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2012年5月27日日曜日

日本共産党の「経済提言」に広がる共感

日本共産党が発表した「消費税に頼らない別の道があります」という「提言」に共感と支持が広がっています―堀内照文・衆院比例予定候補とともに各地で懇談を続ける金田峰生・国会議員団兵庫事務所長(参院兵庫選挙区予定候補)がレポートします。

たつの市の西田市長(中央)と懇談する(左へ)堀内氏、金田氏(市長の右隣りは堀譲たつの市議)

消費税に頼らない道がある

日本共産党国会議員団兵庫事務所長 金田 峰生

「がんばってや、頼むで!」

      ――商店街から激励


有馬道商店街、水道筋商店街、大安亭、鯉川筋そして東山市場…。神戸市内の主だった商店街を地元の小選挙区候補や市会議員らと軒並み訪問している堀内候補。どこでも「ウチらみたいな小さい店は、お客さんから消費税なんてもろうてない。10%になったらどうやって納めたらええの」「10%になったら店を畳まなアカン」という声を聞いています。

かつて15%の物品税がかかっていた貴金属を扱うお店でも、「消費全体が落ち込んでいきましたので、その影響をモロに受けて、全然ダメ」。駆け込み需要が期待される工務店も、「工事に取り掛かるのはその後で、材料費などは増税分がかかります。その分は、当然店の持ち出しです。そのうえ、駆け込み需要の反動で、そのあとは仕事が減ってええことなんかありません」。

「花は贅沢品だから不況でどんどんつぶれている」という生花店の嘆き。花を贈ろうとか、部屋に一輪、花を挿してみようかというゆとりさえ奪うような政治が、明るい未来をつくれるでしょうか。「年金暮らしの人に消費税をくれとは、よう言いません」という洋服店や和菓子屋。商店街がつぶれるようでは、暮らしも地域も文化もつぶれます。その損失は計り知れません。

地域、住民のことを考えれば

      ――保守の首長も一致


各自治体の首長や幹部職員とも有意義な話ができています。

相生市は、開発予算を削り、子どもの給食費無料化を実現するなど、子育て支援策の充実によって母子手帳発行数が10年ぶりに増加し、人口減少にブレーキが掛かりました。福崎町は納めた税金が住民福祉などにしっかりと使われているからこそ、納税率は県内トップです。優遇策はありませんが、中堅企業が定着し、法人税収も安定しているといいます。

たつの市の西田正則市長との懇談で堀内候補が、「消費税に対する考えの違いはあっても、増税ストップの一点で一致できるのではないでしょうか」「景気回復のためには内需拡大がカギであり、その要が雇用だと思います」「たつの市は素麺、醤油などの地場産業、瀬戸内から山間部まで、農林漁業も盛んで、こうした豊かな条件を活かし、応援する政治が大事だと考えています」と発言。

これに対し、市長は随所で「おっしゃる通り」と応じ、「大企業呼び込み型の産業政策は破綻している」「消費税増税は間違いだ。増税した瞬間は税収が増えるかもしれないが、その後が続かなくなる。場当たり的で刹那的な政治はダメだ」と一致。その後は互いに、地域のこと、これからのことを話し合い、実り多い懇談となりました。

西田市長は「安心と希望、それが政治だと思います」と語られました。まじめに地域や住民のことを考えると、保守の人も日本共産党と同じようなことを思うようになり、共同できるし、「提言」の方向性が自治体の実践で現実的であることが示されています。

現場を知っている共産党

      ――団体幹部から評価


ある教育長は、「個人的見解」と断った上で、「消費税増税は認められない」と表明。国民とかけ離れた政局運営を厳しく批判し、「そういう国会の状況を小学生の学級会と揶揄するのは、子どもたちに失礼だ」と述べました。

西播磨のある郵便局長とはTPPで外資が郵便株を取得したら郵便局はなくなるとの見方で一致しました。

商工会などは「絶対に反対」を表明。中には「動かない民主党に対し維新の会は動いている。その点は評価できる」など見解を異にする場合もありますが、そういう人でも「民主党も自民党も現場を知らな過ぎる」「一番よく知っているのは共産党だと思う」と述べ、「消費税増税に道理なし」という点でしっかり一致します。

農協や漁協の幹部とは消費税でもTPPでも見解は一緒です。さらに相手から「民主党は『国民の生活が第一』と言っていたのに、今は『消費税が第一』だ」「朝令暮改の繰り返しで困っている」「見通しと安定性に欠ける政治は信頼を失う」「新自由主義は最大の害悪だ」など、共感できる話がたくさん出てきます。

そして、そういう話をしていると、おのずから「財界・大企業への優遇ぶりに比べて国民生活への冷遇ぶりがひどい」「こんなにアメリカいいなりでいいのか」という話になります。

「財界べったり・アメリカいいなり」政治から抜け出すことが、まともな政治への第一歩、政治を変える本当の改革といえるということに少なからず気づき始めているところに、この国の政治を本当に変えるエネルギーを確信することができます。このエネルギーを活かし、実際に政治を前に進めるには日本共産党の国会議席を増やさなければなりません。一刻も早く一人でも広く「提言」を広め、共同を広げることが求められています。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

「経済提言」テーマに地域で集い:姫路

姫路市議 森 ゆき子

地域の党支部とともに「経済提言」をテーマに「集い」を5月20日に開きました。

支部では、総選挙に向け、日本共産党の訴えを聞いてもらおうと、3月から「消費税増税反対」などの活動を始めてました。今回の「集い」に向けても、商店街や各自治会長さんを訪ね、増税反対署名を訴え、「集い」の案内を行うと「しっかり提言を読んで勉強させてもらいます」という声も聞けました。対話できた後援会員さんの9割が増税反対。夕方にはハンドマイクで町内宣伝も行いました。

集いでは8日の「兵庫経済懇談会」での小池晃政策委員長の報告DVDを見たあと、私が企業優遇・非正規雇用拡大で暮らしが壊された例として、姫路市のパナソニック工場の問題を紹介。堀内照文衆院比例候補が作成した資料を参考に、阪神・淡路大震災では、10年後も住民が戻れず、支援が打ち切られたこと、暮らしを無視して神戸空港を復興の目玉においたことなどを説明しました。東日本大震災の復興支援に消費税が生かされるのか疑問があることを訴えると、大きくうなずく人も。党外の方4人の参加もあり、話はつきず、勇気が出る「集い」となりました(写真)。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

がんばります!衆院小選挙区候補:兵庫2区

原発ゼロへ頑張ります

兵庫2区 ぬきな ゆうな 予定候補

青年支部などが開いたつどいで挨拶する筆者

みなさん、こんにちは。

私は北区の泉台に30年居住し、3人の息子に恵まれて、新日本婦人の会で子ども・女性、平和の運動にとりくんできました。震災の年、1995年5月から日本共産党に勤務しました。党専従になって最初の仕事は北区の北部に建てられた膨大な戸数の仮設住宅を訪問して入居者のみなさんの声をお聞きすることでした。特に長田区や兵庫区からこられた方が多く、今までの地域でのつながりを全く断たれて、大変つらい思いをされていました。でも、そのなかで共産党の支部ができ「しんぶん赤旗」読者が百人をこえて、要求運動にも立ち上がられ、私はとても励まされました。災害公営住宅に転居されてからも暮らしを守る運動など私たちといっしょにとりくまれていて心強い限りです。

2005年から、兵庫・長田・北地区委員会で副委員長として活動しています。

昨年8月には福島県いわき市に10日間行ってきました。まだ放射能の線量計が一般的に出始めたころで、ニュースで知らせると「測って欲しい」と子どものいるお宅から次々要望が届きました。放射能からどうやって子どもを守ればいいのか、悲痛な叫びがビンビンと伝わってきました。

あれから1年以上たっても政府も東電も、解決もせず責任も取らない。先日のニュースでは震災と原発の影響で自殺された方が61名にのぼることが報道されていました。政府は根拠もなく「原発は安全だ」と言い、再稼働を推進。マスコミも煽り立てていますがとんでもありません。

国民の命や暮らしの安心よりも一部の人たちの利益を最優先するような政治のありようは間違っています。

兵庫2区の民主現職は「原発再稼働、早く推進を」の立場だし、公明前職は年金制度を悪くした張本人です。二人とも消費税増税・TPP賛成で自民党と同じ方向です。「原発ゼロの日本をつくろう」「消費税増税ストップ!」と本気で言えて頑張れる政党は日本共産党だけ。今回の総選挙は日本の国のあり方が問われる選挙。「国民こそが主人公」の旗を高く掲げて私たち日本共産党が力いっぱい頑張るときです。よろしくお願いします。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

来年夏の知事選へ「憲法県政の会」が総会

各界各層の運動と合流し県政転換を



憲法が輝く兵庫県政をつくる会は十六日、神戸市中央区内で第八回定期総会を開き、加入団体や地域の代表ら百人以上が参加。一年余にせまった来年の県知事選挙にむけた運動方針や政策の柱などを確認しました。

代表幹事で弁護士の前田修さんが開会あいさつ。「候補者を早く決め、政策をねりあげ、勝利にむけたたたかいを」とよびかけました。県自治体問題研究所の岡田章宏理事長の来賓のあいさつのあと、北川伸一事務局長らが、運動方針などを提案しました。

冊子『ウィーラブ兵庫』の発行、選挙1年前の「決起集会&宣伝行動」(7月7日)、「県政学習・討論集会」(11月18日)など今後のとりくみ、候補者選考についての経過と到達点を報告。「各界、各層の県民運動と合流し、県政転換を実現しよう」とよびかけました。

大震災と原発事故、貧困と格差のもとで、県民の要求実現をめざす県民運動が広がり、暮らしを守る施策が市町で前進していること、県民に冷たい井戸県政が県民と市町との矛盾をひろげていることなどが報告され、2013選挙にむけた政策アピール(第1次案)が提案されました。代表幹事の田中耕太郎さんが新役員を提案。代表幹事で神戸女学院大学教授の石川康宏さんがリニューアルするホームページを説明し、IT機能を活用した県民への発信の強化をよびかけました。

討論の後、最後に、代表幹事で医師の武村義人さんが閉会あいさつ。「がんばろう」の唱和で、来年の知事選にむけた決意を固めあいました。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

兵庫・長田・北の青年のつどい

「貧乏でも学べる」社会へ、宮本たけし衆院議員が展望語る



兵庫区・長田区・北区の青年支部や民青同盟でつくる実行委員会が、日本共産党の宮本たけし衆議院議員を迎え、つどい「貧乏人でも学びたい―国会議員に直訴する」を5月20日、神戸・北野の海外移住と文化の交流センターで開催しました。

実行委員長の清水彩さんが、自身の奨学金の返済の状況を告発。「325万円借りた奨学金の完済まであと10年はかかる。大学を出て、すぐに借金を返さないといけない社会はおかしいと企画しました」と報告。

宮本氏は約1時間にわたり講演。自身の国会での経験も交えながら、日本の高学費の異常や「教育ローン」化している奨学金制度の異常、そしてアメリカ・大企業中心の政治を切り替えてこそ、異常を正す道が生まれると指摘しました。

質疑応答では、「すべての大学の学費を無償化できるか?」「学生のシューカツ異常はどう考えていますか?」など多岐にわたる質問に宮本氏はていねいに答えました。

参加者は「日本がいかに世界の非常識かがわかった。自分の子どもが学生になるころには制度を変えたいと思った」などの感想を寄せています。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

学問講座:異常な「就活」と働き方変えるたたかいに

学問講座で森岡関西大学教授が呼びかけ



民青同盟などでつくる学問講座実行委員会は5月19日、関西大学経済学部教授の森岡孝二教授を招いて、講座「学生の就職実態とまともな働き方」を兵庫勤労市民センターで開催しました。

森岡氏は、就職活動中の学生の自殺が増えていることや、就職後も、8時間を超えて働かせてもよいという「36協定」の存在など、そもそも働き続けることのできない実態があると告発。こうしたもと、就職に備えて「社会常識」「基礎知識」「専門知識」「労働知識」の4つのスキルを身につけ、まともな働き方を守らせるたたかいに参加しようと呼びかけました。

就活中の立命館大生も実態を報告しました。

民青同盟の力重智之県委員長は、ILO総会に向けとりくんでいる雇用アンケートと就活実態調査について報告し、引き続き5月30日に開かれるILO総会に向けて声を集めようと呼びかけました。

参加者からは「就活で自己分析する中で“自分にはいいところがない”と思わされているところがひどい」などの感想が寄せられています。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

灘区後援会:原発推進テーマパークに唖然

大飯原発再稼働許すな


筒井哲二朗衆院兵庫1区予定候補(写真中央)も参加しました

灘区後援会がバスツアー神戸市の日本共産党灘区後援会は5月19日、「大飯原発再稼働反対バスツアー」を行いました。

福井県までの車中では、「原発ゼロ 市民・地域主導の自然エネルギーで持続可能な社会を」と題し、神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会の廣岡豊氏を講師に学習しました。

渡邊高浜町議(左)の案内で高浜原発を
視察する(左から)味口市議と筒井候補
高浜町では青郷公民館で日本共産党の渡邊孝町議から「若狭の原発15基の40年、そして今」をテーマに報告を受け、原発マネーが地元自治体や議会をゆがめているなか、おおい町の猿橋巧町議とともに奮闘されている姿に、参加者も感動しました。また、渡邊町議の案内で高浜原発を視察しました。「4基がこんなに密集しているのか」と参加者からは驚きの声が出されました。

大飯原発そのものは「テロ対策」ということで視察できないので、近くにある「関西電力大飯発電所エル・パークおおい『おおいり館』」を見学。さながら原発推進のテーマパークである同館のビデオや説明に参加者は唖然としました。

「原発をクリーンなものと描くやり方は、福島原発事故の教訓を踏まえてない」「今さら、止める・冷やす・閉じ込めるとは、ひどい話だ」「学んだことを生かし、灘区で原発ゼロ運動を広げよう」と決意を新たにする取り組みとなりました。(味口としゆき=神戸市議)

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

神戸港湾労働者アスベスト行政訴訟

高裁判決被害者救済せず控訴棄却


神戸港で22年間、アスベストを扱う船内荷役作業に従事し、肺ガンを発症した松本博さん(78)が、国を相手どり、労働災害保険休業補償費の不支給処分取消を求めている控訴審で、大阪高裁第14民事部(田中澄夫裁判長)は5月11日、控訴棄却判決を出しました。

争点は労災保険法の時効成立起算点です。原告は、健康管理手帳を取得した06年7月が起算点であり、休業補償を請求した07年9月時点では時効は消滅していないと主張。

これに対し国は、松本さんが肺ガンを手術した97年8月を起算点とし、休業補償請求時点で時効が成立するとしています。

高裁判決は「石綿関連疾患は潜伏期間が長いうえ、肺ガンが石綿曝露による特異的な疾患でないため、発症から直ちに業務起因性を覚知するのは不可能」としながらも「請求権の時効成立」とした昨年9月の神戸地裁判決を追認しました。

野上真由美弁護士は「業務起因性を認識し得たときから時効進行するとした点は一歩前進。しかし私たちは、認識し得たでは足りず『業務起因性を覚知したときから』と主張しており、その点が認められなかった点は問題。石綿の被害について原審より一歩理解が進んだけれど、被害者救済にはほど遠い」と指摘します。

松本さんは「時効2年は短すぎる。石綿被害者の苦しみを知ってほしい」と言います。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県原水協総会

12年度運動計画提起:新署名共同広げ全県民へ


「核兵器廃絶運動や原爆展が国際社会で
求められている」と述べる
土田弥生日本原水協事務局次長
原水爆禁止兵庫県協議会(津川知久筆頭代表理事)の12年度第1回理事会(総会)が5月19日、兵高教組会館でひらかれました。

オーストリア・ウィーンでの核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議第1回準備委員会要請団に、兵庫代表として参加した橋本銀河さんが報告。「核兵器廃絶を求める声が世界の大多数だと実感した。日本政府の姿勢をみなさんと一緒に変えていきたい」と述べました。

日本原水協の土田弥生事務局次長が「核兵器全面禁止へ力をあわせて」と題し記念講演をしました。橋本さんを含む、日本原水協要請代表団20人の活動を報告。国際社会が核兵器禁止へむけ拘束力のある合意と実行で一致するよう、過去最多15カ国の代表に要請した内容を紹介し「圧倒的多数の国が核兵器廃絶を支持している。これまでの運動に確信をもち国際署名と原爆展を広め、原水爆禁止世界大会を成功させよう」と訴えました。

総会では梶本修史事務局長が運動計画を提案。「核兵器全面禁止のアピール」国際署名を全県民対象に、世界大会までに10万筆、15年NPT再検討会議までに50万筆を目標としあらゆる分野、団体、地方議会など、かつてない共同を広げようと強調しました。

また世界大会へ、広島300人、長崎30人の代表派遣をめざすとりくみ、非核「神戸方式」を守り、全国に広げる運動を確認しました。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

九条の会県医師の会:益川敏英さん講演

「憲法擁護の声 顕在化を」


「原子力は危険と明言すべき」と
語る益川さん
ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さん(名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長・特別教授など兼任)を講師に招いて、九条の会兵庫県医師の会市民講演会が5月20日、県農業会館でひらかれ、約300人が参加しました。

益川さんは「クォークの世代数を予言する対称性の破れの起源の発見」で08年、南部陽一郎さん、小林誠さんとともに受賞しました。益川さんは「9条科学者の会」呼びかけ人の1人です。

講演は司会2人の質問に答える形で進行。9条科学者の会に誘われたとき「みなさんの足手まといにならないようついて行く」と書いたが、次第に「もう少し前を歩かないとダメかなと思うようになった」と述べました。

「改憲の動きが、私たちの知らないところで日常的に起こっている。奥深い目論見が、新聞の隅の小さな記事から見えてくる。いま危ないところに来ている。改憲に賛成か反対かを問われるのを待っていてはダメで、改憲の是非を問うこと事態つぶすくらい、憲法を守る声を顕在化させよう」と語りました。

名古屋大学の恩師の坂田昌一さんから学んだ、唯物弁証法の視点が物理学にとっても有益とし「科学者も科学の知識をもちながら、子どもや家族をもつ生身の人間として、世の中のことを考えなければならない」と述べました。

また京都大学当時、職員組合の書記長を務め、住民らが原発建設反対を闘う久美浜町に2回、現地調査で入った経験も語りました。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

NPT準備委員会要請団リポート(2)

署名154万筆を議長に提出

橋本 銀河

ウールコット議長(左から3人目)に署名目録を手渡す代表団

私は、4月30日からオーストリア・ウィーンで開会の12年核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議第1回準備委員会への日本原水協要請団(20人)に、兵庫県原水協と兵庫県民医連の代表として参加しました。

最初に、みなさんから預かった「核兵器全面禁止のアピール」署名について報告します。

154万7979筆にものぼる署名と、全国929の市町村長、副市長、地方議会正副議長の署名は、準備委員会のピーター・ウールコット議長(オーストラリア軍縮大使)に直接手渡すことができました。

この会見には日本被団協事務局長の田中熙巳さんら被爆者の方も参加し、核兵器廃絶への努力を求めるメッセージを手渡しました。

ウールコット議長は、翌日の準備委員会冒頭で、4人の被爆者に会ったこと、核兵器のない世界を求める市民社会の声を受けとったことを報告し、草の根の活動、署名や被爆の実相の普及などの重要性を強調しました。

準備委員会会場前で橋本銀河さん(前列右端)たち日本原水協代表団

準備委員会開会日の30日、会場のウィーン国際センターの1階ホールで原爆展をひらきました。

この原爆展は、国連とオーストリア政府の協力を受け、日本原水協、日本被団協、国際平和ビューロー(IPB)が共催しました。

広島・長崎の被爆の全景写真のほか、日本被団協の組写真パネル「原爆と人間」、原水爆禁止世界大会の写真、日本原水協がとりくんでいる国際署名「核兵器全面禁止のアピール」ポスター、被爆者の遺品や折鶴を展示しました。

オープニングセレモニーにはオーストリア政府のアロイス・クラウト国連常駐代表代理、マレーシア政府のラジャ・レザ・ラジャ・ザイブ・シャー代表、ブレイネス・インゲボルグIPB会長やヨーロッパの青年団体「核兵器禁止時代」のニナ・アイゼンハートさんらが挨拶しました。

100人を超える人びとが集まり、注目を浴びました。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

兵庫障害者連絡協議会第42回総会

基本合意による新法求め


「民主党は野党だった07年9月、応益負担廃止法案を提出している」と
民主党政策の矛盾を指摘する白沢仁さん

兵庫障害者連絡協議会の第42回総会が5月20日、神戸市勤労会館でひらかれ、加盟・賛助団体代表ら約40人が参加しました。

障全協事務局長の白沢仁さんが「総合福祉法制定をめぐる最新情報と運動課題」と題し記念講演をしました。

応益負担はそのままに、障害者自立支援法を障害者総合支援法と名前を変えただけで、民主・自民・公明党が賛成し衆議院で採択。参議院へ送られた状況について、白沢さんは「基本合意がなかったかのような態度の民主党、厚労省に対し、運動で論破していこう。基本合意と骨格提言に基づく新法を求める共同行動を推進しよう」と呼びかけました。

井上義治事務局長が活動方針を説明。障害者の4つの権利(生きる権利・学ぶ権利・働く権利・政治参加の権利)確立へ、より幅広い共同を育てようと提起。新法制定へ「わたしの願い」運動を広げ国会・厚労省・兵庫県に実現を迫るとりくみなどを確認しました。

新役員には、会長=柳田洋、副会長=豊田幸博・石倉勝・中村雅宥、事務局長=井上義治の各氏を選出しました。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

北はりま教育9条の会:平和バスツアー

反原発運動と交流


久美浜の原発反対闘争を岡下宗男さんが説明
発足6周年記念行事として北はりま教育9条の会は5月13日、平和バスツアーを企画。26人が久美浜、舞鶴、高浜を訪れました。

京都府京丹後市(旧熊野郡久美浜町)では関西電力久美浜原発建設に、労働組合や民主団体、漁民たちが反対し、計画を中止させた31年間の闘いを、地元の岡下宗男さん(82)から聞きました。

岡下さんは、自民党が多数を占める町議会と、飲食や海外旅行はじめ、ありとあらゆる手段を使う関西電力の懐柔工作に抗し、長い闘いを続けられたのは「住民の連帯と女性たちの力」と語りました。

関西電力高浜原発
一行はその後、舞鶴引揚記念館を見学し、福井県高浜町へ向かいました。若狭たかはまエルどらんどは関西電力高浜原発の広報施設です。パンフレットには「東日本大震災後の対応として地震や津波対策をおこなった」と書かれていました。

「この記述は再稼働への布陣」と指摘する同9条の会事務局長の稲次寛さんは「やっぱり原発はアカン。原発ゼロを継続すべきだと痛感。久美浜の闘いをぜひ授業で活かしたい」と語っています。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

NHK問題を考える会:経営委員長の辞任申し入れ

数土文夫NHK経営委員長が東京電力の社外取締役を兼職する問題で、NHK問題を考える会・兵庫(貫名初子代表)は5月18日、NHK神戸放送局(長崎康裕局長)に、数土氏の経営委員長辞任を求める申入書を提出しました。

同会は「公共放送の使命について自覚と資質に欠ける」と強く抗議しています。

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

再稼働を許すな


間 康成

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

5月5日に稼働している原子力発電がゼロとなり、大飯原発再稼働が問題になっている時「大飯原発見学ツアー」に参加した。大島半島の先端に立地している大飯発電所は「テロ対策」を口実に立ち入り禁止、トンネル手前の施設「エル・パークおおい」での見学に▼「地震や津浪が来ても電源は大丈夫」「万一の事故に備え水や氷を準備」「コンクリート壁は高圧でも大丈夫」など、「安全神話」を前提にした説明を「たっぷり」聞けた。質問したくともその時間・雰囲気なし。移動中に女性スタッフに質問しても「私何もわかりません」と困惑した表情▼翌日、地元共産党地区委員長の山本雅彦さん(元原発労働者、原発問題住民運動全国連絡センター・代表委員)から大飯原発3、4号機の再稼働問題について説明を受けたが、その日地元大飯町議会全員協議会で「再稼働」の結論が。反対は共産党の議員一人とは。莫大な交付金に頼り、政府・財界・電力会社からの強い圧力が感じられる▼関電は今夏の電力不足が14.9%としていたが、5月15日には5%と訂正。原発が無ければ本当に電力不足が起こるのか? 今こそ自然エネルギーへの転換が求められる。(N)

(2012年5月27日付「兵庫民報」掲載)