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2012年12月9日日曜日

SNS活用のすすめ[2]

広げよう! 結びつき

関西共同印刷所メディア企画室

「伝えたい!」では「心」を動かせない


別にSNSに限ったことではなく、あらゆる宣伝において言えることなのですが、いくら一生懸命「伝えたいこと」を叫んでみても、あまり効果は得られません。宣伝のコツは、「相手が欲しがっている形で」叫んであげることです。

前回紹介したプリン誤発注事件。売場のポップには「アホな○○(発注者の名前)が大変な発注ミスをしてしまいました」という言葉が添えられていました。「プリンを買ってください」と訴えかけるだけではなく、自虐的な「ネタ」を添加したのです。

その清々しいまでのぶっちゃけ感が、若者たちの心をくすぐりました。びっしりと売場に積み上げられた大量のプリンを見て面白がった学生たちは、頼まれてもいないのに、ツイッターに写真入りで「プリン大量発生」などと書き込んでくれたのです(前号写真)。

売場の担当者が、そこまで読み切ってポップを書いたのかどうかは分かりません。しかし、直接的に自分の目的をガツガツとアピールするのではなく、それをいかに上手に味付けできるか、それが情報拡散の成功を左右することがよく分かる好例だと思います。

アフターフォローで固定ファンをつかむ


岡田市議のブログ
大阪・富田林市の岡田ひでき市議をご存知でしょうか。岡田市議は、市民から汲み上げた要望が実現したあかつきには、その際に骨を折ってくれた市職員さんなどに向けたお礼の言葉を、ご自身のブログに必ず載せています。(写真はクリックすると大きく表示されます)

「プリン誤発注事件」の大団円
プリン誤発注事件で完売した後の売場には、手書きで「私たちのことを思って宣伝してくれて、そして足を運んでくれてありがとうございました」「これからも皆さんに愛される生協をめざしがんばります」と書いたメモが貼り出されました。すると、それを見た学生がメモを写真に収め、「プリン完売!」とツイートし、喜びをシェア(共有)しています。(写真はクリックすると大きく表示されます)

岡田市議のブログも、それからこの大学生協のメモも、どちらも感謝の言葉をしっかり伝えています。こうした「アフターフォロー」を受けて、もしあなたが市の職員さんなら、あるいはプリンを買ってあげた学生さんなら、どう思いますか。次からも何かあれば力になってみても良いな、という気持ちが湧いてきませんか。そして、相手のことを今よりもっと好きになりませんか。

こうしたアフターフォローは固定ファンを増やす効果が期待でき、「セルフブランディング」という視点からも非常に良いことなのです。

心地良い言葉が「共感」につながる


市職員さんに「次からも市民のためにしっかり働いて下さいね」とは言わない。学生さんたちに「これからも買い物は購買部でね!」とも言わない。その代わりに、もっと効果的な、素敵な言葉を贈るのです。「本当にありがとう」と。

つまり、ここでも、相手の求める形への「味付け」が行われているわけですね。アピールしたいことを直接叫ぶより、相手が心地良い言葉に変えて伝える。それが「共感」を生むコツです。

もちろん、こうした感謝の言葉が、宣伝手法的に綴られたわけではないことは言うまでもありません。そして、それこそが重要なのです。というのも、インターネットに慣れ親しむ人たちは、計算されたモノに敏感で、強い拒否反応を示します。迂闊なことをすれば、たちまち反感を買ってしまいます。

次回はSNSで無用の争いを避けるための注意点についてです。

(2012年12月9日付「兵庫民報」掲載)


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