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2012年10月21日日曜日

借上げ復興公営住宅:入居継続求め自由法曹団が意見書

自由法曹団兵庫県支部は十月十一日、「借上げ公営住宅の入居者の入居継続措置を求める意見書」を発表し、兵庫県知事、神戸市長、県議会と神戸市議会の各会派に送付しました。その概要を述べた「意見書について」の全文(参照条文と図は割愛)を紹介します。

意見書について

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一九九五年(平成七年)に発生した阪神・淡路大震災では、住家の全半壊がおよそ二十五万棟、約四十六万世帯も生じた。当時、被災住家に居住していた多くの住民が仮設住宅に避難しており、自ら住宅を確保することが困難な状態にあった。そのため、住民らに対して、恒久住宅対策が必要となった。住宅対策の中心は公営住宅に求められたが、阪神・淡路大震災のような大規模災害時には、地方公共団体がストックしている公営住宅だけでは、到底すべての希望者に供給することはできなかった。

そこで、阪神・淡路大震災では兵庫県内の各市町が、借上げ公営住宅方式を採用した平成八年の改正公営住宅法に基づき、民間住宅所有者等から住宅を一括借上げを行う方式をとって、被災者に住宅を供給していった。この方式を借上げ公営住宅方式という。この点、借上げ公営住宅には、兵庫県や神戸市などが都市再生機構(UR、旧住宅・都市整備公団)から住宅を借上げているものと民間住宅から住宅を借上げているものとがあるが、いずれも二十年間の期間を定めて借上げる賃貸借契約を締結し、同契約の賃借人である兵庫県や神戸市などが賃貸人となって、入居者との間で建物賃貸借契約を締結している。

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借上げ公営住宅は、地方公共団体は住宅の所有権自体は取得せず、第三者が新築したり、又は所有している住宅を賃借して、これを公営住宅とすることを予定したものである。従前の公営住宅では想定されていなかった関係、すなわち、「建物所有者=賃貸人、事業主体=賃借人、入居者=転借人」という三者間の法律関係が生じ、建物所有者は、自己の利益を図る目的で、所有者自らが事業主体と入居者との転貸借契約を承諾する関係に立つ。

そこで、事業主体が所有者に対し、二十年の借上げ期間満了時に当該建物から入居者を退去させ、所有者に対し借上げた建物を確実に返還するために、平成八年に公営住宅法が改正された。特に、地方公共団体の長等が、入居者に対して、予め入居時に、借上げ期間の満了時を明示し、期間満了時に当該住宅を明渡す必要がある旨を通知する事前通知制度、及び(公営住宅法二十五条二項)、事業主体の事前通知を要件として、事業主体が所有者に対し、二十年の借上げ期間満了時に当該建物から入居者を退去させられる新たな制度を設けた(法三十二条第一項・第二項)。

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ところが、神戸市は、被災して仮設住宅に居住している被災者に対し、「終の棲家」として居住できる恒久的な住宅であると説明し、借上げ公営住宅への入居事業を進めた。そのため、神戸市は、入居者に対し、借上げ公営住宅が入居後二十年をもって退去をしなければならない住宅であるとの事前通知を行わなかった。

したがって、神戸市は、入居者に対し、公営住宅法に基づき、明け渡しを請求することはできない。また、①借地借家法の規定では明け渡し請求が困難であると考えられたために公営住宅法が改正されたという平成八年改正の趣旨や、②借地借家法二十八条の正当事由を満足しないことから、借地借家法による明渡しの請求もできない。

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しかし、神戸市は、借上げ公営住宅の入居者に対し、入居後二十年をもって、その後の入居継続を認めず、退去を求める方針を打ち出した。これは明らかに現行法令に違反する方針である。

この神戸市の退去方針に対しては、高齢であること、病院などへのアクセス、地域がバラバラになる、新たな地域へとけ込めるか不安であるなど、いずれも高齢者の健康で文化的な生活に直結する理由により、反対する入居者が多数を占めている。震災後二十年を経過した後の神戸市の今般の方針は、高齢者の住居を喪失させるにとどまるものではない。入居者が構築してきたコミュニティを、神戸市の震災後における公営住宅事業政策によって、一度ならず二度までも奪うことを意味し、現在の入居者の生存権に重大な影響を及ぼす危険性がある。

他方、借上げ公営住宅の所有者に対する調査結果からみても、契約の継続を希望するか、神戸市からの申し入れがあれば、引き続き契約更新に応じる意向の所有者が圧倒的に多く、所有者が退去を求める意向によるものではない。入居者の居住が継続できるかどうかは、公営住宅の事業主体である神戸市が借上げ期間を更新するなど入居者の生命、健康、財産に配慮した政策を実行する意思・対応を行うかにかかっている。

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当支部としては、神戸市が、一刻も早く、上述の方針を撤回した上で、入居者の生存権に思いを致し、誠実に必要な措置を講じるよう意見するものである。


(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

西宮UR借り上げ市営住宅連絡会結成

全5団地の住民が結束




西宮市内に五団地あるUR借上げ市営住宅(合計四百四十七戸)の管理運営委員会、自治会、住民連絡会がそろって加入し、「西宮UR借り上げ市営住宅連絡会」が十月七日、結成されました。

西宮市は借上げ住宅入居者を五年かけて他の市営住宅に分散移転させる方針で、二〇一五年九月末に借上げ期限を迎えるシティハイツ西宮北口ではすでに移転募集を始めています。

結成総会では「私たちは生きている人間。倉庫に物を放り込むのとは違う」と入居継続を求める切実な意見も出されました。

今後、市議会への請願や、署名活動・ビラ配布などで市民の中に世論を広げることなどにとりくむことを確認。とくに、市長に面談を求め、入居者の声を直接届けたいとしています。

(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

沖縄スタディツアー報告会:10/27


「沖縄を知る」

平和の礎で献花するツアー参加者

九月に「NO!オスプレイ沖縄県民大会」(九日)参加と戦争体験聞き取り・米軍基地調査のフィールドワークをしてきた兵庫県内の大学生たちが、報告会「沖縄を知る」を開催しようと準備をすすめています。

この報告会に先だって、九月十七日に行われた学生党員合宿でもツアー参加者が写真や映像を交えながら現地で聞いたことを報告。「これまで守られた自然が米軍基地によって破壊されるのは許しがたい」「沖縄は日米安保条約による被害が最も強い場所。もっと沖縄のことについて学びたい」などの感想が合宿参加者から出されました。

こうした声を受け、今度の報告会には、参加者もいっしょになって考えられるクイズ付のスライド上映や、「米軍基地」「NO!オスプレイ県民大会」「沖縄戦」「沖縄文化」の四つのテーマに分かれた討論コーナーを設けるなど工夫をこらした企画が準備されています。


日時 10月27日(土)午後2時から
会場 こうべまちづくり会館3階多目的室
参加無料


(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

沖縄県に配備されたオスプレイは住宅密集地上空を飛ばないなどの日米「合意」を無視し続けている▼岩国からの移動の際も四国上空を通過した。本土でも低空飛行訓練への強い批判を前に「週末及び日本の祭日」の訓練を控えるなどが「合意」されたが守られていない。住民の安全を守るには低空飛行訓練の中止しかないのは明らかだ▼兵庫県で初めて低空飛行が確認されたのは九四年八月。関宮町(現養父市)のハチ高原一帯に米軍機二機が轟音とともに飛行。平和団体は、現地調査などで但馬全域で米軍機の飛行を確認し、八月三十一日、県に「低空飛行の中止要請せよ」と申し入れ、県議会には「意見書提出」の請願を九十団体で提出した▼しかし県も県議会も「米軍機かどうか不明」とし、動く気配を見せなかった。直後の十月十四日に高知県で墜落事故が発生。十月十七日の再度の要請で、ようやく十一月八日に知事名で外務省への要請書が出された。城崎町・朝来町・関宮町の議会での意見書が相次ぎ、県議会は一年後の十二月二十日に採択▼事故が起こってからでは遅い。兵庫県での低空飛行を許さない県民の声を今こそあげねば。 (K)


(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県下の日本共産党組織がお預かりした救援募金の中間報告

心こもった救援募金2800万円余、東日本大震災・原発事故被害者へ


東日本大震災・原発事故から、1年半の間に日本共産党が全国でお預かりした募金は10億円余。その活用状況が「しんぶん赤旗」9月28日号に掲載されました。

兵庫県下では、日本共産党兵庫県委員会と各地区委員会や支部でお預かりした募金が、9月末までに2,846万円余にのぼっています。

そのうち、2,418万円は中央委員会に送り、被災自治体などへの義援金、支援物資の購入や救援活動資金として活用されました。

残り、約428万円を活用して、兵庫県からボランティアを派遣する際の諸費用にあてています。(中央委員会から、派遣経費のために約15万円が戻されていますので、それも含め444万円を原資にしてきました。)

約264万円は交通費・食費の一部と「ボランティア保険」料金、17万円は支援物資・支援活動資材の購入に使い、10万円は被災地に直接手渡しました。9月末現在、152万円をお預かりしています。

被災地は三度目の冬。引き続きボランティアを派遣し、あるいは救援物資を送るなど、救援・復興の活動は長期におよびます。あらためて紙面をお借りして感謝申し上げますとともに、今後とも、ご協力いただきますようお願いいたします。


(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

富岡町の被災者を訪問して

不安と心配の声にこたえる政治へ

東日本支援ボランティアレポート

白髪みどり(衆院兵庫11区候補)

いっしょに活動したボランティアのみなさんと(前列中央が筆者)

十月十一日・十二日、福島県郡山市の日本共産党被災者支援センターへのボランティアに参加しました。

兵庫県からレンタカーにお米と水を積み込み四名で出発。十三時間の道のりをかわるがわる運転して一路郡山へ。

翌日、地元ボランティアの方々と組をつくり、現在、警戒区域となっている富岡町の被災者が入居されている南一丁目仮設住宅を訪問し、傾聴ボランティア活動と懇談会にとりくみました。

仮設住宅はあまりにも狭く家族がそろって暮らすことさえできません。入居者の皆さんは「村に帰れば一緒に暮らせる家があるのに…」と悔しそうでした。家はあるのに帰ることができない。原発事故が持つ異質さを改めて実感しました。

「こんにちは日本共産党です。兵庫県からお米を届けに来ました。困りごとはないですか」と一軒ずつ訪問しました。

七十代の男性は「自分が居なくなったら娘のことが心配でならない」(娘さんは四十代で精神障害がある)と訴えられました。あるお宅では仮設住宅で父親と息子が相次いで亡くなり途方に暮れていました。

また、小学生の息子さんの様子が少し心配というお母さん。病院までの足がなく不便でたまらないという高齢者の方など、多くの不安や心配事を聞きました。

憲法二十五条をいかし、一人ひとりの生活再建こそが何よりも必要だと感じました。“安心して日常生活をおくりたい”この、ささやかな願いをかなえるため、日本共産党を大きくして政治を変えなくてはと強く思いました。


(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

民青同盟東播地区が二回目の代表者会議

再建してよかった!


民青同盟東播地区委員会は九月二十二日、再建後二回目となる代表者会議を開き、一年間の活動をふりかえり、十一月末に予定されている第三十六回全国大会に向けた活動方針を決めました。

討論では―「地区再建前は、家庭、仕事、活動のことで気持ちもいっぱいだったので、負担や重荷になるのではと思っていた。でもやってみるといろんなこととつながっていることを実感した。班で新しい仲間を迎え、前に進めている気がした。本当に再建して良かった」(地区委員)

「民青に入って、ワッと仕事や社会のグチを言い合える仲間、言い合える場ができたことが一番、嬉しい。今まで政治に興味がなかったけど、今は、本屋に行って原発関連の書籍を調べたりしている。もっと街頭宣伝に行きたい」(明石地域班)

「再建したら今以上に活動が大変になると思っていた。地区で『学習担当』という役割を担え、古典学習をみんなでしている、自分にとって、その役割が喜びとなっているし、学びにもなっている。さらに政治情勢や生き方なんかも交流したい。頑張りましょう」(地区委員)―などの発言がありました。

また、今期の地区スローガンを「一人ひとりの青年が主人公となる、輝く民青を目指そう」とし、三つの班でまず一人ずつ仲間を迎えることを確認しました。

(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

フレッシュヴォイス from 青年・学生

私たちのことを一番理解してくれる

Hさん(K大学3回生)

私は今年六月二十一日に入党しました。国民のことを思う政治ができる政党は日本共産党しかないと思い決意しました。

現在私は学生ですが、私を含めた若者は今の社会に憤りを感じていると思います。学費が高い、アルバイトでは休憩さえもらえず働かされる。このような現状を「仕方がない」と思い日々を生活している若者は少なくないと思います。

しかし、この今の日本社会が「当たり前」ではなく、「異常」であることを私たちは今の日本政府に訴えるべきだと強く思います。私たち若者から声をあげて今の日本社会を変えていくことが大切です。

日本共産党は私たちの気持ちを一番理解してくれる政党です。この政党とともに国民が主役の社会をつくっていけたら良いと思います。

(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く県政へ(18)

基本的人権行使への支援を

兵庫障害者連絡協議会事務局長 井上義治

兵庫県の身体・知的・精神の障害者手帳の所持者は毎年増え続け、30万8千人を超えました(2012年3月末現在)。障害者手帳の所持率は5.5%、県民18人に1人の障害者に相当します。いまや障害者問題は、他人ごとではありません。

福祉を変質させた「自立支援法」


障害者(児)は、障害があるがゆえに、一人ひとりのニーズに応じた様々な制度(サービス)を利用しなければ人として生きていけません。その制度のありようを根本から変えた「障害者自立支援法(以下、自立支援法)」が、2006年4月から施行されました。この法律は、自民・公明両党の賛成で成立したものです。

この自立支援法は、①障害は自己・家族責任であるから、制度利用を私益として「応益負担(定率1割負担)」を導入②サービスを利用するには「障害程度区分」認定を必要とし、その区分によって利用できるサービスを決定③サービス利用は事業者と利用契約し、買う福祉に変更④報酬の日割り制度などを特徴としています。

憲法違反だと訴えて


私たち障害当事者や家族、関係者は、「自立支援法の廃止」を求め多くの団体との共同行動を行ってきました。あわせて、2008年10月、「障害のある人だけが障害(バリア)を取り除くために利用料を払うのは、憲法14条(平等権)違反」「福祉施策を利用することは法に基づく市民権の行使、憲法13条(幸福追求権)」、そして「憲法25条(生存権)に反する」として、全国の14地裁に提訴しました。兵庫では、最終的に13名の原告が裁判に立ち上がりました。この裁判は、「自立支援法を廃止する」とした民主党政権のもとで、国と原告団が「基本合意」を結び(2010年1月)、裁判所の関与で和解し、終結しました。

自立支援法に対する私たちの運動で、成人の場合の所得判断は2008年7月から「世帯全体」ではなく「本人及び配偶者」に、低所得者の福祉サービス・補装具の利用料は2010年4月からゼロ円となっています。

「自立支援法」の最悪部分を引き継ぐ兵庫県


しかし、この時期、兵庫県は「行財政改革」推進と称して、2008年度予算で民間社会福祉施設居住改善整備補助(2080万円)の廃止、のじぎく療育センターの廃止(2億1477万円)、知的障害者の訓練ホーム・生活ホーム補助7610万円の県単独補助の廃止などを行いました。

2009年には、重度障害者医療費助成制度の所得制限を「特別障害者手当の所得制限(扶養親族2人の場合の給与収入金額883万2千円)」から「自立支援医療制度に準拠した所得制限(市町村民税所得割額23万5千円未満。扶養親族2人の場合の扶養義務者の所得593万円)」に引き下げ、あわせて、一部負担金も引き上げました。このことによって、全国でも最も所得制限が厳しい県となりました。

本年7月からは、重度障害者医療費助成制度の所得判定単位を「同一世帯の最上位者」から「世帯合算」にしました。その理由は「自立支援法医療制度の世帯構成員相互に支えあうという考えにあわせる」としており、自立支援法の最も悪質な部分を引き合いにしています。

同時に、乳幼児等・子どもの医療費助成制度にもこの考え方を適用し、全県下の障害者・乳幼児・子どもたち約5万4千人をこの制度から排除しました。ただし、一部の市町は「世帯合算」を適用せず、市町独自に従前のまま頑張っていることは大いに評価できることです。

私たちぬきに、私たちのことを決めないで


医療費問題は、いのちの問題に直接、影響します。障害のある人たちだけでなく、幼い子どもたちにもなんと冷たい兵庫県政なのでしょうか。

私たち障害当事者は、「私たちぬきに、私たちのことを決めないで」を合言葉にして、国連障害者の権利条約の批准をめざして、国内法の見直しにとりくんでいます。

私たちのこの合言葉が真に兵庫県政に生かされ、憲法等に基づく基本的人権の行使を支援する温かい兵庫県政の実現を強く望みます。

(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

年金者一揆兵庫県行動

社会保障改悪に抗議


花時計前を出発し三宮中心部をパレードする集会参加者

年金引き下げと消費税増税への怒りを政府にぶつけようと10月15日、全国で年金者一揆がとりくまれました。

兵庫県でも兵庫県社保協と年金者組合兵庫県本部が主催し、署名宣伝行動とパレードがおこなわれました。

三宮マルイ前での宣伝には、オレンジの法被姿の組合員ら約140人が、高齢者に生活苦を強いる政府の姿勢を訴え、制度改悪反対署名を呼びかけました。約1時間で900筆近い署名が寄せられました。

神戸市役所花時計前の集会で年金者組合兵庫県本部の岡本毅一委員長が挨拶。「私たちの怒りの声を大きな輪にしていこう。高齢者だけでなく現役世代や子や孫も安心し暮らせる社会にしていこう」と強調しました。

県社保協事務局の高山忠徳さんも挨拶で「民自公3党合意の法は憲法25条を否定するもの」と述べました。

参加者約250人はセンター街をパレードしました。


写真:花時計前を出発し三宮中心部をパレードする集会参加者

(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

兵高教組北播支部教研集会

学区拡大見直し求め運動



兵庫県高等学校教職員組合北播支部(上田健司支部長)の教育研究集会が、「職場を元気に!」をテーマに10月13日、加西市いこいの村はりまでおこなわれ、約30人が参加しました。

大阪府立高校の浅井義弘教諭が「大阪の高校教育現場から」と題し記念講演。橋下徹前知事らがおこなってきた学校統廃合や教職員削減、管理統制強化の教育再編を説明しました。07年に9学区が4学区になり、14年には1学区にする計画が進行中で、財政再建を理由に教育予算を削減する一方「大阪都構想」への多大な無駄遣いの実態を語りました。

兵庫県立普通科高校学区拡大問題の学習では、地域の状況が話し合われました。「高校『特色化』とは進学実績を上げることであり結局は特色を失う」「子どもが減ったから競争が必要という考えは本末転倒」などが出され、組合として見直しを求める全県いっせい宣伝参加を確認しました。

(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

県平和委員会基地調査:伊丹、宝塚

住宅地に隣接し演習場

高橋正明(兵庫県平和委員会事務局長)

兵庫県平和委員会は10月7日、陸上自衛隊伊丹駐屯地と長尾山演習場の調査をおこないました。

戦車が攻撃を展開する模擬訓練

伊丹駐屯地は当日、創隊52周年記念式典と基地一般開放の日でした。「見せ場」は定例式典終了後の模擬訓練です。

簡単なシナリオが準備されており、敵の陣地に対して、偵察部隊の行動に始まり、重装備部隊、155mm榴弾砲、戦車が登場し、敵を撃墜させるというものです。訓練中たびたび空砲が撃たれ、大きな音に見物人の多くが耳を塞いでいました。

レンジャー部隊のデモンストレーション

またレンジャー隊員が隊舎屋上からロープを使って着地するデモンストレーションもありました。基地内では隊員たちによる模擬店が並び、最新武器が多数展示され、戦車の試乗や銃に触れる体験会もありました。

化学防護衣と防護車の展示

伊丹駐屯地の特徴は中部方面隊総監部が置かれている重要な基地であること。とりわけ通信隊の入る隊舎の警戒が厳重になっていることです。自衛隊の通信機能強化を表しているといえます。

長尾山演習場

つづいて宝塚市にある長尾山演習場の調査をおこないました。

この演習場は、主として偵察部隊のオートバイ訓練、自衛隊員の基本的訓練場として使用されています。

この日、訓練は実施されていなかったのですが、あちらこちらにキャタピラの通った跡やオートバイのタイヤ跡が見受けられ、常時訓練に使われていることを確認しました。

この演習場に隣接して中高層マンションが立ち並び、ハイキングコースと一部共用になっていることを考えると、演習場基地の撤去を求めていく必要があると考えています。



兵庫県平和委員会は今回の基地調査をスタートとし、ひきつづき10月20~21日に但馬地方の米軍機低空飛行訓練ブラウンルートの調査、11月4日には六甲山通信基地と神戸港の軍事化の状況調査を予定しています。参加者を募集しています☎078・362・0806

(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

向井華奈子モダンダンスリサイタル:11月10日

「存在と生」踊りで追求


ソロで踊る自作「柘榴」

藤田佳代舞踊研究所のダンサー向井華奈子さんが、初のモダンダンスリサイタルを11月10日、新神戸オリエンタル劇場でひらきます。プログラムは「あらゆるものの存在と生」をテーマにした5作品です。

「虚空の底へ」は「静夜の空に星が1つ消えた/虚空の底へ星が1つ流れた」で始まる堀口大学の詩「流星」に着想を得ました。以前ソロとして発表した作品を今回、群舞に振り付けました。

「SAND LOT」は佐々木幹郎の詩「砂から」と坂村真民の詩「涙砂」をもとに、被爆地広島の大地に埋もれた砂粒1つひとつから聞こえる死者たちの声に、耳をとぎすまし踊ります。

「柘榴(ざくろ)」はキリスト教絵画でザクロが「受難」と「復活」両方の象徴として描かれていると知り作舞しました。東日本大震災直後、高台へ逃げた男の子の語る「振り返ったら家族がいなかった」に衝撃を受けました。

「自分がここに存在し、いまを生きるとはどういうことか。凄まじい体験を強いられる人がいる一方で、自ら命を絶つ人がいるのはなぜか」、向井さんは踊りで追求します。

「phenomenon―私たちという現象」はゲストダンサーにむかえた堤悠輔さん、文山絵真さんと3人の、即興性も織り込んだ構成です。

「開く」は藤田佳代さん振付です。強制収容所ガス室で処刑されたチェコの作曲家ヴィクトル・ウルマンの、わずかに楽譜が現存する「ピアノソナタ7番」にのせて踊ります。

戦死した恋人の帽子に隠されていた手紙。花や鳥、魚に託した望郷の思いが綴られていました。なぜ人間界には国境と戦争があるのか、帽子に導かれ…。向井さんは喪服で踊ります。ピアニスト河内仁志さんが生演奏します。

藤田佳代さん振付「開く」を踊る向井さん(中央)

藤田佳代舞踊研究所公演

向井華奈子モダンダンスリサイタル/11月10日(土)18時/「phenomenon―私たちという現象」「虚空の底へ」「SAND LOT」「石榴」「開く」/新神戸オリエンタル劇場/3,000(当日3,500)円/☎078・822・2066


(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっこりん(502)


(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)