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2012年4月22日日曜日

KOBEムダ遣いウオッチング

神戸・市民要求を実現する会


4月14日、神戸・市民要求を実現する会は、神戸市政のムダ遣いウォッチングツアーを開催し、40人が参加しました。神戸市政の実態を市民とともに学ぶ・神戸市政連続講座のフィールドワークとして開催されたもの。神戸空港ターミナルと海上アクセス、ポートアイランド(第2期)にある医療産業都市関連の実験施設や県立こども病院移転候補地を見学。日本共産党の森本真、山本じゅんじ両神戸市会議員が同行しました。(文:前田明)

A:中央部の緑地が県立こども病院移転予定地、その左のガラス張り円筒形の建物が破綻した財団のビル

神戸空港:土地売却は予定の5%


B:神戸空港
一行は、ポートライナーに乗り神戸空港島に向かいました。空港の駅前広場でツアーの説明パンフレットをうけとってオリエンテーション。山本市議が「午前中の雨とうってかわって快晴、神戸のムダ遣いの施設が見渡せる絶好の日和です。ぜひしっかり見てください」とあいさつ。

「ストップ!神戸空港」の会の北岡浩さんの案内で神戸空港のターミナルビルの屋上に登ると、2500m滑走路と、空港島の様子が一望できました。屋上では飛行機の離発着を見学する客がけっこういました。

屋上からみえる空港島の様子は、まだ工事中の箇所もちらほら。売却されたのは予定のわずか5%で、それも3~5割引きのバーゲン価格。売却収入は約2000億円の借金の利子にもならず、新たな借金で返済する自転車操業状態です。

スカイマーク社の飛行機の出発が遅れたらしく、わずか20分の間に4機つづけて飛行機の離陸を見学できました(写真B)。

北岡さんの説明では、神戸空港の利用客は昨年度で需要予測の6割程度。着陸料収入だけでは管理経費がまかなえず、兵庫県の補助金や市の一般会計からの支援、さらに昨年から特別会計の支援もはじめました。「着陸料収入で運営」「独立採算で市民に負担をかけない」といっていた約束は完全に反故にされているとのこと。

海上アクセス:110人乗りにわずか5人


C:海上アクセスの高速艇
神戸空港の巡回バスで、海上アクセス社の高速船ターミナルに到着。巡回バスは普段はほとんど客が乗らないらしく、私たち見学者で満員となり、運転手がびっくりしていました。ターミナルも閑散としてました。

ちょうど、関西空港から高速船が到着。ツアー参加者で乗降客数をかぞえました1、2、…。110人乗りの船から降りてきたのはわずか5人!(写真C) さらに、乗った人は1人。

あまりにも拍子抜けの人数にツアー参加者の発言から「土曜日にもかかわらずこの利用者では赤字になって当然」「神戸市に土地もタダで貸してもらって、補助金までもらう殿様商売の外郭団体はすぐにやめるべきだ」と驚きと怒りの声があがりました。この会社がかかえている158億円もの負債を神戸市負担でチャラにする計画がすすめられていることを聞き「そんな金があるなら中学校給食につかって」の声も。

医療産業都市:市・外郭団体のテナントビル多く


D
空港島からポートライナーでポートアイランド(第2期)の医療センター前駅まで引き返すと、森本市議が出迎えてくれました(写真D)。駅に隣接するビルの展望ロビーから見る都市の様子は、駅の周辺には大きな建物もありますが、かなり大きな空き地が点在しています。

森本議員の説明では、震災後に売れ残ったポートアイランド(第2期)の土地を処分するため「復興プロジェクト」の一つとしてはじまったのが「医療産業都市」。神戸市は200社が新たに集積したといいますが、ほとんどが市がつくったテナントビルへの破格の家賃での入居。あのビルはどの会社のビルですかとの質問に「あれは神戸市の外郭団体」「そっちのビルの土地は神戸市が買ってます」との回答。

参加者からは「けっきょく、神戸市の土地を神戸市が買ってるだけじゃないか」との声が上がっていました。

駅にもどって動く歩道「ムービングウォーク」をつかって市民病院の入口まで見学しました。歩道の両側には桜が残っていて参加者も花見気分。

市民病院の向かい側には、昨年5月にオープンしたばかりですでに経営難で破綻した民間財団のテナントビル(写真上A左手前の円筒形建物)があり、その隣に同じ財団が計画している海外の医療ツーリズム目当ての病院は事業が進まず予定地には雑草が茂っています。

この財団は、土地を神戸市から無償で提供してもらい、22億円の建設費の3分の2を国から補助を受け、テナントの3分の1を国の外郭団体に入居させていたにもかかわらず破綻。

さらにこのテナントビルを神戸市の外郭団体に買い取ってもらう話も進んでいます。

参加者は「税金をどれだけつぎ込んだら気が済むのか、そこまで一つの自治体がやらなくてはいけないのか」と厳しい声があがりました。

こども病院:平和モニュメントをどけてまで


県立こども病院の移転予定地の公園(ポートアイランド中央緑地=写真上A中央部分)に到着。花見をしているお年寄りや、子ども連れで遊びに来ている若いお母さんたちが数人、春の日差しをたのしんでいました。

中央緑地は4.2haもある市内でも有数の公園で、敷地内には幾筋もの小川が流れ、川岸には季節の花々が咲いており、災害時には生活用水としてつかうことも計画されています。

県と神戸市は、この緑地の大半をこわして、こども病院を須磨区から移転する計画です。ある参加者は「この公園には、宝石翡翠の鳥といわれるカワセミを見によく来ていました。この公園をつぶすなんて」とため息をつきます。

緑地の中央には平和を願う市民の募金によって建設された「平和のモニュメント」が設置されています。市のホームページで、モニュメントの説明には「時代をこえて変わらないもの-それは平和です」とあります。

医師会や患者の家族など多くが反対している県立こども病院の移転計画は、ぜったいに許せません。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

がんばります!衆院小選挙区候補:1区

誰もが幸せに暮らせるよう

兵庫1区 筒井哲二朗予定候補

消費税大増税ストップ! 4.12国民大集会にも参加(前列右から2人目)

皆さん、こんにちは。次におこなわれる総選挙で兵庫1区(東灘区・灘区・中央区)から立候補を予定している日本共産党兵庫1区国政対策委員長の筒井哲二朗です。

私は東灘区の魚崎に生まれ育ち、今41歳です。父は東灘区内の甲南本通商店街で和菓子屋を営んでおりました。また叔父の筒井もとじは、東灘区選出の県会議員として5期20年にわたって県民のくらしを守り発展させるために力を尽くしてきました。

私自身は学生時代、朝「しんぶん赤旗」日刊紙を配り、昼は大阪の郵便局で働き、夜に大阪市立大学法学部二部で学んでいました。

1998年から日本共産党神戸東地区委員会で「しんぶん赤旗」出張所長として約8年、配達・集金活動などを行う中で、国民の皆さんの暮らしの実態をつぶさに見聞きしてきました。その後2007年暮れから東灘区担当の常任委員として、党支部や後援会の皆さんとともに宣伝や訪問、選挙活動などに取り組んできました。それらの活動をつうじて、社会の中で立場の弱い人、貧しい人が幸せに暮らせるような社会をつくりたい。そのために今の国政を変えるために頑張りたいと考え、総選挙への立候補を決意しました。

政治を変えるためには、政権の担い手が変わるだけではダメで、政治の中身が変わらなければなりません。戦後の日本政治を長らく担ってきた自民党も、代わって政権についた民主党も、「アメリカいいなり」「財界・大企業中心」という二つのゆがんだ枠組みから逃れることは出来ませんでした。この“二つの害悪”を取り除き、国民が主人公の政治に切り替えてこそ、日本の未来は明るく希望あるものとなります。これを実現するためには、日本共産党が大きく躍進する以外にありません。

きたる総選挙で、比例代表選挙において650万票以上を獲得し、近畿ブロックで4議席を確保するとともに、兵庫1区でも勝利を目指して全力を尽くしたいと思います。皆さんの大きなご支持ご支援をよろしくお願い致します。



筒井氏の日々の活動、思い、見解、政策はインターネットで読めます。
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(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

消費税増税反対:生鮮食品団体

署名や議員陳情も


生鮮食料品団体が消費税増税に反対するとりくみを強化しています。

神戸市兵庫区にある「食品市場新聞社」が発行する「食品市場新聞」は、4月10日付の1面で「生鮮食品団体協議会、消費増税への対応強化」「署名運動や地元議員への陳情」という記事を掲載しています。

それによると、青果、水産、食肉など5団体で組織する「生鮮食品団体協議会」は、各団体会員からの署名運動や、地元の国会議員に陳情書を提出し、対応策を強化していると、伝えています。

同新聞は、「全国水産物卸組合連合会では、会員だけではなく、中央市場と地方市場すべての水産仲卸組合に署名を呼びかけており、5月20日までに集約する」「全国青果卸売協同組合では…今後は従業員、その家族からも署名を集める予定」などと報道しています。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

東日本大震災がれき処理で県議団が申し入れ

広域処理は住民の納得を得て


日本共産党県議団は4月12日、東日本大震災による災害がれき(災害廃棄物)の広域処理に関して、井戸敏三知事に申し入れました(写真)。

県議団は、政府の責任を厳しく指摘するとともに、住民の納得を得て、被災地以外の自治体でがれき処理を行う広域処理が必要と考え、当面、次の6点をすすめるよう、県に強く求めています。

1、県民向けの説明会を、早急に開くこと。市町にたいして、押しつけを行わず、市町自身が住民の納得をえて自主的にとりくむことを原則とすること。
2、受け入れる廃棄物は、通常の廃棄物と同程度の放射能レベル以下のものとなるようにすること。放射線は「低ければ低いほどよい」原則にたって、市町が独自基準を設けることを妨げないこと。
3、処理に関して、あらゆる段階で情報の公開を原則として、国の責任も明確にすること。
4、焼却灰の埋め立てについては、排水処理や、処分場としての安全性が確保されない限り、行わないこと。
5、行政だけでなく、有識者や住民も参加できる監視・チェックの体制をつくること。
6、セメントリサイクル事業については、災害がれきを含んだ焼却灰を使用しないこと。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

NPT準備委員会要請団:兵庫から橋本銀河さん

核兵器廃絶の声届けにウィーンへ


兵庫県原水協は、4月30日からオーストリアのウィーンで始まる核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議第1回準備委員会に、日本原水協要請団の兵庫県代表として橋本銀河さん(26)を派遣します。

橋本さんは神戸医療生協に勤務し8年。民医連青年ジャンボリー実行委員、「原発・核兵器ゼロ」をめざす兵庫の青年組織「ゼロこねっと」メンバーで、民主青年同盟兵庫長田北地区委員長です。

生まれは長崎県諫早市。小中学校とも修学旅行は広島行き。夏休みの登校日は原爆投下の8月6日と9日。平和への関心は子どものころから身近でした。

神戸で働きだしてからも核兵器廃絶署名、国民平和大行進、原水爆禁止世界大会に参加しています。

日本原水協の代表団は22人。出発までに集めた「核兵器全面禁止アピール」署名を準備委員会に提出します。現地では、各国政府代表に核兵器廃絶への具体的とりくみを要請。国連国際センターとウィーン大学で原爆展をひらく計画です。

橋本さんは「平和を願う声の積み重ねとして、たくさんの署名を届けてきたい」と話しています。

【派遣募金振込先】銀行=みずほ銀行神戸支店(普通)1002789兵庫県原水協大川義篤、郵便=01190・5・9005 原水爆禁止兵庫県協議会

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

兵庫労連・県春闘共闘がイブニングパレード

増税反対、賃上げ実現へ全力


パレードには堀内照文日本共産党衆院比例候補(左端)も参加

「すべての労働者の賃上げ」を要求の柱に12春闘をたたかう、兵庫労連と国民春闘兵庫県共闘委員会が4月13日、イブニングパレードを実施しました。

小雨のなか、神戸市役所花時計前で出発集会をひらきました。

北川伸一兵庫労連事務局長は、野田政権が自民党を巻きこみ、消費税大増税をすすめようとしていると厳しく批判。「悪政を絶対許さない。賃上げ要求実現へ春闘を全力でたたかう」と挨拶しました。

約70人が「賃下げやめろ」「消費税増税するな」「ワーキングプアなくせ」をリズムよく唱和しながら、三宮をパレードしました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

尼崎で「社会保障と税の一体改革」学習会

中止求める署名行動提起


「社会保障と税の一体改革」学習会が4月12日、尼崎市労働福祉会館でひらかれ、75人が参加しました。

尼崎社会保障推進協議会と尼崎医療生協の共催です。

講師の二宮厚美神戸大学名誉教授は「野田政権は社会保障をおとりに消費税を増税する作戦」と指摘。消費税を社会保障目的税化すると、憲法25条で保障された権利である、社会保障の応能負担原則が崩れ、共助・連帯の相互扶助へ変質すると強調。保育や福祉の市場化がさらにすすむと述べました。

尼崎社保協の堤匠事務局長が一体改革中止を求める署名行動を提起しました。参加者も発言。「東京の消費税ストップ!国民集会へ尼崎民商から代表2人が参加」「介護施設の現場は、保険料の引き上げとサービス切り下げで大変な状況になっている」と報告しました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

県弁護士9条の会総会 福島から訴え

民意に反する原発維持


兵庫県弁護士9条の会の第7回総会が4月14日、あすてっぷ神戸でひらかれました。福島県九条の会事務局長で、福島大学名誉教授の真木實彦さんの記念講演「憲法9条と原発問題」がおこなわれ、市民を含む約60人が参加しました。

開会挨拶で会代表の中尾英夫弁護士は「迷走しているのは、北朝鮮のミサイルではなく日本の政治。9条を守り、しっかりとしたシンをもつ国にしていこう」と述べました。

労働経済学が専門の真木教授は、福島に大手ゼネコンが乗り込んでいる状況や、県民の気持ちに反し原発維持へ進む政府の姿勢を批判。「国民が恒久的に悲惨な生活を強いられている。議論をつくす熟議民主主義が必要」と強調しました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

兵庫生存権裁判:医者の意見書提出へ

加算廃止が生活に影響


生活保護の老齢加算廃止は、憲法違反と訴える兵庫生存権裁判の進行協議が4月13日、神戸地裁でおこなわれました。報告集会があすてっぷ神戸でひらかれ、裁判を支援する会ほか約20人が参加しました。

松山秀樹弁護士と今西雄介弁護士が報告。老齢加算廃止が原告らの生活に及ぼしている具体的影響について、医者に意見書を依頼すると説明。「審理をつくすため腰をすえてとりくむ。やれることをすべてやる。公正判決を求める署名1万筆を集め、裁判所へ届けよう」と述べました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

県AALA50周年 神田米造さん講演

世界に学び日本を変える

「日本はこのままではアジアで孤立する」と語る神田さん

兵庫県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(貫名初子会長)の結成50周年記念学習講演会が4月15日、県中央労働センターでひらかれ、約70人が参加しました。

貫名会長は「半世紀を振り返ると、紆余曲折あったが、1度も挫折することなく兵庫県AALAの歴史を築いてきた。みなさんの協力があったからこそ」と挨拶しました。

日本共産党中央委員会国際局次長の神田米造さんが「世界の新しい動きと日本AALAの役割」と題して講演。

神田さんは「激動する世界を知ることは、日本の立ち位置、日本のとるべき道筋を知ることにつながる」と冒頭で強調。アメリカの「裏庭」ではなくなり、各国が自立し、紛争を解決、お互いを理解しようとしている中南米諸国や、平和的解決で地域の安定した経済発展を進め、北朝鮮問題もその延長で考えていく、ベトナムやシンガポールなどのアセアン諸国の連携を紹介しました。

そのうえで「世界は法則的に動いている。その法則をとらえ、日本の政治を変えていこう」と呼びかけました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

怒り心頭



間 康成

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

兵庫県は県立こども病院をポートアイランドに移転すると発表した▼心臓病など先天性の難治性疾患を持ち、「こども病院」で高度な専門的治療を受けている子どもたちは成人しても継続した治療が必要だが、県内には適した病院がない▼全国心臓病の子どもを守る会兵庫県支部は2004年に「難治性疾患で治療中の子どもが、成人しても継続して医療の受けられる体制充実を」の請願を県議会に出し、全会一致で採択された。その後も「成育医療センターの拡充」を求めているが、県は「県立塚口病院に設置した」というだけで、今に至るもこども病院に多くの成人患者が入院・通院している状況だ▼そういうなかでのポーアイ移転。敷地面積は現在よりも少なく、県全域からのアクセス問題、津波・液状化など大災害への不安、バイオハザードについての恐れも払拭されていない▼県医師会、神戸市医師会、患者団体等から移転への疑問や反対意見が相次ぎ、佐用町からは移転計画見直しの意見書も出されている▼全国心臓病のこどもを守る会前支部長の木村宏美さんは「基幹病院は一極集中でない方がいいのです。ぜひ考え直してほしい」と訴えている。 (N)

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)