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2012年12月9日日曜日

福祉パス取り上げ・有料化やめてください!

弱者の社会参加と移動の保障を




「神戸市福祉パス制度の現状維持を」―と十一月三十日、神戸市役所横の花時計前でリレートークが行われ、市民約百人が集まり、一時間にわたり訴えました。神戸市の福祉パス(福祉乗車)制度は、一九六八年に身体・知的障害者、母子世帯、生活保護世帯、原爆被爆者の「社会参加の促進と移動支援」を目的に、負担無しで市バス・市電に乗車できる制度として発足。現在では、身体(四級以上)・知的・精神障害者、母子世帯、生活保護世帯、原爆被爆者、戦傷病者、中国残留邦人等世帯を対象として、市バス、市営地下鉄、新交通、市内の民間バスが利用でき、約九万枚が発行されています。

当事者の意見もきかず「見直し」


神戸市はことし六月、「福祉乗車制度のあり方検討会」を発足させ、九月六日には「検討会報告書」が提出されました。わずか三回の開催で、当事者の意見聴取もせず、まとめられた同報告書は「見直しの方向性」として、生活保護世帯は対象から除外、障害者は所得制限や一部負担、母子世帯は一部負担などを提言。市は九月二十五日の市議会で、生活保護世帯を対象から除外することを表明しました。


これに対し、福祉パス利用者は「福祉パス制度の現行維持を求める連絡会(略称=福祉パス連絡会)」を十月六日に結成し、神戸市長あて要請署名などの運動にとりくんでいます。今回のリレートークはその決起集会として開かれたものです。

パスがあったからこそ外出し成長できた


障害者の母親は「息子はしゃべれないが、自力で市バスに乗り、特別支援学校の高等部を卒業することができた。これも福祉パスがあったからこそ。いまも週二回、バスで外出することで、財布も自分で管理できるようになった。昔のような障害者を座敷牢に閉じ込める社会に戻してはいけません」と訴えました。

視覚と聴覚に障害を持つ男性は「作業所への通所や通院にバスを使っている。通訳者の交通費も障害者の負担。有料化されたら家にひきこもるしかない」、作業所に通う男性は「有料化されたら、賃金ではバス代が払えない。作業所に通えなくなってしまう」とそれぞれ実情を語りました。

IC化も視覚障害者には不便で危険


視覚障害者は「福祉パスをICカードにするとのことだが、片手に白杖を持ち、もう片方の手でカードをセンサーにタッチするのは危ない。バスによってセンサーの位置も違う。不便な上に有料化。社会参加の自由を奪うことは許せない」と断固反対を表明しました。

買い物に出かけたら一食抜きに


腎臓病患者は「週三回透析に通院しているので、行き帰りで年間三百回、福祉パスを利用している。すでに障害者医療の自己負担増、年金は減。福祉パスまで有料化されては、トータルで大変な負担になってしまう」と述べ、腎友会で三千人を超える署名を集めたことを紹介しました。

生活保護を受けている男性は「福祉パスを取り上げられたら、買い物にも行けない。出かけたら一食抜きになる」と訴え、生活と健康を守る会の役員は、「市は保護費や移送費で賄え、申請されたら交通費として適正かどうかをケースワーカーが判断するというが、ケースワーカーも不足している現状で実施できるのか」と批判しました。


福祉パス制度を現行のまま維持することを求める市長あて要請署名は十一月末で六千人分を越え、同連絡会では十二月末までに一万人分を集めようととりくみを強めています。

この集会には日本共産党神戸市議団も参加しました。

(2012年12月9日付「兵庫民報」掲載)

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