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2012年11月4日日曜日

レッド・パージ裁判:高裁が請求棄却

最高裁まで生きてたたかい続ける

判決後の集会で決意を述べる(左から)大橋、安原、川崎の各氏

国に対して「生きているうちにレッド・パージ被害の名誉回復と賠償を」と求める裁判で、大阪高裁は十月二十四日、その請求を全面的に棄却する判決を言い渡しました。

大橋豊さん(八二)、川崎義啓さん(九五)、安原清次郎さん(九一)の三人の原告は「生きて判決を迎えられた。裁判に勝利し、さらにレッド・パージ被害者救済法の制定を」と裁判に臨みましたが、判決は被害者の多年にわたる苦しみ、被害には一切言及せず、レッド・パージが「GHQによる超憲法的措置」によるものとする神戸地裁の一審判決を踏襲する不当なものとなりました。

三人の原告は、判決後の記者会見に弁護団とともに臨み「最高裁判決まで死ねない」と上告してたたかう決意を表明しました。

判決後、大阪高裁近くの中之島公会堂で開催された報告集会には六十人あまりの支援者が駆けつけ、弁護団が判決内容について「一審判決と同じ構図」「杜撰で不誠実な判決」「被害者の実態を無視している」と紹介し「日本国憲法や、世界人権宣言に照らして許されるのかどうかということが中心であるべき」と批判しました。

判決を傍聴していた北海道教育大学の明神勲教授は、判決が、GHQの「命令」ではなく「示唆」のもとで、当時の吉田内閣が主導的に民間重要産業、官公庁でレッド・パージを強行したことを裏付けるGHQ幹部らの発言を無視するなど「怒りを通り越してあきれてしまう判決」と発言しました。さらに「犠牲者にとっての正義、個人の尊厳と名誉が六十年間も放置されてきた」と指摘。兵庫レッド・パージ裁判のたたかいが「日本国憲法に命を吹き込むもの」であり「三人の原告は人権・思想の自由の象徴的存在」と述べ、高齢をおしてたたかい続ける三原告を讃えました。

原告の大橋さんは「司法の壁が厚いと感じた。しかしこれは大きな勝利への一歩だ」。川崎さんは「生きて闘い続けることが大切」と最高裁にむけての決意をそれぞれ語りました。

東京から駆けつけたレッド・パージ反対全国連絡センター事務局長代行の鈴木章治さんは、兵庫レッド・パージ裁判に連帯して、大阪、京都、埼玉など全国にたたかいが広がっていることを紹介。「日弁連の救済勧告が示したレッド・パージ被害解決の道筋を、多くの国民の中に広め、最高裁に今度こそ法の守り手の役割を果たさせるために頑張り抜く」と決意を述べました。

(2012年11月4日付「兵庫民報」掲載)

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