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2012年2月19日日曜日

「あれから1年」集会 3月11日

いっしょに考えよう
震災復興・原発ゼロの社会へ


東日本大震災・原発事故から1年、昨年末に結成された「原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会」と「阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議」が共催で、「いっしょに考えよう震災復興・原発ゼロの社会へ、兵庫から被災地に想いを寄せて、『あれから1年』集会」を、3月11日(日)午後2時から神戸・三宮の東遊園地で開きます。

原発再稼働への策動も強まり、被災地・国民にさらに生活苦を押し付ける消費税増税を野田政権が持ち出すなか、この集会を大成功させようと準備がすすんでいます。

増山麗奈さん
リレートークに画家の増山麗奈さん

リレートークでは画家・ジャーナリストの増山麗奈さんやボランティアに取り組んだ青年、被曝者なども訴えます。

増山さんは震災時は東京・新宿に在住、直後に放射能の危険から逃れようと、子どもを連れ兵庫へ避難。放射能から子どもを守る「いのちをまもるお母さん全国ネット」を結成しアートと社会活動を展開しています。

後藤悦治郎(紙ふうせん):1995年1月17日、2011年3月11日。苦しみと悲しみを体験した私たちが、なんとか、励ましあって、その日を通り抜けて来た。なんとか生き抜いてゆこうとする人がいる。たくさんいる。今、“小さな声”“聴こえぬ声”に寄り添う時。
後藤悦治郎さんのコメント
著名人から賛同コメント

二つの会は、原発からの撤退の共同を広げるために集会へ向けて賛同を呼びかけています。神戸大学名誉教授の山家悠紀夫さんの「神戸の復旧・復興の経験を苦い経験も含めて大震災からの復興に生かすべきだと思います。意義深い集会の成功を祈ります」とのコメントをはじめ、作家の藤本義一さん、フォークデュオ「紙ふうせん」の後藤悦治郎さん(右)からも寄せられています。

会場では増山さんのアートや被災地からの物品も販売され、集会後には多彩なデコレーションでパレードも行う予定です。

消費税増税・社会保障の「一体改革」、大企業の撤退など様々なたたかいも重大局面です、開会1時間前から「5分間アピール」も行われます。

また、丹波市や姫路市で集会が計画され、西宮市では原発をなくす会も結成されます。

集会の連絡先は兵庫労連(☎078-335-3770)です。


(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

「子育て応援都市宣言」の相生市で懇談

堀内・金田両氏が谷口市長と
相生市議 岩崎修

谷口市長(右)と懇談する(左から)金田、堀内両氏と岩崎市議

堀内照文衆院比例候補と金田峰生参院兵庫選挙区候補は2月10日、相生市に谷口芳紀市長を訪問し、同市の子育て支援策について聞くとともに、日本共産党の「消費税大増税ストップ!社会保障充実、財政危機打開の提言」を手渡し、懇談しました。

過大な公共事業など見直し財源確保

相生市では、2011年度から「子育て応援都市宣言」のもと、新婚世帯家賃補助、幼稚園・小中学校の給食費無料化、幼稚園保育料無料化と保育所保育料補助、中学3年生までの医療費無料化―など11の事業を実施するなど、子育て支援策を抜本的に充実させました。全国的にも注目され、視察や資料請求が相次いでいます。

今回の懇談で谷口市長は、こうした施策実施の背景や目的について「『なんで若い者にばかり。やりすぎでは』というお叱りも受けましたが、これは若い人たちのためだけではありません。相生市でも人口減少が続いていますが、子育て支援策を行って、若い人たちが定住できるまちになれば、それはまちの活性化につながり、中高年世代も活気づきます」と説明。

また、身の丈以上に過大な公共事業を見直して、子育て支援策の財源を確保したことや、「給食費の無料化は市財政全体の1%。財政が苦しいなかでも他の事業の組み立てを工夫すれば対応でき、今後も固定経費として必ず確保していきたい」との考えを語りました。

堀内氏は、「行政の姿勢ひとつでこれだけのことができると示されたことは大きな意義があります」と、期待を表明しました。

堀内「負担増ではなく 知恵を」
市長「そのとおり」

堀内氏らは、「消費税大増税は、暮らしも経済も自治体財政も壊します」と指摘し、消費税に頼らず社会保障を充実させる「提言」の内容を説明し、「国民負担を増やさず、知恵を絞るのが政治ではないでしょうか」と語りかけました。

「そのとおり」と応えた谷口市長は、「野田首相は、消費税増税にこり固まっています。政権への信頼度はいまゼロではないでしょうか。『提言』を読ませてもらいます」と続け、堀内・金田両氏との対話が弾みました。

この懇談には私も同席しましたが、相生市の例は、政治の姿勢いかんで福祉を支える財源は確保できるという点で、「提言」の内容と響きあうものがあるとの思いを強くしました。

(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

兵庫革新懇第32回総会

あらゆる分野で共同を呼びかけ

兵庫革新懇は2月12日、新長田勤労市民センターで第32回総会を開きました。

総会では、2012年度の活動として、▽春闘、重税・消費税引き上げ反対、大震災復興支援、原発からの撤退、TPP参加反対など、県民共同のたたかいをすすめる▽衆院比例定数削減の暴挙を止めさせ民主的な選挙制度への改革を求める行動を強める―などの活動にとりくむとともに、政治の革新を願う広範な県民との共同をめざし、あらゆる分野で呼びかけや学習を行うことなどを決めました。

縦横に打開への展望を語る大門氏
また、こうした革新懇運動を発展させるため、神戸市の空白行政区などでの組織建設、全国と兵庫の「革新懇ニュース」の普及を強めることなどの方針を確認しました。

総会記念公開講座では、日本共産党の大門みきし参院議員が「政治・経済の行き詰まりと打開への展望」と題し、消費税・社会保障、原発、TPPなど日本政治の全般にわたり解明しました。



(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

がんばります!衆院小選挙区候補:8区

歴史を進めたい
兵庫8区 庄本えつこ予定候補

みなさんこんにちは。兵庫8区の庄本えつこです。今回で衆議院選挙、4度目の挑戦です。

2年半前の総選挙。市民のみなさんの「どうしても自公政治を変えてほしい」の思いをビンビンと感じていました。あの時の選挙で兵庫8区・尼崎市民は、公明党を落としました。選挙後、「ごめんなぁ。あんたには悪かったけど、どうしても公明党落としたかったんや。今回は民主党に入れさせてもらったで」という人に何人も会いました。政治を変えたいという思いの深さを知るとともに、政治を変える力はやっぱり国民なのだということをあらためて学びました。同時に、もっと共産党のことをわかってもらう努力をしなければと決意したものでした。

私は、「なぜ同じ人間どうしで戦争をするのか。なぜ差別があるのか」などを考える子どもでした。その答えを見つけたくて16歳で青年の組織である日本民主青年同盟に加盟し、いろいろ勉強しました。そこで戦前から「国民が主人公」の日本をめざし、命がけで侵略戦争に反対した日本共産党を知り、19歳で入党しました。

誰もが大切にされ、普通に幸せに暮らせることが私の夢です。

しかし今、野田内閣は、アメリカ、財界・大企業言いなりのまま、「TPP」「税と社会保障の1体改革」「沖縄の辺野古への新基地建設」「比例定数削減」など暴走しています。さらに憲法9条を変える動きも強めています。だからこそ何としても共産党の国会の議席を増やしたい。

「歴史は進む。社会は必ず変わる」が私の信条です。今年、総選挙があるのなら共産党躍進の絶好のチャンスだと考えます。「民主も自民もだめ。今度こそ共産党の国会議員増やしてや」。いろいろな方にかけられるこの声をしっかり受け止め、がんばります。

写真:6年越しの駅舎改良要求が実現するJR尼崎駅で、いっしょに運動をすすめた市民とともに(庄本氏は中央、その左に堀内比例予定候補)

(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党川重委員会が要求アンケート

残業なしに生活できる賃金へ大幅引き上げ
「正社員が当たり前」の雇用実現を

日本共産党川崎重工委員会は、昨年末から正規社員、非正規社員を対象に「人間らしい労働と生活」実現の要求アンケートにとりくみ、このほど137人から回答をえ、その集計結果を職場新聞「はぐるま」2月号外に掲載し、県下の川重工場門前で配布・宣伝しました。

東日本大震災と福島原発事故、リストラ、消費税大増税と社会保障切り捨ての「一体改悪」やTPP参加策動――国民の暮らしを守る課題が重大化するなかで2012年国民春闘がたたかわれています。

日本経団連は、2012年春闘の経営方針である「経営労働政策委員会報告」で、企業の「危機」をあおりたて、ベースアップの実施は「論外」、定期昇給の「延期・凍結」もありうる、非正規雇用の労働者だけの処遇改善は「不適当」などと、例年に増して強い調子で賃上げの抑制を打ち出し、労働者にさらなる犠牲を求めています。

2000年以来の10年間で、民間労働者の賃金は年平均約50万円も減らされています。一方、大企業の内部留保は、10年間で90兆円ふえ、10年度266兆円の金余り状態です。「危機」なのは大企業ではなく、労働者・国民の生活です。

職場でもっとも不安・不満に感じていること

「職場でもっとも不安・不満に感じていること」のトップは、正規、非正規社員ともに「賃金が安い」(図1)ことで、「頑張って働いているのに生活保護受給者と比べてもらえるお金が月2万~3万程度しか変わらないのはおかしい」(20代男性)「若い世代ばかりサービス残業が多い」(20代男性)「ボーナスがほしいです」(派遣20代女性)など切実な意見が寄せられています。


図1 職場でもっとも不安・不満に感じていること(複数回答)

正規社員
1位 賃金が安い 38%
2位 昇進・評価査定 27%
3位 労働時間が長い 24%
4位 同僚・上司との人間関係 15%
5位 住宅・家族手当がない 15%
6位 経営・雇用不安 14%
7位 健康問題 14%
8位 精神障害 13%
9位 仕事がきつい 11%
10位 ただ働きがある 11%

非正規社員
1位 賃金が安い 49%
2位 正社員との格差・差別待遇 44%
3位 雇用契約の更新 34%
4位 健康問題 12%
5位 不満はない 7%
6位 労働時間が長い 5%
7位 休暇・産休がとれない 5%
8位 セクハラ・パワハラ・いじめ 5%
9位 受け入れ先での人間関係 5%
10位 仕事がきつい 2%


生活実感

「生活実感」については、「やや苦しい」と「かなり苦しい」の合計が正規社員は約3割弱ですが、非正規社員は6割をこえています。生活向上のための賃上げでは、正規、非正規社員ともに月額3万円以上が大半の声となっています(図2)。


図2 生活実感と生活向上のために必要な賃金金額

正規社員の生活実感
かなり苦しい 5%
やや苦しい 22%
まあまあ 55%
ややゆとり 16%
かなりゆとり 2%

正規社員の生活向上のために必要な増額(月当たり)
1万円未満 5%
1~2万円 22%
2~3万円 29%
3~4万円 7%
4~5万円 26%
5万円超 11%

非正規社員の生活実感
かなり苦しい 22%
やや苦しい 39%
まあまあ 34%
かなりゆとり 2.5%
ややゆとり 2.5%

非正規社員の生活向上のために必要な増額(時間当たり)
50円未満 6%
50~100円 11%
100~200円 24%
200~300円 24%
300円超 35%


サービス残業/非正規雇用

サービス残業(正規社員)については、労働時間が長くなるほど「サービス残業」に追い込まれ、長時間労働が違法な「サービス残業」の温床になっている実態が明らかにされました。正規社員を非正規社員におきかえる「使い捨て」労働に対し、非正規社員から「4月で契約社員の期限が来るので不安に感じている」(契約20代男性)「この先正社員になれるかどうか不安です」(契約30代男性)など雇用不安や差別的な扱いへの不満の声が多くよせられ、正規社員も7割が批判的な考えをもっており(図3)、「正社員として雇用し、技術を伝承していくべき」(50代男性)との意見も寄せられています。


図3 常時必要とする業務への非正規社員の採用は(正規社員の回答)

すぐやめるべき 49%
近い将来やめるべき 21%
やむをえない 18%
よいこと 6%
わからない 6%



党川崎重工委員会は、今回のアンケート結果をうけて、「残業なしで生活できる賃金への大幅引き上げ」「サービス残業の根絶」「『雇用は正社員が当たり前』の実現」など訴え、たたかいをよびかけています。

(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

神戸の中学校給食を実現する会がシンポ

神戸の中学校給食を実現する会は2月11日、神戸市婦人会館で、「神戸の中学校給食はこどもにとって良い給食を」をテーマに、シンポジウムを開催し、80人が参加しました。

シンポジストには栄養教諭、農業家、日本共産党の県議・市議の4人がたち、それぞれの立場から、中学校給食の意義について報告しました。

公立小学校の栄養教諭で、豊かで安全な学校給食を目指す大阪連絡会の事務局次長も務める石川友美さんは、教育現場における学校給食の意義について報告。

学校給食が豊かに進められている学校では、給食は家庭弁当の代わりではなく、食育・教育の一環として進められ、給食を通じ食に関する正しい理解と判断力を養い、育ち盛りの生徒の体と心を育てていることを紹介。集団での給食を通じて、偏食や小食などの間違った食事観の克服がすすめられる「自校調理方式」でこそ食の指導ができると報告しました。

また、弁当を持ってこられない子への対応という福祉の観点だけで出発すると、安価ですぐに導入できる「民間調理場デリバリー給食」や「弁当・給食選択制」が選ばれる危険性があると強調。地域・教育の現場で子ども中心においた論議をすすめ、給食の作り手と食べる子どもたちの交流ができる自校調理方式の実現に、ぜひがんばってほしいと参加者を激励しました。

兵庫県農民連の永井脩会長は、安全な学校給食を考えるうえで、食料自給率40%で外国からの輸入に頼っていることは問題であり、TPPの危険性を告発しました。

日本共産党の大かわら鈴子市議は、高崎市では小中すべての学校に栄養士を配置し、自校調理方式へ切り替え、アレルギーや行事に合わせた対応ができ、野菜やお米の地元産の利用向上や、食器も地元産を活用するなど地域経済にも貢献していると報告。選択制ではなく、みんなが同じものを一緒に食べられる方式を、皆さんと一緒にぜひ実現したいと発言しました。

日本共産党のきだ結県議は、「自校調理方式」の西宮市では教育の一環として進められている一方、「デリバリー給食・家庭弁当選択制」の姫路市では、利用率が当初4割だったものが現在2割未満に落ちている実態を報告。県議会では、兵庫県に財政支援をするよう強く求め、中学校給食実現へがんばりたいと決意を述べました。

(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

オバマ大統領にレッドパージ謝罪要求

兵庫訴訟原告と全国連絡センター「弾圧責任は合衆国政府にある」

(左から)川崎義啓さん、安原清治郎さん、大橋豊さん
戦後のアメリカ軍占領下、共産党員を理由にした職場追放は憲法違反だとし、国と企業に対し、名誉回復と損害賠償を求めている、レッドパージ兵庫訴訟の原告と、レッドパージ反対全国連絡センターの代表が2月9日、アメリカ大使館に行き、オバマ大統領に謝罪を求める文書を手渡しました。

高齢をおし裁判を闘っているのは川崎義啓さん(95)=旭硝子=、安原清治郎さん(90)=川崎製鉄(現JFEスチール)=、大橋豊さん(82)=神戸中央電報局=の3人です。

第2回控訴審弁論は3月16日、大阪高裁でひらかれます。

病気入院中の川崎さんと体力の弱っている安原さんの思いを代表し、大橋さんが東京に出向きました。

同じく犠牲者の松田ゆきさん(86)=東京都小学校教諭=、権田圭助さん(82)=東京電力=が現地で合流。通訳を入れ5人が港区赤坂のアメリカ大使館に行きました。

オバマ大統領にあてた文書は、「アメリカ合衆国は61年前、レッドパージ強行を示唆した重大な誤りを認め、被害者に謝罪すべき」の表題のレッドパージ反対全国連絡センター第6回総会(昨年11月)決議文の英訳です。

レッドパージは、アメリカ政府派遣のマッカーサー連合軍最高司令官が発した数回の反共声明・書簡を、日本政府・財界が利用し、主導的に強行したものであり、弾圧の責任はアメリカ政府にあると指摘。重大な誤りを認め、人権を蹂躙された被害者に謝罪し、日本政府と協議して、1日も早く被害者の人権救済策を講じるよう、強く求めています。

アメリカ大使館ではトーマス・ホイットニー政治部2等書記官が対応しました。大橋さんたちは、職場追放後の困窮を極めた生活、家族離散の経験を語りました。ホイットニー書記官は「とても感銘を受けた。当時のことを学びたい。要請文の内容は本国へ伝える」と述べました。

会見後、大橋さんは「誠意ある対応で嬉しかった。原告3人が生きているうちに、必ず日の目を見たい」と語っていました。

(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

兵庫労連 春闘学習決起集会

賃上げこそ経済活性化

国民春闘兵庫県共闘委員会と兵庫労連の春闘学習決起集会が2月10日、神戸市勤労会館でひらかれ、約90人が参加しました。

津川知久兵庫労連議長は主催者挨拶で「財界・大企業の春闘方針は道徳的にも退廃している印象だ。負けてなるか。私たちが今春闘を闘う底力、知恵と勇気を身につけよう」と呼びかけました。

労働総研代表理事の牧野富夫日本大学名誉教授が「『12年版経労委報告』と『施政方針演説』を斬る」と題し、記念講演をしました。

牧野氏は、初めに日本経団連の「経営労働政策委員会報告」を分析。「行き過ぎた円高、最高水準の製造業人件費、高い法人税・社会保険料負担」などを列記し、東日本大震災復興も口実に、徹底した儲け重視の経営戦略をすすめようとしていると紹介。「『ベア拒否、定昇も延期・凍結あり』という経営者の理論では貧困と格差が増大し、多くの人が不幸になると実証済み。経済は消費が増えないと回復しない」と指摘しました。

また野田佳彦首相の「施政方針」の特徴では「恥ずかしいくらいアメリカ・財界の言うまま。政治の貧困。拠って立つ立場からの方針がない」と述べました。

北川伸一兵庫労連事務局長が行動提起をおこない、今春闘スローガン「安定・良質な雇用の確保、すべての労働者の賃上げで、内需の拡大、社会保障の充実、東日本大震災の復興」のもと「誰でも時間額100円以上、月額1万円以上の賃上げ」「時間額1千円、日額7500円、月額16万円」以下の労働者をなくすとりくみを確認。「賃上げこそ経済が活性化する。すべての労組、地域で目に見え、音に聞こえる行動を計画しよう」と強調しました。

(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

「建国記念の日」不承認兵庫県民集会

沖縄と近代史の報告・講演

「建国記念の日」不承認兵庫県民集会(同実行委員会主催)が2月11日、神戸市勤労会館でひらかれ、約80人が参加しました。

開会挨拶で新間智照代表幹事は「戦前この日を『紀元節』とし、日本の始まりとしたが歴史的根拠はない。誤りを正し『国民が主権』を新たにする機会にしたい」と述べました。

県立北条高校教諭の稲次寛さんが「高校生と学んだ沖縄」で昨年10月の沖縄修学旅行を報告。事前学習を重ね、沖縄戦体験者の話を聞き、普天間基地を見下ろす嘉数高地では爆音を響かせ発着する米軍機を間近に目撃したと語りました。「沖縄戦を追体験させたかった。米軍基地は沖縄だけの問題ではないと知ってほしかった」と述べました。

原田敬一佛教大学教授が「『坂の上の雲』の時代をどうみるか」と題し講演。「幕末から明治初頭、国家が軍拡と戦争をつづけるなかで、国民が望んでいたのは富国強兵ではない。地租改正であり、百姓一揆はそのころピークだった。『坂の上…』の歴史観にとらわれる必要はない」と語りました。

(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

障害者支援法:和解に反する厚労省案

兵庫障害者連絡協議会事務局長 井上義治

国との和解成立を喜ぶ原告や家族、
弁護団、支援者たち=10年4月15日、神戸地裁
障害者に「応益」の名で利用者負担を強いる障害者自立支援法は憲法違反とし08年、兵庫で13人、全国では71人が国を提訴した裁判は10年4月、基本合意をもとに和解が成立しました。合意の柱は、自立支援法の廃止、新法制定です。和解から2年弱、国が今国会提出を予定している法案の内容が明らかになりました。兵庫訴訟を支えた兵庫障害者連絡協議会事務局長、井上義治さんの投稿です。

2月8日に開催された政府の障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の第19回部会で、障害者自立支援法(以下・支援法)に替わる新たな法案として、「厚生労働省案」が示されました。

その法案は、支援法の理念・目的・名称を変更し、難病の一部を法の対象とする内容です。

私たち障害者や家族、関係者は、支援法によってもち込まれた▽障害を自己責任とし福祉を買う制度(利用契約制度)と応益負担▽サービス利用を制限する障害程度区分認定制度▽報酬単価の月額制から日額制▽介護保険優先、などの廃止を求めとりくんできました。

そして、そのような支援法をきっぱりと廃止し、国連障害者権利条約と支援法違憲訴訟団が国と結んだ基本合意を指針として、昨年8月にとりまとめられた障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の「骨格提言」に基づいた障害者総合福祉法の制定を求めてきました。

権利保障としての法制定求め

この「骨格提言」は、▽法の理念として、障害者を保護の対象から権利の主体へ▽本人のニーズに基づく支給決定(障害程度区分の廃止)▽障害に伴う必要な支援の利用者負担は原則無料▽収入認定は障害者本人だけで認定▽介護保険優先原則を廃止し、選択制の導入▽利用者支援への報酬は原則日払い、事業運営への報酬は原則月払い、在宅系支援への報酬は時間割、などを内容としています。さまざまな意見をもつ障害当事者や支援者・団体、自治体首長など55人が、苦労してまとめあげたもので、大きな意義があります。

ところが、今回の厚生労働省案は、民主党の公約「支援法廃止と新法制度の制定」に反するばかりか、基本合意、障害者権利条約、「骨格提言」に反する内容です。

とりわけ、支援法違憲訴訟団と国が結んだ基本合意は、政権や政治情勢の変動などに影響されず、国家として遵守すべき法的文書です。国による一方的破棄は、法治国家として許されるものではありません。

集団訴訟弁護団も2月9日、共同声明「国による基本合意の反故を許さない!」を発表し、そのなかで基本合意を「訴訟上の和解の中心をなすもの」と指摘しています。

私たちは、政府与党の約束破りを許しません。あくまでも権利保障としての障害者施策と、新たな法制度の制定を求め、更なる共同の輪を広げながら、とりくみをすすめます。

(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(486)


(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

オーストリアの首都ウィーンで4月末、原爆展が開催される。ウィーンはIAEA(国際原子力機関)の本部があり、次の核不拡散条約(NPT)再検討会議(2015年)の最初の準備会合が行われる。日本原水協は「核兵器全面禁止のアピール」署名を届ける代表団を派遣し、この会議場で広島・長崎の被爆の実相を伝える写真展を行おうというのだ。オーストリア政府の後援も検討されている▼広島・長崎の惨状や多数の日本漁船が犠牲になったビキニ水爆実験(1954年)の被曝の実態も国家ぐるみで隠ぺいされた。米政府はビキニ水爆実験の死の灰の影響を世界中122カ所で調査し放射能汚染が世界規模で広がっていることを確かめたが隠し通した。透けて見えてくるのは被害実態を見えなくしようとした情報操作だった。同じことが福島原発事故でも再現されている▼兵庫県で30自治体が加盟する平和市長会議も原爆展開催を呼びかけており、ウィーンの原爆展に連動してすべての自治体で開催する条件も広がっている。被爆の真実を突きつける原爆展は「核抑止」論を打ち破り、核兵器全面禁止の世論を前進させる力となることは間違いない。(K)(2012年2月19日付「兵庫民報」掲載)