粟生線の未来を考える市民の会
活性化につながる企画考え
「粟生線の未来を考える市民の会」の結成総会が4月14日、小野陶遊館アルテで開かれ、36人が集まりました。市民の会は昨年11月に準備会を立ち上げ、会員が100名を超えたところで「準備会」の文字をはずし発足。その後、月2回程度の世話人会を開き、活性化につながる企画などを考えてきました。現在会員は166名で300名の会員を目指しています。
結成総会会場へは、あらかじめ申し合わせた粟生行き列車の1両目に参加者のほとんどが乗り合わせ、わいわい語らいながら粟生駅に向かいました。このように市民の会の企画は粟生線を利用することを前提にしています。
総会ではNPO法人公共の交通ラクダ(RACDA)の岡将男理事長が「粟生電車の未来は日本の未来だよ」と題して記念講演。『脱原発の市民戦略』という著書もある岡氏は、「公共交通を使うことが脱原発への近道だ」と指摘。ドイツで行われている脱原発の流れの中で、省エネルギー社会の実現に、公共交通が必要不可欠になっていることも紹介しました。
その後、ワークショップとして、「粟生線が廃線になった時の最悪のシナリオ」「粟生線が存続して町が活性化していく最高のシナリオ」「活性化のための自分が出来る勇気ある行動」という項目で参加者全員で、ディスカッションを行いました。
総会終了後の交流会は再び粟生線に乗って三木市まで戻り、花見弁当を食べながら。時間いっぱいまで交流・討論を行いました。
(板東しょうご・三木市議)
公共交通・神鉄粟生線/沿線住民の足を守る会
「住民が主役」の活動で
神戸市西区で「公共交通・神鉄粟生線/沿線住民の足を守る会」が結成され、総会を4月21日、桜が丘ジョイフル集会室で行い、48人が集まりました。
この会を準備した呼びかけ人代表の村主重太郎さんが挨拶、三木市、北区の住民の会から連帯の挨拶、ふるさと線を守る東日本連絡会からも挨拶があり、呼びかけ人で準備した、経過報告、会則、役員、当面の行動方針が提案され、質疑・討論の後承認されました。
経過報告では、粟生線“廃線”危機の経過や、1936年開業の粟生線敷設に用地を無償提供して住民が協力したこと、自治体や神鉄、学者、住民代表でつくられている「活性化協議会」が、自治体主導で運営され限界が見えること、神鉄が駅トイレ撤去や志染・粟生間のダイヤを1時間1~2本に削減しようとしている姿勢を批判、粟生線を守る活動を「住民が主役」でおこない、便利で利用しやすい公共交通を望む声にこたえようと訴えられました。
当面の行動計画では、神鉄や兵庫県、神戸市に住民の要望を伝え、要望が強い「敬老・福祉パス」の神鉄への適用、利用促進のための駅前整備や、駅までの足として福祉バス、コミュニティバス運行の検討を求めること、他の住民の会との連係・交流、専門家との連係などを決めました。
参加者からは「敬老パスを神鉄でも使えるように要望を強めてほしい」「海上アクセスに158億円も投入するなら、毎日利用する神鉄にもっと支援をすべきだ」「神鉄の姿勢に疑問を感じる」「バス輸送では代替できない」など活発な意見が相次ぎました。
(松本勝雄)
(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)