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2012年12月2日日曜日

観感楽学

今年は古事記編纂が終わった七一二(和銅五)年から千三百年目でした。国生み神話の舞台「おのころ島」淡路では記念イベントがいろいろありました▼なぜ淡路が最初の島なのかは謎ですが、故郷の神話ロマンを楽しむことはいいでしょう。しかし神話と歴史とは違うと言ったことで罪になった人がいます▼一九四〇 (昭和十五)年、早稲田大学教授の津田左右吉は著書『古事記及び日本書記の研究』などを発売禁止とされ、さらに「皇室の尊厳を冒瀆した」として起訴され有罪となります▼津田は文献批判によって神話と歴史を分けようとしました。それが天皇の祖先が神であることを否定するものだ、とんでもないというわけです▼とんでもないのは天皇を現人神とし、「神国」だから必ず勝つと国民に吹き込んできた権力者たちです。学問の自由・言論の自由を禁圧して無謀な戦争に国民を駆り立てました▼これを過去の話として済ましておけません。今回の選挙に、神話を歴史にするとか、天皇主権の憲法にするとか、国防軍や核武装まで言う輩が踊り出てきています▼国民をたぶらかす、このような輩を木っ端微塵に打ち破ることも必要な選挙になっています。(TS)


(2012年12月2日付「兵庫民報」掲載)

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