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2012年11月18日日曜日

憲法が輝く県政へ(23)

原発から再生可能エネルギーへ

電力兵庫の会・憲法県政の会幹事 松崎保実

必要なかった大飯原発再稼働


猛暑だった二〇一二年夏、政府と関電が言ったような電力不足は起きなかったのです。その実態を検証してみました。

関電が五月十九日に発表した夏の最大需要想定は二千九百八十七万kWで供給力は二千五百四十二万kW。その差四百四十五万kWも不足するとして大飯原発を再稼働させました。

ところが、今夏の最大使用電力量は、八月三日の二千六百八十二万kW。同日の供給力は二千九百九十九万kWで三百十七万kW余裕がありました。原発の供給力は二百三十六万kWで原発が無くても八十一万kWの余裕がありました。

電気料金値上げキャンペーン


原発推進者は、原発再稼働をさせるために電力不足を持ち出し、これが嘘とばれると、次は料金値上げを持ち出しました。今すぐ値上げが必要なのかと言えばノーです。

関電には長年貯め込んだ内部留保(埋蔵金一兆八千億円・二〇一二年三月末)があります。どこの企業や家庭でも、苦しい時は貯金の一部を取り崩します。関電も内部留保を取り崩して消費者に負担をかけない努力をするのが、まともな企業の責任です。

料金値上げキャンペーンの目的は、「原発を再稼働しなければ電気料金を値上げするぞー」と言う脅しです。

原発事故による避難措置を防災計画に加えること

県の防災計画には、若狭湾十四基による原発事故が盛り込まれていません。近畿の水がめである琵琶湖が汚染されると、取り返しのつかない被害になります。

いま緊急避難を三十km圏で議論されていますが、風力や風向きによって、兵庫県が直接被害を受ける可能性は十分あり、欧米並みの八十または百km圏による防災計画にすることが大切ではないでしょうか。

再生可能エネルギーの潜在力と雇用


環境省が調査した二〇一〇(平成二十二)年ポテンシャル(潜在的導入可能量)調査によると、兵庫県内の潜在的導入可能量は、太陽光発電で百四十九万kW、陸上風力発電二百六十七万kW、小水力発電は四万kW、地熱発電は二万kWで、合計四百二十二万kW以上もあり、原発の四基分に相当します。

再生可能エネルギーを普及すれば、雇用が拡大し地域経済が活性化します。その規模は、原発で働く労働者数の約十倍以上と言われています。

例えばバイオマス発電の燃料は木質ペレットです。これは木を砕いて圧縮し水分を抜いたもので、非常に火力が強く、空気量を加減すれば炭を燃やしているようなものになります。木質ペレットは燃焼によって二酸化炭素を発生しますが、化石燃料と異なり、炭素循環の枠内でその総量を増加させないので、統計上は排出しないものとして取り扱うことが出来ます。材質によって燃焼特性に差があり、樹皮や竹からもつくることができます。

このようなペレット工場が各地に建設されると林業が盛んになり、雇用が生まれ過疎化が防止できます。

関電の舞鶴発電所九十万kWでは石炭に混ぜて木質ペレットを年間六万トン使用しています。しかし、これをカナダから輸入して使用しています。なぜ国産材を活用しないのか? 国内経済が活性化せず、エネルギー自給率が四%から向上しない原因は、ここにも有るように思います。

今こそ再生可能エネルギーの普及に力を注ぐことが大切です。実現するために克服すべき課題もありますが、自然エネルギーの宝庫、兵庫県は未来に希望がいっぱいあります。

(2012年11月18日付「兵庫民報」掲載)

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