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2012年8月5日日曜日

借り上げ住宅入居者が大臣に直接要請

住み続けられるよう国として努力を

中川大臣(右下)に要請する(左から)車谷さん、安田さんほか

神戸市借り上げ住宅入居者連絡会の代表らが7月30日、中川正春防災担当大臣と面会。「このまま、公営住宅として住み続けられるよう、国として努力してほしい」と訴えました。

安田秋成氏、車谷美枝子さん、友光登美子さんら入居者、借り上げ住宅オーナーらが参加。日本共産党の山下よしき参議院議員、大かわら鈴子、味口俊之両神戸市議、喜田結県議、堀内照文衆院比例代表候補も参加しました。

安田氏らは、要請文とともに、入居者ら35人から寄せられた、中川大臣あての「私の願い」などを手渡し、直接要請しました。

全盲の車谷さんは「やっと 当たった住宅。住み続けられるよう、よろしくお願いします」と切々と訴え。

友光さんは「高齢者や障害者が助け合いながら生活しています。毎日、つらい夢をみています。今日、みんなが借り上げが継続できるよう、大臣にお願いしてきて、と送り出してくれました。よろしくお願いします」と、声を詰まらせながら要請しました。

安田さんは「仮設で4年半、生活。弱者といわれるが、40代の人が仮設住宅で仁王立ちで焼身自殺をした。希望を失うと、このようなことになる。悲劇を繰り返してはならない」と、震災後の17年間を振り返りながら、かたくなな神戸市の態度を批判。「先の大臣答弁を、厚い雲の中から光がさしたような気持ちで聞いた。今後、その実現が求められている」と、大臣に具体的な対応を求めました。

山下議員は、神戸市が行っている入居者への意向調査が転居しか選択がないことを指摘しました。

中川大臣は、入居者らの訴えに耳を傾け、時折、入居者に質問しながら対応。「東京まで出てきてもらい、貴重な意見を聞かせてもらった」「工夫できることがないか、神戸市や兵庫県と話をすることはできる」「国としても柔軟な対応を検討する」「時間をかけず、結論を出すことが大事」などと答えました。

参加した入居者らは「丁寧に話を聞いてもらって、本当によかった。継続できるよう、これからもがんばりたい」と話していました。

(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅管理運営委員会・自治会が西宮市に要請


西宮市のUR借り上げ市営住宅の住民団体が、住み替え計画を撤回し、引き続き市営住宅として継続入居を認めることを求める要望書を7月25日、市長あてに提出しました。

市内5団地447戸のうち、シティハイツ西宮北口(124戸)管理運営委員会、ルゼフィール西宮丸橋町(52戸)管理運営委員会、ルネシティ西宮津門2号棟(110戸)自治会が連名で要請しました。

とくに、今秋から住み替え募集が予定されているシティハイツについては、住み替え募集を中止し、URとの借り上げ契約の延長事項の記載どおり契約延長を行うよう求めています。

要望書提出にあたっては、3団地の入居者30人とルゼフィーユ南甲子園入居者1人が市役所に赴き、市議会応接室で伊藤裕美市都市局長らと交渉しました。

西宮市は借り上げ住宅をURに返還し、5年間で既存の市営住宅に入居者を分散移転させるとする計画です。

入居者らは「私たちは、空いている倉庫に放り込まれる物ではなく生きている人間」「再開発に協力して土地を売り入居したのに、なぜ住み続けられないのか」などと訴えました。また、当日参加できなかった入居者が一人ひとり人したためた嘆願書も提出しました。

しかし、都市局長らは、「返還の方針は変えない」「シティハイツも契約延長はしない」など頑なな態度に徹しました。




(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

神戸で借り上げ住宅入居者懇談会

山下参院議員と入居者が懇談:国会論戦を力に


日本共産党神戸市議団が7月28日、新長田勤労市民センターで借り上げ住宅入居者との懇談会を開催し、市内各地の借り上げ県営・神戸市営住宅の入居者ら120人が出席。西宮からの参加者もありました。

懇談会では日本共産党の山下よしき参院議員が6月20日の参院災害対策特別委員会での質問の要点を報告しました。山下議員は質問で――

①借り上げ住宅の実施主体は県や市だが、国費を使い国の制度として行われたものだから、入居者が追い出しにならないよう、国が責任をもって対処する必要がある。

②入居者のほとんどが高齢者であり、障害をもつ人もいる。追い出しは命にかかわり、人道問題である。

③阪神・淡路大震災被災地で借り上げ住宅からの追い出しを許してしまえば、東日本大震災でも2年後、被災者が同様の目にあうことになり、今後の大災害での被災者の生活再建・住宅再建に大きな障害をもたらす。

――の3点を提起し、国土交通大臣などから「生活の維持に配慮」「入居者の希望を踏まえる」「複数の選択肢を示す」など重要な答弁があったことを紹介。いまが運動のがんばり時だと励ましました。

きだ結県議と森本真神戸市議がそれぞれ県・神戸市の態度を報告し、署名運動や、議会陳情、各区での入居者連絡会づくりなどの行動を提起。

各住宅の住民からも意見や要求の訴えがありました。山下議員も「前例はないが、運動と連携して突破しよう」と決意を表明しました。




【資料】6月20日、災害対策特別委員会での山下よしき議員の質問にたいする答弁(要旨)

生活の維持に配慮


渡延忠=国土交通省大臣官房審議官=「期間の満了に際しては、入居者の居住の安定、生活の維持に配慮することが必要なのはもちろんのこと」「借り上げ期限の到来時には様々な方法がある。借り上げ期間が到来した住宅を公営住宅として再度借り上げる、あるいは借り上げ期間が到来した住宅を公営住宅として買い取る、あるいは地域における他の公営住宅に入居できるように自治体があっせんする等々の方策が考えられる。いずれにしても、高齢化の進んでいる入居者の希望、要望などを十分踏まえることが必要」

複数の選択肢示し、入居者の意向十分に確認


中川正春=防災担当大臣=「住み慣れた地域で引き続き暮らしたいという被災者の方々の思いというのは十分理解ができる」「それぞれ現在の状況を踏まえた選択ができるように、行政が借り上げ期間の満了時の対応として入居者に複数の選択肢を示していくということも一方で大事だ」「それぞれ入居者の意向を十分確認をしていくという作業が大切だ」



(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く県政へ(9)

原発から再生可能エネルギーへ

電力兵庫の会 松崎保実

大飯原発再稼働ホントの理由


関西電力が原発にしがみつく最大の理由は「もうけ」が失われるからです。

普通の会社や商店では、売上から経費を差し引いたものが「もうけ」ですが、電力会社は全ての資産(原発の核燃料や放射性廃棄物も!)に3%を掛け、それをあらかじめ「事業報酬」として先に確保するのです(総括原価方式)。つまり資産が大きいほどもうかるわけで、関西電力の場合は、総資産の約60%を原発関連が占めているので原発を停止・廃炉にすると赤字となるから「死活問題だ」と言うのです。

計画停電は、大飯原発再稼働のための脅かし


前記の「ホントの理由」は言えないので、野田政権と結託して電力不足をもち出しました。

関西電力から各家庭に「計画停電ハガキ」が届けられましたが、内容が分かりにくいために10万件以上の問合せが殺到しています。関西電力自身も停電周知宣伝カーを大量に用意したり、医療機器を使ってる家庭には小型発電機を準備したり、大わらわです。

今回の「計画停電」とは、東南海大地震を予想し作成中のシステムで、2013(平成25)年以降にできあがる未完成品です。なのに5月28日政府から指示されて、ダイレクトメールを出してしまいました。内容は、東南海震災で発電所が被害を受けた場合を想定し、大規模停電を防止するものです。

この夏「電力不足により計画停電がホントに実施されるのか」と言えば、それはノーです。電力会社には法律で供給責任が課せられています。もし本当に計画停電を実施したら、その時点の電力使用状況や発電所ごとの詳細な供給力の検証結果を公表しなければなりません。すると、関西電力のデタラメな供給体制が明るみに出て社会問題になるのは必至です。

原発に代わる再生可能エネルギーの潜在力


県内の潜在的導入可能量は、太陽光発電で149万kW、陸上風力発電267万kW、小水力発電は4万kW、地熱発電は2万kWで、合計422万kW以上もあり原発の4基分に相当します。実現するために克服すべき課題もありますが自然エネルギーの宝庫・兵庫県は未来に希望がいっぱいあります。


(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

山下参院議員とガチで語り合う

若者のエネルギーで政治を前へ


日本共産党兵庫県委員会と日本民主青年同盟兵庫県委員会が「山下よしきvs.若者ガチトーク」を7月28日、神戸市長田区のピフレホールで開き、120人が参加しました。

山下参院議員は、若者を非正規雇用でもののように使いすてた「小泉改革」に対し派遣村などで広がった連帯が参院選で爆発、若者の力が政権交代を実現したこと、しかし、あっという間に民主党が願いを裏切ったものの国民の政治を前に進めるエネルギーは変わっていないと強調しました。

その上で、▽なぜ政権交代したのに政治の中身は変わらなかったのか▽原発再稼働、消費税、オスプレイ配備などの問題にみられるように大企業本位、アメリカいいなりという2つのゆがみをただすエネルギーが全国に満ちていることに確信をもつこと▽古い政治を抜け出したらどんな未来が開けるのか語り合うこと―の3点を提起し、政治の行き詰まり打開へ、いっしょにパワーアップしようと呼びかけました。

“トークバトル”では

青年「まちの喫茶店など、中小零細な業者は消費税を転嫁できないのですが、日本共産党はどう解決しますか」

山下「消費税は売る側も買う側も大変な税金。いきつけのお店でも声をかけて、いっしょに増税反対の声を広げましょう」

青年「国会議員も自らの身を削れ、という意見もありますが、日本共産党の立場は?」

山下「定数削減は反対です。国民と国政をつなぐパイプが細くてよいわけはありません。議員歳費削減については、民主や自民が言っているのは消費税増税をするためです。日本共産党は増税とリンクしない歳費削減を主張しています。また、政党助成金をまずやめるべきです」―などの応答がありました。

小学校6年生の「野田首相は消費税増税で国民の信を問うといっていますが、投票もせずに決めたらうそになります。国民投票をしたらどうでしょう」との質問に、山下議員は「昔、税金は王様が勝手に決めて取り立てていました。それはいけない、自分たちの代表が税金の取り方を決めようということで、できたのが議会です」「信を問うというなら増税法案を通す前に選挙をすべきです。もし増税法案を通しても、実施は2015年から。その間の衆院選・参院選で日本共産党を大きく伸ばして、増税をひっくり返しましょう」と訴えました。


感想文には、「雇用について悩んでいましたが、頑張ろうという気持ちになりました」「山下さんのおかげで新しい展望が開けたように思いました。今の日本でそういうことができるのかと驚きました」「在日米軍はなくせそうな気がしました」など積極的な感想が寄せられています。

また「きょうは小さい子どもから年配の人までおられ、若い人だけでなく広い世代に受け入れられている政党なんだなと感じました」という感想や、12歳の少女からの「働くことがほんとうに辛いんだと感じました。いま政治がすごく荒れているので、共産党の方の力で政治を変えていただきたいです。消費税は上げないように頑張ってくださいお願いします!」と真剣な願いも寄せられています。


この日、学生1人が入党。17歳の青年が民青同盟に加盟しました。

(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

レッドパージ兵庫訴訟結審

原告最終陳述:犠牲者の名誉回復は国の責任

10月24日判決



レッドパージ兵庫訴訟の第4回控訴審が7月25日、大阪高裁第2民事部(西村則夫裁判長)でひらかれました。傍聴者約60人が見守るなか原告3人が最終意見陳述、佐伯雄三弁護団長が最終準備書面の口頭弁論をおこないました。裁判長が結審を通告し、判決は10月24日です。62年前の占領下、労働組合の中軸だった共産党員が一方的に解雇され、家族ともども極貧生活に追いやられた問題で、国に名誉回復と損害賠償を求め控訴審で闘っているのは、川崎義啓さん(95)=旭硝子、安原清次郎さん(91)=川崎製鉄(現JFEスチール)、大橋豊さん(82)=神戸中央電報局、の3人です。

各人が裁判長を見すえて陳述。「いまも私の解雇がレッドパージによると認められていない。認められるまで死ねません」(川崎さん)、「5人家族の世帯主だったが、解雇後の求職もレパ犠牲者を採用する会社はないと職業安定所に拒否された」(安原さん)、「職も生活も奪われた体験は法廷でいくら主張しても足りない。憲法と世界人権宣言に基づく判断を」(大橋さん)

佐伯弁護団長は地裁判決が事実に基づいていないと主張。レッドパージがアメリカ占領政策を背景に日本政府と財界が、ポツダム宣言やハーグ陸戦条規など国際法を無視し強行した違法なものだったと述べたうえで「犠牲者の被害は甚大。政府や国会は名誉回復と損害補償の責任がある」と強調しました。


(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

兵庫労連 8人が最賃生活体験

食事抜き、医者に行けず:「健康で文化的」にほど遠く


「人間らしく生活できる最低賃金制度を」と1000円への引き上げを求めている兵庫労連(津川知久議長)は、ことしも最低賃金体験者を募り、8人が6月9日から1週間時給739円(兵庫県最低賃金)で暮らしました。憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」とかけ離れた実態が明らかになりました。

体験は「1日8時間週40時間、1カ月176時間働いた」と仮定。税金や社会保険料、住居共益費、水道光熱費、通信費、家具・家事用品費、被服費を先に差し引いた残額を計算し「1週間所持金8097円」で実施しました。

体験後8人は「最賃日記」を提出。ほとんどの人が食費で苦労。朝食や夕食を抜いたりスーパーで割引になるのを待って食材を購入するなど。交通費は通勤費が支給されていない場合や仕事以外で出かけるたび出費になります。医者にもかかれず、親睦会も不参加。

その結果、所持金内で生活できたのは1人だけ。初日で超過した人もいます。

兵庫労連最賃担当の中村伸治事務局次長は「労働組合の集会に参加すると赤字。その前に組合費も払えない。地域の祭りにも行けない。もし最低賃金が1000円だったら、6人がクリアできた」と語っています。

体験最終日の最賃ボーリング大会には、62人が参加。最賃引き上げを求め、運動への結束を確認しました(写真)。

(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

日本トムソン正社員化裁判:最高裁が上告不受理決定

「裁判所の役割果たせ」原告抗議


JMIU日本トムソン支部の組合員9人が解雇撤回と正社員化を求めていた裁判で、最高裁判所は原告側の上告から約9カ月、口頭弁論をひらかないまま7月13日、上告不受理の判決を出しました。

日本トムソン姫路工場で、偽装出向、違法派遣のうえに期限前に解雇された労働者が09年4月、神戸地裁姫路支部に提訴。11年2月の判決は会社の雇用責任を否定しましたが、違法派遣を認め慰謝料1人50万円の支払いを会社に命じました。

しかし同年9月の大阪高裁は、会社の違法を容認し慰謝料支払い命令を取消す判決を出しました。

最高裁決定に対し労働組合、原告団、弁護団は7月24日、声明を発表。「控訴審判決を是認し、裁判所としての役割を果たさなかった」と怒りをこめて抗議しています。



写真:報告集会で「勝つ根拠はある。高裁判決が新しい出発点になる」と挨拶する大橋さん


(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

オスプレイ配備計画撤回求め緊急岩国集会

兵庫県からも参加しパレード


オスプレイ配備反対緊急岩国集会(実行委員会主催)が7月22日、山口県岩国市役所前公園でひらかれ、全国から1100人が参加しました。

実行委員会が集会開催を発表したのは6月29日でした。垂直離着陸機オスプレイ配備計画は日米両政府によって強引に進められ、集会翌日23日未明、岩国基地に搬入という緊迫した事態のなかでひらかれました。

兵庫県平和委員会からは14人が同日朝、マイクロバスに同乗し、岩国へ向かいました。

集会では、主催者を代表し吉岡光則実行委員長(住民投票を力にする会代表)が「オスプレイ配備をなんとしても阻止しよう」と挨拶。日本共産党の井上哲士参院議員、前田政明沖縄県会議員らが連帯の挨拶をしました。

また地元や中国・四国代表も次つぎ決意表明をしました。参加者らは「オスプレイ配備計画の撤回。傍若無人の低空飛行訓練の即時中止」を求める集会アピールを採択。JR岩国駅までパレードしました。


(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県平和委員会が定期総会

沖縄・岩国の闘いに連帯


兵庫県平和委員会(代表理事=梶本修史・西澤慎)の定期総会が7月28日、神戸市総合福祉センターでひらかれ、理事や会員ら約30人が参加しました。

冒頭、日本平和委員会の千坂純事務局長が「いまこそ安保を語り広げる平和委員会の出番」と題し、記念講演しました。

千坂事務局長は「創立63周年をむかえた平和委員会が、平和な日本・アジアをめざす大運動の牽引力になってきた」と指摘。オスプレイ沖縄配備問題では「安保をとるか、国民の命をとるか、ぎりぎりの選択を迫られている」と述べました。

活動方針では沖縄・岩国の闘いとの連帯を確認しました。


(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

映画大学 山田洋次監督が講演

監督50年、新作への思い

小津作品モチーフの「東京家族」


第41回映画大学(全国映連主催)が7月27日から3日間、明石商工会議所ホールで開かれ全国から集まった約120人が映画監督ら7人の講演を聞きました。

2日目は昨年監督生活50年をむかえ、最新作「東京家族」を撮り終えたばかりの山田洋次監督が講演しました。

「東京家族」は、山田監督が「世界映画史上ベスト10に必ず入る作品」と絶賛する小津安二郎監督「東京物語」(53年)の骨格をそのままに、現代に置き換えて、田舎で暮らす老夫妻と、東京の息子や娘一家との生活を描きます。公開は1月です。

「深い真実のあるストーリー。小津さんの呼吸を聞くような、体温を感じるような思いでこの映画を作った。あらためて勉強になった」と語る山田監督。昨年、撮影開始直後に東日本大震災が発生。「このまま何事もなかったかのように作りつづけられない」と撮影を中断、ことしになって再開し、震災体験を書き加えたと紹介しました。

山田監督は映画のデジタル化に言及。「安上がりの一点で、現場に相談もなく進められている。映写技術や人材が消えてしまっていいのか。大事なモノが失われていないか。原発問題も同じではないか」と語りました。

(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

第45回兵庫県平和美術展

社会問題を絵や書で表現


平和をテーマに、第45回兵庫県平和美術展(県平和美術協会・実行委員会主催)が7月25日から1週間、県民会館アートギャラリーでひらかれ、200点余の作品が並びました。

東日本大震災の被災地へ寄せる思いや、原発再稼働への怒りを表現した作品もありました。山本真理奈さんは黄金色に輝き渦巻くように力強く泳ぐ魚群を描いた「生命力」を出展しました。西澤慎さんは「十重二十重首相官邸包囲せる二〇万の声騒音という」などの短歌を書にしました。

岩田敏朗さんは立体作品で「孤独死に向き合う」「絶望に光を」、日本画の「光が見える」ほかを制作。「作りながら孤独死問題をしっかり考えてみたかった」と語りました。

実行委員会事務局の宇山英樹さんは「ことしは初参加が多く、若い人の出展も増え、来年以降も楽しみです」と話しています。


(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

アメリカにものが言えない


段 重喜

(2012年8月5日付「兵庫民報」掲載)