Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2012年4月1日日曜日

日本共産党演説会

伊 丹(兵庫6区)

日時 4月7日(土)14時30分
会場 いたみホール大ホール
弁士 山下よしき参院議員
   堀内照文党県副委員長
   吉見秋彦兵庫6区国政委員長

三 木(兵庫4区)

日時 4月14日(土)14時
会場 三木市文化会館小ホール
弁士 宮本岳志衆院議員
   堀内照文党県副委員長


(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

高校学区拡大ストップ! 請願署名スタート

石川康宏・二宮厚美・船寄俊雄の3教授が呼びかけ


兵庫県の公立高校学区を現在の16学区から5学区に再編しようとする県教委の「基本計画」に対し、石川康宏神戸女学院大学教授らが「普通科高校の学区拡大に反対する―私たちのアピール」を3月23日、記者会見を行い、発表。賛同署名を呼びかけました。

これに応え「学区拡大ストップ!アピール署名をすすめる会」(岸本友代会長)が、県議会への請願へ向け、署名活動を始めています。


石川氏と二宮厚美・船寄俊雄両神戸大学教授の3人が呼びかけ人となった同「アピール」は、県内市町の議会や教育長の多くから反対または慎重審議を求める意見があがり、パブリックコメントや説明会でも反対や疑問の声が続出していることをあげるとともに、「学区を拡大して…競争を強化すれば、学力が高まるとする主張は誤り」「世界的にはすでに時代後れ」「多くの子どもが高校受験が近づくにつれて、『学び』から逃走せずにおれなくなっている」と指摘。「決定を白紙に戻し、再度慎重な検討を」と求めています。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

加古川演説会:井沢たかのり氏が訴え

本来の「学び」できるルールを日本共産党といっしょに


日本共産党東播地区委員会は3月25日、加古川市民会館小ホールで演説会を開催しました。

宮本岳志衆院議員が国会情勢と日本共産党の「提言」について演説し、堀内照文衆院比例予定候補も訴えました。

この演説会では、井沢たかのり氏も決意を訴えました。

井沢氏は、38年間の障害児学校での教育活動を振り返り、保護者と教員の必死の努力にもかかわらず、教育への不当な介入、管理主義が学校と教育を壊し、息詰まるような状況へと子どもたちを追いやっていると告発。大阪府の「教育条例」の危険性にも触れ、「子どもも教員もゆとりをもった本来の学びができる、ヨーロッパ並みの教育ルールを、日本共産党といっしょにつくろうではありませんか」と訴え、「そのために精一杯力を尽くします」と力強く決意表明し、大きな拍手に包まれました。





(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

篠山市議選:前田えり子氏が市民要求掲げ

4月15日告示・22日投票


前田えり子氏
篠山市議選は4月15日告示・22日投開票で行われます。定数は前回より2議席減の18で激戦が予想されます。

日本共産党からは現職の前田えり子氏(61)=1期=が立候補し、現有議席確保をめざします。

篠山市では、合併後の行き詰まった財政からの「再生計画」で、市民サービスの削減・負担増が進められてきました。

その結果、日本共産党が行ったアンケートでも、6割が「暮らしが悪くなった」と回答。「助けてほしい」と生活の厳しさを訴える声もあがっていました。

一方、篠山市は「同和」行政の復活につながり、市民の言論・表現を抑圧するおそれのある「人権条例」を制定しようとしています。これに対し多くの市民から「同和行政の完全集結を」の意見も日本共産党に寄せられています。

前田氏は、こうした市民の声をもとに次の「約束」を発表―

  • 県下で1番高い水道料金の値上げをやめ、引き下げを
  • 子どもの医療費を中学校卒業まで無料に
  • 保育料引き下げ
  • 小学校、幼稚園、保育所の統廃合押しつけは許さない
  • 国保税の引き下げと減免制度拡充
  • 介護保険料・利用料引き下げ
  • TPPへの参加に反対
  • 鳥獣害対策の強化
  • 黒豆・山の芋など特産物の価格保障の充実
  • 市内業者の育成をはかるため「小規模工事登録制度」を
  • 「同和」行政・教育の完全終結

―その実現に全力を尽す決意を訴えています。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

衆議院兵庫1区・10区―予定候補発表

日本共産党県委員会と東灘・灘・中央、東播の2地区委員会は3月27日、衆院兵庫1区と同10区の予定候補を発表しました。

◎衆議院兵庫1区



筒井哲二朗(41)=新=郵便局アルバイトとして働きながら95年大阪市立大学法学部2部卒業。98年党神戸東地区委員会勤務。現在、党東灘・灘・中央地区常任委員、兵庫1区国政対策委員長。






◎衆議院兵庫10区



井沢たかのり(61)=新=1973年神戸大学教育学部卒業。県立神戸聾学校教諭、兵高教組障害児学校支部常任委員、神大附属養護学校(特別支援学校)副校長。現在、党兵庫10区政策委員長。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

憲法県政の会が防災問題で学習会

立地・歴史・経験に学び予知・避難・救助など一体的に


講演する淺野氏(右)
憲法が輝く兵庫県政をつくる会は3月24日、まちづくりコーディネーターの淺野弥三一さんを講師に神戸市内で防災問題の学習会を開きました。

学習会は、来年の県知事選挙にむけた政策をつくっていく一環としてとりくまれ、昨年8月の「原発ゼロと自然エネルギー」につづくものです。

淺野さんは、「改めて『災害と防災』について考える」をテーマに1時間半、講演しました。「災害をどのようにとらえるか」「何をまもるか、その防御策をいかに組み立てるか」について言及。長崎県雲仙普賢岳災害、阪神・淡路大震災、2004年台風23号による円山川流域水害、09年台風9号による佐用川流域水害、東北大震災など、全国各地の災害現場を調査してきた豊富な体験と知識をもとに多角的に語りました。

今後の防災対応にかかわって、国土の成り立ちと立地特性を知ること、歴史的な経緯や経験に学ぶこと、地域の安全を考える人の育成、予知、防災、避難・救助・救援を一体的にとらえて地域での連携を考える重要性などを指摘しました。

学習会では、日本共産党の宮田静則県議が県予算の特徴と問題点を報告しました。北川伸一事務局長が開催あいさつ、田中耕太郎代表幹事が閉会あいさつをおこないました。憲法県政の会は5月16日、第8回定期総会を開きます。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

学生たちが呼びかけ脱原発デモに150人


「原発いらない」「子どもを守ろう」「神戸を守ろう」…3月20日、太鼓のリズムに合わせ、コールを響かせながら約150人が脱原発デモを行いました。デモを呼びかけたのはTHINK FUKUSHIMA+WALKというグループ。神戸大学の学生が中心になって活動しています。

デモ終了後には、兵庫県で原発ゼロと核兵器ゼロを目指して活動するグループ「ゼロこねっと」が画家の増山麗奈さんと取り組んでいる「原発ゼロの木アートプロジェクト」で集めているひとことメッセージを集め、30枚のメッセージが集まりました。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

病院救った“お母さんたち”

西脇小児医療を守る会の運動に学ぶ


報告する西脇小児医療を守る会の富永さん
地域医療と芦屋病院を守る市民の会(略称・芦屋病院を守る会)が3月25日、「『西脇小児医療を守る会』のお話しを聴くつどい」を開き、26人の市民が参加しました。


〝お母さんたちがたちあがって、自治体病院を危機から救った〟として、全国に知られた西脇の運動。この日は、代表の富永なおみさんと事務局の石井眞理子さんを招き、運動の経過と現在のとりくみ、特徴や教訓などを学びました。


そのなかの一部を紹介します。(文責編集部)
市立病院の小児科がなくなったらたいへん、という危機感から、誘い合って41人の会員で発足。半数が署名運動、半数が勉強会と、二手に分かれての活動を始めました。最初から「署名を集めただけでは変わらない」「だけど、たくさんの人に知らせることが大事」「頑張って下さっている先生の負担を少しでも減らすために出来ることはないか勉強をしよう」という考えでとりくんできました。

寒さに凍えながら子連れで街頭署名にも立ったし、保育所に頼んだりして、2カ月間で市の人口の1.5倍、6万5千余の署名を集めて、市に提出しました。

小児科の先生などを講師に何度も勉強会を開き、「小児救急についての冊子」を発行。これには市医師会が監修も印刷も、協力・援助してくださいました。

勉強会を通じて医療が身近になり、先生への感謝の気持が自然に広がりました。親や子どもから「先生、ずっと西脇にいてね」などのメッセージカードを届けています。

市も応援してくれ、「へそっこ広場(子育て学習センター)」を無料で使えるようになりました。「市民の宝・西脇病院を守ろう」という気運が広がって、商業連合会は西脇病院で研修する先生に「研修医支度金」を出し、病院と医師会の連携も強まりました。

今年、市民の声を盛り込んで「地域医療条例」が制定されました。医師会の地域医療検討会をきっかけに「地域医療を守る会」が発足しました。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

公立高校の学区再編を考える

学級会でもしない「反対」おしきり

小川 碧(西宮市)

高校の学区を現在の16学区から5学区にするという県教委の方針に反対するものです。

県教委ははじめ、2014年からと言っていましたが、あまりに反対が多いので、1年遅らせて2015年からと言うのです。それでも私は反対です。

学区を広くしたら行きたい高校を選べるという理由を県教委はあげていますが、これができるのは、勉強ができて経済力のある家の子たちだけです。エリート校だけにお金をかけて、定員割れした高校はつぶしてしまおうというのが本音です。

大阪の松井一郎知事は「お客さん(生徒)が少なくて店員(教員)が多い高校は消えて当たり前」と言っていますし、橋下徹市長は「小中学生の留年」等、露骨に言うので、ひどいとすぐ分かります。

兵庫では、県教委はパブリックコメントや説明会をする等、ポーズをとっています。しかし、パブリックコメントに寄せられた意見の圧倒的多数は反対、過半数の市町議会が反対の意見書を採択、「神戸新聞」が市町教育長に行ったアンケートでも反対が賛成を上回っています。こうした結果が出ているのに強行するのは「独裁」ではないでしょうか。学級会でもそんなことはしません。

西宮の親たちは、「複数志願制になっただけでも困っている。前の総合選抜制に戻してほしい」と言っています。

子どもたちの意見も聞くべきではないのでしょうか。子どもたちは実験材料ではないのです。競争は小学校まで及んで、かわいそうです。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

学生新歓成功へ学習・交流

学びの重要さ、学生班の大事さ


「学生新歓がいよいよ本番。民青の学生班のもつ力や役割に確信をもとう」と、学生新歓学習交流会が行われ、10人が参加しました。

ゲストとして招かれた日本共産党中央委員会青年学生委員会の坂本茂男氏が、冒頭に約1時間報告しました。

坂本氏はユネスコ高等教育世界宣言にふれながら「学生時代は学術を研究し、その学術は未来を構築するためのものです。その意味で、学生時代というのは未来をつくるためにあるといえる」と学生時代のもつ特別な意味を指摘。さらに「日本共産党は、学問をふまえた政党であり、政党として科学、学問を基礎としています。科学的社会主義の学習は、学問が細分化して全体を見失いやすい今、全体をまるごとつかむうえでとても大事」と学生が科学的社会主義を学ぶことの重要性や魅力を強調しました。

そして全国でとりくまれているつどいや学習会、フィールドワークやボランティアなどの経験を紹介。「組織が発展すればたくさんの要求がかなうようになる。3人になれば民主主義的な多数決ができるようになり、10人いれば複数の要求に同時にとりくめるようになる。この新歓で実りあるものにして学生班の前進をつくりましょう」と呼びかけました。

この報告をうけ討論。「新歓宣伝に取り組んできて1人加盟した。今日の報告を聞いて学生班の大事さがわかりました」「去年から連続教室などで古典を深めてきた。マルクスについて理解しきれていないところが多いので今年はより深めていきたい」などの意見を交流し、学生新歓に向け意欲が出る会議となりました。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

正社員化求め25時間ハンスト:郵政産業労組

郵政産業労働組合神戸中央支部(成山太志支部長)は、郵政の職場で働く非正規労働者の正社員化と均等待遇を、今春闘の中心課題にして闘っています。3月21日から22日にかけ、JR元町駅西口前にテントを張り、寒風のなか、25時間のハンガーストライキを実施しました。

郵便・貯金・保険を合わせ郵政事業全体で働く約45万人のうち、非正規労働者の占める割合は48%。そのうち64%が年収200万円以下です。なかでも郵便事業は非正規が60%を超えています。

会社は、若者たちを時給制期間雇用社員として採用。正社員と同じ仕事内容を課してきました。そのうえ「経費削減」を理由に、一方的な時間給切り下げや労働時間短縮をおこなってきました。

この問題では、日本共産党の山下芳生参院議員が10年3月、当時の亀井静香郵政改革担当大臣と、齋藤次郎日本郵政社長を追及。▽3、4年で10万人を正社員化▽非正規社員の均等待遇、を約束させました。

しかし初年度登用試験合格は2割、8400人。2回目の昨年は1次試験だけでも合格は1割未満です。

夜を徹してのストを敢行した成山支部長らは「正社員が当たり前の社会にしよう」と市民に呼びかけました。

神戸支店で期間雇用として働く岡洋和さん(34)は「13年働いても時給810円。生活を切りつめても限界がある。正規採用を求めつづけているが、試験は2回とも不合格。問い合わせても理由を教えてくれない。郵政で働く非正規労働者がどれほど厳しい状況かを、多くの人に知ってほしい」と訴えています。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

尼崎アスベスト訴訟環境曝露型が結審

クボタ・国の責任明らか


報告集会で挨拶する藤原精吾弁護団長

クボタ旧神崎工場が外部に大量飛散させた石綿粉塵が原因で、中皮腫を発症し死亡した住民の2遺族が、クボタと国に対し謝罪と賠償を求めている尼崎アスベスト訴訟環境曝露型の最終弁論が3月21日、神戸地裁第5民事部(小西義博裁判長)でひらかれました。

アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会など支援者約120人が傍聴しました。

原告弁護団が最終弁論をおこないました。藤原精吾団長は「日本最大のアスベスト被害をもたらしたクボタと国の責任を問う裁判。死亡者約10万人と推定されている。被害の顕在化はこれからだ。安全性が不充分なまま推進した事実、監督官庁が本来の役割を果たさず癒着するとどうなるかは福島原発事故の教訓からも明らか。発症した住民たちには何の責任もない。国は健康で文化的な生活を保障する責任がある。裁判所は憲法の守り手。歴史の批判に耐える判決を」と述べました。

原告が最終意見陳述をしました。山内康民さん(64)は、胸膜中皮腫で苦しみ抜き96年1月死亡した父孝次郎さん(享年80歳)について「アスベストを工場外へ排出しつづけたクボタを、国がきちんと規制していたら父の苦しむ死はなかった」と訴えました。

中皮腫で07年9月死亡した保井綾子さん(同85歳)の夫保雄さん(87)は「障害のある娘を心配し『祥子を残して死にたくない』と訴えながら死んだ。クボタは線香1本あげなかった」と言い、長女祥子さん(60)は「障害があっても前向きに1人でも生きていけるよう育ててくれた母を、クボタと国に殺された」と述べました。判決は8月7日です。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

兵庫レパ裁判:請願署名2万筆集めよう

兵庫レッドパージ反対懇談会:次回弁論へ向け話し合う


裁判勝利への運動を話し合う原告や支援者

兵庫県レッドパージ反対懇談会の例会が3月23日、神戸市婦人会館でひらかれました。

共産党員を理由に職場追放した国と企業に対し、名誉回復と賠償を求め、大阪高裁で闘っている川崎義啓さん(95)ら原告3人はじめ10人が参加しました。

3月16日の第2回弁論に大阪や京都、東京、山口からも傍聴に多数参加し、国側の誠意のない答弁に怒りを共有したことなどが報告されました。

また次回6月6日の期日にむけ、裁判所への要請署名を2万筆目標で集めよう、若い世代や現役労働者に訴えていこう、と話し合いました。

尼崎でレッドパージ反対連絡会が3月5日発足した経過も、地元から報告があり「学習会を計画している。裁判支援も広げていく」と発言しました。

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

マルクスの思想を今に生かす

「マルクスの思想を今に生かす」(鰺坂真関西大学名誉教授と牧野広義阪南大学教授の編著)が発行されました。兵庫県勤労者学習協議会などの主催で4月7日、記念講演会をひらきます。執筆者のひとり石川康宏神戸女学院大学教授に、経過と思いを聞きました。

資本主義の根本に立ち返る

神戸女学院大学教授 石川 康宏さん

学習の友社発行 定価2,730円
「まえがき」に鰺坂真先生が「21世紀において、マルクスの思想をより豊かに生かそうというのが私たちの意図」と書いておられますが、リーマンショック後の世界経済危機であったり、3・11後の日本の政治の動きであったりと、いま様ざまな形で社会のゆきづまりが現れていると思います。それを、多くの人たちの幸せを目ざす方向に打開するには、マルクスの思想と学問の成果に立ち返ることが大切だ、それをみなさんにお話ししたいと思っています。

執筆者8人は大阪で毎月ひらいている現代唯物論研究会のメンバーです。

これまでに『現代に挑む唯物論』(96年)、『史的唯物論の現代的課題』(01年)、『ジェンダーと史的唯物論』(05年)を出し、今回が4冊目です。いずれもマルクスの現代的な発展を意図しており、幅広い分野の共同研究となっています。

原稿を書き始めたのは3・11前で、そのとき私はマルクスの資本主義発展論について書いていました。ところが震災が起こり、被災者の苦難に心をよせない政治が展開され、その背後にある、大惨事に便乗して利潤拡大を追求する財界の動きが明らかになってきました。そういう状況の変化にあわせ、内容を大幅に変えました。

マルクスは、①資本主義は私的利潤の追求を原動力とすることで飛躍的に生産力を発展させる。②しかし同時に、恐慌や環境破壊のような社会的害悪も生み出さずにおれない。③だから、それらの害悪を取り除こうとする労働者らの取り組みが発展する。④それが資本の利潤追求に人間的なルールを課していく。⑤そうした改革の積み重ねの中で、未来社会への移行を準備させる、と考えました。

私は、いま日本や世界に起こっているゆきづまりや「原発ゼロ」「ウォール街を占拠せよ」などの新しい取り組みを正確にとらえるには、このような資本主義の仕組みの根本に立ち返ることが不可欠だと思っています。

70年代初頭、全国民の40%以上が社会党や共産党を軸とする、いわゆる「革新自治体」に暮らしていました。その革新上げ潮の時代が全国の労働者学習運動にとってもピークの時代となりました。これはきわめて教訓的なことです。

やはり「知は力」、多くの人が学ぶことなしに政治や社会を変えることはできません。兵庫県学習協には、すべての市民を視野に入れて、社会の仕組みや政治転換の方向を、社会科学にもとづいて学びあう、そういう学びのセンターとしての役割を期待しています。

そのためには、たくさんの市民団体、個人、知識人が力をあわせ、学習協の取り組みを励ましていく必要があるでしょう。

「マルクスの思想をいまに生かす」発行記念講演会

4月7日(土)14時/演題①「マルクスの資本主義分析と『震災後の新しい日本』」石川康宏神戸女学院大学教授/②「多数者革命と議会制民主主義」長澤高明立命館大学非常勤講師/神戸市勤労会館405・406号室/無料/学習の友社発行の同著は定価2,730円/☎078・335・3770
(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(489)




(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

梅が終わるとすぐ桜という事態になりました。日本人は「花ごよみ」と言い、咲く花の順に微妙な季節の移り変わりを感じてきたものですが、近年の異変は人々の気持ちを騒がせます▼TVドラマ「平清盛」で清盛の畏友であった佐藤義清が突然出家します。僧侶西行です。ドラマでは待賢門院とのからみになっていますが、真の理由はわかりません▼戦乱の世に修行者も知人たちの人生の転変に心を痛め、歌を詠んできました。西行と言えば「新古今集」ではトップクラスの歌人で「千載和歌集」「山家集」などを残しています▼西行は桜を好み高野山から近い吉野山には再々訪れ「願わくは花のしたにて春死なん」と詠んで間もなく亡くなっています。文治6年と言いますから822年も昔のことです▼いま日本も世界も、大きな変動期を迎えています。わが国の政情は明日をもわからぬ状況。国民は不安を隠せません。野田総理は既に死に体になっているのに権力から離れたくないようです▼このような時こそ日本の将来を指し示す日本共産党の前進が重要になっています。国民の求める変革に向って政治を進めるリーダーシップが期待されているのです。(TS)

(2012年4月1日付「兵庫民報」掲載)