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2012年8月26日日曜日

医療費無料化・中学校給食を:神戸

行政の姿勢で、くらしは変わる

市民要求を実現する会「市政連続講座」
相生市のとりくみに学ぶ


神戸・市民要求を実現する会は8月10日、市政連続講座を開催し約40人が参加しました。

第5回目となる今講座では「行政の姿勢が変われば、住民のくらしは変わる」をテーマに、「子育て応援都市」宣言をし、子育てしやすい環境を整え人口減少対策や定住促進をすすめている相生市のとりくみを、同市の岩崎修市会議員が報告しました。

岩崎議員は、同市が15歳までの医療費無料や、5万円の出産祝金、幼・小・中学校給食の無料化などの子育て支援や、若年世帯家賃補助や住宅取得奨励金での定住促進策で、「子育てに余裕ができ、子どもにしっかり向き合えるようになった」「もう1人子どもを出産してもいいと考えられるようになった」などと喜ばれていることを紹介しました。

同議員は、相生市は、投資的経費を削減し、子育て支援に恒常的に力を入れていることから「行政の姿勢いかんでここまでできることを証明したもので、1自治体のとりくみにとどまらず、全国へ広がっていくことが求められている」と述べました。

つづいて、金沢はるみ神戸市会議員が、日本共産党神戸市議団の予算組み替え提案を説明。神戸市の予算は7,344億円。1人当たりの市税収入や予算額は相生市よりも多い(表)。神戸空港などのムダづかいをけずれば、こども医療費の無料化や、国保料1万円の引き下げ、中学校給食を実現することができると訴えました。

参加者からは、中学校給食をはじめた効果などの質問が寄せられ、岩崎議員は「食材の3割が相生産で、地元の安全な食品が使われている。無料化したことで経済的な心配なく食事ができ、児童の情緒の安定につながっている」と報告しました。


相生市と神戸市の比較
相生市 神戸市
人口 31,209人 1,543,599人
一般会計予算 119億円 7,344億円
(一人当たり) 380,980円 475,793円
市税収入 44億円 2,650億円
(一人当たり) 141,507円 171,681円
家賃補助制度 新婚世帯家賃補助金:月額1万円 若年世帯向け家賃補助:1994年廃止
若年世帯向け敷金補助:2004年廃止
転入者奨励金 転入者住宅取得奨励金:30万円から50万円 なし
幼稚園 無料 年額12万円
保育園保育料 国基準の75%
補助上限月8,000円
国基準の80%
学校給食 幼稚園 無料
小学校 無料
中学校 無料

小学校 3600→3900円値上
中学校 給食がない
学校通学費 公共交通機関乗車料全額補助 なし(就学援助で一部補助)
出産祝い金支給 5万円 なし
子育て応援チケット 有料サービス利用券36,000円分 なし
こどもの医療費 通院:中学卒業まで
入院:中学卒業まで
通院:0歳のみ(12月から3歳未満に拡充)
入院:中学卒業まで
プレミアム地域振興券 プレミアム2割 プレミアム1割
住宅リフォーム助成 工事費の10% 上限10万円 なし



(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

医療費無料化・中学校給食を:尼崎

実現へ10万人署名運動

松村ヤス子(日本共産党尼崎市議団長)

尼崎市の日本共産党議員団は3年前の市議選で「中学卒業まで医療費無料化と中学校給食の実施」を公約し、議会質問でも繰り返し要求してきました。

今年の予算議会では、「愛情弁当が良い」といっていた会派も含め、複数の会派が「中学校給食の実施」を求めました。市長も市教委も「給食が望ましい」と答弁しています。しかし、財政を理由に「注文弁当で」との方針に留まっています。

こうしたなか、「中学卒業までの医療費無料化・完全給食を求める会」が7月、「中学卒業まで医療費の無料化と中学校給食の完全実施を求める陳情」を10万人以上の署名とともに12月議会に提出することを決め、現在、署名活動を進めています。

この間、市長選をたたかった民主市政の会が中心になって、今年2月に「食育」と「中学校給食」を考える学習会、5月に「尼崎の子どもの健康・現状と今後を考えるシンポジウム」を開催するなど、とりくんできました。

学習会やシンポジウムでは、多くの市民が、子どもの健康状況と食の大事さ、給食により生徒の連帯感が養われること、市民の暮らしの状況、子育て支援がまちを元気にすることなどを学びました。とくに西宮市では50年も前から中学校給食があり、中学校卒業まで、入院・通院とも無料であることも影響し、尼崎市から西宮市へ転居する若い世帯が少なくないことに危機感を抱く市民も多くなっています。

それだけに、尼崎民商婦人部や新婦人の会員、教職員、医療生協組合員、日本共産党支部のとりくみも始まっており、党市会議員団もわかりやすいきれいなビラを作成し、市民とともに、10万人の署名を集めきろうと決意しています。

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

がんばります!衆院小選挙区候補:兵庫11区

弱者の声国会へ届けたい

兵庫11区 白髪みどり予定候補

兵庫11区の予定候補者の白髪みどりです。

私は、JR職員の父と保育士の母、弟1人、妹4人の大家族の中で大きくなりました。“貧しいながらも楽しい我が家”でのびのびと幼少期を過ごしました。

大家族ゆえに食事は手づくりが当たり前。1食1升完食。好物のおかずが並ぶ時などはトイレに行くのも惜しいほどでした。家族そろって食べる楽しい食事の時間が家族の絆を深めてきたと思います。

楽しい食卓は幼いころの幸せの記憶とつながっているのかもしれません。

高校を中退してから様々な職についてきましたが、現在は姫路民主商工会の事務局次長として中小業者の営業と暮らし・権利を守る活動に携わっています。

西播地域で広がりを見せている子ども医療費無料化を姫路でも実現させたい、と昨年の夏ごろからとりくみ、3度の議会で継続審査となっています。安心して子育てができる社会はすべての世代が安心して暮らせる社会だと確信します。姫路市長は「私は国にもの申すほどの力はございません」といいました。“それならば私が直接国に意見を言ってやろうじゃないか”と闘志がメラメラと燃えあがりました。

中小業者の要求を個別に解決しながらも、大本から変えなければ本当の解決にはならないという事もわかりました。「消費税増税で多くの仲間が商売を潰されてきた。私たちの敵をとって欲しい」会員さんからの悲痛な叫びが私を突き動かしました。

“弱者の声を国会に届ける人が必要だ。あなたのように強く政治を変えたいと願う人こそが国政に携わらないと弱者の声は届かない。だからこそ頑張って欲しい”という強い気持ちに押され日本共産党兵庫11区からの立候補を決意しました。

消費税増税反対・原発ゼロ・姫路から元気を起こしていきたいと思います。ご支援をよろしくお願いします。



写真:関西電力姫路支店前で「原発ゼロ」を訴える筆者=8月17日)

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く県政へ(11)

継続入居かちとるまでがんばる

借り上げ住宅入居者連絡協議会世話人代表 安田秋成

私は、神戸市兵庫区の「パールハイツ荒田」という借り上げ復興住宅に住んでいます。24軒あります。75歳以上の人が68%を占めています。そのほとんどが病人です。

「20年の期限内に転居してもらう」と兵庫県や神戸市などが入居者を追い出そうとする問題が起きてから、「夜も眠れない」「お医者さんからもらった薬を飲んでも効かない」と入居者を苦しめています。

私の住宅でも、心の病気が発生して、4人が入院しました。他の人もがんばっていたのですが、移転通知に夜も眠れないという状態です。

県や市に、いくら陳情しても、「移転のために親切丁寧に対応します」という繰り返しです。借り上げ住宅の継続には、余分に何億円もお金がいるから「できない」といいます。

私たちは「弱者」と言われ、震災でもたくさんの方が死にました。避難所でも、仮設住宅でも、復興住宅でも死にました。「出て行け」というのは「早く死ね」ということと同じです。私たちの命とお金とどっちが大切なのか、県や市に訴えたい。ニュースを見ていますと、自民党も公明党も「防災」「減災」と言い、公共事業に2百兆円、百兆円とつぎ込もうとしています。お金がないのではなく、私たちに使うお金が惜しいのだとしみじみ思いました。

入居者の中には、なかなか抽選に当たらず、やっと入居できたその時には、20年という契約は聞かなかったという方がたくさんおられます。

私たちの住宅では、午後7時半くらいに買い物に行く人がいます。スーパーは、8時になると食料品が半値になります。にぎりめしを買う。買ってきて冷凍庫に放り込むのです。翌朝、おかゆにしたり、おじやにしたりして食べます。6万円ぐらいの年金ですから、そういう生活しかできないのです。

家賃を払い、後期高齢者の保険料もとられますから、手元には3万円か4万円ぐらいしか残りません。生活保護をとったらと言っても、「いや、生きているうちはこれでがんばる」と「自己責任」で生きています。

そういう生活をしている被災者を県や市は見ているのかと言いたい。現場にきてくれたら、いつでも見せてやるといっていますが、こないのです。

ことし6月の参議院災害対策特別委員会で、日本共産党の山下よしき議員に、中川正春防災担当大臣は、「入居者には、複数の選択肢が示されるべきだ」という見解を表明しました。

これを受けて、私たちは、「国に尽力をおねがいしよう」と上京し、大臣に直接、要請してきました。大臣は「みなさんの声を聞かせていただいて、柔軟な対応というのも必要ではないかと思う」のべて、あまり時間をかけずに対応すると約束してくれました。

私たちは、仮設住居に4年3カ月いました。そのあいだに、焼身自殺が2回もありました。私たち高齢者は、あとわずかしか、生きる時間がありません。県や市がかたくなな態度に終始するなら、いっそ閉じこもって死んでしまおうかという方もおられます。そういうことがないように、人間が復興できるよう、国とともに、ひきつづき県、市への働きかけを強めていきたいと思います。東日本被災者との連帯を大切にします。

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

東日本大震災ボランティアレポート:郡山市

「帰りたいけど帰れない」―川内村からの避難者を訪問

金田峰生(参院兵庫選挙区予定候補)

被災者の要望を聞く筆者(左後ろ)

8月11日、私を含めた兵庫からのボランティア4人は、党現地救援センターの10人と神山悦子福島県議といっしょに、川内村村民が入居している郡山市内の2階建て仮設住宅を訪ね、救援米を届けるとともに、要望などを聞き取りました。

川内村は「帰村宣言」が出され、役所などの機能は村に戻っていますが、もともと川内村は医療や仕事などを富岡町など周辺自治体と依拠しあっており、1村だけ戻っても生活は成立しません。さらに「3、4号機がまた危ない」という話も出ており、「帰りたいけれど帰れない」「もう絶対に戻れないと思う」などの声が寄せられました。いつ戻れるかわからない状況が続く中で、「もうずっと家族はバラバラにされたままかもしれない」と涙を拭う人もいます。

「家を除染しても山や林の放射線量が高いから、また元に戻ってしまうのよ」「除染は大手にしかできないというが、ゼネコンは下請けに任せて、川から水を汲んで屋根にかけて除染だといっているんだべ。ここまできてまだゼネコンを儲けさせることしか国は頭にねえんだ」など、ひどい話も聞きました。

私たちが郡山へ向かった日、楢葉町も出入り自由の「準備区域」に移行しましたが、皆さん「帰れって言われても帰れねえべ」「何も解決してねえのに、大丈夫だって思わせたいんだべ」「これでまた東電はもう賠償しねえって言い出すんだ」など、厳しく指摘されました。

支援は長期になります。党現地救援センターの活動を財政的にも支える支援の必要性を痛感しました。

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

岸本市議に不当な懲罰:加古川市議会

岸本たてき議員
加古川市議会で7月14日、議員協議会が開かれ、加古川市民病院統合再編の事業にかかる贈収賄事件について、市長から報告を受けました。その際の、市長答弁の中に議会を軽視する発言がありました。

その後、8月1日・2日の日程で行われた臨時議会で日本共産党議員団は贈収賄事件調査のための百条委員会設置を求める緊急動議を行いましたが、この動議に対する討論の中で、岸本たてき議員が、先の議員協議会での市長発言について質しました。これに対し、自民クラブ、新政会、市民クラブ、公明党の4会派が、「非公開の議員協議会の内容を公の場で公表した」として懲罰動議を提出しました。

日本共産党議員団は、「当日の議員協議会は、秘密会とするとの決議を行っていない」と指摘し、さらに「議員協議会は本来公開すべきものである」として反論しましたが、賛成多数で岸本議員に対する懲罰(戒告処分)が可決されました。

加古川市議会は市長与党会派25人と野党会派5人(共産3、新社会1、無所属1)という構成です。

岸本議員は、「市長の気に入らない発言に懲罰をかける議会であってはならない」と語っています。

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

漁業政策・消費税問題で広がる共感

新町・金田両氏が沼島訪問


南あわじ市沼島は、淡路島から沼島汽船で南へ約5kmのところにあります。

前回、日本共産党の堀内照文衆院比例候補(当時は参議院兵庫選挙区候補)が、郵政民営化の影響を調査するため島を訪ね、「ゆうパックがなくなれば、島の経済は大打撃を受ける」という訴えを聞き、国とも交渉して、小泉首相(当時)の「サービスは後退させない」という答弁につながりました。

今回は、新町みちよ衆院兵庫9区候補、金田峰生参院兵庫選挙区候補らが、漁業問題や地域経済活性化策などで要求を聞くため訪問、地元の世話役の人たちと懇談しました。

沼島の産業は漁業。島での役割は違っても住民のほとんどが漁師で、異口同音に、「燃油免税を恒久化して欲しい」「漁で生活できるようにならないか。そうしないと後継者が育たない」などの声が寄せられました。「TPP参加反対」も多数です。

また、「国保料、介護保険料を払える額に下げて欲しい」との訴えは切実です。消費税増税については、「島の経済も暮らしは一層ひどくなる」「税は高額所得者に応分の負担を」との意見で一致しました。

また、「オスプレイが沼島付近を飛ぶのではないかと心配しています。井戸知事に聞いても他人事のような反応だった」との話に金田候補は「早急に調べてお返事します」と約束しました(その後、「オレンジルート」について調べ、資料とともに返事を送りました)。

また、帰りの船を待つ間も、漁を終えて涼んでいた6人と対話になりました。「ここは自民党やで」と1人が言うと、すぐに「そんな時代遅れのこと言うてどうするんや。消費税増税をやめてくれるのは共産党やから応援する」との声が出て、みんな「そうやそうや」とうなずき、新町氏らが、燃油補助、価格補償、水産資源保護など日本共産党の考えを提案すると、「それをやってくれたら、この島もよみがえる。それがほんまの国うみや」と賛同が広がりました。


(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

全国保育団体合同研究集会

新システムでは子どもの命守れない

オープニングを飾った兵庫の子どもたち300人の大合唱

「輝け!子どもたちのいのちと笑顔、きりひらこう保育・子育ての未来を」―第44回全国保育団体合同研究集会が8月18日から3日間、神戸市内でひらかれました。

開会全体会は、ワールド記念ホールに全国から約7000人が集まりました。歓迎オープニングは県下21保育園の5歳児約300人の大合唱。おそろいのTシャツ姿で「ぼくら太陽の子」ほかを元気いっぱい歌いあげました。

開会挨拶で渡邉保博実行委員長は「3カ所の原発建設計画を撤回させ、非核『神戸方式』を守り、震災復興支援運動につくしてきた兵庫の運動は全国の希望。公的保育制度を守るため、子どもたちにどんな保育が必要か、ともに学び合おう」と呼びかけました。

基調報告をもとにしたオープニングフォーラム「共同の力ですべての子どもに豊かな子育て・保育環境を」は現地実行委員長の二宮厚美神戸大学名誉教授が進行役。政府が強行する「子ども・子育て新システム」に対し、自治体の保育義務を定めた児童福祉法24条を守りぬいた運動の成果を強調しました。

愛知けやきの木保育園の平松知子園長は「新システムでは子どもを守れない。全力で保育の質を守ろう。たたかいはこれからもつづく。大切に育てられた子どもは、人を大切にする大人になる」と述べました。

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

教育研究全国集会:大震災の教訓と課題など討論

大震災の教訓を話し合ったフォーラム1

みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい・教育研究全国集会」が8月17日から3日間、神戸市内でひらかれました。

初日の開会全体集会は、2000人を越す参加者が神戸国際会館ホールを埋めました。

開会全体集会
西宮出身の脚本家、渡辺あやさんが「生きること、学ぶこと」と題し講演。小学校教諭で、家では寝てばかりでも、教え子や保護者と強い絆で結ばれた父親の姿を紹介し「正直であろう、それが生きる力になる、と心がけている私の仕事と結びつく」と語りました。

7つのフォーラムと29の分科会がひらかれました。

フォーラム1「阪神淡路大震災、東日本大震災の教訓と課題から考える」は143人が参加。コーディネーターの菊本義治復興県民会議代表委員は、住民本位の生活再建を最重点にとりくんだ兵庫の運動を紹介しました。

17年前、神戸長田の定時制高校教諭だった米澤聰一郎さんは再開発と学校統廃合で変貌した町の現状を報告。

宮城県亘理町の中学校教諭は、町の40%が危険区域で、町民の約半数が仮設住宅に暮らす状況を語りました。

また福島県の高校教諭は、県教委が各地に間借りし昨年9月から始めたサテライト方式校を、今春さらに集約し、生徒や保護者にいっそうの負担を強い、生徒数が半減している実態を述べました。

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

石綿公害訴訟:クボタの責任を認定

神戸地裁判決


尼崎のクボタ旧神崎工場が、周辺地域に大量飛散させた石綿粉塵が原因で中皮腫を発症し死亡した住民の2遺族が、クボタと国に謝罪と損害賠償を求めた裁判は8月7日、神戸地裁第5民事部(小西義博裁判長)で、原告の訴えを一部認め、クボタに総額約3195万円の支払いを命じる判決が出ました。しかし国の責任は否定する内容です。

裁判所がクボタの責任を認めた山内孝次郎さんは、クボタから約600㍍の工場で働き、胸膜中皮腫で苦しみ抜き96年1月死亡。80歳でした。息子で原告の康民さん(64)は「クボタ石綿被害者救済の小さな一歩になれば」と語りました。

住居とクボタの距離が約1㌔で「クボタの石綿が原因と特定できない」として、因果関係が認められなかった保井綾子さん(07年死亡時85歳)の娘で原告の祥子さん(60)は「腹が立ち情けない思い。母がなぜあれほど苦しんで死んだのか、高裁で認められるまでがんばる」と述べました。

八木和也弁護団事務局長は「クボタの責任を認めた画期的判決。保井さんについての誤った判断、従前判決を踏襲した国責任の誤りを、控訴審で改めさせたい」と語りました。


写真:神戸地裁前で報告する弁護団と原告の山内康民さん(右から3人目)、保井祥子さん(車椅子)

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

8・15平和のつどい:語りつぐ戦争体験

「私は軍国少年だった」


終戦記念日の8月15日、兵庫の「語りつごう戦争」展の会(新間智照代表)の平和のつどいが神戸市兵庫区の妙法華院で開かれ、約70人が参加しました。

主催者挨拶で新間代表(86)は、徳島の海軍学徒隊で終戦をむかえた体験を語り「戦争の本質を知らないまま、死んで日本を守ろうと考えていた。新聞もラジオも正しいことを伝えなかった」と述べました。

年金者組合須磨支部の渡辺泰彦さん(87)が「一軍国少年として」と題し講演(写真)。海軍で爆撃機の整備誘導に追われ「敗戦も知らされなかった」と述べ「戦争に反対した人がいたことを、戦後になって知った。世の中の動きを知り、しっかり見定めることに、残された人生を使いたい」と語りました。


(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

荒田平和盆おどり(兵庫区)

核兵器も原発もゼロへ


日本共産党や民商、生健会などが地域住民とともに運営する「荒田平和盆おどり」(実行委員会主催)がことしも8月19日と20日夜、神戸市兵庫区荒田公園でひらかれ、踊りを楽しむ人で賑わいました。

全員に配られたうちわには「核兵器も原発もゼロ」の文字。安田秋成実行委員長(86)は福島原発事故の住民被害を説明し「核兵器も原発もなくそう」と呼びかけました。ぬきなゆうな共産党衆院兵庫2区候補も参加、踊りの輪に加わりました。


写真:挨拶するぬきなゆうな衆院兵庫2区候補



(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

“もういいかい” “Ma Da Da Yo”

間 康成



(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)