は、千人当たり五・一件で全国平均の四・二件を上回っています。また、不登校も五千十七人(前年より百十六人増)で五年ぶりに増加しています。さらに、いじめ件数は、今年四月~八月の五カ月ですでに昨年の年間件数の一・七三倍です。

教員は、授業の教材研究、テストの採点、様々な文書の作成等のほかに、問題が起これば、朝早くから夜遅くまで個別指導や家庭訪問などに追われ、身も心もクタクタになっています。とくに、小学校の学級担任は、学年で相談しても保護者とは直接一人で対応することも多く、時には、個別指導のために授業を自習にせざるをえないこともよくあります。

今こそ35人学級の実現と教職員定数増を


国の学級編制基準は、小一で三十五人学級、小二は加配対応での三十五人学級。小三~中三までは、四十人学級です。兵庫の場合、三十五人学級を小四まで導入していますが、全国的には、すでに独自に中三まで実施している県も出てきています。

兵庫の現場の声は、切実です。「問題の多発する小学校高学年にも三十五人学級を」「不登校の増加する中一、受験に直面する中三こそ、きめ細かな配慮のできる少人数学級を県独自で」「誰も休まない、何も問題が起こらないのを前提としたような教職員定数では、いったんなにかあると途端に、どこかにしわ寄せがいく。多少、余裕のある教職員定数増を」等々。

身分不安定な臨時教職員をただちに正規雇用に


文科省の一〇年度調査では、教員定数の標準に占める正規教員の割合は、兵庫県は八八・五%で全国平均の九三・一%を下回っています。定員内臨時教員は、年々増加傾向です。短期間で異動する臨時教員は、身分・待遇が不安定で、力量があっても重責がなかなか担えません。その分、正規教員への負担は重くなります。

教育に臨時はありません。同様に、定員内教員に臨時があってはなりません。教育の協働性、継続性のためにも安上がりな教員配置はただちに改善すべきです。

トップダウンの強制ではなく各校の自主性の尊重を


兵庫県の教育行政の大きな問題は、各校の教育課程に介入する施策をトップダウンで押しつけていることです。広い県内に一律基準で強要される「自然学校、環境体験事業、兵庫型教科担任制、トライやるウィーク、わくわくオーケストラ」等々。

強制からは、主体的でやる気と活力のある教員は育ちません。現場を信頼してこそ、教職員の創意工夫も豊かな実践も生まれます。直接、子どもの教育に関わるのは現場教員ですから。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

借上げ復興住宅:ひろがる入居者の運動

各地で連絡会結成、宣伝・学習会も


JR兵庫駅前で宣伝する入居者ら(10月21日)

各地で借上げ復興公営住宅住民が立ち上がり、連絡会結成や宣伝、交渉、学習会など草の根の運動が広がっています。

兵庫区連絡会結成


兵庫区連絡会結成総会
「西宮UR借り上げ市営住宅連絡会」の結成(十月七日)に続き、十月二十一日には、神戸市兵庫区で「借上げ住宅兵庫区連絡会」の結成総会が開かれ、九十人が参加しました。神戸市内では、長田区、灘区に続く、三つ目の行政区「連絡会」です。

代表に選ばれた黄恵祥さんは、「ついの住み家として、ここに住み続けたいという思いをもち、連帯してがんばろう」と訴えました。日本共産党の宮田静則県議、大瓦鈴子神戸市議も参加し、入居者を激励しました。

東灘区でも十一月十八日、入居者連絡会の結成が準備されています。

11月17日にも学習会


借上げ公営住宅入居者連絡協議会は十月十一日、神戸市内で会合を開き、「神戸市の退去方針は現行法令に違反」とする自由法曹団兵庫県支部の「意見書」の内容を学ぶとともに各地のとりくみを交流しました。

また、二十六日には、県庁前で宣伝し、出勤する県職員らにビラを配布。「安心して住み続けられるよう知事に判断してほしい」などと訴えました。

同協議会は、神戸・市民要求を実現する会との共催で、十一月十七日午前十時半から神戸市長田区の新長田ピフレで自由法曹団の意見書を学び、今後の運動に生かすための学習会を開きます。自由法曹団兵庫県支部事務局次長の吉田維一弁護士らが報告する予定です。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

県平和委員会基地調査:但馬の低空飛行訓練

オスプレイ飛来の不安

高橋正明(兵庫県平和委員会事務局長)

米軍機との遭遇体験を聞く参加者
(右から3人目は、ぬきなゆうな衆院兵庫2区候補)

兵庫県平和委員会は十月二十~二十一日、米軍機低空飛行訓練が行われているブラウンルートの一部、但馬地域の調査を行いました。

この調査は一九九四年の低空飛行確認以来、毎年一回以上行っており、今回は軍事リポーターの石川巌さん、「しんぶん赤旗」記者榎本好孝さんも参加され、計十八人の参加でした。

調査ポイントはハチ高原、轟高原、さのう高原、特別養護老人ホーム喜楽苑、生野ダム、黒川ダム、多々良木ダムです。

調査はそれぞれのポイントで常駐されている施設の館長、管理人などの方に過去に米軍機に遭遇した状況と最近の状況を聞くことが主な内容です。今回、轟高原では農家のご夫婦に米軍機に遭遇した話などを聞くことができました。

米軍機の低空飛行に遭遇した体験は、「管理棟にぶつかってくるのではないか」「林の真上から機体を現して爆音をまき散らす」など、遭遇した時の爆音とそのとき感じる恐怖感は大変なものであったことを感じさせるものでした。

また、最近は飛んでいないということが一部を除いて共通していました。一方ではこの但馬に危険機オスプレイが飛ぶのではないかという不安も聞かれました。

兵庫県平和委員会では、今回の調査を踏まえ、米軍機の低空飛行訓練を止めさせるために、オスプレイの配備を撤回させるたたかいを当面すすめていくこと、また但馬地域での低空飛行の監視活動を続けていくことにしています。


(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県商工交流会

知恵とネットワークで地域おこしにたちあがろう


兵庫県商工団体連合会・民主商工会主催の第六回兵庫県商工交流会が十月二十一日、開かれ、二百人が参加しました。

開会にあたり、磯谷吉夫兵商連会長は、「私たち中小業者は制度の改善、内需の拡大、振興条例の制定の運動にとりくむと同時に自らの知恵とネットワークづくりの力で仕事おこしや地域経済の活性化を目指すことも大切な課題です。政府の無策の下で『座して死を待つ』わけにはいきません」と、自らが地域おこしに立ち上がろう、そのために諸制度の改善・拡充の運動にとりくもうと、強調しました。

パネルディスカッション
「住むまち良くして商売繁盛」のテーマにそって、午前中のパネルディスカッションでは、地域おこしで奮闘する三人がパネラーで登場。三十代、四十代の若者を中心に須磨の地域資源を使って須磨を盛り上げている、「須磨勝手に観光協会」会長の尾崎秀則さん、ただ物を売るだけでなく、地域住民のコミュニティの場として商店街づくりにとりくむ「京都・西新道錦会商店街振興組合」代表理事の畑宏治さん、地元産食材を加工し、安心・安全な食品をつくり、また雇用も創出している「兵庫県企業組合氷上つたの会」代表理事の秋山佐登子さんが、地域づくりのとりくみと工夫をイキイキと語り、会場は笑いに包まれました。

兵庫県立大学の佐竹隆幸教授は、「無いものねだりでなく、あるもの探しをしよう」、「地域にとってなくてはならない企業をめざそう」と、地域循環型経済の確立を話されました。

分科会
分科会は、四つに分かれ、それぞれのテーマで議論を深めあいました。

①「自然エネルギーへの転換、地域の雇用と仕事おこし」ではデンマークやドイツの地域政策の紹介や自然エネルギーにとりくんでいる実践報告がありました。

②「中小業者を軸にした地域循環型経済社会へ」では、吹田市の地域振興条例や明石市の住宅リフォーム助成制度、姫路民商のスタンプラリーなど地域を元気にするとりくみの交流がなされました。

③「改悪国税通則法とどうたたかうか」では、税理士から改悪国税通則法を解説し、参加者同士の税務調査の経験なども交流し、納税者の権利学習を深めました。

④「経営力アップ交流会」では、業種の違う五人の民商会員のパネラーがそれぞれの商売の喜びや苦しみ、工夫などを話し、参加者とともに未来への展望も語り合いました。

参加者からは「色々な業種・年齢の人から話が聞けて勉強になった」「面白いとりくみだから毎年でもやってほしい」など感想が寄せられました。


(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟裁判傍聴記(10/24)

副島圀義

大阪地裁十月二十四日の法廷では、東神戸診療所長の郷地秀夫先生が証言台にたちました。朝から夕方までの証言を再現することは紙面上、到底ムリです。筆者メモのごく一部をご紹介します。当然、文責は筆者にあります。

―原告は全員、広島や長崎で相当量の放射線に被曝しているが、国は初期放射線(原爆炸裂時に放出されるもの)しか認めようとしない。それでは飛距離の短いα線、β線は無視されてしまう。放射性物質が体表面や衣服についた場合の外部被曝もある。残留放射性物質による被曝もある。内部被曝では飛距離の短い放射線の方が大きく影響する。半減期の短い核種はあとで測定してもその量が分からないが、その間に放射線を出して被曝させる。内部被曝には、チリやホコリについて肺に、食物・水を通じて消化器に、傷口から直接、など、さまざまな経路がある。

―原爆投下後に入市した方でも、負傷者の救護に従事したとか、爆心地周辺を歩き回ったとかで大量被曝する。原告の方々は、めまい、吐き気、下痢、下血など典型的な急性症状、あるいはずっと続く倦怠感などが共通している。

―原爆では核分裂物質がまるごと放出された。被爆者は高濃度で多種の放射性物質を浴びた。いっぽう福島では、環境に放出されたのはヨードやセシウムなど軽い核種が主。原爆による被曝量はケタ違いである。その福島で、内部被曝が重視されるようになったのに、国は、被爆者に対して今なお内部被曝の影響を否定している。

―などなど。

国側代理人質問の大半は「放射線の影響についての基礎知識」に関するものなので省略します。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

国連軍縮週間―県原水協が宣伝

沖縄・県民集会に連帯し「核兵器も基地もない日本を」



兵庫県原水協は二十六日正午、神戸市中央区の神戸大丸前で、国連軍縮週間にあたっての署名・宣伝行動を行いました。

県原水協の津川知久筆頭代表理事(兵庫労連議長)や兵庫県平和委員会の大森幹雄事務局次長、安保破棄実行委員会の後藤浩事務局長などが兵庫労連の宣伝車から、核兵器廃絶の流れに背を向け、オスプレイ配備など軍事強化政策をとる野田内閣をきびしく批判しました。津川氏(写真)は、開会中の国連総会でスイスなど三十四カ国が発表した核兵器の非人道性を訴え核兵器非合法化への努力を求める声明に日本政府が署名拒否したことをきびしく批判し、「日本政府は核兵器禁止努力への逆行をやめ、核兵器のない世界実現のために誠実に努力せよ」と訴えました。

神戸市長田区の女性は「日本政府が核兵器廃絶に不熱心なのは許せませんね」と言いながら署名に応じました。西宮市の青年は、「沖縄県の人たちが怒るのは当然です。日本政府はもっと正面から向き合うべきです」と語りながら署名しました。

梶本修史=県原水協)

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(503)


(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

いま「神戸ゆかりの美術館」で「小松益喜と歩く神戸風景」が展覧されています(年末まで)▼小松益喜画伯は、ずっと神戸の建物・街並を描いてきた「異人館」画家として知られています。展覧会では名称どおり懐かしい景色に出会います▼小松益喜さんは、兵庫県で婦人運動を開拓された妻のときさんとともに、戦後ずっと平和と革新の運動に参加され、日本共産党を支援されてきました▼小松ご夫妻は昭和初期の治安維持法による弾圧の犠牲者です。小松画伯は画学生のとき、創刊まもない「赤旗」の挿絵を描き、ときさんは全協(全国労働組合協議会)のオルグとして活動されました▼ひどい取調べと留置場生活から病気となり、二人の故郷高知に帰られましたが、昭和六年九月満洲事変が起きると、戦争反対のビラ作成に従事し、二人とも検挙投獄されます▼先月、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部が「結成三十周年のつどい」開催に際し、小松ご夫妻を偲ぶコーナーを設置しましたが、多数の方が来訪されました▼ご夫妻は大震災後、身を寄せられた東京の次男宅で亡くなられました。ご夫妻のような活動があって日本共産党の歴史があるのです。 (TS)

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)